いま横浜だ。出張多くなるだろな、と思ってはいたが、やっぱり多い。ここクリスマス前の横浜は忘年会かなと思える人もいるものの、正直ふつうのウイークデーといった感じで人もあまり多くない。
さて、今年1年の読書を振り返るという企画である。年頭は東京で、角田光代「ひそやかな花園」から始まった。ここはひとつ、全て書いてみよう。
角田光代「対岸の彼女」、恩田陸「球形の季節」、角田光代「恋するように旅をして」、遠藤保仁「信じる力」、松崎康弘「審判目線で見たフットボール」、重松清「季節風 冬」「季節風 春」、ロバート・B・パーカー「初秋」、折原一「漂流者」、恩田陸「不安な童話」「三月は深き紅の淵を」「光の帝国 遠野物語」「象と耳鳴り」、門井慶喜「天才までの距離」「天才たちの値段」、恩田陸「木曜組曲」、誉田哲也「ジウ」、楢崎正剛「失点」、H・F・ハード「蜜の味」、恩田陸「月の裏側」「麦の海に沈む果実」「上と外」「pazzle」「ライオンハート」「MAZE」、吉田修一「パレード」、荻原浩「四度目の氷河期」、歌野晶午「長い家の殺人」、恩田陸「ドミノ」「図書室の海」、マイケル・シェイボン「ユダヤ警官同盟」、千住真理子「聞いてヴァイオリンの詩」、宮部みゆき「火車」、横山秀夫「ルパンの消息」、中村計「甲子園が割れた日 松井秀喜5打席連続敬遠の真実」、須川邦彦「無人島に生きる十六人」、湊かなえ「告白」、橋本紡「流れ星が消えないうちに」、「大橋巨泉の美術鑑賞ノート」、フィリップ・
K・ディック「高い城の男」、浅田次郎「日輪の遺産」、重松清「季節風 夏」、夏川草助「神様のカルテ」小池真理子「午後の音楽」、井上荒野「切羽へ」、真保裕一「最愛」、恩田陸「中庭の出来事」、辻仁成「海峡の光」、中山七里「さよならドビュッシー」、恩田陸「黒と茶の幻想」、重松清「季節風 秋」、角田光代「空中庭園」、「最後の恋」、窪美澄「ふがいない僕は空を見た」、吉野弘「二人が睦まじくいるためには」、池井戸潤「下町ロケット」、湊かなえ「境遇」、安達千夏「モルヒネ」、吉田修一「あの空の下で」、北村薫「鷺と雪」杉山茂樹「3-4-3」、角田光代「ドラママチ」、高野和明「13階段」、北村薫「リセット」と65作品。やはり1年積み重なると違う。
いま沢木耕太郎「チェーン・スモーキング」にかかろうとしていて、冬休みも読むだろうから、もう3冊いけたら、てなところかな。ちょっと気が早いが、大賞と5位までを発表すると・・
大賞 「リセット」北村薫
1位 「対岸の彼女」角田光代
2位 「モルヒネ」安達千夏
3位 「13階段」高野和明
4位 「パレード」吉田修一
5位 「四度目の氷河期」荻原浩
次点 「ドミノ」恩田陸
「神様のカルテ」夏川草助
ああ、私としたことが、最高賞にファンタジーを選んでしまった。しかも最近読み終わったのが多く、なんて分かりやすい(笑)。
「リセット」はかなり感じ入った作品となった。「鷺と雪」が序章となって、大きな感動を導いてくれたような気がする。時代考証と構成が非常に緻密で、背景に流れるものが見え、ストーリーも恣意的なものが無く自然に流れ、オチも秀逸。これが作家の力というものなのか、という感じだ。表現やエピソード単体から、全体で一つの本を編み込んでいる、というのがこんなに感じられた事はなかった。感情的にも「かなわんなぁ・・」と思わされた。
「対岸の彼女」は描かれているエピソード以上に、心に残ったものがあった。完成度と計算性の高い作品。「モルヒネ」は深く、作り込まれた作品。救いが無い部分もあるが、揺さぶられる部分もまたあった。「13階段」これも重いテーマ。気骨のあるサスペンスだと思う。「パレード」は、怖かった。読書しながらあんなにゾッとさせられたことも無いだろう。「四度目の氷河期」は好き、で入賞。「ドミノ」は個人的には恩田陸の転換期的なお笑い作品。「神様のカルテ」は変わっているが今年1番泣いた本。というわけです。
ああ長かった。でもとても充実した年間読書だった。来年も、読むぞ〜!
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