2024年11月30日土曜日

フクオカンな夜

先日東京🗼新橋の夏色にて気のおけないバスケ沼部員さんたちとごはん。同窓生のみならず福岡人の間では有名なお店らしく、同じ福岡の修猷館高校バスケ部の方とご挨拶したりしました。串絶品、なかなか関西では出会えないかしわごはんと食絶対満足の夜。みんないつもありがとう😊😆

夜は雨が降ったけれども帰りは多少晴れて、雪化粧の富士山🗻がきれかった。帰ると北九州出身の義母が来ていて、チロリアンが置いてありました。

11月書評の10

神戸モダン建築祭

安藤忠雄設計 リランズゲート

◼️原田ひ香「古本食堂」

神保町ってほんとにねえ、関西にも欲しいし九州にも欲しい。

神保町の名店ボンディのカレーは東京を離れた今でも出張時食べに行く。この本の最初の方に日本一のビーフカレーとある。気に入った笑

北海道・帯広で暮らしていた独り身の中年女性・珊瑚は神保町で古書店を営んでいた兄の滋郎が亡くなり、東京へ出て兄の家に住みながら店を開ける。生前滋郎の店を訪ねていた、親戚で文学専攻の大学院生・美希喜がアルバイト店員として手伝うことになった。日々本をめぐる出来事が起こり、人間関係が出来ていくー。

介護ヘルパーをしていた珊瑚さんは意外に?本に詳しく、困りごとの相談に見事に答える。進路について悩んでいる美希喜はまた院生で本の知識が豊富。出版社社員や作家の卵の若者も出演、人間関係が出来上がっていく。ボンディのカレー、ピロシキ、池波正太郎の愛した上海式肉焼きそば、若者と、滋郎の恋、そして珊瑚さんにも想い人が・・

多重で楽しい展開、積み重ねでちゃんとジーンとするいい読み物。本好き、神保町好きには、これこれ、という柔らかい作品。

続編出てるようだ。文庫になったらまた読もう。

繰り返しのもの、について考える。くだんの作家の卵がこんなことを言う。

「何を読んでも、何を観ても・・・・・・映画やドラマですが・・・・・・ああ、もう知ってる、わかってるって気分になるんです」

彼は不遜なキャラとして登場していて、小説のストーリーはもう出切っていて、新しいネタなんかどこにもないのかな、と思うらしい。

分かる気がする、なんて考えてしまう。簡単に書いてしまえば、例えば前半前向きに人間関係を構築していき、謎を潜ませる。途中で困難、空中分解寸前、というブロックがあり、突破口を見つけ、最後は全てが解けて大団円、とか。先が見えてしまうと少し鼻白む気分にはなる。

まあでも、だ。まずネタはいくらでもある。歴史、美術、音楽etcそれぞれをもっと細かくもできる。知識や味付けの豊富さで差をつけることも出来るし、書き方、は、ー法則を組み立て過ぎてしまい、最近やや画一的にも思えるがー、それこそ川端、太宰、谷崎と名前を挙げるだけでも千差万別。楽しみ方はたくさんあるかなと思う。

もうひとつ、分かってて楽しむ、というのもある、とも考える。今回も先に読んだ「危険球」もやはりクライマックスではホロリときてしまう。

まあ人間のタイプも好奇心旺盛な、とか感受性豊かな、とか同時にその真逆もある。実用本位の人、想像ではなくやってみて初めて分かる、という人など様々だろう。

たまに鼻白む気分にもなりつつ、でも本も映画も相変わらず楽しい、が続いている。

語ってしまった、まあたいしたことではないので読み流していただければ、です。

11月書評の9

シュウエケ邸。2階バルコニー上部の装飾はムスリムを思わせる。瓦屋根は鯱しゃちほこ、石積に松、そして芝生と東洋と西洋の融合。イギリス人建築家アレクサンダー・ネルソン・ハンセルが自邸として1896年に造った。ハンセルは異人館街の他の建築や旧居留地のチャータードビル、同志社大学理化学館、平安女学院明治館などを手掛けている。ほとんど見たことがある。

2年続けて見たけども、ここは広いしゆっくりできる。庭でガイドさんの説明を受けた。イギリス人建築家とのことで、あの・・のタイミングでジョサイア・コンドル?と言葉を挟んだら、そう、建築関係の方?なにか間違ったら言ってくださいね、と警戒されたようだったので!いえいえ素人の建物好きです、と釈明した笑。キーマカレーやスイーツも販売されていた。秋の神戸散歩かねて建築祭、いいね😎

◼️ 山尾悠子「初夏ものがたり」

著者の初期連作短編集。ほの見えるような、書き分けであるような。

山尾悠子は本読みが好む傾向にある、もはや伝説的な作家さんかなと思う。私は「ラピスラズリ」「飛ぶ孔雀」しか読んでない。いやー巨大な幻想の世界を作り上げて、滅びをも描く、難解な作品。だけどスケール感や刹那的な表現やキレがあり、また手に取る気にさせるーたまにだけど。私としてはそんな評価かなと。

今回は1980年発表の連作短編を収録したものらしい。少女向けの雑誌掲載というだけあって、怪しいけれどストーリー性はそれなりにくっきりしている。

「オリーブ・トーマス」
「ワン・ペア」
「通夜の客」
「夏への一日」

の4篇。それぞれに爽やかで、信仰に沿ったカラーの挿絵が入っている。

連作の中心にいるのはミスタ・タキ。ダークスーツに身を包んだ若いのか年配なのかわからない日本人。どうやら霊界からの依頼をもとに、現世の人間とのつなぎ役をしているようだ。冷静で、穏やか。記憶を消す能力も有しているらしい。ホテルに泊まれば最大限に尊ばれた施しがなされ、車を手配すれば市長夫妻のリムジンを運転するはずだったドライバーが回される。

かくりよの依頼者とうつしよの人物とのマッチングのギャップ、結局ルールも壊そうとする成り行きなどが小説のおもしろさか。少し超幻想の法則の香りもする、だろうか。しかも後に行くほど多少複雑になるし。ぬるくて最初飲みやすく美味しいお茶が、慣れるに従い2杯め、3杯めと少しずつ熱くなる、という、どこかで聞いた話のようだ。

初期の短編を集めた文庫が出たと読んだ記憶はあった。予備知識もなかったし、正直もう少し・・ブッ飛んでるかと先入観を持っていたのでやっぱり物足りる、ということはなかったかな。ただ興味ある作家の足跡は興味深い。

妖しさと、意外に複雑な構成と解題。その構築の精巧さ、ところどころの表現の鋭さと、長野まゆみや梨木香歩に連なるような、なんというか自然的、日本語的な味わい。

小腹だけ満たした感じ。ガツっと幻想ものを読みたくなってきた。困ったものだ。難解でも突っ込んでしまう。本読みの宿命やね。

【神戸モダン建築祭】子ども図書館

これも安藤忠雄氏設計のこども本の森 神戸で終わり。三宮&北野地区の公開建築をコンプリートしました。子どもたちは階段に座って読む。だから座布団を置いてある。大人たちも階段に座って説明を聞く。あまり広い建物ではないけども、のびのひして本を読めそう。採光もいいし。

楽しい日だった・・よく歩きました。

【神戸モダン建築祭】

ランチはシンガポール🇸🇬チキンライス。歩き疲れた足をスイーツで癒す。台湾テイストのカフェ里弄(リーロン)さんへ。当地のスイーツ豆花(ドウファ)とアイスの台湾ジャスミンティーでエネルギー補充。食満足!

【神戸モダン建築祭】港近く

お向かいのKIITOへ。モダンな外装や階段、そして入居している市立三宮図書館は、ズラリと並ぶ机あり、さらに2人用のデスクの周りを囲ったり、何やら変な凹みのついた閲覧用オブジェがあったり、オシャレで面白かった。みなさん読書勉強中だったので写真は撮らなかったっす。ここはもう1回行きたい。神戸商工貿易センタービル26F会議室からは大阪湾、ポートアイランド、そして建設中の新アリーナ、ジーライオンアリーナがよく見えました。

【神戸モダン建築祭】北野から海岸通りへ

北野からフラワーロードと海岸通りが交差するところまで南に下って神戸税関。この円塔はかつて高層ビルがないころ、港のランドマークだったとか。絵になるね玄関。いくつものドラマ映画のロケ地になってるそうだ。

【神戸モダン建築祭】②

シュウエケ邸ソファの模様がかわいらしかった。和風石積み&松、そして芝生という和洋折衷の庭では説明も聞いてだいぶ理解が深まりました😊

神戸の安藤忠雄建築は通路階段が迷路のようでおもしろい😎

神戸の建築祭

今年も神戸モダン建築祭を回ってきました。中心である三宮・元町エリアから北、異人館街のある北野へ坂上がり。北野坂から登って西へ。ハンター坂のリランズゲートは安藤忠雄の設計。コンクリート打ちっぱなしに迷路のような通路と階段。子どもが喜びそうな造りです😎

近くのメディウム邸、中華民國留日神戸華僑總會、これまた安藤忠雄氏の若い頃の作品という赤レンガ🧱のローズガーデン、シュウエケ邸と回り坂を降りる。この辺の洋館はどこもサンルームがあってあったかい感じがする。

初KITTE

(11/23土の記事です)

ちと用事があって最近できた大阪駅近のKITTEへ初めて行ってきた。ランチのレストランフロアを目指す大行列、11時の開店前にザーーッと1階エスカレーター前に並んでいるのにはえーーっと圧倒された。大阪駅方面から新橋にあるような通路でつながっている。これも初めて外壁模様替えをした阪神百貨店も見た。グランフロント側へ行って新しくできた公園、グラングリーンを見渡す。うーん想い出の地下道やっぱりなくなっちゃったのか。次の機会に歩いてみよう。

帰って浜松国際ピアノコンクールファイナル1日めを公式YouTubeでライブ視聴。6人中2番め小林海都はバルトークの3番。登場からけっこう物馴れたステージピアニストのような雰囲気。堂々として歯切れの良い演奏を披露。曲のリズム感に身体が揺れる。次のヨナス・アウミラーはブラームス1番という大曲を弾き切ってオケの団員からも足踏みで称賛が。しかし長かった😅2日めは外出でライブを観られない。ベートーヴェン3番を弾く鈴木愛美は3次を聴くといいオーラを持っていると思った。頑張れ!浜松は格式高いコンクールで2位に入った牛田智大は前回のショパンコンクール、実績が認められて予備予選免除となった。

さらに神戸散策。天気が良くても北風が吹くと結構寒い。寒波の晴れ、カッコが難しいね🤨

神戸朝日ホール

神戸・乙仲通りでランチ&スイーツ、セレクトブックショップ寄った後、旧居留地の映画館でカンヌ映画祭出品作の映画を観る休日。散歩していると、ショパンコンクールの課題曲にもなっている大曲ソナタNo3のフィナーレ付近が聴こえてきたので足を向けるとストリートピアノを演奏していた。けっこうなレベルの方とみた。弾き終わりで拍手👏

映画は「息子の部屋」でカンヌの最高賞パルム・ドールを取ったこともあるナンニ・モレッティ監督作品。当時よりは明るく柔らかくなったような・・映画撮影ベースの物語でほどよくわけわかんなかった😎😄

地元の駅すぐのコーヒー焙煎店には喫茶があり、よく利用している。最近夕方に、お仕事紹介で来た小学生女子2人が塾前に寄っていくようになったとかで、私も2回めの遭遇。惑星の名前を順番に。水金地火木土天海、ふふふ私にそれを訊くとは🤭次は政令指定都市20全部分かる?分かるわけがない数が多すぎるやん😵‍💫電車が来たのを見てホームに走る彼女たち。こ、コケるなよ。コロンビアを飲み干して家路についた。

1003

やはり古いビルに入っているセレクトブックショップで新刊と古書を購入。皆川博子と山尾悠子、どちらも本読みが好きな作家さんというイメージで、ちょっと憧れがあったりする。

実は本にはそこまでお金をかける方じゃなくブックオフ図書館の常連だったりするのだけど、こういうとこ行って、あっ発見💡となったら買っちゃいますね。

乙仲さん

神戸南京町の南側、乙仲通りには小ぶりのモダン建築ビルが多く、アクセサリー雑貨、古着などの店が点在してて、女性誌に取り上げられるようなオシャレな一角。そんなビルのカフェでランチ。ガレットにコーヒー付き。ソフトクリームオプションでやはりスイーツ男子😎

前の記事にアイスの写真あるね😉

2024年11月28日木曜日

11月書評の8

◼️ 木住鷹人「危険球」

まっすぐはいいな、とホロリ。高校野球もの。先の京都文学賞最優秀賞。

関西に住んでいながらたまに美術館に行くくらいで、長い間京都シロートだった。コロナ前の年末に立て続けに京都案内することになって急遽勉強、そこから京都に興味が湧き、建築趣味も手伝って月に1度は通うように。地理や歴史が分かるにつれハマっていっている。

夏の甲子園をかけた京都大会決勝戦。0-0、緊迫した投手戦の7回、小暮東工の剛球投手、権田は境風学園のエース、仁科の頭にデッドボールをぶつけてしまう。仁科は昏倒、その直後、境風の野球部員でスタンドで応援していた仁科の親友、葉川は信じられない言葉を権田の口から聞いた。

「あんな球、避けられるでしょ」

球審鍋島は権田を危険球退場とした。その後新聞への投書をきっかけに権田はSNSでバッシングに晒され、決勝は勝ったものの甲子園でメンバーに入ることはなかった。

木暮東のキャプテンでキャッチャーの牛島、葉川、鍋島を軸に、それぞれの物語が動く。そして突破口がー。

「危険球」の前の回の最優秀賞「ビボう六」では二条城を印象的に描いていた。さすがというか当然というか、京都文学賞、京都の描き方が上手い。今回も京都市の北、金閣寺方面と南、伏見稲荷のある方向、京都駅近の東寺、西寺あたりを絡ませて対比させている。また真夏と秋から冬へ向かう季節、移り変わりの織り交ぜ方も染み入るように効果を上げていると思う。

たびたび行くようになって、やはり京都には京都の街並みと雰囲気がある。東山魁夷に京都を描くことを勧めた川端康成もそのような意味の事を言っていた気がする。たしか。

まっっすぐな話で最後思わずホロリと。表現の細部にも気を遣っているのがよく分かる。キャラ設定も分かりやすい。

実を言うと感動しながらやはり疑念が消えなかった。物語は通常あり得ないことでも描ける。ただ、年代関係なく、頭にぶつけたピッチャーがこのセリフを言うのはちょっと・・というもの。まあココロ動いたからいいか。またセリフが少しくどいきらいはあるかな。

やはり京都は特別だ、と思う。京都もしくは京都の大学出身の作家の著書は多い。歴史がありそうな通りの名前を入れただけでバリューが出るし、観光した人も多いであろうから東寺、衣笠、伏見、八坂神社という名前が出るとイメージが膨らむのではないかなと。京都に行くと、漂う雰囲気が違う。ちょっと京都に酔う、感覚?

爽やかな野球ものof Kyoto楽しみました。

11月書評の7

◼️原研哉「白」

グラフィックデザイナーが説く白、とは。経験と考察からー。

先日ハン・ガン「すべての、白いものたちの」を読んだ際、白といえば、と読書友が教えてくれた本。

白とは、日本の伝統色における白、たとえば「白は混沌の中から立ち上がってくる最も鮮烈なイメージの特異点」といったような白の印象、位置付け、そして紙の白と文字。加えて茶室や絵画の空間におけるエンプティネスと白との関係、最終章では清掃や未知化に言及し、慈照寺銀閣での白砂と月の光で締めている。

経験と知識からくる考察の叙述で、後半は英文であり、日本語部分は80ページくらいの本。

白につながるものをさまざまに挙げて、伝えるべく表現していくのはなかなか興味深かった。

個人的には最終章にある、白い髪に筆で書くことの不可逆性、がどこかしっくりきた。もちろん書き損なえば紙を替えて書けばいいのかも知れないが、失敗できない文書や紙、絵画もやはりあっただろうし、いまもある。その点データとの違いが際立つのもなるほど、と思った、でもそれ以上に感覚的に刹那、という単語が頭に浮かび、ストンと落ちた気がする。

ぎゅっと詰まった短い作品は好み。良い読書でした。

11月書評の6

◼️ 東野圭吾「むかし僕が死んだ家」

小学生以前の記憶のない元カノと無人の別荘地で過ごす、捜索と推理の夜。芝居に向いた話かも。

高校から大学、かつて6年間付き合った元恋人の沙也加の頼みで大学の研究助手・中野は一緒に山中の別荘地にある無人の一軒家を訪ねる。沙也加の持っていた鍵で中に入った2人は、電気も水道も引かれておらず、時計は全て11時10分で止まっている不思議な別荘の捜索で様々なものを発見し、沙也加の記憶につながる事実を推定していくー。

なにも分からない状態から、閉鎖空間で2人だけで立ち回る。そしてだんだん過去を明らかにしていく2人劇。なぜこの家はあるのか、まで根源的に掘り下げる。

こういう展開になると先が読める気がするものだ。おおむね理由は予想がつく。ただ少しずつ判明していく過程はやはり読んでてスリルがあるもので、パラパラと読み終わった。

ドラマとしての形式は興味深いが、ネタを読んでしまった後としては、見えないものはやはり見えないなと。だからいいのかもしれないが、もう少し鮮明にする方法はあったのかもしれない。謎を何重かにしようと思ってひねったらやはり分かりにくくなる。見えにくくなる。そんな気がした。都合の良さもチラリと。

東野圭吾と仲の良い作家、黒川博行の解説からは作家としての東野圭吾の本音というか、リアルな姿の一部が垣間見えて興味深かった。東野圭吾は直木賞選考でも厳しい意見を厳しい言い方で表す人、というイメージで、今回読んで、やはり大変高度な能力を駆使している部分があるんだなと。

古い作品。まだスマホもケータイも出てこない。男女の妙も含めて懐かしく楽しめました。はい。

またバスケ🏀とフィギュア⛸️とキャプテン

*11月17日(土)の日記です

んんー特にない週末。家にいたい症候群、買い物程度の外出で、両日とも雨に降られた。空いてる時間も細かい用が多くてそれをこなしながらで、のんびりする時間が微妙にない。ひさびさにスタバでスイーツ持ち帰り。近所の公園にははやクリスマスのオーナメントが。

日曜日は昼前に帰ってきて🏀日清U-18トップリーグ最終日とフィギュアスケート⛸️グランプリシリーズフィンランド🇫🇮大会。男子鍵山優真、女子吉田陽菜が優勝でどちらもグランプリファイナル進出を決めた。

🏀福大大濠は藤枝明誠に勝ち優勝🏆を決めた。福岡第一はインターハイ準優勝、岐阜の美濃加茂に延長戦、オーバータイムの末敗れた。テレビスマホの配信に釘付けの午後。

山の家で朝雨で寒くても昼の下界では暑かったりする。きょうなんかは特に外出してすぐ雨がやみ陽が照るというはなはだ都合よろしくない気候の成り行きで帰り厚着の身にはめっちゃ暑かった。また、夜は夜で寒めだから冬ふとん、で寝ると寝る時は暑く、寝てる間にふとんをはねのけると朝方寒くて目が覚めたり。やれやれ。

私は本読みで、幼い頃読んだ本で印象に残ってるのは「無人島の三少年」という児童本。あと「まんが日本神話」キリスト教の本「ベッドタイムストーリーズ」。小学校では怪人二十面相とアルセーヌ・ルパン。ホームズさんは中学から。

で、週刊紙連載のマンガでは、野球の「キャプテン」「プレイボール」言葉をしゃべる犬の話「わがはいはノラ公」このへんジャンプですねー。鳩レースの話「レース鳩アラシ」「ドカベン」「ブラックジャック」その他チャンピオンはずっと読んでた。

で、すでに亡くなった著者の作品を別の漫画家さんが当時へのオマージュを込めて続きを描いている「キャプテン2」で、主人公の1人谷口タカオが監督となり墨谷高校はついに甲子園に出場する。中学でも高校でも谷口のキャプテンを継いだ丸井、丸井のキャプテンを継ぎ中学で全国制覇を成し遂げたイガラシ、左の好投手井口、イガラシの後のキャプテンの右投手近藤らが甲子園の土を踏んだ。

分かる人少ないかもだけど、独りちょっと感動していた🥹中学の地区大会レベルの学校から話が始まって、私は福岡で家族と読んでいて、墨高は何十年後に高校で甲子園に辿り着いた。私は甲子園のある西宮市に住んでいる。

トシがばれてまうな🙂

まあ本読んで本買って借りてマンガ読んでスイーツ食べてほくほくとはしてます😁それでいいっす。

11月書評の5

◼️ ハン・ガン「すべての、白いものたちの」

白、がモチーフの連作、詩に近い。切れ切れの文章に透き通った、冷たい風に触れるようだ。

先のノーベル文学賞となったハン・ガン。当然興味があり、書店で目にした文庫を手に取った。あまり予備知識もない状態で読む。

母が独りで産み落とし、2時間くらいで逝ってしまった姉にあたる赤ん坊。その存在を強く感じた著者は白、白の色彩の中、亡き姉の意識を宿して未来に目にしたかもしれない光景に感じる。

1ページほどの分量で散文のような文章がいくつも連なっている。間にいくつかイメージ的な写真が挟んである。

最初に白でイメージされる単語を並べている。そこから次々と繰り出される白の事象や物でさらにさらに物語は白くなる。すると織り込まれる黒や赤の色彩がより鮮やかに、生々しく感じられる。

夜明けの霧、光、犬、母乳、ろうそくとその雫や芯、鳥、霜、雪、みぞれ、破壊され尽くしたワルシャワの街。

白く笑う、は韓国の言い方で途方に暮れたように、寂しげに、こわれやすい清らかさをたたえて笑む顔、のことで使い方によりニュアンスが異なるらしい。

海岸で拾った白い石は沈黙をぎゅっと固めて凝縮させたような手ざわり、叔母に連れられて行った喫茶店で初めて見た角砂糖・・なんか琴線をあえかに弾かれる感じがする。

白ではないが、一日が終わって、沈黙のぬくもりが必要、というくだりには深く共感した。

さて、白を追い求めてみる、自意識を構成しているもの、連作詩集のようなスタイル。これを実験的というなら成功しているのではと抵抗なく思える。強く感動するわけではないし、解説を読まないと分からない背景と構成の妙がある。

おおむね、というか特に身近にあるものを難しくない言葉で淡々と述べている。そこから鋭い感性が気体となって吹き寄せる感がある。白を底に置く発想はまさに白眉で、そこに生、生きるものの生、なまを醸し出す。

純文学と言われるものにはヘンテコリンなものもあって、ひねっているのもそれなりに味があるものだけれども、このまっすぐな実験は静かに、読み手の心を動かす気がする。

興味深かった。ただこれだけでは分からないな。「菜食主義者」や「少年が来る」も読んでみたいな。

11月書評の4

◼️八木荘司「古代からの伝言 悠久の大和」

武断主義の大伴氏を謀略により失脚させた蘇我稲目。しかし文人閣僚・蘇我の三韓政策は迷走する。苛烈な権力争いは内戦へー。

507年、武烈帝の子や孫に男子の皇子がおらず、大連(おおむらじ)であり最高権力者の大伴金村(おおとものかねむら)や物部麁鹿火(もののべのあらかひ)らは越の国、いまの福井にいた遠縁の男大迹王(おおどのきみ)を迎え、第二十六代継体天皇が即位する。このへん議論が多いらしい。実は地方豪族が取って替わって天皇と称したとか?ただ継体天皇から後は実在が疑われる帝はおらず、現代に至るまで繋がっているとされているらしい。

大阪府高槻市の、継体天皇陵と目されている公園には行ったことがある。私も福岡は須玖岡本遺跡のそばで育ち、公園に小山があって池があって、という構造は懐かしかった。なので少し継体天皇にシンパシー。

皇統問題は落ち着いた。しかしまたぞろ三韓問題がこじれ、国内では古代最大の反乱、磐井の乱が起きる。金村は物部麁鹿火を派遣して反乱を鎮め、その後半島には我が子狭手彦を将軍として行かせ、新羅を破って任那を回復、高句麗とも戦って百済の信用を取り戻した。

国内政策では税収を増やす政策を取り、天皇の信任を得て全盛を迎えた老大伴金村だったが、若くして台頭してきた蘇我稲目の謀略により過去の半島政策の瑕疵を咎められ失脚する。稲目は娘を妃として天皇の外戚になるべく動く。

蘇我稲目は経済には明るいものの武人ではなく、軍事豪族だった大伴氏のこれまでの政策を古い、と大きく変更、朝鮮には兵を送らず政略により利を得ようとした。ところが百済の暴走もあり、ついに任那は新羅により滅亡させられる。

この頃仏教が伝来、新しい宗教に蘇我稲目は信仰を深め、天皇も興味を持つが、物部氏、神職の中臣氏は、稲目が建てた信仰施設を焼くなど仏教を蕃神として排撃の活動を強める。稲目は天然痘の流行で天皇が空位になり、穴穂部皇子が帝の地位を狙ったタイミングで中臣勝海を暗殺、敏達帝の皇后である姪の炊屋姫(かしきやひめ)の命を得て穴穂部皇子を誅殺した。さらに大伴氏を味方に引き入れ、軍事氏族、物部守屋との全面戦争に踏み切った。

滅びるか滅ぼすかの戦に勝ったのは蘇我氏サイドだった。やがて炊屋姫は推古天皇として即位し、長い在位期間、厩戸皇子、聖徳太子とともに統治に及び平和な時代を創出するー。

前の巻から出ていた、蘇我氏は軍事的な才はなく、文官的な閣僚だ、というのに少し驚いた。中臣氏が神職というのはどこかで読んだ。どうにもこうにも強くて逆らえない独裁の時代を築いた蘇我氏にしては武力はなかったんだなと。対外政策もうまくやりそうに見えて現実に沿っておらず、蘇我稲目が一時勢力を落とすというのは興味深い。

穴穂部皇子が炊屋姫をモノにしようとして敏達天皇の殯の宮に押し掛けた際、姫を守った三輪逆(みわのさかう)は悪役穴穂部皇子ー物部氏に殺される。そのことを姫が決して許さず穴穂部皇子を誅したくだりはやはり印象的だ。もう少しメロドラマチックな小説でも読んだことがある。いつか秋晴れの日に訪ねた推古天皇陵をも思い出しつつ浸った。

まだまだ時代は激動、聖徳太子が活躍し、乙巳の変が起き、百済が滅亡、壬申の乱がある。とはいえ、今回の古代の旅はこれでおしまい。やっぱり、おもしろい。

飛鳥、また大阪の太子町へ行くと、時がゆっくり流れている気がする。悠久、という雰囲気を感じられる。蘇我氏が建立した飛鳥寺には乙巳の変の際、中大兄皇子や中臣鎌足ら正規軍が集結し、向かい合う甘樫丘(あまかしのおか)の蘇我氏の屋敷に集まった兵士と対峙したという。甘樫丘に登った後、飛鳥寺から丘を眺めて、心にじわっと何かが湧いてきたのを憶えている。

最近スマホ病でゆっくり本を読む時間が減り、思うように進まない時もあり、読書がやや嫌になっていたと思う。そこへ食いつくように読める本書シリーズを偶然手にして救われた気がする。読め、と?うまく回ってる感じがする。

まあまあ、本好きを取り戻し、また興味ある本を読もうかな。

11月書評の3

◼️ 八木荘司「古代からの伝言 民族の雄飛」

神功皇后、応神天皇と積極果敢な半島政策が続く。段々と日本の位置付けが明確になる感覚。

この巻は西暦300年代から400年代、主に神功皇后から応神天皇、仁徳天皇を経て雄略天皇までの時代らおもに朝鮮半島での争いを中心に書かれている。

特に朝鮮半島との関連については、歴史教科書では任那が出てくるくらいで、突然白村江の戦いで敗れた、という事象にジャンプする感じで、どうも茫洋としてつかめないものがあった。この時代は非常に活発でエキサイティングだ。

神功皇后は神がかりで半島への出兵を命じ、新羅に攻め入り、臣従させる。皇后は臣たちの説得に耳を貸さず男装の麗人然とした装いで軍とともに行動する。

「敵が強くとも怖じてはなりませぬ、婦女を暴力で奸す(おかす)者をゆるしてはなりませぬ、みずから服しようとする敵を殺してはなりませぬ」と命じながら。

神功皇后の子、応神天皇もまた半島関与に積極的だった。百済に注視し、名君好太王の高句麗と新羅の連合軍と戦った。

国が隣接していれば、なんらかの紛争があり交流が深いと考えるのは自然だと思う。特にこの時代、外国といえば朝鮮と中華で、半島情勢は安全保障に直結すると強く思われていた。また貿易の利も大いにあった。だからこそ百済を中心として日本は積極的に関与した。

これは必然的に日本が軍事大国、強国であることを大陸に知らしめることとなり、個人的にはその後も時代が下っても意識はしばらく残っていたのではと思う。もちろん中華世界からは日本なんて辺境の地だという意識があったのかもしれないが。

これら軍事行動に躊躇しない天皇のもとで働いた武内宿禰(たけしうちのすくね)やその子の平群木兎(へぐりのつく)、抜群の外交手腕を発揮した千熊長彦らの仕事も、実務的かつ人間的で、時に強引な帝の指示に従って苦労し、時に夫婦仲のこじれた帝の相談役となり・・この時代、名前の響きも異様で面白く、しかし行い、仕事はあまり現代と変わらないかも、と思わず微笑する。

このように知識を得ると白村江の戦いもリアリティに富むものだ。三韓の行く末には日本も深く関わっていた。歴史を見る時に襲われる、独特のワクワク感。次の巻が楽しみだ。

バスケ🏀とフィギュア⛸️と

(11月10日の日記です)

先週末、今週末は京都モダン建築祭で、西陣の方に行きたいなと回るコースもイメージできていたものの、先日の大阪の建築祭で痛めたかかとの傷が痛く、また体調もなんか神様がやめろって言ってる感じだったので残念ながら見送り。家でおとなしくしてました。参加建築も増え、またパスポートで記念品をくれたりする協力店や美術館もある。そう、建築祭っていろんな楽しみがあって、行って初めて分かって嬉しくなる。だから張り切りすぎて無理して回ってしまう😅来年も続くだろうでしょうけれど、お天気良かったし、行きたかったー😢

月末の神戸の建築祭に行くかどうか。ともかく足を治すことを心がけよう。

今季最初の寒波、我が家もコタツとツリー🎄が。「炬燵は人間の眠り箱」と書いたのは太宰治。居心地いい座椅子にもたれなかなかいい気分。きのうアニメ「チ。」を観ながら寝てしまった。

今週はまた夏日に届くかという気候らしい。まあ朝晩の冷えはあるだろうし冬はすぐそこ。

家で🏀日清U-18トップリーグ、

○開志国際vs福岡第一●
●東山vs福大大濠○
●東山vs福岡第一○
○開志国際vs福大大濠●

を観戦。この時期はウィンターカップの県大会もあり、高校によっては疲労もありそうだった。開志国際はインターハイではベスト8だったもののかなり調子を上げているようだ。165cmのポイントガード清水選手のスピードとキレは目を瞠るものがあり、小さくてもできると、何か嬉しくなる。インターハイ優勝の東山は今回連敗となった。

んで、フィギュアスケート⛸️NHK杯。鍵山優真、坂本花織がそれぞれ格の違いを見せつけて優勝。男子は3位に壷井達也が入り、女子に至っては2位千葉百音、3位青木祐奈と日本勢が表彰台を独占した。坂本花織は髪色を変え、イメチェンに成功していると思う。千葉百音は、自分の思い通りにいかない部分があったこと、またおそらくは負けたことに、少し不満そうで観てる方はチャレンジ精神にいいぞ、となった。青木は充実の時期を迎えているように思う。

鍵山に限らず男子は、4回転半アクセルを始め全ての種類の4回転ジャンプを跳ぶイニア・マリニンに相対していかなければならない。キム・ヨナvs浅田真央、羽生結弦vsネーサン・チェンなど、過去にはハイレベルでヒリヒリするような試合があった。マリニンを脅かすようなレベルアップを期待したい。

ジュンク堂、なじみの古書店で外書をば。なんつっても先のノーベル文学賞、ハン・ガンが楽しみ。ルシア・ベルリンも新刊文庫が出てたなと。人気のこの本読んでなかったので入手。

冬のさんざめく星座たち、1等星が多く空気の冴えた季節に美しい。アルデバラン、カペラ、ベテルギウス、リゲル、シリウス、プロキオンにポルックス。いまは明るい木星もあって、火星はふたご座付近に赤く、なかなか気持ちがいい。去年は天気が悪くて観られなかったふたご座流星群、今年はどうかなと。

はい、家事しながら、てな週末でした。

2024年11月9日土曜日

11月書評の2

◼️八木荘司「古代からの伝言 日出づる国」

聖徳太子、推古天皇の飛鳥時代。蘇我馬子ら群臣と、大国隋の絡む半島情勢。古代LOVE👍

たまたま続きものらしい3冊を入手、史書に基づいて歴史を物語化していくシリーズのようだ。592年の蘇我馬子による崇峻天皇殺害から628年、推古天皇の薨去までが語られる。

異国の宗教として仏教を排撃した物部守屋を退け、蘇我氏が勢力を伸長、初の女性天皇である推古天皇、摂政の聖徳太子のもと仏教が興隆した飛鳥時代の話。

国内的には動乱はなかったものの、大陸と朝鮮半島は激動の時期だった。中華を統一した隋が南下を窺い、半島では北部の高句麗、西部の新羅、東部の百済が激しく争っていた。隋が直接の勢力圏を拡大すると日本の安全保障にかかわるため、朝廷は九州北東部沿岸の防備を固め、さらに万余の軍勢で攻め入ったりもしていた。

この巻では複雑な情勢のもと、実際に高句麗や百済との交渉に当たった大伴咋(おおとものくい)という大将軍の動きを中心にドラマが展開され、聖徳太子が隋の煬帝に贈った「日出る処の天子・・」という親書で1つのハイライトを迎えるようになっている。

やはり古代は好きで、集中して読める。

崇峻天皇殺害の実行犯・東漢駒(やまとのあやのこま)と馬子の娘河上娘(かわかみのいらつめ)との不倫がひとつの軸になっていて、これは推古天皇と武官の三輪逆(みわのさかう)とのメロドラマも来るかな、と危惧した。しかし推古天皇は一貫して英邁かつ意思の強い帝として捉えられており、好感を持った。聖徳太子については、当時の国際情勢を的確に掴み、大国隋と対等の関係を明確にした親書の件を高評価しつつ、理想主義に走るきらいがあったという側面も記している。

聖徳太子は、大阪府の南部、いまの太子町の磯長の寺に墓所がある。母の間人皇后らと埋葬されているという。数年前に訪れ、近隣にある父用明天皇の墓所や、ひときわ目立つ推古天皇陵も見て回った。古代から平安から戦国以降も大人気の聖徳太子。こうして物語を読んで磯長を訪うと想像が飛んで不思議な気分になる。公共交通はめっちゃ不便だったけど。

このシリーズ、新聞に掲載された年月を確認して順番にと最初にこれを手に取ったものの、実は掲載順は必ずしも時代順ではなく、この巻が最も年代が進んでいた笑。

史上唯一の臣下による天皇殺害というショッキングな出来事から始まっている。しかしながらそもそも推古天皇はその前に政敵穴穂部皇子(あなほべのみこ)の誅殺を命じていて、これが物部氏と蘇我氏との大戦争に繋がった経緯がある。このお話はまもなく読めそうだ。楽しみ。

古代は黒くて、激動、混乱、内憂外患の時期。やはり好きだな。

雨行動晴れ休み

3連休、初日は🏐SVリーグ観に行って、中日はお休み日で、🏀ウィンターカップ兵庫県大会決勝をサンテレビでライブ観戦。報徳学園vs育英。これはライバル対決で、去年は育英が1点差勝ち、夏のインターハイ県大会では報徳学園が勝っている。終始報徳学園がリードする展開、しかし4Q、連続スリーとフリースロー3ショットで育英が土壇場で3点差、1ゴール圏内に詰める。最後は2点差で報徳の勝ち。熱気あふれる決勝だった。エキサイトした。

大河ドラマ、深夜ブルーロックとチ。でアニメかぶり連続。日曜日はテレビが忙しい。そのままつけてたNHK番組で歌うまデュオ"おじさんと小娘"がインドネシアで日本の歌のリクエストを受け付ける番組をやっていた。やはりというか日本のアニメのOP、ENDテーマは日本と聞いて寄ってくる現地の人の方が詳しくてデュオは??で歌えず、向こうが譲ってNARUTOのOP、いきものがかりの「Blue Bird」で交渉成立したりと面白かった。この曲私も好きでカラオケで歌います🎤どうでもいい情報?😅

やがてお祖母さんが日本にいた、という人が家に連れて行く。その方は東大で博士課程を修める夫とともに1980年代に2人の子どもを連れて来日、7年間を過ごした。その時の想い出の歌が、流行っていた岩崎宏美「聖母たちのララバイ」。

歌っている時、年配夫人の目に涙が溜まる。観ている方もグッときた。そして終わりで、歌い手の女性もボロボロと泣きだした。初めて歌詞の意味を実感したと。昭和っぽい言葉、でも真実に近いもの、遠い数十年前の想い出の前には、現代の俯瞰の目線はいらない。小さい子供を育てている時期は最も想い出深い頃だろう。感動って、意外なところに、でもどこにでもあると思った。

最終日は映画の1本か美術展か行こうかと思ってたのですが、若ボンが体調を崩して在宅寝込んでたのでパッと買い物に出てすぐ帰る。

耳が痛くて噛むのが難儀、と話していたこともあり、食べやすいクリームシチューをばせっせと。ウィンナー入れたら香りがきついかなと心配したもののまあまあよしよし。一応ブロッコリ🥦で顔作ってます😎

合間に🏀ウィンターカップの福岡男女決勝、京都決勝、愛知決勝を見つつ。🏀🏐は充実してたな。

街のショッピングセンターに書籍の交換棚がある。2冊置いたら1冊と交換もしくは1冊50円を缶の料金箱に入れる。転売対策のためかカバーは全て外してある。興味のあるシリーズが出てたので4冊入手。カバーはブルーピリオド展のチラシで手作り。ちょっといい気分です。セルフ満足だけどっ😆😎

ココアのパウンドケーキでコーヒー。
新米の季節、炊飯器でほこほこのごはん炊くの好きなんです。

結局初日だけ大雨の中遠征して外出、残り2日はめっちゃ秋晴れお出かけ日よりに家にいたという3連休。まあいいか。のんびりもしたしわさわさ働いたし。

もう西の空が晴れても、紫金山・アトラス彗星は見えない。11月上旬はおうし座流星群やね。

フルハウスのバレー

🏐SVリーグ堺ブレイザーズvs大阪ブルテオンを観に行きました。途中駅から通天閣が見えたり、南海で鉄人28号など懐かしアニメを思い出させる武骨なフォルムの関空特急ラピートを見たりして少し⤴️。

チケプレの自由席。開場の1時間前に行ったらすでにアリーナから長い行列が。折しも台風21号から変わった温帯低気圧の雨雲通過時となり大雨の中1時間外に立ちっぱなし😵‍💫で待つ。横を見ると折り返した行列が3列に。早かった方なんだと思う😲

やっと入って、まずまずいい席を取って落ち着く。試合開始ごろには立ち見が出るフルハウス。観客数がアリーナ新記録だそうだ。

堺のMC、チアは試合中も隙間なく観客に応援を振る。企業色が強かったリーグの応援を進化させた形にも見えるが、昔より洗練されて、まあ楽しいのではないかと。

試合は西田、山内、山本とパリオリンピックのスタメンを揃えるブルテオンが火力、攻撃力もディグ、守備力も上回り3-1で勝利。堺は途中、選手の妙な離脱もあり、取った第3セット以外は終始リードを許す展開。ブロックはブルテオンを上回った感があるけれどオフェンスディフェンスともにテコ入れが必要かと思う。

雨も上がり、帰りに軽メシ。店の外、テーブルに毛布をかけたこたつ様の席にビールのケースを逆さにした椅子。気候も良く気持ちよく。私は酒を飲まないけども、ちょっと斜めになっている床でバランスを崩してステーン!と尻もち。隣に座ってた若者4人組がだ、だいじょぶですか?と心配してくれる。

楽しい観戦行。今シーズンまた行けるかな。まだお尻が痛い🤕😅

2024年11月3日日曜日

11月書評の1

◼️稲垣足穂「天体嗜好症」

ディレッタントの極みだなあと思う。星と少年愛、映画愛。

先日、大阪の建築祭で多くの見学開放された建物を回っていた際、階段の魔術師の異名を取る村野藤吾設計のビルの5階に狭い古書店があり、そこで目に入った。このところ紫金山・アトラス彗星を撮影(スマホ)したりしていたのでタイトルですっと手に取った。記念にもなるかな、と。

実は稲垣足穂は「一千一秒物語」を読んでもういいかなリストに入っている作家さんだった。天体の題材や街、風景の刹那的な切り取り方は好ましいが何せわけわかんない笑。わからないなりに滋味が感じられればいいが、あまりない。ないとこも良さなんだろうか。むしろ詩の方が成立しそうだ。

で、1928年の今作。短編小説はタイトル通り星、夜空の題材も多く、星新一を少しとりとめなくしたような感じもある。そして少年同士の触れ合い。このへんは川端康成、三島由紀夫、最近では長野まゆみなどでも触れているから独特の面映さ、緊張感と少しのエロさに確立された芸術性はあるかなと思っている。それらの要素を含んだ物語には、分からないのもいくつかあれ、ふむふむと読ませるものはあったかな。

小説のほかに評論も収録されているがこれが分からない。一般にこの時代の文人は外国、例えばフランスの文芸などに詳しいという印象がある。稲垣足穂はさまざまな分野の国外国内の歴史、出来事、文芸その他に博識だと思う。しかしこれを断片的に、ごっちゃに詰め込んで展開するから、読んでる方は文章が宙を飛んで頭の上を過ぎていくのを眺めてるだけといった感覚に陥る。しかし、

「わたしたちが雨に濡れたアスファルトの上をリムジンに乗って走るのも、六月の夜の都会の空に黄色い花火を燃した飛行機が宙返りするのも、港の灯を反射したボギー電車がポールの先から緑色の火花を零して遠い街角を曲っていくのも、同様な好例であろう」(耽美主義について)

耽美主義の例を綴るのにこんな文章を書いてくるのも嫌いになりきれないとこだ。ちなみのこの巻では、2組の台車に車体を乗せて、カーブなどの時にそれぞれの台車が違う動きをするというボギー電車が、よほど好きなのか何回も出てくる。

「こういう空間化した時間を台にしているからこそ、其処では自然界に有り得ない逆行が可能だということを言い添えよう。見よ、黒煙は元の煙突に向かって流れ込み、蒸気はピストン内に吸いこまれ、列車はあとずさりして地平線に点となって没する」

生ける時間を具有した絵画に比べて映画は撮られたものを死物化してしまうと述べた後のアペンディクスとして述べられたこの一言にはふむ、そうだよな、と共感した。現代でも空間、時間はそのままでは過ぎ去るだけで、決して再現しない。いや誰もがスマホを持っててすぐ記録できる現代だから思うのかも。人間からみて、逆回しは面白く、琴線に響くもので、およそ100年前ならなおさらそうだろうと思える。時間というものの捉え方が変わったかも。

稲垣足穂は映画について概して批判的ではあるが、チャーリー・チャップリンは認め、さらにラリー・シモンという喜劇俳優にかなり肩入れしていたようだ。映画評論はそれなりに面白く読んだ。

こう書いてくるとなんか楽しんで読んだ雰囲気も出ているかもだけども、ホンマに進まなかったのが正直。

稲垣足穂は有名作家が価値を認めて次々と評価したこともあり1970年ごろひとつのブームを迎えたという。ほー。

またいつか、読むかな、いや目の前にあったら手に取っちゃうかも。まあしばらくはブランクを置こう^_^

10月書評の10

◼️泉鏡花「蛇くひ」

泉鏡花は幻想、怪奇、色彩、光など様々な要素で話を作り込んでいくことが多い。が、これはうーん、グロい、のみ。

短い小説。時たま青空文庫で泉鏡花を読むのが楽しみだったりする。有名な「高野聖」や「春昼」など幻想的な怪奇、妖しい小エロチックで、色彩にあふれていてなぜか収まりの良い話を書く人だと捉えていた。あまり有名な短編ではないが「紫陽花」なんかもゾクゾクする。やたら蛇好きだったりするのも特徴のひとつ。

しかしこの話は、えもいわれぬ恐怖、はよく表しているけども、ちょっとグロに終始したかな。

北越、立山のふもとの地域に北越に「應」という乞食の一団がやってくる。踵まで伸ばした髪をまとめもせず、裸足で歩き、陰険で鋭い顔つきをしている。金持ちの家や店で食事や銭をせがみ、断られると懐からうねる蛇を出してその場で噛みちぎり吐き出す。この嫌がらせに屈して仕方なく米銭を出す家も多かった。

彼らは爬虫類を食べる。一番のご馳走は蛇のようだ。鍋に笊のようなもので蓋をして蛇を煮る。蛇が苦しがって顔を出すと掴んで引っ張り、骨だけを抜いてむしゃむしゃと湯の中に残った肉を食べる。

神出鬼没で彼らが現れるのが近くなると、子どもらは歌う。

拾乎(ひらを)、ひらを、豆まめひらを、
鬼おにの來ぬ間まに豆まめひらを

親たちがいくら言っても歌うのをやめない。そして子どもらがこの歌を口にしたら1か月以内に「應」は現れる。村は震え上がるー。

うーむイヤミスみたい笑。義賊のようなところもあり、裕福な家しか狙わないようだ。またひどく機敏で奇妙な合い言葉、掛け声で行動している。謎×謎。官憲は人の食のことだけに手出ししないとか、かかわりたくなかったのかも。

やっぱ、蛇、くちなは、長虫好きやね(^▽^;)

泉鏡花の作品は数多い。怪奇的短編のひとつ、と捉えることとしよう。次行こう。