「季節風」は、もはや同じ感想。これで四季を読み切った。最初の、文房具屋のばあさんものが、出来過ぎの話とはいえ秀逸。大したものだ。「最後の恋」は、なんと男性のお薦めで、どんなもんだろう、という感じで読み込んでみた。「最後の恋」の捉え方でまた違ってくるかと予想していたところが、まあ、概ね同じ思想だった。柴田よしきは「うまい」と唸った部分があり、阿川佐和子のファンタジーは思い出しやすい。ラストを飾る角田光代は切ない。個人的には、恋愛は短編に向かないなと感じるが、まあ読む方のトライアルとしては面白かった。
時間の関係で、家ではハードカバーの「ふがいない」を読み、通勤路では「空中庭園」と同時進行した。どちらも、最近流行りの、登場人物1人称の章立てで、正直ストーリーも被っているイメージがあった。ネガティブな点を書くと、もはや読み物はセックスの描写が出て来ないとリアリティがないんだろか、とも思ったりした。どうも設定もストーリーも極端だし。ただ、「ふがいない」は最後に泣いてしまった。矛盾もにもあまりきれいでないストーリーにもやや辟易したのだが、何なのだろう。最後が真っ直ぐであったからかも知れない。計算ならば、絶妙だ。それとも瑞々しさか。「空中庭園」は相変わらず角田光代に出て来る男はふがいない、と苦笑してしまった。テーマの絞り方は面白く思ったが、理解出来ないような部分もあった。しかしながらやはり残るものはあったからさすがである。
関西に帰ってはや1週間が過ぎた。転勤発表、送別、引越し、各種手続きに新職場と、正直疲れ気味で、今日は1日ゆっくり休んでいた。冷えて来たし、風邪ひかないようにしなければ。
送別の品、皆本を沢山くれた。当分読むものには困らないが、今はあまり時間も出ない。11月は詩集「二人が睦まじくいるためには」吉野弘を読んで、いま安達千夏「モルヒネ」で、次か同時進行は、池井戸潤「下町ロケット」だ。その次の「境遇」まで読み切ってしまいたいのだが・・難しそうだな。写真は友人が送って来た、屋久杉。いいなあ〜。「黒と茶の幻想」ですな。拝んで寝よう。
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