2025年7月20日日曜日

極上の午後

ここ数年でリサイタル行きたいランキングかなり上位だったピアニスト、務川彗悟のラヴェルピアノ曲全曲演奏会に行ってきた。今年はラヴェル生誕150周年。本人的にも長年の夢だったとSNSに。

エリザベート王妃コンクールの、ラモーの「ガヴォットと6つのドゥーブル」を聴いてなんてシャープで装飾が上手なんだろうと思った。ラヴェルはいかにも似合いそう。2回の休憩挟んで3時間超の公演、完売だ。

良い、なんてもんじゃなかった。すごい👏🥹

心のざわめきのような極繊細さ、やや速い旋律。「ソナチネ」で入る。ピアノと務川。ステージに特殊な空間が出来たような感じ。透き通って切なく美しい音の光が放たれる。

「ソナチネ」、「水の戯れ」、極上の「亡き王女のためのパヴァーヌ」と人気曲が第一部に。「鏡」で締め、第2部は不協和音の多い「高雅で感傷的なワルツ」と「夜のガスパール」。YouTubeで予習した時、「夜のガスパール」の2つめ「絞首台」は暗くてノリきれない曲だな、と思った、けども、全曲を通じていちばん集中力が高まったのは「絞首台」だった。ビックリした。ただならぬ雰囲気で奏でられる、やや気だるく不気味、しかし落ち着いてきれいにさえ聴こえるスローな演奏。不思議だった。夜の怪しい世界に引き込まれた。

第3部は晩年の曲?「ボロディン風に」「シャブリエ風に」そして「クープランの墓」。全曲、ラヴェルは華麗、流麗かと思えば幻想的だったり、不協和音を取り入れたり、叙情的と思えば飛んだり跳ねたりのフレーズもあったり。このさまざまな輝きの曲たちをブリリアントに、時にせつなげに、小粋に表す技はエクセレント!ファンが多いのも深く頷けます。

大アプローズ。終演時の客席もまたすごい雰囲気。万雷の拍手。大相撲だったら座布団が舞い乱れるような笑。いい経験でした。また行きたいな、と。
行きの大雨が聴いてるうちにあがった夕方、大阪城天守閣をチラ見しながら帰ったのでした。

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