昨夜は、終業と同時に三鷹 へ向かった。国立天文台に行くためだ。月に2回の観望会。50センチ望遠鏡が覗ける日。ここ数年行きたいと思っていたがなかなかチャンスがなく、単身赴任となってからは雨続きだった。空は全面の曇り。しかしチャンスあるかも、と地下鉄京王にバスを乗り継いで現地に向かった。この手の施設は、交通の便の良いところにはない。着いた国立天文台も、敷地内さえ明かりが少なく真っ暗だった。
なんか、冒険、という感じがした。小学校の理科クラブの天体観測で、暗い道、自転車で校庭に向かったのを思い出す。好きな先生、好きな仲間たちだった。結局、やはり空は晴れず、星を見ることは出来なかった。にしては、けっこう人が来ていた。待ち合いの間に、スタッフが、大画面のモニターでソフトを動かして、太陽系から銀河団まで説明してくれる。天の川銀河、という言葉はやっぱ好きだなあ。ここには私と指向を同じくする人がいっぱいいて、嬉しい。七夕の翌日ということで、若いスタッフは、女性は浴衣、男性は甚平姿だ。お茶の水の院生という女性に、別室でレクチャーを受ける。いよいよ望遠鏡見学。真っ暗な中をドームに向かう。思ったより小さいドームは半円の屋根が回転する。望遠鏡は、やはりどっしりとしていた。反射式の大望遠鏡。写真を撮って帰ったが、ああ、本当に、めっちゃ覗いて見たかった。次は梅雨明け夏休みの土曜日。子供連れが何百人列をなすらしい。晴れれば行ってはみるけど覚悟した方が良さそうだ。
帰りにスタッフに、長年の疑問を訊いてみる。
月は、夏は低く冬は高く昇る。何故なのか物理的な理解が出来ないのだが、と。最初に訊いたスタッフは月の高度の季節変化を知らなかった。代わって先輩らしいスタッフが説明してくれた。ようは光が来る方向に対する、地球上の人の接地面の問題だ、ということだ。完全理解には遠いが、ヒントは掴めた。後で復習してみよう。
帰りは、京王調布駅行きのバスの終着駅が小田急狛江駅だというので、最後まで乗ることにした。武蔵小金井か武蔵境あたりから来るバスなので、狛江までもそうかからないだろう、バスの路線てそこまで長くないだろうし、との読みは甘く、たっぷり40分かかった。でも下北沢まではそう遠くない。相変わらずというか、ばかでかい小田急の駅舎から乗ってけっこうすぐ到着、10時だからまだバスもラクショー、との考えも甘かった。目の前を最終バスが走って行った。仕方なく、下北から歩く。たっぷり1時間かけて、蒸し暑い中家まで歩いて帰った。下北沢はやはり若く活気に溢れている。金曜10時、駅には待ち合わせに手を振るカップルがいる。酔っ払った若い男女が狭い道で身をくっつけながらタクシーをなんとか避ける、どこもここも弾けそうな笑顔でテーブルを囲んでいる。
帰ってもまだ11時過ぎ。だいぶ冒険したような気もするが、なんだか得した気分だ。ゆっくり涼みながらこの稿を書いた。この時間は貴重だな、とも思った。
「四度目の氷河期」読了した。最初のほうは、家庭の不幸をよくここまで都合よく作れるものだ、とやや鼻白んだ。が、登場人物が抜群に愛せるのだ。発想も面白い。一見して、都合のいい、よくある成長青春小説なのだが、実に瑞々しく、面白く読めた。やっぱ才能っていいな。次は「長い家の殺人」読みたかった、名作。満を持して、いざ〜!
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