2024年12月23日月曜日

12月書評の4

◼️下川裕美子 いわしたようこ

分かっているつもり、でもたまには思い出してやんないとね。

獣医師さんが文を書いたポケットサイズの絵本。子犬との出会いと、思い出と、別れ。やはり思い当たることがありすぎて、思い出した記憶がさらなる過去の場面映像を呼んで、止まらなくなる。

実家では生まれてからずっと犬がいて、旅立ちも何度も経験した。だから残滓の重さも空しさも知っている。私が受験旅行から戻るのを待っていたように目の前で力尽きたクロ。成長してから初めて、ギャン泣きした。

でもだから、犬との時代は終わり、というのも知っている。2年前、18歳と11歳のミニチュアダックスを立て続けに見送った。賢く強気なレオンは老いてひざでの居眠りが好きだった。ちびのクッキーは、いまわのきわ、私の目をじっと見た。

家族生活の大半。割り切っている。いない方が正直楽はできる。ごはんの心配も、トイレも、散歩もなにもない。

ただたまにはね、思い出してやんないと。厚着して屋上へ、この季節、ふたご座流星群を観測しに行く私に「わたしも連れてってよ!」とばかりに吠えかかったクッキー。仕方ないなとダウンの中に入れて連れてってやった。おかげで暖かかった。

すみませんね。ちょー個人的なことで。

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