2011年12月31日土曜日

白鷺〜White egret〜

冬休みに入ってから、犬たちの散歩が日課となっている。河川で、鷺の写真が取れた。飛んでいる写真は、これでフレームの真ん中ならば〜!という一枚。ズームいっぱいにしても、意外とキレイ。iphoneも性能良くなったもんだ。

30日は、CSで、楽しみにしていた、「映画名探偵コナン ベイカー街の亡霊」を観た。ゲームの中で、1888年のロンドンを舞台に、ジャックザリッパーとコナンが対決するというものだが、ホームズの家でコナンがホームズのポーズを取ったり、ハドソンさんにベイカー・ストリート・イレギュラーズと間違えられたり、モリアーティは出るわモラン大佐は出るわ、おちゃらけなれどアイリーン・アドラーは出るわ、名前だけレストレイドも出たしで大いに楽しめた。ちなみにホームズは「バスカヴィル家の犬」の解決のためダートムアに居る、という設定だったようだ。ホームズの全盛期に、なぜ切り裂きジャック事件の捜査に乗り出していないのか、というのはシャーロッキアンたちにとって魅力的な、なおかつ永遠の謎となっている。

劇中で、ホームズが初めてモリアーティ教授と対峙した時の会話がキーとして出てくる。追い詰められたモリアーティが、手を引かないと「避けることの出来ない破滅」がその身を襲う、つまり殺すぞ、と脅した後のホームズのセリフだ。「君を確実に破滅させることが出来るのなら、公共の利益のために、ぼくは喜んで死を迎え入れる」

このモリアーティとの対決の話である「最後の事件」は、それまでの作品で全く触れられていなかった黒幕、「犯罪界のナポレオン」モリアーティが突然出て来る事や、逃亡劇の粗雑さなどから批判の声も有るのだが、ドラマとして私はとても好きであるし影響も受けた。私的には、コナンで取り上げられたところより少し前の部分が好きだった。

モリアーティ「あくまでやるのか」
ホームズ「当たり前だ」

とやりあう場面。私が新たに購入した光文社新訳では、ホームズのオフコースの部分が「もちろん」となっている。こちらの方が確かにホームズらしくも思えるが、少年の頃、また社会人になったばかりのころ再読したものでは「当たり前だ」となっていて、宿敵を前にしたホームズの、珍しい闘志にドキドキしたものだった。まあこんな事まで思い至ることの出来る時間は楽しいものだ。

買い出しに行って、息子と神経衰弱やガンバライドなどして遊び、また出掛けてTV誌買って来て風呂に入ってギョーザの晩ご飯食べてニュー本棚に本を片付けて今に至る。本はまだ押入れに段ボールひと箱ある。細い本棚はもうぎゅうぎゅうだ。処分するものはしてしまおう。

白鷺は、吉兆か。河川にはよく居るが、こんなに近い写真を撮れたのは初めて。2012年がいい年になりますように。

2011年12月26日月曜日

Winter cup

きょう午前は、妻子は耳鼻科。子供の咳鼻水に、ママも体調悪く自分も診てもらったようだ。パパはその間、高校バスケットの選抜優勝大会、ウィンターカップを観ていた。昔対戦した福岡大大濠や、女子の札幌山の手、桜花学園などが観れて興味深かった。平日休みで、のんびりである。しかし不思議な気分でもある。

単身赴任が続いていたら、このクリスマス3連休こちらで、きょうの早朝には東京に戻って年末の挨拶まわりをして、仕事納めでまた関西で、となっていただろう。のんびり出来るのは、なんと素晴らしいこと。でも経験して初めてわかる有り難み、かも知れない。

クリスマスのお食事は、自宅でチーズフォンデュ。楽しく美味しくいただいた。パパは食べ過ぎて、深夜まで腹痛に苦しんでいた。(笑)

今年1番の寒波、瀬戸内側では雪が降ることはあっても積もることは滅多に無いが、なにせ寒い。息子はコホンコホン言ってるので、遊びの外出は禁止としている。可哀想だが、昨年の年末がえらい風邪で大変だったし已むを得ない。どんなんだったかは昨年のブログ参照、である。ソロバン塾、歩いて10分くらいの道のりを完全防備で送り迎え。帰りは雪がわっと短時間に降って、息子大喜びだった。

隣の神社はもうお正月モードで、「謹賀新年」という大きな垂れ幕が掲げられている。毎晩その前で煙草を吸うパパ。こないだは、ちょっとここ最近では見なかったくらい大きなイノシシが居た。夜空では、春の星座がはや南東の空に顔を出していて、流星がひとつ、すっと消えて行った。

本当に、様々なことがあり忘れ難い2011年も暮れて行く。独り、浮かんでは消えるシーンをなぞっていた。

2011年12月22日木曜日

My books

いま横浜だ。出張多くなるだろな、と思ってはいたが、やっぱり多い。ここクリスマス前の横浜は忘年会かなと思える人もいるものの、正直ふつうのウイークデーといった感じで人もあまり多くない。
さて、今年1年の読書を振り返るという企画である。年頭は東京で、角田光代「ひそやかな花園」から始まった。ここはひとつ、全て書いてみよう。

角田光代「対岸の彼女」、恩田陸「球形の季節」、角田光代「恋するように旅をして」、遠藤保仁「信じる力」、松崎康弘「審判目線で見たフットボール」、重松清「季節風 冬」「季節風 春」、ロバート・B・パーカー「初秋」、折原一「漂流者」、恩田陸「不安な童話」「三月は深き紅の淵を」「光の帝国 遠野物語」「象と耳鳴り」、門井慶喜「天才までの距離」「天才たちの値段」、恩田陸「木曜組曲」、誉田哲也「ジウ」、楢崎正剛「失点」、H・F・ハード「蜜の味」、恩田陸「月の裏側」「麦の海に沈む果実」「上と外」「pazzle」「ライオンハート」「MAZE」、吉田修一「パレード」、荻原浩「四度目の氷河期」、歌野晶午「長い家の殺人」、恩田陸「ドミノ」「図書室の海」、マイケル・シェイボン「ユダヤ警官同盟」、千住真理子「聞いてヴァイオリンの詩」、宮部みゆき「火車」、横山秀夫「ルパンの消息」、中村計「甲子園が割れた日 松井秀喜5打席連続敬遠の真実」、須川邦彦「無人島に生きる十六人」、湊かなえ「告白」、橋本紡「流れ星が消えないうちに」、「大橋巨泉の美術鑑賞ノート」、フィリップ・
K・ディック「高い城の男」、浅田次郎「日輪の遺産」、重松清「季節風 夏」、夏川草助「神様のカルテ」小池真理子「午後の音楽」、井上荒野「切羽へ」、真保裕一「最愛」、恩田陸「中庭の出来事」、辻仁成「海峡の光」、中山七里「さよならドビュッシー」、恩田陸「黒と茶の幻想」、重松清「季節風 秋」、角田光代「空中庭園」、「最後の恋」、窪美澄「ふがいない僕は空を見た」、吉野弘「二人が睦まじくいるためには」、池井戸潤「下町ロケット」、湊かなえ「境遇」、安達千夏「モルヒネ」、吉田修一「あの空の下で」、北村薫「鷺と雪」杉山茂樹「3-4-3」、角田光代「ドラママチ」、高野和明「13階段」、北村薫「リセット」と65作品。やはり1年積み重なると違う。

いま沢木耕太郎「チェーン・スモーキング」にかかろうとしていて、冬休みも読むだろうから、もう3冊いけたら、てなところかな。ちょっと気が早いが、大賞と5位までを発表すると・・

大賞 「リセット」北村薫
1位 「対岸の彼女」角田光代
2位 「モルヒネ」安達千夏
3位 「13階段」高野和明
4位 「パレード」吉田修一
5位 「四度目の氷河期」荻原浩
次点 「ドミノ」恩田陸
「神様のカルテ」夏川草助

ああ、私としたことが、最高賞にファンタジーを選んでしまった。しかも最近読み終わったのが多く、なんて分かりやすい(笑)。
「リセット」はかなり感じ入った作品となった。「鷺と雪」が序章となって、大きな感動を導いてくれたような気がする。時代考証と構成が非常に緻密で、背景に流れるものが見え、ストーリーも恣意的なものが無く自然に流れ、オチも秀逸。これが作家の力というものなのか、という感じだ。表現やエピソード単体から、全体で一つの本を編み込んでいる、というのがこんなに感じられた事はなかった。感情的にも「かなわんなぁ・・」と思わされた。

「対岸の彼女」は描かれているエピソード以上に、心に残ったものがあった。完成度と計算性の高い作品。「モルヒネ」は深く、作り込まれた作品。救いが無い部分もあるが、揺さぶられる部分もまたあった。「13階段」これも重いテーマ。気骨のあるサスペンスだと思う。「パレード」は、怖かった。読書しながらあんなにゾッとさせられたことも無いだろう。「四度目の氷河期」は好き、で入賞。「ドミノ」は個人的には恩田陸の転換期的なお笑い作品。「神様のカルテ」は変わっているが今年1番泣いた本。というわけです。

ああ長かった。でもとても充実した年間読書だった。来年も、読むぞ〜!

2011年12月19日月曜日

Love princess

松山に行って来た。タイトルは愛媛、を無理矢理英語にしたものである(笑)。

当地では仕事の他、東京時代の友人と貴重な時間を過ごす事が出来た。最近その手の会話をしていなかったこともあって、思い出話に華が咲いた。癒された。

松山は、学生時代に車で四国一周旅行をしてから、25年ぶり2回目。空港からバスで市街へ出て、当時記憶に残ったオレンジのアーケード街が「大街道」という地名だと知る。

今回も短い滞在だったが、松山には、独特の空気があって、どこかワクワクさせられた。やはり「坂の上の雲」のイメージだろうか。日本列島は今年一番の冷え込みとなったが、何となく暖かく、余裕かあって大らかな雰囲気が街を包んでいて、私を和ませた。

行き帰りの飛行機と待ち時間と空港バスで、高野和明「13階段」を一気に読んでしまった。いや、重いテーマだったが江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く、というキャッチコピーは嘘ではなく、こりゃ面白いわーというサスペンス。緻密に練り上げられたプロットと構成、平易な文体。盛り上がるゾクゾク感もいい。最近の読書はホンマに充実ですな。

そんなこんなで、少々疲れたけれど濃密な松山行だった。

2011年12月14日水曜日

Masked Rider

火水と連休で、今日の休みは午前片付け、昼は2頭の犬の散歩に行った。陽が出ると河原はぽかぽかと暖かい。家で昼ご飯食べて、息子帰った後、仮面ライダーフォーゼとオーズの映画を観に行った。長年?子ども映画を観ていると、なんしかトレンドが分かる。

いまは、戦闘シーンに迫力とスピード感を出す為に、CGを多用するのが旬だ。これは、おそらくウルトラマンシリーズで使われたのが初めてだと思う。2007年の「大決戦!超ウルトラ8兄弟」で私は初めて観た。今回の仮面ライダーにも結構ふんだんに使われていて、迫力があり面白かった。まあ宇宙がモチーフでもあることだし。個人的には仮面ライダーダブルが活躍したのが嬉しかった。

大満足、のはずが、映画の後、テレビのウルトラマン列伝の録画予約をして来なかったのが発覚、しかも最新の映画からのシリーズ最終回だったものだから息子はかなりな不機嫌となり、なんと自ら行方不明に。生まれてから初めて、所在が分からなくなった。たまたま息子を覚えていてくれた通りがかりの親切な方が連れ戻ってくれたのだが、少々焦った。

泣きながら戻った息子、さらにごねるので、ママに外で厳しい指導を受け、大泣き。パパも最初は本気で叱ったが、最後は抱っこでなだめざるを得ず。たまたま当てずっぽで、すぐBSジャパンで放送するよと言ったら、これがホントで、日曜に同じ回があるという事が分かり、感情的にも事無きを得た。

やれやれ。反省も、考える部分もあり、参った休日でした。

2011年12月13日火曜日

Season ticket

昔、「シーズンチケット」というイギリス映画を観に行った。プレミアリーグのシーズンチケットを買うために、貧しい少年たちが作戦を立て・・という物語だったのだが、途中にとても感動した。

昔父親に、サッカー観戦に連れて行ってもらった話をいつもする主人公。しかしそれは自分の体験談ではなく、きょうも主人公は、友人にその話をして聞かせてくれとねだる。少年の切ない憧れが、心にきて、泣けた。脚本家の才能を感じた作品だった。

11月は、吉野弘「二人が睦まじくいるためには」、池井戸潤「下町ロケット」、湊かなえ「境遇」、安達千夏「モルヒネ」、吉田修一「あの空の下で」の5冊となった。今年初の詩集となった「二人が・・」には、新鮮な響きを感じた。難解な現代詩が多い中、分かりやすく、広く愛されている詩集、との事だった。頂いた方に深く感謝し、その感覚に心から敬意を表します。

「下町ロケット」、直木賞受賞作。ロケットの話だし、愛せる、力のある作品だと思う。しかし、都合が良すぎる点も多々あり、どうも素直に受け取れなかった。小惑星探査機「はやぶさ」の成功という時流にも乗ったと思う。ただ、おそらく、そのような批評は織り込み済みで描いたのだろう。昨今の余裕のない世の中に向けて放った矢とも言えるだろうか。「境遇」は、主人公の二人が宿命的に向き合う、という、少々先が読める物語である。ただ、仕掛け的には面白い。どうして、と思う場面もあるにはある。

「モルヒネ」は先に書いたが、圧倒的な表現の量にやられた、という感じだ。恋愛とは、いや恋愛感情とは、結局、シンプルなもの、だが、だから余計に心に来る。最近、子供を相手にしていて、子供は親に愛情を求めるのに躊躇が無い。スキンシップひとつにしてもそうだ。でも、そうして欲しくても、素直に言えないのが、大人になってからの恋愛感情ではないかと思う時がある。いやまあしかし、最近はあまりリアルでもないので、この程度にしよう。ともかく、11月のMVPである。

「あの空の下で」は、重松清をもう少し若くしたような感じだ。本当に短いので読みやすい。全日空の機内誌に掲載されたものだという。ライトを求める方にはいいだろう。

日曜日は、また、神戸の科学館へ行った。もはや息子は科学館慣れして、大好きなよう。土曜の月蝕は、独特の欠け始めの形や、静かに進行して行くところ、完全に隠れる前の形と色の綺麗さ、また皆既中の赤銅色、明けの光など、本当に美しく楽しめた。今度ビデオ見ようっと。次は来年の金環食だな。

2011年12月10日土曜日

Lunar eclipse

いま皆既月蝕を見ている。日本の各地で、途中で沈むこともなくいいコンディションで見られるのは11年ぶり。寒いのはいいのだが、ここ東神戸はかなりの強風である。

自宅ベランダで完全防寒、コーヒーにビデオカメラに双眼鏡、残念ながらiphoneではこれくらいの写真しか撮れなかった。ビデオは最初はだいぶとんでいた=ぼかしたようになっていたが、花火モードにして、絞りこむ設定に、マニュアルでしたらよく映るようになった。

欠け方が、上弦のとき、いわゆる普通の三日月とは違い、端のほうが真っ直ぐに近く残る感じで、幻想的だ。オリオン座の斜め上で、まさにさんざめく星たちと一緒。空気は澄んでいる。静かだ。なんて美しく贅沢な時間なのだろう。

2011年12月5日月曜日

Get tough!

暖かかった今年の秋、ついこの間まで、自宅近くをイノシシがうろついていたが、寒くなってパッタリと見なくなった。

なかなか新しい職場は多忙で、11月は結局5冊の読書に留まり、12月ももう5日だというのに1冊も読了していない。ちなみに北村薫の直木賞受賞作「鷺と雪」に、杉山茂樹のサッカー本「3-4-3」を並行して読んでいる。「4-2-3-1」は名著だと思ったが「3-4-3」はいまのところ、そこまで達してない感じだ。ちなみにこの数字はサッカーのフォーメーションのことで、最初の数字はディフェンダーの数を指す。最後の数字はいわゆるフォワードの事で間の1つもしくは2つの数字がミッドフィールダー、中盤の選手の数の事である。

この土曜日もパタパタ外出し、iphoneを4Sに替え、ipad2も入手。しかしそれをゆっくりいじる間もなく、パパは日曜早朝から仕事。昼終わりで梅田で待ち合わせ、妻子とポケモンセンター大阪に行ったが、これがとんでもない人の数で、レジまで1時間。一瞬東京に戻ったかと思った。結構重めのバッグを持って、ダウン着て並んでいたパパは暑いわ重いわ眠いわで少々やばかった。さらにその後、息子と、大阪の科学館へお出掛け。神戸に比べやや狭い印象だが、作りがモダンで、子供が遊ぶ実験的な仕掛けも多く、息子はミニ竜巻を起こしてみたり、実物大の交通信号の色を変えてみたり、磁石で遊んだり、惑星の重力の違いによる自分の体重の違いを計ってみたりして大いに楽しんだのでした。もちろんパパも一緒に遊んで楽しかったけれど、最後のほうはさすがにヘロヘロ。夜は早々から爆睡したのでした。

男はタフでなければ生きていけない。ちょっと骨身にしみたかな。

2011年11月30日水曜日

晩秋の刺戟

ケーブルカーに、ロープウエーを乗り継いで、摩耶山に登った。もう関西に20年住んでいるが、登ったのは初めて。遅めの紅葉と神戸市街が綺麗だった。

安達千夏「モルヒネ」を読んだ。長編恋愛小説、と銘打たれているが、それだけではない。実に濃密で、共感は出来兼ねるけれど、感じ入った。繰り返し、手を変え品を変え供される、表現の山。計算というよりは、流れを重視して、練り上げた感じだ。11月の書評はまた別項で挙げるが、月間MVPである。恋愛小説で、初めて素晴らしいと思わされた。

イタリア映画「やがて来たる者へ」を観た。パルチザンに悩まされるナチス軍が、遂にゲリラが出没する村の人々を虐殺する、という実話に基づいた話で、1人の美しい少女を中心に描く。久しぶりの、本格的な、単館系映画、映像が綺麗で、短いシーンで、さまざまな人間模様も取り込んでいて、見応えはあった、が、ラストは余りに悲惨で救いが無く、暗い気分にさせられた。

忙しかった後の、束の間の、文化的刺戟。ようやく落ち着き始めたかな。

2011年11月25日金曜日

プチっと再訪

仕事の都合で東京に3泊した。まあこの写真を見れば、どの辺りに用があったのかは分かるでしょう。

実家に帰った時もそうだが、東京を分かっているとやはり便利で安心できる。今回は多忙につき、友人も懐かしい場所も訪う余裕が無かったが、まあまだ時間も経ってなくてなんか気恥ずかしいし、次回その次くらいは何か考えるかな。

「下町ロケット」「境遇」読み終わり、いま「モルヒネ」恋愛は、理不尽なもんである。以上。今月の余力では、あと1冊くらいかなあ。

2011年11月15日火曜日

10月書評&近況

引っ越しのバタバタでしていなかった10月の書評を少し。さすがに4冊しか読んでいない。重松清「季節風 秋」、婦人公論文芸賞受賞作、角田光代「空中庭園」各作家の短編集である「最後の恋」、また去年の本屋大賞の2位、窪美澄の「ふがいない僕は空を見た」である。

「季節風」は、もはや同じ感想。これで四季を読み切った。最初の、文房具屋のばあさんものが、出来過ぎの話とはいえ秀逸。大したものだ。「最後の恋」は、なんと男性のお薦めで、どんなもんだろう、という感じで読み込んでみた。「最後の恋」の捉え方でまた違ってくるかと予想していたところが、まあ、概ね同じ思想だった。柴田よしきは「うまい」と唸った部分があり、阿川佐和子のファンタジーは思い出しやすい。ラストを飾る角田光代は切ない。個人的には、恋愛は短編に向かないなと感じるが、まあ読む方のトライアルとしては面白かった。

時間の関係で、家ではハードカバーの「ふがいない」を読み、通勤路では「空中庭園」と同時進行した。どちらも、最近流行りの、登場人物1人称の章立てで、正直ストーリーも被っているイメージがあった。ネガティブな点を書くと、もはや読み物はセックスの描写が出て来ないとリアリティがないんだろか、とも思ったりした。どうも設定もストーリーも極端だし。ただ、「ふがいない」は最後に泣いてしまった。矛盾もにもあまりきれいでないストーリーにもやや辟易したのだが、何なのだろう。最後が真っ直ぐであったからかも知れない。計算ならば、絶妙だ。それとも瑞々しさか。「空中庭園」は相変わらず角田光代に出て来る男はふがいない、と苦笑してしまった。テーマの絞り方は面白く思ったが、理解出来ないような部分もあった。しかしながらやはり残るものはあったからさすがである。

関西に帰ってはや1週間が過ぎた。転勤発表、送別、引越し、各種手続きに新職場と、正直疲れ気味で、今日は1日ゆっくり休んでいた。冷えて来たし、風邪ひかないようにしなければ。

送別の品、皆本を沢山くれた。当分読むものには困らないが、今はあまり時間も出ない。11月は詩集「二人が睦まじくいるためには」吉野弘を読んで、いま安達千夏「モルヒネ」で、次か同時進行は、池井戸潤「下町ロケット」だ。その次の「境遇」まで読み切ってしまいたいのだが・・難しそうだな。写真は友人が送って来た、屋久杉。いいなあ〜。「黒と茶の幻想」ですな。拝んで寝よう。

2011年11月6日日曜日

いま関西へ向かう新幹線の中だ。ここ数日は、昼夜を徹して引越し準備。単身赴任だからと言うなかれ、その前に5年も妻子犬と住んでいたので、荷物は予想外に沢山あって、本当に骨が折れた。孤独な辛い作業だった。昨夜?寝たのは4時半である。んで、7時半に起きて最後の準備をしていた。引越し屋さんも、2tトラック1台で済むと思っていたのが、急遽もう1台呼んでいた。

がらんとした部屋で、仲の良かったお隣家族と思い出話。ヘロヘロな私の様子に同情して、コーヒーと、晩ご飯のカレーを差し入れてくれた。きょうのお昼はななめ向かいの奥さんがハンバーガーセットを買ってきてくれた。皆さんに感謝である。

立ち会いは、結構きっちりと長めだった。終った後、ハンバーガーを速攻で食べ、お隣に最後の挨拶、ゴミを急いで片付けて、家主さんと、斜め向かいのご家族に挨拶して、駅へと向かった。東京への哀愁は、もうここまでだいぶ感じたので、今はそう無い。でも、こんなにいいんだろうか、と思うほど送別してくれた皆さんに感謝である。送別の品も沢山貰った。

引っ越して来た時は息子がまだ1歳ちょっとで、東京3日目、段ボール箱で足の踏み場の少ない部屋で、初めて歩いた。以来、小さい時、幼稚園の時代と、家族で楽しいときが過ごせたと思う。環境にはとても恵まれた。

それまでもよく出張はしていたが、やはり来ると住むとでは全く違う。皆そうだとは思うが、東京の良さも身を持って分かったし、改めて地震の怖さも思い知った。二子玉川、六本木ヒルズ、恵比寿ガーデンプレイス、東京ディズニーランド、浅草の人力車に紙芝居、六本木から歩いて行った東京タワー、銀座博品館やブルガリタワー、皇居に国会議事堂、品川プリンス、ラゾーナ川崎、山中湖や伊豆への家族旅行も皆思い出深い。仕事ではやはり銀座に六本木、それぞれに、胸に残る写真の様な景色が今もある。

写真は、息子が好きだった六本木ヒルズからの東京タワー。ホントに皆さんに感謝。次回からは関西での日記。さよなら、東京。進む道は決まった。後は、まっすぐ向かうだけだ。

2011年11月2日水曜日

天空への想い

引越しはつらい。生来のだらくさであり、これまで妻に任せていたのでなおさら。「何かあったら言って下さい」という近在の方の言葉に「ツラくなったら電話しますのでお茶でも呼んでください〜」と言うのが ネタになってしまった。

先日、東京スカイツリーに行って来た。かつて東京タワーには家族で行ったし、六本木ヒルズからよく観ていたが、スカイツリーは初めてだ。

東京スカイツリーは、浅草からぶらぶら歩いてすぐ。まさに下町風情。タワーの方は末広がりでデザイン的、フォルム的にカリスマ性が在って、さらに言えば高台で場所もいい。しかしスカイツリーはまた格別で、印象を一言で表すと「どデカい」だ。天空に真っ直ぐ伸びた巨塔は、雲と空を近くに思わせる。ランドマークタワーは生活圏の人々の日常と化す。誰もが、雨の日も晴れの日も、毎日何かと見ては、自分の存在している土地を思う。

小学生の頃、地元に巨大な電波塔があり、田んぼの真ん中の、電波塔の真下から上方を臨むと、一番先の、人が入れるようになっている部分が、空に浮いているようだった。あの頃も毎日見ていた。そのイメージを思い出す。

駅のすぐ横で、周りは雑多な街。やがて整備されていくのだろう。

春に転勤になったら、東京も最後だから、家族でスカイツリーを観に行こう、と話していた。新しい東京の象徴を見て帰ろうと思っていたが、東日本大震災が起きて、観に行かないまま、私は単身赴任になった。今度は本当に最後。少しすっきりした。

2011年10月22日土曜日

お引越し

大阪へ転勤となった。単身赴任も半年余りで解消。来月からだが、ようやく引越し準備を始めたところだ。これまで妻がやっていたので苦戦中である。

東京の思い出は数々あるが、それをまとめ語るのはまだ後日にする。実感湧かないし。駒沢の塔は、東京で一つの心象風景。

きょうはふらっと見に行ってみよう。

2011年10月16日日曜日

夢の中

先週、いきなりお誘いが入り、久々に、築地で寿司を食べてきた。美味かった。やはり、築地は、ハズレなし、である。ただ、いきなりお誘いは増える傾向にある。やっぱ、単身赴任でヒマだろう、と思われているのは間違い無い。まあいいけど。

さて、いま、夢中である。実は、小説を書いてみている。書き始めるとこれがまた悩み事が多く、何人称にするか、てにをは、という基本的なことから、キャラクター設定、話の進め方、全体の印象と噛み合わせ、何より最も大事な、何を伝えたいのか、を詰めて考え出すと、時間がいくらあっても足りないし、ひたすら集中する。作家の皆さん、あなた方は偉大です。辛辣な批評をしてごめんなさい。

というわけで、また続きを書きたいので、このへんで。

2011年10月9日日曜日

9月の書評

先週帰りの新幹線で「黒と茶の幻想」上下巻を読み終わり、9月はしめて8作品9冊となった。

小池真理子「午後の音楽」、井上荒野「切羽へ」、真保裕一「最愛」、恩田陸「中庭の出来事」、辻仁成「海峡の光」、重松清「季節風 夏」、中山七里「さよならドビュッシー」、そして恩田陸「黒と茶の幻想」だ。月間賞は、と問われると、「黒と茶の幻想」と答える。

「午後の音楽」は、メロメロのメロドラマで、悪いが批評対象外だ。「切羽へ」は、本当に昔の日本映画のよう。誰かこれで作ってベネチアに応募して欲しいくらい。これが芸術性文学性とするのも何か抵抗を感じる直木賞。確かに、全体に、何もない岩の荒野を激しい風が吹きすさんでいるような感覚ではあった。

「最愛」は、うーむ、過去が明らかになっていく部分は「火車」にも似ているが、キャラクター設定など消化不良。

「中庭の出来事」・・「なんだわ」言葉に代表される、恩田特有の女性の世界に不思議を混ぜて、3層構造にした山本周五郎賞。読んでると、たぶん分からない部分がそのまま終わるんだろうな、と思う。得意のトライアル作品である。もうひとつ。

「海峡の光」これもひと昔前の小説のよう。主役は小林薫が似合いそう。芥川賞だが、こぢんまりしていすぎるのと、どうも感覚というよりは計算が見えて底が深くはない感じ。「季節風 夏」は出来がいいと思う。相変わらず、そ〜んな都合のいい話あるかいなと思いつつ、浸ってしまう。

「さよならドビュッシー」は、前も書いたが、ミステリーの鉄則その1。ある意味究極的だが、腑に落ちない部分も多い。このミス大賞。ラストはサガンと同じだな。嫌いではないが。ただドビュッシーの月の光やアラベスクは聴きたくなった。

「黒と茶の幻想」屋久島を旅する話である。「三月は深き紅の淵を」「麦の海に沈む果実」と連関がある。でも、ある意味恩田陸らしくなく、普通の現実。最初はきっと異空間に迷い込んだり、大自然の中で深夜に独りになったりするのかなと思うが全く違う。ドラマが無い訳ではないが、事件は何もない。学生時代の仲間、男女4人組が家族を置いて屋久島を旅し、過去や現在、謎と向き合う。4章は、4人それぞれの1人称で語られる。トライアル作品と言えなくもないが、シンプルだ。年代的にも自分にマッチして、何もなさが却って心地良く、屋久島の旅に憧れ、いい仲間の、美男美女の関係性にも単純に憧れる、美しい世界、でもある。女性はやはり、なんだわ言葉。この筆致に、結局のところ私は帰る場所に戻ってきたような感慨を抱く。「ドミノ」あたりからなにか恩田の作品が変わってきたような印象を受けていたが、こういう形で、学園もの以外でひとつ結実したのかも、と思った。

そんな感じの9月だった。はい。

2011年10月6日木曜日

Zooooo!

運動会翌日の日曜日、約束していた動物園に息子を連れてった。おなじみママ休みの、2人遠足。日曜日とはいえ人はそんなに多くない。

めいっぱい精力的に、ゾウ見てライオン見てトラとヒョウとジャガー見て、インコとシロクマ見てパンダ見て、キリンとシマウマ見て、アニメ「ペンギンズ」ではキングと名乗るワオキツネザル見て、ゴリラ見て、カンガルー見てダチョウにレッサーパンダ見て、ペンギン見てサイとカバ見てから遊園地でジェットコースターと観覧車乗って、コアラ見て、子供動物園で羊やラマと戯れた。

帰りにママのお土産何がいい?と息子に訊いたら「カピちゃん好きだって、幼稚園の頃言ってたからカピバラ」と言ったのでぬいぐるみを買って帰った。妻曰く「自分が好きだから買ったのよ」

息子園内で走る走る。運動会でもリレーの第一走者で、ぼく早かったー?と気にしていたので、ヒザを上げて走る方法を教えたらさらに走っていた。実際には、運動神経がそこまで悪いとは思わないが、身体の大きい子には馬力で勝てない。本人は横で走った同じクラスの子に負けたのを気にしていたので、他は皆と同じくらいだったよ、という事実を答えておいたのだが、まあ1年生。何にせよこれから。親としては、いつか自信を持てるくらいになって欲しいのだが。

帰って息子、ママに「何見たー?」と訊かれた時、「動物園で普通に見られるものはもう全部見た!楽しかった!」と言っていた。パパは、園内完全禁煙がややキツかったが、まあ童心に帰って楽しんだのでした。次のレジャーを探しとこうっと。

2011年10月4日火曜日

運動会の記憶

先週末は小学校の運動会だった。朝9時半からで、9時前に行ったが、幼稚園と違って、広いグラウンドに場所取りの人は少なかった。早い人は前日の夜から並び、いざこざも起きて殺気立っていた東京の幼稚園よりずっと平和である。さすがは山中の小学校?空は秋らしく高く、涼しい。

生徒はグラウンド横の、観客席のように階段上になっている部分に座る。いいな、あれ。地面よりずっと楽だ。なにせ6学年なので、参加競技も、午前のダンス、リレーと午後の玉入れだけ。リレーは、赤白3組づつが小さな輪っかを持ってコーンを往復する対抗戦で3年まで同じ。4年からトラックを使ったリレーになる。高学年の、トラックのリレーを見ていて、抜くのは周りが盛り上がるけど、抜かれるほうは辛いんだよな・・と思った瞬間、しばらくぶりの記憶が蘇った。

6年生の運動会、私は紅白対抗リレーの、赤のアンカーだった。4年、5年、6年男女から、それぞれ代表選手1人づつが出て走る、メインイベントである。私は、足は遅くは無かったが、例えば学年全体で上から5人俊足のランキングがあったとしたら5番目くらいで、しかも1番から4番が全て白組に行ってしまった、という状況だった。ワンレースこっきり、同時に走るのはたった2人、アンカー。いやでも緊張感が増す。し・か・も、私の対手は、後に陸上100mで高校の県大会決勝に出場するやつ。学年でもズバ抜けて速い彼なのだった。ちなみにインターハイに出たかどうかは知らない。

さらにおまけに私の前までは赤リードで回って来る。私はリードを守り切るべく全力で走るが、最後の直線で抜かれてしまう。2回リハーサルで同じことをやられた私は、自分の役回りに耐えかねて、優しかった、3-4年のときの担任女性教師に訴えた。ちなみに彼女は、速い彼のクラス担任でもあった。そしたらその先生「仕方無いじゃない。あんたより◯◯くんのほうがずっと足が長いんだもの」と、嬉しそうに言い放った。そう、先生方にとっては、大歓迎のシチュエーションなのだ。父兄の前のメインイベントで、最後の大逆転劇。傷付くほどまだ私のデリカシーは発達していなかったが、なんか軽く扱われたことにつまらなさを覚えた。

こうなれば、本番での彼の不調かアクシデントを祈るしか無かった。競技のBGMはウィリアム・テル序曲。やつも緊張するかも知れない。ふふふ。・・しかしここでコケるようではインターハイに迫ることは出来ない?のか、結局のところ何も起こらず当然のリフレイン、私はウィリアム・テルのクライマックス、盛り上がる派手な演奏をバックに、ゴールテープの5メートル手前で見事にブチ抜かれ、自分の役割を全うしたのだった。クラスのガキ大将には嫌味を言われるしで散々だった。ああ、思い出すだに苦いなあ。俊足、というよりは才能があった彼とは、家が近く高校も隣で、帰りがけに会ったときは話していたが、たしか2年のとき、11秒00で県で2位とか3位とか言っていた。不運とは、恐ろしいものだ(笑)。


お弁当は三段重ねお重をいただく。やっぱ運動会のお弁当は美味し。なんかまだ、「小学校の」運動会、という実感がない。朝子供と一緒に行っていると、すれ違うクラスメートが、おう!◯◯!と名字呼び捨てで勢い良く声をかけてくる、それを聞いててもなんか不思議で、ちょっと嬉しい。幼稚園は全部名前で呼んでたから、これから息子は自分と同じように呼ばれるんだなと思う。多分息子も自分に息子が出来るまで気が付かないだろうが、世代の移り変わりとはこんなものなんだろう。

無事全ての競技が終わり、涼風の中帰って、お弁当の残りで晩御飯食べて、息子ぐっすり寝たのでした。

2011年9月26日月曜日

ソリティア

世は3連休。金曜23日は、遅くまで寝ていたが、どうも頭が痛く、新巻が発売された「宇宙兄弟」「ピアノの森」を読んで夕方も寝てしまった。晩はカレーを食べに行って風呂に入ったらややましになったが、体調が悪く、「ジウ」の最終回観て、寝る。この日は関西の、隣の神社がお祭りで、急遽送った息子の祭り服が間に合い、もち撒きや山車を見て楽しんだようだった。

翌日は横浜みなとみらいに初めて行った。待ち合わせに楽勝の時間に行ったのだが、なんと靴のゴム紐がブチッと、再起不能な感じで切れてしまい、応急処置をしていたらギリギリになった。友人と3人でご飯食べて、新しい靴を買ってレンガ倉庫まで歩く。ふーん、東京に比べて、やっぱりスペースが広いなあ。同じ港町の神戸より格段に広い感じである。息子と初めて観に行った映画「超ウルトラ8兄弟」の舞台がここだったので、思い出した。あそこにゲスラが現れたな、とか、スーパーヒッポリト星人にブロンズ像にされたメビウスがあの辺の海に立ってたな、とか。

夕方に別れ、ビールでまた頭痛がしていたので、帰って寝る。起きたら、体調の悪さは感じるものの、頭の痛みはなくなり、弁当食べて風呂入って、遠藤保仁「信頼する力」を遅くまで読んでいた。靴は、新しいのが要るな、とちょうど思っていたところだったので、寧ろ決断出来て良かった、という方向で捉えることにした。

翌25日日曜日、いつものように仮面ライダーの時間に合わせて起きた。それから、朝ご飯を食べて、日がな1日、クラシックを聴きながら本を読んでいた。

マーラーの9番から5番、アルゲリッチでラフマニノフのピアノ協奏曲3番にチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。読む本は「さよならドビュッシー」このミス大賞受賞作。ピアノ少女の物語。ふむ、ネタバレしないように書くと、ミステリーの鉄則その1、だった。シャーロックホームズでいうとまあ、「恐怖の谷」だ。また、ちょっと腑に落ちないところもあり、やや強引なのは否めない。探偵役は充分に魅力的、と評されたらしいし、続編も出ている。が、万能過ぎると思う。ただ、ドビュッシーが買いたくなったのもまた確か。

これで7冊読み終わり、次は恩田陸に戻り「黒と茶の幻想」上下巻。9月中に両方行けたらいいほうか。まあはい、無理なく読もう。

夜は、N響アワーで辻井伸行のチャイコフスキーピアノ協奏曲。私はドヴォコンと、チャイコのヴァイオリン協奏曲、あと交響曲5番なら多少違いを指摘できるが、ピアノ協奏曲はもうひとつ、分からない。CDとTVはまた違うし。今回アルゲリッチで予習もして、ヘッドホンして音を大きめにして聴いた。が、実感を持って言えることは少ない。辻井伸行の特徴は音が綺麗なことだと思う。そして、協奏曲の表現として、余裕を持っているように見え、まだまだ奥深さを感じさせる。自信も伺える。ちなみにアルゲリッチは、一音一音が独特で、最初は溜めていて、サビで爆発させる感じだ。どちらも決然としたものを持っている。

まあそんな感じで、最低限のことはしたものの、基本的には、何もせず 横浜行って 何もせず、の3連休だった。写真ヘタでごめんなさい。

2011年9月21日水曜日

語録と台風と・・

首都圏は台風の直撃を受け、またも帰宅難民があふれる事になった。この辺は後でも触れる。

最近、ヒマな時間に、これまで息子が言ったり、したりしたことを、思い出す順に書き留めている。まだ1年生だが、昔の写真がいつのまにか、本当に幼く見えるようになった。折に触れて少しづつ紹介しようと思う。どの親にもある経験かもしれない。

玄関の靴入れの上に、レオンを抱っこしているママと、パパが並んで写っている写真があった。三重の山中にある、バンガロー宿泊、温泉とプールにバーベキュー犬OKの施設に行ったときの写真だ。この年、妻は息子を妊娠した。懐かしいなあ、と写真立てを持って見ていると、見せて、と息子が覗き込んで来てひと言。


「ボクはどこにいるの?」


この言い方は、素朴なものではなく、どれかというと素頓狂な感じで、なんで自分が写ってないのか、そんなこと、この世であってはいけないような響きも含まれていて、妙に可笑しかった。

てな感じかなと。今後ゆるりと増やしていきます。


さて、話は変わるが、私にとってのラッキーナンバーは、「4」だと思っている。少年野球で、くじ引きで決まった背番号が44だった頃からなんとなく意識している。公式ルールでは背番号がなぜか4から始まるバスケットボールを中高とやったのも縁を感じる。まあそう思い込んでいるのだが。


東京は、夕方から荒れ始め、帰宅時間は暴風雨、早々に電車はストップ、ビルまで揺れるほどの風だった、が、7時を過ぎるとぴたりと止んだ。少々時間を過ごしてから、HP情報ではまだ動いてなかった地下鉄に何とかなるさと入ると、電車はガラガラ、各駅で時間調整をしたので普段の20分が1時間かかったが無事目指す駅に着き、辻仁成「海峡の光」を読み終わった。ターミナル駅は9時過ぎても結構な混雑で入場制限をしていた。バスも遅れていたので、ブックオフに入ると、なんとなく欲しくなった中山七里「さよならドビュッシー」がちょうど見つかった。店を出るとちょうどバスが来た。


ラッキーに回ってるな〜。そういえば、今日は誕生日だった。44回目の。台風で記憶に残る誕生日となったけど、独りで過ごす今年、神様が何がしか小さな幸せくれたのかなと、いい気分で帰ることが出来たのだった。

2011年9月19日月曜日

2人の休日

「パーパとーどこか、行きたいのー!」

関西に帰ると、パターンになりつつある2人のお出掛け。息子にすれば、いつもママとだから、さらにはパパとの方が甘いから、というのが有るのだろう。

という訳で、今回は、建物は長年知っていたが中には入ったことの無かった神戸海洋博物館へ出動した。途中元町にあるBALビル地下のデリで昼ご飯。息子のカレーのご飯を貰い、パパのパンをあげて食べ終えた後、テクテク歩く。暑い日、メリケンパークの、噴水から続く水路で息子水遊びに興じる。見た目涼しげ、道行く人は微笑ましく見守り、道行く親は、自分の子供が真似しようとするのに戦々恐々、待つ身のパパは暑かった。

博物館自体は船関連の展示だけだが、隣接のKawasakiワールドが面白かった。本物のバイクには跨がれるし、新幹線や新交通システムや大型ヘリが置いてある。電車でGOまであってなかなか楽しめたが、外がいきなり大雨に。少し引き延ばして、小降りになったところを帰る。さすがに科学館ほど広くはないので遊んだのは小1時間ほどで、夕方帰着。

翌日はいつものようにミドリ電化でガンバライド。暑かったが、駅から芸術文化センターへの屋根付き通路を発見したので、途中までそれで行くことが出来て比較的楽だった。

さらに月曜祝日は、近くの変わった、大きな家がオープンハウスとなっていたので、息子と物見遊山で見に行った。うーん、やはり広くて、部屋は多かったけど、長らく放ってあったので、正直廃屋3歩手前、てな感じだった。息子は喜んで探検していた。

午後は河川公園で水遊び。上がってジュース飲んで帰ろうか、という頃合い、次帰る時さー、こことここへ遊びに行こうかなーと思ってるから決めといてー、と言ったら、息子なんと今から行きたい!と強く言い出した。まだ2時半だったので、まあいいか、と一番早く帰れそうな、三宮東急ハンズへキラキラ折り紙を見に行った。

気に入った星折り紙と、両面キラキラのものを購入。学校で友達にあげたり貰ったり、社交の道具にもなってるらしい。なかなか面白いので東京でも探してみよう。

クッキーがまたヒート。レオンがひどい。今度こそ子供出来るか?うーむ。

2011年9月12日月曜日

マーラーとワールドカップ

暑い土日、極力外出せず、洗濯と掃除とTV。写真は、ツナとハムベーコンのパスタ。これで家にあった大量のツナ缶はすべて消費した。

マーラーは、1番、そして2番のDVDを見た。こないだ聞いて来た1番。第1楽章も第2楽章も、工夫というか、「芸」が凝らしてあり、親しみやすいメロディーもふんだんにあり、印象的だ。元々マーラーは、交響詩として出すつもりだったと聞くが、それっぽいなと思ってしまう。

私は昔、第3楽章を聴いて陰鬱になり、これがマーラー離れのひとつの理由になっていた。日本人には「鐘の音」「グーチョキパーで何作ろう」で知られる、フランスの童謡をモチーフとした短調のメロディーで始まる、この楽章も、腰を据えて聴くと、やはりマーラーの「芸」のうちと思える。そして第4楽章は最後に、派手に昇華して終わる。

初の2番は、最初はながら聴き、をしていたが、第3楽章からは腰を据え、ヘッドホンで集中する。聴きどころは、第4楽章のアルト、壮大な第5楽章の合唱部分だ。神秘的に始まる「復活」の歌はやがて劇的になり、崇高に終わる。のだめにもあったが、マーラーが、指揮者の祖と言われる、ハンス・フォン・ビューローの葬儀で、コラールを聴き、発想したという。素晴らしかった。マーラーには、他の作曲家にはない、壮麗さと、通った音楽性と、「芸」がある。

それから、楽しみにしていた、ラグビーワールドカップフランス戦。ナーバスにならざるを得ない緒戦、出だし緊張しているフランスのスキを付きたいところだったが、逆に日本の方が硬くなっていたように見えた。さほど難しくないペナルティキックを、2つ外してしまう。11-25で前半を終えた日本は、後半猛然と反撃し21-25まで詰めた。最後は21-47で力の差を見せ付けられた。

ラグビーは体重での勝負になる部分も多いので、野球やサッカーに比べて、番狂わせが起きにくいスポーツと言われる。ましてやフランスは伝統の強豪国。そんな相手との勝負では、ミスを無くし、チャンスは全て生かしていかないと勝てないと思える。

スポーツにたらればは禁物と言われるが、2つのペナルティキックが入っていれば、一時的にでも逆転していた。チャンスとしてはイージー気味だっただけに惜しい。フランスへかかるプレッシャーと、日本の選手のモチベーションに違いがあっただろう。

私も、何度もラグビーのワールドカップは見ているが、これではこれまでと同じだ。途中までは頑張れるが、後半突き放される。善戦の度合いは上がっているように見えるが、結果は同じ。後半の最初のように、前半から選手の身体が動けば・・次は最強のニュージーランド戦。カーワンジャパンの勝つ姿をぜひ見たい、というのは贅沢か。

最後に、なでしこおめでとう!目指せ金メダル!

2011年9月3日土曜日

清く美しく

9月になった。台風だが、西にそれ、土曜の東京は風やや強く曇り後晴れで、けっこう暑い。関西が心配だ。写真は朝食の定番、とろけるチーズとハムベーコンのトーストサンドである。この上にもう1枚トーストを載せ挟んで食べる。

さて、今回はお友達のブログのご紹介。メール、HPなどの手段が出て来たおかげで、友人と長年のおつきあいが出来たりする。このブログの主催者、ニコニコさんもその1人。

「アロマセラピストの清く美しく生きる道」

http://s.ameblo.jp/k-sourire/

アロマインストラクター・アロマセラピストにして娘さん2人のママ、ニコニコさんが綴る、明るく温かい日常。ブログ全体から、ニコニコさんの人柄の良さが伝わって来ます。

もちろんアロマセラピーの活動や知識のことも豊富に掲載されていて、興味がある方、必見です。ニコニコさん自身が、主婦から、学校に通い、頑張って資格を取得された方なので、まったく初心者のおじさんの私でも得心するところがありました。

いつも長いので、きょうはこのへんで。よしだまやよくやった!さあきょうはなでしこだ。

2011年8月31日水曜日

8月書評

いま小池真理子「午後の音楽」を読んでいる。少なくとも明日までかかるであろうから、8月はもはや打ち止めだ。

という訳で、8月読んだ本は、「ルパンの告白」横山秀夫、「甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実」中村計、「無人島に生きる十六人」須川邦彦、「告白」湊かなえ、「流れ星が消えないうちに」橋本紡、「大橋巨泉の美術鑑賞ノート」、「高い城の男」フィリップ・K・ディック、「日輪の遺産」浅田次郎、「季節風 夏」重松清、「神様のカルテ」夏川草助、以上10冊。おお、ふた桁乗ったぞ。人生初めてだ。愛用のブックカバーは本から本へと移り住んでいる。

それなりに濃いひと月だった。ルパンは筋が面白かったし、松井は過去の体験と考え方を問い直したし、無人島も面白く、当時の様子が見て取れた。小笠原には、白人の帰化人が少なくない数いたというのはちょっと驚いた。告白は、合わないような気もしたが、それぞれの不完全さの噛み合いを考えたし、流れ星は面映かった。美術はにわかルネサンスかぶれになれたし、「絵の上手さ」というのを考えたし、1963年のヒューゴー賞、高い城の男は、アメリカ人が日本をどう見ていたのか、日本の気高さを見る気もした。日輪はキャラクター設定の妙を感じたし、季節風は、相変わらずの甘酸っぱさで、神様のカルテには3回泣かされた。あるはずの無い、幸せな、ある意味安直な設定とストーリーなのだが、それでも泣かされた。

よって押し並べて星は2つ、☆☆だ。逆に、飛び出して、いつまでも残る作品は、残念ながら無かった。よって、今年最高の作品は、相変わらず「対岸の彼女」そのままだ。7月以降の、今年後半ということになると、これも「パレード」の鮮烈さに勝るものはない。今月の末の方は読み過ぎか、目がチラチラしてペースが落ちた。

数を読むと、やはりエンターテインメントが非常に多いことに、改めて気付く。設定が面白く、キャラクターにも個性があって、筋が不自然でなく、引き込まれるような面白さで、時に刺さるような、タイミング抜群のエピソードが差し挟まれ、結論もしくは真実へと行き着く。

それはそれで、まとまった、プロの作品なのだが、一方で文学とは何か、という事も大いに考えた。傲慢だが、本として筋が通っていたり、まとまっていたりするのは当たり前で、ストーリーを超えた、心への残滓が無いと、優れた文学作品とは言えないのでは、などと思った。自分の読書に芯がない、とも感じている。なので、近現代の日本文学史を多少なぞることもしてみたい。

何が文学、という問いに対して明確な答えは無いであろう。文学、というものが、いったい求められてなぞ居るのだろうか、いまやせいぜい、海外からもっと大きな視点で見た時に日本人の習俗や感性は細やかだ、と思われるくらいのものではないだろうか。でも、だから今、文学を求めてみたいのだけれど。笑ってしまう。

てな感じで、とにもかくにも、8月終了。年間通算38作品41冊。今年もあと4カ月。目標は60作品だ。こんな年も、いいな。

2011年8月27日土曜日

余裕と芸術

余裕の、無い週だった。月曜前日入りで火曜は葬儀で出張。その際に子供の頃から通った、平和台球場の跡地を見に行った。福岡城跡のお堀端に、平和台球場とライオンズの記念プレートがあった。そして、城跡への道を上った、球場の跡地は・・フェンスに囲まれて、草茫々の空き地だった。向こうの方に、球場が取り壊される原因となった、平安時代の迎賓館、鴻臚館(こうろかん)の展示施設があった。うまく整備すれば、素晴らしい公園になりそうな気もするのに、球場の跡だけが形そのまま放置されていた。数々の思い出がある身としては、淋しかった。

帰った夜は、文学がテーマの定例飲み会。少々遅かったが、家に荷物置いて出掛ける。ここのところ、また暑さが戻り、また東京の仮葬儀に出てから、ちょっとショックがあったのか寝付きがひどく悪かったので、この飲み会はタイミング的にも有り難かった。しかし、この夜仕事にトラブルが発生して翌日バタバタ。それでもなんとか定時に上がり、コンサートに行く。

小林研一郎指揮、pf金子三勇士で、リストの前奏曲、ピアノ協奏曲に、マーラーの交響曲1番。小林研一郎は、走って出て来て、にこやかで、キビキビと指揮をする。そのメリハリが実に素晴らしく、オケの集中が伝わって来て、決めも最後ホルン隊が立ったりするサービスの良さで、美しく決まって、盛り上がった。皆に握手をして、全部の奏者を個別に称えた後、なんと指揮者挨拶。予定されてはいなかったのだろう。マイクなしだった。いや充実のコンサートだった。

翌夜は接待をこなし、金曜半休で帰る。名古屋くらいで、東京は記録的豪雨だと知る。えーっ、よかったー。家族とイタリアンに舌鼓を打ち、きょうは息子がガンバライドしたいというので連れて行く。帰ってからは、ポケモンカードゲームに、神経衰弱。どちらも勝てない。神経衰弱は、ほんの2ヵ月前くらいには手加減してやってたのに、本気でも1勝2敗。オセロは正直楽勝だったが、これとて気を抜けない。

こちらに来てからは、ぐっすりと眠れる。最高気温は高いが、東京と違い、午後決まったように夕立があり、涼しくなる。それもあと一泊。週末は早いな。息子はなぜいま離ればなれなの?とか寝入り際に訊いてくる。次は9月だ。待ってろよ。

2011年8月14日日曜日

ルネサンスかぶれ

この週、というか昨日までの週は、「無人島に生きる十六人」須川邦彦、「告白」湊かなえを読んでしまう。前者は昭和初期に書かれた、明治の漂流話。朴訥とした感じが良かった。「告白」は、本屋大賞にしては・・が正直なところ。

さらに、金曜夜遅くまで起きて、「流れ星が消えないうちに」橋本紡を読了。恋人を亡くした女は、その親友と付き合っている。どちらにとっても亡くなった彼は大きな存在だった。そこから立ち直るまでの、ちょっとコミカルな部分もある人間讃歌的恋愛小説で、高校がベースになっている、青春ものでもある。やたらと書店でもブックオフでもいまお薦め本として取り挙げてある。

私も全く知らなかったが、同僚の机の上にあったのを、いらないならくれない?と持って来ただけのものだ。その同僚には響かなかったようだが、正直これでは、大人の心には、物足りないだろう。「夜のピクニック」と同じく、10代から20代前半の間に読むものかと思う。読後感はいい。

土曜は暑いというのにその中正午までノークーラーで寝ていた。もともとこの土日は外出するつもりはさらさらなく、ひたすら家で読書三昧、と決めていた。昼はお弁当買って食べ、高校野球つけっ放しで「大橋巨泉の美術鑑賞ノート」を読む。主にルネサンス期を中心に扱ったものだ。

私の西洋美術的関心と言えば、やはり印象派以降に限られていたということもあり、かなり面白く読めた。リッピ、ボッティチェリ、ラファエロ、ティツィアーノにブリューゲル。ラファエロとティツィアーノは本当に上手い。印象派の、いわばぼかした色彩と対象的な、絵画の本質を見るようだ。陰影と遠近法、やわらかな光の中創作と写実・・逆にだからこそ、印象派は革命的だったのだろう。もっと西洋絵画は体系的に理解したいし、また勉強の機会を持ちたい。

ヤン・ファン・エイク「ロランの聖母」、フラ・フィリッポ・リッピの「聖母子と二天使」、サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」「春(プリマヴェーラ)」、ラファエロの「小椅子の聖母」、コレッジョの「イオ」、ティツィアーノ・ヴェチェリオの「ウルビーノのヴィーナス」「聖母被昇天」、ヤコボ・ティントレットの「スザンナと老人達」、ヒエロニムス・ボス(ボッシュ)の「最後の審判」、ピーテル・ブリューゲルの「雪中の狩人」、エル・グレコの「オルガス伯の埋葬」「胸に手を置く騎士の肖像」などなど。

彼らの筆致は、精密で、生き生きとして動き出しそうだ。また、ボッティチェリの2作は余りに有名だし、コレッジョの「イオ」は抜群にエロく強い印象である。いつか生で見たいものだ。これ以降のオランダ絵画なども興味がある。とにかく、中世のものはとかく暗く宗教的過ぎる、という呪縛からは完全に逃れた。

夕方に完読し、パスタ茹でる。インスタントのカルボナーラに買って来たサラダにギョーザ。食べ終わってブックオフへ。本当は恩田陸を買うつもりだったが無く、なぜか辻仁成の芥川賞受賞作「海峡の光」に宮部みゆきの直木賞受賞作「理由」を買う。インバルのマーラー1番「巨人」DVD見て、寝る。

日曜は朝8時に起きるが、ずーっと家に居た。ちょっと活字にも食傷気味になり、高校野球見て、昨日のルネサンス絵画を見返していた。面白い本だった。これで8月は6冊読了。

金曜に、ブックオフで探していた本を見つけて買った。「高い城の男」第二次大戦は、枢軸国が勝っていた、という設定で展開される物語だ。そういえば、この手の話は無かった。1963年のヒューゴー賞、まだ戦後が消えて居なかった頃書かれた話、だからこそ期待しないし、逆に興味深い。先に読んだ「ユダヤ警官同盟」はイスラエル建国が失敗した、という架空の設定となっていたが、そんな作品の例として解説で触れられていて、興味を覚えていた。

これと、「理由」と「海峡の光」今月ここまで読み終えられたら上出来ってところか。晩ご飯の買い物に出たら、なぜかエンジンがかかる感覚がして、夜家を整理しようか、という気になる。遅いっつーの。まあ、読書三昧の、いい週末でした。はい。

2011年8月8日月曜日

夏休み・後編

8/4 午前から、「カーズ2」全員で見る。スパイもので、前回の素朴さと比べると、もう出来ること全てやっちゃったというくらい派手だった。ちょっと小学1年生には難しかったようだ。遅めの昼をフードコートで食べて帰る。買って帰った桃のロールケーキが美味かった。

8/5 パパ日中家だった。夏休みの宿題で、ママと息子は雨の中植物園へ。クラシックを聴きながら「甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実」を読み切った。

かなり多く深く取材をしてあって、好感が持てた。若干明徳側に贔屓目のような気もしたが、これだけ厚みがあると説得力も有るというものだ。

私は、もう19年前のこの日、甲子園球場にいた。詳細は端折るが、件の、星稜ー明徳戦の次の試合に用があって、松井の5打席めの敬遠の時に3塁側寄り、つまり星稜応援席の近くに入って行ったら物凄い怒号で、ぎっしり埋まったスタンドからは「高校野球やろが!」「帰れ!」という声が飛び、メガホンなど、物がそれこそシャワーのように投げ込まれていて唖然とした。それだけに、感慨深く読んだ。面白かった。

8/6 お昼に仮面ライダーとゴーカイジャーの映画観た後、出張のプラネタリウムが来ていたのでそれを息子と観た。ビニールドームで、まああまりスケールも大きくなかったのだが、息子は、10秒目を瞑ってみて〜、はい開けて!で真っ暗な星空になっていたのにびっくりしていた。ひと通りきょう旧暦七夕の星空説明で終了。しばらく時間が空いたので、ミドリ電化にガンバライドをしに行った。さらにオムライスの晩ご飯を食べて、ショッピングセンター屋上の広場にて、天体望遠鏡を出しての観望会。口径が25センチの望遠鏡もあり、月がきれいだった。また、久々に土星も、はっきりと見えた。屋上からは淀川の花火大会も見え、楽しく帰って寝かせる。いやーやっぱあれくらい口径が大きいといいなあー。

8/7 昨日買ってあげたポケモンカードを使いたくてしょうがない息子と朝からポケモンカードゲーム。新キャラは、なかなか楽しい。

妻が体調不良なようで、昼からは、2人で神戸市立青少年科学館に行ってみる。ポートライナーの一番前にすわった息子はのっけからご機嫌。着いて中に入ると、広いわ涼しいわ面白いわで息子大ハッスル。10秒間でボタン何回押せるかゲームやったり、アスレチックぽい滑り台で遊んだり、ペットボトルロケット発射とか、空気で浮く発泡スチロール球ほか、なかなか面白い。人もそんなに多くないし。

ロボットコーナーなどは回り切れなかったが、飛行機操縦シミュレータ(そこまでいいものでもないが)やポートライナー運転をして、また先着15名のハンググライダーシミュレータも出来た。

それから、プラネタリウム子供用番組を観に行った。これが、ここのはホリゾントが大きくて立体的で、申し訳ないが前日とは大違いで、大いに楽しめた。やっぱこれくらいのスケールで観なきゃあね。番組も有名な「リリィの冒険」で、息子はじっと見入っていた。小学校に、リリィのポスターが貼っている、らしい。終わった後、すぐ上映のHAYABUSA帰還編がどうしても観たくなり、息子に頼んで(笑)観る事にする。この時点で息子のノリは不思議に良かったのだが、始まって見て「新幹線のはやぶさと思ったのに」と寝始めた(爆笑)。だからという訳ではないが、JAXA相模原キャンパスの横のプラネタリウムで観たものにさらに手を入れてある帰還編、ちょっと言葉を飾り過ぎで、あまり面白くなかった。

終わってかき氷を食べて、もう1回遊んで帰る。息子は「傾いた家」にハマり、もう1回、もう1回と行くが、パパはかなり気持ち悪かった。面白いのはよく分かるが。この季節は7時まで開館で、6時半ごろ出る。帰りにご飯食べて、2日続けて真っ暗な中到着。あーあ、夏休みもついに終了。長く感じたけど終わってみればあっという間。まだ息子には20日以上夏休み残っているのに、その殆ど相手をしてやれない。しょうがないけど、嫌だなあ。

夏休み・前編

7/29 会社は午前までで、いよいよ夏休み。帰りの新幹線も、帰省のパパや学生ぽい女性、また家族連れで賑わい、いつもとは違う雰囲気が漂っていた。

車中はモーニング読んで少し寝て、「火車」読み込んで過ごす。着いたら凄い夕立ちで驚いた。晩は回転寿し、帰って北島の銀メダル見て、子供を寝かし付けてまたひたすら「火車」を読む。暑いベッドルームで首巻きアイスノンして読み進み、ついに完読。夢中になった。推理小説だが、クレジットカードや破産を詳しく取り扱っていて、その心情にまで迫っている。どれかというと社会派、そして心情派の小説だろうか。ただ、どうも情報が都合よく出てき過ぎるなあ、という感想は持った。それと、本格ミステリファンとしては、やっぱり、真相を聞かせて〜。そこで終わらないで〜。で、ある。まあしゃあないか・・。これで7月に読んだ本は8作品となった。
「パレード」「四度目の氷河期」「長い家の殺人」「ドミノ」「聞いてヴァイオリンの詩」「ユダヤ警官同盟」「図書室の海」「火車」である。もう打ち止めだ。次は「ルパンの消息」読もうと持って帰って来た。

7/30 ゆっくり起きて、犬の散歩。昼家で焼きそば食べた後、三宮へ。人出が少ない。GWとはえらい違いだ。息子とママは、INACの練習見に行って、なでしこにたくさんボールにサインをもらってきていた。それもあり、小学生のボールを買う。Jリーグ公式球のスピードセル格好良かったが、ナイキのにする。また、マックィーンのレゴ買ってあげる。中華街も人少ない。餃子食って帰ったが、あまり美味しくなかった。

7/31 のんびり、だらだらして、買い出しに出掛ける。特に何もしない日、だった。

8/1 早朝から近くに釣りに出掛ける。サビキだが、なにせ久しぶり。3本の竿に3つの仕掛け、が早々に3回根掛りして即撤退。参った。午后はみんなして寝る。夕方私と息子は起き出し、麓の駅前までお散歩。てれびくん買ってあげて、なじみのドッグカフェで涼みつついちごシェイク。あまり来ない割には息子はここの店員さんには心を開く。帰りは川沿いを歩き、冷たい水に足浸けながら楽しく上った。

8/2 この日は家族付き合いの同僚の奥様とその子供達と三宮で映画。ミントビル、というから何かと思ったら、旧神戸新聞ビル。まあえらいおしゃれになって、と感心する。息子とママはポケモン。1人残った先方の中1のお姉ちゃんと私は、「カーズ2」が始まる時間までソファで読書。「ルパンの消息」横山秀夫を読み込む。コナンを読んでいたお姉ちゃんを見送って、隣のビルの広いジュンク堂へ。2冊購入。「甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実」と、須川邦彦「無人島に生きる十六人」である。前者は季節柄もあろう。後者は明治時代の漂流の話で、昭和初期発行の書物を再発行したものである。面白そうだ。もとから冒険もの好きな方なので。

てな風にしているとあっという間に皆帰って来て、お洒落なお茶屋さんでお食事し、そのビルをぶらぶらして帰った。

8/3 池田市にある、日清食品のカップラーメン記念館へ行く。みんなして、自分だけのカップヌードルを作る。カップに絵を書いて、スープの味を決め、具材を4種類選んでパッケージしてもらう。息子はしょうゆ、ママはシーフード、パパはカレー味。楽しみだ。お土産ショップがもう少し充実していれば言うこと無しだった。でも楽しかった。午后は映画の席を予約しに行き、もうすぐ閉店のステショナリーで地球儀、オセロゲームにヨーヨーを買って帰る。息子はオセロに興味津々で、早速やるが、トランプと違ってまだ手の抜き方が掴めないので楽勝してしまう。ママは上手く負けてあげていたようだった。でもポケモンカードゲームや神経衰弱では勝てないのだからまあいいか。ヨーヨーも、「犬の散歩」や「ブランコ」をやって見せてやる。私もまあ、ひと通り通じてるな、と改めて思う。アクティブな1日だった。パパはこの夜「ルパンの消息」を完読。引き込まれて、面白かった。書評はまたの機会に。

2011年7月25日月曜日

ポケモン修行の旅パパ

金曜は、ジャイアントキリングの最新刊と、恩田陸「図書室の海」と宮部みゆき「火車」買って帰る。「八日目の蝉」「ジウ」もたまたまだったが、映画化、テレビ化はいいきっかけだ。前から読みたかったし。角田光代も見るが、「キッドナップツアー」にも「人生ベストテン」にも、もひとつ手が伸びない。やはり次は、「森に眠る魚」かなあ。早めの文庫化を望む。それにしても女流作家さんばかりだこと。サッカー漫画の「コラソン」もついでに買う。

家に帰って「ユダヤ警官同盟」上下巻を、ついに読み切る。登場人物多くて名前も長いので、おまけに表現も描写も長過ぎるので、ホンマに時間がかかった。また、読むとなんとなく解ってくるのだが、1948年のイスラエル建国は失敗に終わり、アラスカの実在の都市シトカに、大量に流入したユダヤ人の特別区がある、という架空の設定となっている。アラスカといいユダヤ人といい、アメリカには微妙でセンシティブな問題なのだろう。感想は、ふうむ・・としか言えなかった。勉強にはなった。

「コラソン」はまっすぐ日本代表を扱った漫画だ。塀内夏子は久しぶり。「オフサイド」「Jドリーム」という名作以来だ。日本はドイツW杯でオーストラリアに1-3で逆転負けした、というリアルな設定。次のW杯予選でグループ4位に沈んでいる。日本は世界的名将を監督に招き、新監督は試合中の暴力行為及び暴言で日本サッカーを永久追放になったFWを海外リーグから呼び戻し・・、という話だ。
分かりやす過ぎる悪役が居たり、キャラ設定が読めたりするという点はあるものの、私はこの人の漫画はやはり面白いと思っている。絵はやや前時代的だが上手いし、専門的だし、「狙い」を持ってストーリーを組み立てているからだ。それがいまの代表に不足している、皆が望んでいるものを言い当てているからだ。

それは、本当の世界的名将であり、「俺がエースだ」という、デカくて、上手くて、野生的な、決定力のあるFWであり、日本チームの、メンタルの本当の強さである。現実の日本代表は南アフリカで、一応の成功を収めた。果して今回の作品は塀内作品で初めて、代表のワールドカップでの試合を描くのか。楽しみである。

やや気温が上がったものの、風はまだ涼しい土曜日は、9時に起きて、布団干して洗濯して、クリーニング出して、宅急便受け取って、髪を切りにいった。セブンイレブンのポケモンキャンペーンで、ゼクロムとビクティニのスタンプ押しに、ひと駅向こうの店舗まで歩いて行った。曇りで、涼しい。途中腹が減ったので、マックでチキンてりやきのセットを型通り買ったけど、2時過ぎていたので、炭酸系飲み物と100マックでポテト我慢したら200円くらいで済んだかな。今日は国立天文台でこと座ダブルスターの観望会だがまた無理そうだ。今年度に入って一度も見えていない。やれやれ。

帰ってすぐ、中目黒のブックオフへ「コラソン」の続きを買いに行く。帰りのバスまで時間があったので、また歩く。週末の夜の中目黒は、外にテーブルの有る店も多くて、楽しそうな家族連れがたくさんいた。バス停2つ分歩いて足が上がらなくなって来た頃、追いついてきたバスに乗って帰る。晩御飯はパスタ茹でて、レトルトのカルボナーラとちくわとカップのサラダ。風呂入って、寝ることにする。

翌日曜は8時に起きて、仮面ライダーオーズを見る。涼しく、また眠気が出て来て布団へ。10時半まで気持ちよく眠る。アナログ放送終了の特番を興味深く観る。アポロ11号月面着陸の生中継など、面白かった。

午後は、関西に送る荷物梱包する。これとこれはいるのー?とメールしたら、ママから電話あり、最初は荷物少ないかな・・と思っていたが結構増えた。横長めの、スーパーでもらって来た段ボールなのだが、どうも底が怪しく、ひたすら補強する。今回は台所の棚の、ママお茶セットを全部入れたので、かなりすっきりした。庭も多少片付ける。でも、まだまだで、服の整理ほかやることたくさんである。ちなみに写真はこれ捨てるよーと送ったら、やっぱやめて・・とママが愛情を滲ませたミニ棚である。

ママと電話を替わった息子が衝撃発言を。ポケモンスタンプラリー、やっぱり8個集めることにした、とのこと。ちょっと待て、最後に地元で息子に1個押させて4つ揃えてシール貰おうと思っていたのに、パパあと4つもスタンプ稼がなきゃいけなくなったじゃないか。しかも夜7時までしかスタンプ置いてないので、出来れば今日中。夕方修行の旅に出る。ひと駅の間にまず目指すピカチュウのスタンプを置いている店がある。ゲット。次は隣の駅に歩きついて、近くの店でミジュマルゲット。ちょっと押し方ミスってしまう。さらに少し歩いて、ポカブ。これで3つ。さらに少し歩けばツタージャがあったが、が、電車でもう片方の隣の駅に行く。10分ほど歩いて合計7個めのレシラムを押す。ビクティニとゼクロムあって、レシラム無い訳にいかない。やっと終わった。ちなみに、どのポケモンのスタンプがどの店にあるかはセブンイレブンのHPに載ってるのだ。隣の駅から歩いて帰る。30分くらいかかるかな〜。のどかな住宅街をのんびりと歩く。風が涼しい。

途中サッカー場で試合をやっていたので、前半見て帰る。カテゴリーがよく分からないが、都社会人の3部のチーム同士のようだ。速いし、ボール飛ばすし、結構体格がいい。どちらも、空いているサイドにいいパスが出る展開から得点。大きなCF的ストライカー、サイドをかっ飛ばす速い11番、ロングシュートにダイビングヘッドに、巧妙なハンドや激しいチャージへの報復行為でレッドカードまで出て(ちなみに先ほどの11番)、なかなか楽しめた45分だった。
スーパーでごはんとサラダとコロッケ買ってあと魚の缶詰で食べる。歩き疲れた。最近土日も作らない。暑いし、炊飯器壊れてるしって、言い訳です。まあ夏休み前で食材残したくなかったということにして、帰って来たらなにか作ろう。

2011年7月20日水曜日

海の日のなでしこ

月曜海の日、3時半に起きてなでしこの決勝を観る。素晴らしい試合だった。アメリカは、強かった。守備の出足はいいし、かと思えば攻撃では人数をかけて攻めてくる。日本を明らかに研究して、本気だった。日本は準決勝のようにショートパスが回らない。大野や宮間の、ドリブル突破もままならない。前半はチャンスも少なかった。あまり見ていて面白い展開が無いところが、逆にワールドカップ決勝、という感じがする。

後半ついに、一発のパスから先制される・・!追いつけるか?ここでは暗澹たる気持ちだった。

あきらめない、という気持ちの大切さ、その代名詞として、日韓ワールドカップベルギー戦の、鈴木の同点ゴールがある。先制された直後、小野からのロングボールをあきらめずに追いかけ、足を伸ばして、トゥで蹴りこんだゴールだ。宮間の同点ゴールに、その話を思い出した。

日本がつなごうと思っても、この日ここまでは、どこかで、何度も何度も寸断されてしまっていた。澤から出た丸山への長めのスルーパス、宮間が逆サイドを走る。丸山のシュートのクリアを、アメリカのDFは足を滑らせてしまい、ボールは宮間の前へ。左足で決めた同点ゴールは、内容的にはもちろん、技術的にも、たまらなく格好良かった。何度チャレンジして失敗しても、あきらめずに走ったからミスに付け込めた。そう、ついに強いアメリカもミスをした。サッカーはこういうものだ。

延長では、ピンチの連続。もう観ている身にも、あまりに危ない場面が多くて、危機感がマヒしてしまうような感じだ。集中力が途切れたとき、ワンバックに頭で決められた。残り時間は10分。でもこの時私は不思議な余裕を感じていた。まだ仕事をしていないメンツがいる。澤か、丸山か、川澄か、永里か。きっと来る。そして本当に澤で同点。突き放されても、また追い付いた。もうこれで盛り上がりは最高潮。PKも、足でのセーブは本当に素晴らしく、見事にアメリカを倒して見せた。掛け値無しに、いいゲームだった。なでしこ、優勝おめでとう!

ひとつ不満があるとすれば、左SBの鮫島はこの日も素晴らしかったのに、世間の評価が低過ぎるような気がしている。

余韻に浸りながら、この日は台風の影響で1日雨だったので、室内遊びをする。ポケモンカードゲームが終わった後は、神経衰弱。負かしたら、泣いちゃうので、最初は手を抜いていたのだが、そのうちに負けの方が多くなった。思ったより、息子はかなり手強い。勝つともう1回、もう1回とやる。ほおお。子供の頃以来久しぶりにやったが、今の、なんというか見識で言うと、面白いゲームだこりゃ。ミスが相手の有利に直結するし、続けて取れると嬉しい。記憶力が証明される感じがいい。頭を使う余地も充分ある。

一旦休憩して、夕方はポケモンの塗り絵をする。パパはマーカー、クレヨン、色鉛筆で、ツタージャ、ミジュマル、キバゴ、オノンド、チャオブーを塗った。息子はゼクロム、レシラム、エンブオー、フタチマル、ダイケンキ、ビクティニほか。息子が選んだパパの1番は色鉛筆のオノンド、パパが選んだ息子の1番はマーカーのエンブオーだった。んー、ミジュマル系は、白と青だけの色遣いでちょっと難しい。

ママ得意の、生春巻きと麻婆豆腐、甘いコンニャクでビール。晩御飯終わったら神経衰弱の決着戦。これがワンも乱入して集中力を乱され、パパの総合負け。ただ、「また泣かしてあげるよ〜」と挑発してたら、負けても泣かなくなった。

早朝家を出る時、息子は目を覚まし、こちらに来た。何事か言いながらリビングの床にへたり込む。半分寝ぼけているらしい。抱いて布団に連れて行くと、しばらく手を放さなかったが、やがてまた寝てしまった。次は夏休みだ。夏は今が盛り。8月も下旬になると、もう初秋。月日が過ぎるのは、早いものだ。

汗とビールとポケモンと

意外に夕方の関西は涼しかった。金曜日、いつものイタリアンでご飯食べて帰る。息子はソファから落ちて上の前歯が折れて、取れてしまっていた。あーあ。もう1本もぐらぐらしている。医者に行ったから大丈夫だろうけど。早く永久歯が生えて来るのを祈るばかりだ。

外は涼しめに感じたのだが、寝る段になると、部屋が暑い!二重生活のため、ベッドの部屋のエアコンは東京にあるのだ。リビングもしくは和室に寝る手段も有るのだが、妻子は遅くとも9時には寝てしまうし、自分の時間も欲しい。扇風機をがーっとかけて寝ることにする。でも身体が慣れるとちょっとは楽。とまれ、熱中症はもうこりごりだ。息子は、暑いのに、パパと一緒にベッドで寝ると言い張り、絵本読んで寝かし付ける。やっぱり、パパ、いい!と言っていた。1ヵ月ぶりだもんな。眠った息子を涼しい和室の布団に連れて行き、しばし本読んで、寝る。

土曜は、朝早く息子が再びベッドに来た。7時半ごろ起き出して、久々に、レオンとクッキーの散歩に出掛ける。早朝とはいえもう暑い。日陰を選んでひと回りする。ちなみに写真は、夏用のクールボードで涼を取るレオンである。

この日は午後から、ポケモンの映画、白き英雄レシラムだ。アニメの映画は初めて?加えて、ちゃんとポケモン見るのも初めて。息子はもうラララ言えるかな、を全部歌える。見る前にちょっと時間があったので、息子の靴を見る。サイズを測ると、もう19センチでいいと言われる。パパとの差、あとわずか6センチ。こりゃ、背よりも足は早めに追いつかれるかな〜。さて、楽しみにして行った映画、だったが、息子はなにか落ち着かなく、もぞもぞする。私にしても、いつものアクションものと違い、刺激が少なく、たびたび眠ってしまった。なんとなく消化不良を抱えて帰って、魚の家庭料理を本当に美味しく食べた。これがウチの味、だ。

久々に一緒に仮面ライダーオーズを見た日曜日は買出しに行く。いや暑い。ドラッグストアとスーパー。隣のセブンイレブンで、ポケモンスタンプラリーをスタート。キギアルだった。関西はセブンイレブンが少なくないが多くもなく、暑くて足も必要なので、パパが東京に持って帰って数を稼ぐ事にする。ゼクロムと、ビクティニならまあ近そうだ。晩は鶏唐揚げ。美味しくビールをいただく。

最低気温も29度とのことで、この日はさすがに和室で寝ることに。涼しい。穏やかな眠り。そして私は、3時半に起き出したのだった。

2011年7月10日日曜日

熱中シンドローム?

この土日、何というほどのことはしていない。土曜は朝早くからうつらうつらしていて、8時半に起きて、買っておいたハムチーズ系パンを食べて、クリーニング出した。その足で駅前に行って、100円ショップで雑巾とビニール袋を買って来た。この時点で猛暑。いきなり梅雨明けして、週間予報も曇りばかりだったのが、晴れマークがずらっと並んでいる。心から思う。昨日梅雨明けしてくれれば最高だったのにー!

バテて、動く気がしない。一平ちゃん夜店の焼きそばとおいなりさんで昼食。家の片付けをしたかったが、ソファで寝てしまう。土日の昼はいつもどこかで眠くなる。夕方起きて、大犬ケージを解体する。クッキーが幼少のころだいぶ齧ってキズがついているが、蝶番を外したらパタンとコンパクトに畳めてちょっと惜しい気もした。

粗大ゴミの連絡をする。今回6点。秋までに整理と粗大ゴミ出しを繰り返していかなければならない。台所の棚を出すべく引き出しを開けたら、息子が離乳食から1才2才くらいに使っていたスプーンやフォークが出てきた。やはりというか、こういったものを見つける度に胸がキュンとなってしまう。(笑)今後も手が止まったり捨てるのに迷ってしまいそうだ。

晩御飯はツナパスタにちくわにスーパーのサラダ。山ほどあった置きパスタももうひと袋。これ震災直前に買いに行ったなあ。しかしパスタはホンマに便利だ。水にさらせばすぐに冷製になるし、何にでも合うし、インスタントの混ぜものは安くたくさん売ってるし。また活用しよう。早めに寝る。

日曜は、朝から動いた。仮面ライダーオーズを見た後すぐ、六本木へ出掛けた。ヒルズの開店間もないテレ朝ショップでサゴーゾのメダルセット、次の帰省のおみやげを買い、すぐ同じ道のりを帰る。家にメダルセットを放り込んで、プラネタリウムへ向かう。11:30の回に間に合った。以前は午后にもやっていたが、節電のためこの夏は午前で終わり。ここのプラネタリウムは、驚くなかれ、世界で一番映し出せる星の数が多いとテレビで言ってた。

シートは倒れるが、プラネタリウム的には、さほどの角度ではない。JAXA相模原キャンパスの隣のプラネタリウムは、シートももっと座りやすく、ほぼ寝っ転がるような角度まで倒れ、なおかつ前後左右の席にも全く支障が無い。座り心地いまいちかな、などと思っているとスタート。星空や星座の紹介。気分的にも、やはり涼しい。素敵だ。人工の夜空に吸い込まれそうだ。全天に星座図の絵が出たときには、場内からほおっ・・という声が上がった。後半の全天周アニメのようなものはもひとついただけなかったが、いい気分になって会場を後にする。

近くのちょっと小粋な店で昼食、一人になって以来、久しぶりにまともな店で品のいい食事だな、そういえば。帰りにブックオフ寄ったのだが、このへんから、なにやら気分が悪くなる。

おかしいな、さして歩いてもいないし、日陰を選んだし、水分も意識して取ったのに。ともかくウォーター系の飲み物を買い、飲みながらヘロヘロになって帰る。暑さに耐性が無くなっていたか、梅雨明け間もないので慣れてなかったか、トシか疲れか。クーラーつけてソファに倒れ込む。しばらく大人しくしていた。

胃の上のほうが、気持ち悪い。吐き気があり下痢も出る。熱中症じゃなくて食あたりか?2時間経っても良くならず、汗臭い身体の匂いが妙に気になったので、シャワーを浴びてまたしばらく大人しくしていたら、ようやく楽になる。身体は現金で、晩御飯何にしようかな、と考えたりする。

さすがに作るのはやめ、スーパーで弁当。ヨーグルトに、ブルーベリージャム。洗濯して、N響アワーの、プロコフィエフの協奏曲を観て、ソロモン流長谷部の特集観て、靴磨いて、寝る。やっぱりというか、早く眠くなる。さあ、今週は、忙しいぞ。休むべきは、休まなければ。

2011年7月9日土曜日

七夕☆イベント

先日は、久しぶりに、神宮球場で野球観戦。ヤクルトー巨人で、巨人サイド内野席のけっこう前。周りは巨人ファンばっかりで、特に後ろの7〜8人で来ていたお姉ちゃんファンが金切り声を上げていた。一番大きな声の持ち主は私の真後ろで、前のめりで、耳のすぐそばで一喜一憂、ひときわでかい声を出していた。でも、彼女たちはよく今のプロ野球を知っている。そこは感心した。いや、ホンマに。テレビの副音声みたいで、ありがたい解説だった。試合は延長11回、ヤクルト青木の内野安打でサヨナラ。巨人はいまのエース内海で勝てなかった。打線に迫力はないが超スモールベースボールで堅く戦う首位スワローズ、どこからでもホームランが出そうだが点を取れず勝てないジャイアンツ。やっぱり野球は面白い。でも時節柄か、巨人戦だというのにあまりお客さんは入ってなかった。

昨夜は、終業と同時に三鷹 へ向かった。国立天文台に行くためだ。月に2回の観望会。50センチ望遠鏡が覗ける日。ここ数年行きたいと思っていたがなかなかチャンスがなく、単身赴任となってからは雨続きだった。空は全面の曇り。しかしチャンスあるかも、と地下鉄京王にバスを乗り継いで現地に向かった。この手の施設は、交通の便の良いところにはない。着いた国立天文台も、敷地内さえ明かりが少なく真っ暗だった。

なんか、冒険、という感じがした。小学校の理科クラブの天体観測で、暗い道、自転車で校庭に向かったのを思い出す。好きな先生、好きな仲間たちだった。結局、やはり空は晴れず、星を見ることは出来なかった。にしては、けっこう人が来ていた。待ち合いの間に、スタッフが、大画面のモニターでソフトを動かして、太陽系から銀河団まで説明してくれる。天の川銀河、という言葉はやっぱ好きだなあ。ここには私と指向を同じくする人がいっぱいいて、嬉しい。七夕の翌日ということで、若いスタッフは、女性は浴衣、男性は甚平姿だ。お茶の水の院生という女性に、別室でレクチャーを受ける。いよいよ望遠鏡見学。真っ暗な中をドームに向かう。思ったより小さいドームは半円の屋根が回転する。望遠鏡は、やはりどっしりとしていた。反射式の大望遠鏡。写真を撮って帰ったが、ああ、本当に、めっちゃ覗いて見たかった。次は梅雨明け夏休みの土曜日。子供連れが何百人列をなすらしい。晴れれば行ってはみるけど覚悟した方が良さそうだ。

帰りにスタッフに、長年の疑問を訊いてみる。
月は、夏は低く冬は高く昇る。何故なのか物理的な理解が出来ないのだが、と。最初に訊いたスタッフは月の高度の季節変化を知らなかった。代わって先輩らしいスタッフが説明してくれた。ようは光が来る方向に対する、地球上の人の接地面の問題だ、ということだ。完全理解には遠いが、ヒントは掴めた。後で復習してみよう。

帰りは、京王調布駅行きのバスの終着駅が小田急狛江駅だというので、最後まで乗ることにした。武蔵小金井か武蔵境あたりから来るバスなので、狛江までもそうかからないだろう、バスの路線てそこまで長くないだろうし、との読みは甘く、たっぷり40分かかった。でも下北沢まではそう遠くない。相変わらずというか、ばかでかい小田急の駅舎から乗ってけっこうすぐ到着、10時だからまだバスもラクショー、との考えも甘かった。目の前を最終バスが走って行った。仕方なく、下北から歩く。たっぷり1時間かけて、蒸し暑い中家まで歩いて帰った。下北沢はやはり若く活気に溢れている。金曜10時、駅には待ち合わせに手を振るカップルがいる。酔っ払った若い男女が狭い道で身をくっつけながらタクシーをなんとか避ける、どこもここも弾けそうな笑顔でテーブルを囲んでいる。

帰ってもまだ11時過ぎ。だいぶ冒険したような気もするが、なんだか得した気分だ。ゆっくり涼みながらこの稿を書いた。この時間は貴重だな、とも思った。

「四度目の氷河期」読了した。最初のほうは、家庭の不幸をよくここまで都合よく作れるものだ、とやや鼻白んだ。が、登場人物が抜群に愛せるのだ。発想も面白い。一見して、都合のいい、よくある成長青春小説なのだが、実に瑞々しく、面白く読めた。やっぱ才能っていいな。次は「長い家の殺人」読みたかった、名作。満を持して、いざ〜!

2011年7月3日日曜日

百億の昼と千億の夜

タイトルは、どこかのマンガだ。土曜の夜が何たらと書き出そうと思ったら唐突に頭に浮かんだので採用した。

昨日は、渋谷から戻って来て、うんとこさーで2階まで掃除機かけた。さらに犬のトイレを捨てるべく解体。ここまでで、エネルギーがエンプティに近くなり、ギョーザでも作ろうかと思っていたがやめて、簡易晩御飯にする。まずは米、と炊飯器のスイッチ入れたらなんと「エラー」の表示。

メーカーのHPを見ても、この表示が出たら素人の対処はNGらしく、つまりはぶっ壊れてしまった。せっかく洗った米、と鍋で炊く。始め強火の吹いたらチョー弱火で18分。17分くらいでかすかに焦げ臭さが、あっ!とすぐ火を止める。底焦げてしまった。でも対処が早かったか、おこげつきご飯として余裕で通るくらいでおさまった。缶詰とちくわと買って来た肉団子にきゅうり切って晩御飯。保温が出来ないので食べ切るのが宿命?だったが、1.5合ペロリとたいらげた。

片付けて、シャワーで風呂を済ませて、靴を磨いて、さあお待ちかねの土曜夜はお楽しみの時間、というところで眠気が襲う。最近は早く眠くなるが、夜中に何度も起きる。なんか良くないな。

日曜は9時に起き出す。また仮面ライダー見れなかった。いつもの朝食後、区立の図書館行くか、このまま家にいて、しばしだらっとした後、早めにギョーザに取り掛かるか悩む。昨日動いてエネルギーが尽き掛けたし、図書館はもっと暑い時の技として取っておこうと後者にする。

リスト聴きながら、書き物をする。そろそろ引越しの準備をしなければならない。もともと震災の中、妻子犬を送り出したので、整理すべきものはいっぱいある。転勤はいつ来てもおかしくない。東京にいても独居なのでいらないものも多い。やること紙にまとめるだけでもだいぶ違う。どんだけ粗大ゴミ出せばいいんだろう。

リストは、何にしても技巧が先に立つ印象だ。叙情的というより技術的。ショパン、シューマン、メンデルスゾーンらと交流があった、この時代の文化的ど真ん中の、ピアノスター。彼のピアノを聴いて失神するご婦人が続出したとかで、いまもリストを超えるピアニストは居ないと言われる。私も失神してみたいのだが・・(笑)いまのところそんな感じにはならないなあ。

ああ、冷房入れてたらなんと快適に物事は進むんだろう。(笑)考えてみれば、この2、3週間、昼も夜も休日も忙しかった。これくらいゆっくりしたほうがいいのだ。リストをマーラーの6番に替えて、長大濃厚な曲を聴きながら、次回の帰省で持って行くもの、今後の荷物の整理、また晩御飯の買い物の書き物をする。マーラーの6番はかっこよく、長い。4時にはすべて終わって、買い物へ。

晩は、手抜き餃子。キャベツや白菜は、1人分にはちとつらく、玉ねぎのみにする。ひき肉と玉ねぎと、塩こしょうと、チューブのにんにく。スプーンで混ぜて、皮で包む。15個出来た。フライパンで、3分焼いて、水入れて蒸し焼き。4分で出来上がり。この辺はハンバーグほかの経験が生きている。まあまず美味かった。そりゃそうだ。この味付け作り方で、「おいしくない」風には作れるが、まずくはとても作れない。ギョーザはこだわる人はいろんな味付けをしているし、手間には限りがない。でもビールのおともにはとりあえずこれで充分だ。

明るいうちに食べ終わった。さあ、明日はマーラーのDVDも返さなければ。最後に5番を聴こう。次は9番に1番「巨人」だ。

2011年7月2日土曜日

半年書評

きょうは、渋谷に行って来た。定期の更新と、洗濯機の糸くずネットがビリビリに破れたのでそれを買いに。タワーレコードのクラシックフロアで避暑しながらゆっくりと見学。リストの作品集を買った。今年はマーラーandリストイヤー。マーラーはここのところだいぶ勉強しているしコンサートでも聴いた。次のコンサートでリストのコンチェルトをやるので予習のための1枚でアバドとアルゲリッチの名演入り。今夜が楽しみだ。

さて、6月も終わったので、この半年読んだ本を羅列してみよう。

「球形の季節」「不安な童話」「三月は深き紅の淵を」「光の帝国 常野物語」
「象と耳鳴り」「木曜組曲」「月の裏側」「麦の海に沈む果実」「上と外」「puzzle」「ライオンハート」「MAZE」以上恩田陸。

ここまで読んで、「六番目の小夜子」「球形の季節」「ネバーランド」しかヒットなし。やはり高校生ものが恩田陸の本分か?「上と外」は夢中になったし、ほかもまあ、面白かった感はあったがいまいちである。

「ひそやかな花園」角田光代、「天才までの距離」「天才たちの値段」門井慶喜、「初秋」ロバート・B・パーカー、 「ジウ」誉田哲也

このへんはまずまず満足。心をえぐるヒューマンものに、美術ミステリーにハードボイルドの代表格に、現代的大規模アクション小説。興味深かった。で、上期の大賞は・・

「対岸の彼女」角田光代

で、ある。夫姑に理解されない働く妻。そこに過去と女性特有の友情が絡む。展開はさほど激烈ではない。でもこの作品が発するメッセージはシンプルでかつさわやかでサラリーマンへの応援歌とも取れる。さすがの直木賞受賞作。この本で角田光代の才能を確信した。

ジャンル変わったところでは「失点」楢崎正剛 「蜜の味」H・F・ハード、もあった。マンガでは「ピアノの森」にハマった。

ここまでで、20作品、23冊。数を量産し始めたのが震災発生後、通勤経路を変えてからということを考えるとまあ上々か。ひと月平均3冊ちょっと。後半はもう少し稼げるかな。次は恩田陸「ドミノ」吉田修一「パレード」歌野晶午「長い家の殺人」だ。

2011年6月28日火曜日

buzyなjune

ここ2週はちとハードだった。夜は飲み会、昼も忙しいシーズン、休日は家に居ない。おまけにアリはいきなり大発生するし、土日家に居ないので、クリーニングが追いつかないし。精神的に余裕が無いと良くない。暑いし。

関西から帰ってきて会議と飲み会で、パーティーで挨拶して、金曜はサントリーホールでコンサート。東京フィルで、指揮者は三ツ橋敬子。トスカニーニ国際指揮者コンクールで2位に入った「美しすぎる指揮者」の、いわば凱旋公演か。ベートーベンのエロイカ、皇帝。pfは横山幸雄。チケット完売しほぼ満員であった。そんな中、様々な意味で三ツ橋は期待に応えてみせた。指揮は実にキビキビとしていて、あいまいさがない。小柄だがその熱っぽさが人を注目させる。オケの集中力がこちらまで伝わってくる。曲目もいいのだが、それ以上に彼女のテンションと力強い流れるような動きが際立ち、とてもいいコンサートだった。最後はフラフラになりながら長く続く歓声に応えていた。素人目だが、最後の最後までは、指揮者もオケもテンションが持っていなかった。でもそれを差し引いても、満足だった。

翌日は5時過ぎに起きて飛行機で福岡出張。やはり九州は懐かしい匂いがする。日中研修で、夜宴会。そして母の家の近くまで電車で戻って、既知の友人と2次会。12時近くに帰って寝て翌日12時半の飛行機で東京に帰る。滞在は短かった。多忙な日々ゆえ仕方ないがでも楽しかった。

「ジウ」もうすぐ3巻めまで読み終わる。興味深く、夢中でよんでしまうが、ふうん、という感じだ。面白いけど、私の本道では無い気はする。これ読んだら、また恩田陸と、大橋巨泉の絵画の本と、吉田修一の山本周五郎賞受賞作だ。忙しい中、読書は充実してるな。

2011年6月22日水曜日

たかちゃん

関西から帰った後は、祭りの後のような心境になる。最近、よく文章を書く。書くと落ち着く。ネタは自分の思い出や、興味あるものに対する思考、哲学的なこととさまざまだがいくらでも書ける。今回はひとつ、アップしておく。

にしても暑い。地下鉄にはついに冷房が入った。夜も暑い。さっき扇風機を出したところだ。以下、思い出エッセイ。

最近よく小学校に行くせいか、自分の小学生時代を思い出す。福岡市の隣ベッドタウンの、新しい小学校。教室の窓からは、田んぼの向こう、小高い丘になっている古墳で出土品を探している、作業着姿のおばさんたちが見えた。

たかちゃんという女の子がいた。クラスが、確か1年から4年まで同じだった。たかちゃんは目立つ子で、身体も大きく、ハキハキして勉強も運動もできた。その上になんとも言えない人懐こい顔と性格をしていて先生にもクラスのみんなにも人気があった。よくある男子女子のいがみあいやホレたハレたの話にも加わらず、いつも大らかに笑っていた。6年の時はブラスバンドのリーダーをやっていたはずだ。

2年のとき、盲腸炎で入院したたかちゃんに、色紙に寄せ書きをして送ろう、ということになり、何を書いていいのか迷った私は、誰も書いてないことを一言書いた。退院したたかちゃんは、私を見つけると、人懐こい笑み満開でやって来て、大声で言った。「もうすっごい笑ったー!だってあなた、『手術は成功しましたか?』なんて書くんだもん!」このことはその後も折に触れて言われた。誰も書いていない、しかもけっこういいこと書いたかも、と本気で思っていた幼い私は、最初ぽかんとしてしまったが、たかちゃんは、からかうでもなく、むしろ喜ぶように何度もその話をした。私は私で、1年の体育でサッカーをしていたとき、レフティーのたかちゃんが得意の左足で思い切り蹴ったボールが、体育館の壁のかなり高い所にある大時計のそばまで、すごい勢いで飛んで行った、というのを持ちネタにしていた。たかちゃんは嫌がるでもなく、ケラケラと明るく笑っていた。たかちゃんと話すと、余計な感情はなにもなくなってしまい、会話が楽しくなるのだった。

そんなたかちゃんが憤った、珍しいシーンをよく覚えている。義憤などという類いのものではない。

小学校5年か6年のとき、学年全体で、廊下を走らないようにするにはどうしたらいいか、ということを話し合った。クラスの代表者が集まって、会合をした。私もたかちゃんも、それぞれのクラスの代表で、私は議長だった。たかちゃんはそこで「みんなで一斉に廊下を走ってみればいい」という案を出し、強く押した。そうすれば危なさも解るかもしれないし、いくら注意しても誰もが走るから、いっそのこと走るのOKの時間を設けてやって、走ってはダメな時はそう言ってやれば、むやみに走らないのではないか、という、自分の案の意味合いを説明した。

その場にいたみなびっくりした。まさに、逆説的で小学生の案ではなくアイロニーさえも含んでいた。私などは、たかちゃん、さすが・・そう考えるか?と感心し、むしろその案に惹かれ、立場上賛成とは言えなかったが、話し合いの中で擁護した。

しかし、廊下を走らない相談をしているのに、走る提案が受け容れられるわけもなく、またこの突飛な案には、他のメンバーも戸惑うばかりで、ギクシャクした話し合いの末、たかちゃんのアイディアは残念ながら否決となった。私がそれを告げると、私のクラスの担任が「当たり前たい!廊下走る走らんにいつまで話ししようとね!」と、大人にしては空気の読めないことを言った。

「だったらなんでみんな廊下を走るんですか?なんで走らない、という結論が当たり前なんですか?思い切り走らせればいいんです!」

たかちゃんは、目に涙を溜め、先生に言い放った。根本的な問いだった。たかちゃんなりに事態を本気で打開しようと、頭を捻った考えだった。でも相手にされなかった。私にはどうにも出来ず、後味の悪さだけが残った。その後たかちゃんとは、その話はしなかったが、小学生ながら、自分が感じたことを伝えておけば良かったと思ったこともあった。

たかちゃんには、人に真似出来ない、聡明さと魅力があった。いま思えば、才能だろう。

もうひとつ、よく憶えている事がある。3年生のとき、私とたかちゃんは隣の席だった。友人に言わせれば、私は姉がいるせいか、女の子にも特に意識せず、照れないタイプだったという。たかちゃんにも、普通に仲良く接していた。ある日、たかちゃんは、机から何かを私のほうに落として、座ったまま頭を下げて拾った。たかちゃんが頭を上げるその時、たかちゃんの豊かな髪が私の身体の横をゆっくりと撫でた。その瞬間、私はそれまで感じたことのなかったざわめきを心に覚えた。初めて、女の子を意識した経験だった。

それが淡い恋に発展したかというとまったくそうではなく、私の初恋は同じ小学校の別の子だ。たかちゃんは、それまでとは意識の仕方が多少は違ったけれど、でもどこまでもいいやつ、だった。

たかちゃんは、みなが公立に行く中、私立の中学に進学した。会う機会もなくなった。中1の夏祭りと、その後中2の時にたまたまたかちゃんの家の近くで会った時に言葉を交わしたが、それきりだ。もともと女の子は早太り、を地で行っていたたかちゃんは、けっこう女っぽくなっていた。いまごろは、仕事で名を上げているか、はたまた肝っ玉母さんになっているか。いずれにしても相変わらず、皆に好かれているだろう。

2011年6月21日火曜日

初カラ

この1週間、色々あったがともかく久々に関西に帰った。先週の背中の痛みは火曜にはほぼ消えた。早めに会社を出て新幹線。夕方には到着しそのまま息子が好きなパスタ屋さんへ。息子こどもピザ、パパママはパスタで済ます。おみやげはラトラータメダルセット。息子喜ぶ。

翌日は父の日参観日。参観はすでに一度あり、授業も親たちにかまうことなく進む。まあこんなものかという感じ。でも子供たち、もちろんまだ硬さは残っているけれど、学校にも慣れてきている。道徳の授業で、ある物語のストーリーの続きを考える、という課題、誰か出来た人と先生に問われて、数人しか手を挙げなかったところに、いつも控え目な息子がさっと手を挙げたのが親としてはちょっと嬉しかった。帰ってパンの昼食の後、ポケモンのモンコレゲームで暫く遊ぶ。パパけっこうレベルアップに躍起になる。その後横になって4冊くらい絵本を読んであげるが、パパそのまま寝てしまう。1時間くらいの間に息子は、しっかり動画でパパを撮影していた。後で見てびっくり苦笑。晩は近くの回転寿しへ。春先に息子と2人で来たがママは初めて。息子目をキラキラさせ廻るおすしに大はしゃぎ。ママも美味しい!と大のお気に入りで、3人でたくさんいただく。息子は卵焼きとまぐろだった。

翌日曜日は、早起きして映画。ゴーカイジャーとゴセイジャー主役の戦隊もの35周年記念作品。もちろん花相撲的だが、前回の仮面ライダー40周年よりはなんか感動した。中華の昼ご飯、買い物して帰る。午後は眠くてぼーっとする。息子に本読んで、と言われて読んでてもうつらうつら。気を入れ直して隣の神社に息子と行く。森が鬱蒼としていて、小径がたくさんあるところが興味を惹くようで、息子けっこう好きである。写真は屋久島ではなく、その森の一部を切り撮ったものだ。 ひと回りして帰る。犬たちを散歩に連れ出そうとしたら大雨。前回の帰省からもうずっと雨雨だ。夜は折り紙をずっとしていた。「多面体」を作るのが流行っているらしく、繋ぎ合わせる元の形を折って作って、上級生のお姉さんたちに組み合わせてもらうのだそうだ。写真のように。晩はブリの照焼き、とろろごはん他だった。

土曜の代休の月曜日、午前は母子で耳鼻科皮膚科。久しぶりにこちらの家で独り。N響のチャイコの5番の録画を観ていた。やっぱ燃えるし、スコアを多少研究した身としても、気持ちが入る。リフレッシュした。ハッピーセットにミジュマルのお風呂おもちゃがついてる、というわけで昼はマック。独り暮らしでは通常食べないのでこれも数ヶ月ぶり。ポケモンカードゲームで息子に連勝し、雨も止みヒマになったので、息子を連れ出して、行きたい、と聞いていたカラオケ屋へレッツゴー。初めてのカラオケに息子はノリノリでゴーカイジャーのオープニングエンディング、ポケモンベストウィッシュのオープニング、仮面ライダーオーズほかかつての仮面ライダーシリーズやウルトラマンを歌いまくった。まあ車の中でよく唄っているとはいえ、初めてにしては意外に上手かな。1時間で撤退、600円。ぶらっとして雨が降りだしたので、ちょうど来たバスに飛び乗って帰る。ママに話すとびっくりしていた。次はラウンドワンでボーリングにカラオケしたいそうだ。おやつ食べてなくておなかへった、と何度も言っていた息子、鮭とどて焼きにふりかけご飯ほかの夕飯はおかわりしてたくさん食べていた。買ってきたカラーメタリックの折り紙をしばし一緒にしたあと、最後の夜もパパと就寝。今回も終わったな。次に向けて忙しい日々。がむばろお。

2011年6月12日日曜日

多忙(?)

5月末から6月は飲み会が混む季節である。「連休明け行きましょう」が一気に来るからだ。先週は2回、今週は、火曜はダニエル・ハーディング指揮マーラーチェンバーオーケストラwithモイツァ・エルトマンで、マーラーの4番を堪能した。ソプラノが素晴らしかった。初めてのオーチャードホールもいい感じで、すぐ近くにある某演歌歌手のお好み焼き屋にも寄った。水曜日はお付き合いで銀座で2軒、木金はお休みのつもりだったが、電話がかかってきて、中目黒の某女流料理評論家の店へ連れて行ってもらい、+1軒でタク帰り。集中的に遊び過ぎである。

次週こそ予定は1回だが、翌日帰省。明けた週は2回、この2週のどこかに送別会がひとつ挟まりそうだ。こんなん本当に久しぶり。連チャンも避けていたのに。周囲の奥様方からは痩せ過ぎだ、と心配していただいていただけに、これで戻るかな。ちなみに同様の季節はもう1回あって、「年明け行きましょう」の1月末から2月である。

さてそして、この週末は「お泊り会」中学の同級生3人が、うち長年独身で、最近ついにマンションを買ったやつのところに集まるのである。この3人は、中学卒業時に青春18切符を使って京都折り返しの山陰山陽周遊旅行に出かけた仲。3人で同じ高校を受験して1人だけ落ちたマンションの家主、しかし東京の大学に現役合格、残る2人は地元の大学、もう1人の彼は大学院に進み研究者の道へ、私と東京の彼は同じ業種となった。地元の大学の2人は、在学中に東京のやつの所へ1週間遊びに行った。まあそんな感じで、ようは腐れ縁である。メシなら何回も食べていて、もう30年の付き合いだ。

ところが当日、私はひどい寝違え(?)で左の肩甲骨のあたりに激痛が走り、朝から動けなかった。私が言い出した企画だが、まじで行かないことにしようと思ったほどだ。しかも午前中は雨、ブランチこそ作ったが、左ばかりでなく右腕を使うと背中の筋肉が引っ張られるのか痛い。寝転がると起きる際にやはり激痛が来る。何もせずじっとしていた。午後までそうしていて、雨が止んだ、出発予定時刻の1時間前から荷造り、洗濯、クリーニングをバタバタしてなんとか出かける。前回借りて来て今回返すハードカバー3冊が重い。自宅近くのバス停から下北沢、小田急ですぐ。

一旦荷物を置いて、重量の半分を占める本を無事返し、近くのオープンテラスで晩ご飯、帰りに飲み物とお菓子買ってお泊りモード突入。近況報告はもちろん、研究者の彼に科学の話を聞いたり、本の話をしたり、サッカー語ったり、何がいいかと言って、泊りは時間を気にしなくていい。腐れ縁の3人は、多少強く言ったり否定してもカドなんか立つわけもなく、楽しく夜は更けた。1時くらいに、家主はベッドへ。研究者はソファ、私は寝転がると怖かったので、足乗せ付きロッキングチェアで座って、2人で3時半くらいまで話をしていた。途中やはり横になりたくなり、出してくれていた布団に転がったが選択ミスだった・・。

夢うつつで、痛みが襲い、声を出して苦しがっていた。一度目が覚めたが、起き上がるまでに30分を要した。痛い。昨日より痛いんじゃないか。左腕を伸ばすことも出来ない。もう横になるのは嫌だったのでロッキングチェアで寝直す。朝は休ませてもらい、他の2人は焼きたてパンを買いに行った。気温が上がると、痛みはマシになる。それをじっと待つ。

朝食はハムチーズ系のおいしい焼きたてパンに、ヨーグルトマーマレード入り、バナナにリンゴ、料理はしないと言っていたが、さすが独り暮し歴25年以上、なかなか軽やかに理想の朝ご飯を出してくる。ちょっと感心してしまった。

10時半ごろ撤退。またねー。小田急で戻ってちょっとだけ下北沢探検。実はバス停への道迷っただけなのだが(笑)、物価は安そうだし劇場はあるしでなかなか面白そうだった。近いし、今度遊びに行ってみようかな。家に帰り着き、ソファで、もうとにかくおとなしくしておく。一平ちゃん夜店の焼きそばだけ食べてうつらうつら。と、妻子から電話入る。息子は自分の部屋へケイタイ持ってってしばらくパパトーク。次帰ったらゴーカイジャーの映画である。んで、夏休みはいっぱいあって、ポケモンにカーズ2に仮面ライダーも映画をやる。映画多忙。また眠気が来たので夕方まで座ったまま寝る。今回は背中の痛みの原因はやはり首の寝違えのようだ。頸椎の左側を触ると痛みが走る。

買い物行って米洗い、靴を全部磨いて、晩ご飯は簡単チャーハン。ベーコンハムと卵のみ。にスーパーで買ったギョーザとポテトサラダにちくわ。好きなものばかりで楽しく食べた。作ってみて思ったが、チャーハンの味付けは、奥が深そうだ。

てな感じで、この痛みは遊び過ぎたバチかなあーとか思いながら、ちょっと明日痛みが続くなら本気で病院だな、とかも考える。平日が絡むこういうときは、とにかく早寝早起きが肝要。まずは、風呂にゆっくり入ろう。