2011年11月30日水曜日

晩秋の刺戟

ケーブルカーに、ロープウエーを乗り継いで、摩耶山に登った。もう関西に20年住んでいるが、登ったのは初めて。遅めの紅葉と神戸市街が綺麗だった。

安達千夏「モルヒネ」を読んだ。長編恋愛小説、と銘打たれているが、それだけではない。実に濃密で、共感は出来兼ねるけれど、感じ入った。繰り返し、手を変え品を変え供される、表現の山。計算というよりは、流れを重視して、練り上げた感じだ。11月の書評はまた別項で挙げるが、月間MVPである。恋愛小説で、初めて素晴らしいと思わされた。

イタリア映画「やがて来たる者へ」を観た。パルチザンに悩まされるナチス軍が、遂にゲリラが出没する村の人々を虐殺する、という実話に基づいた話で、1人の美しい少女を中心に描く。久しぶりの、本格的な、単館系映画、映像が綺麗で、短いシーンで、さまざまな人間模様も取り込んでいて、見応えはあった、が、ラストは余りに悲惨で救いが無く、暗い気分にさせられた。

忙しかった後の、束の間の、文化的刺戟。ようやく落ち着き始めたかな。

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