◼️ ローラン・ビネ「HHhH プラハ、1942年」
タイトルの奇抜さに気が惹かれ、やがて来るその瞬間に向けて集中力が高まっていく。
書評と受賞歴で評判はなんとなく分かり、読みたいと思っていた。本を読む前に予備知識はあまり入れない。単純に知らない方が楽しめるから。今回も最初の方のページに書いてある紹介文にはほとんど目を通さなかった。ナチもの、という程度の認識だった。
ナチスの大物幹部、ハイドリヒ・ラインハルト。天才的な実行能力と、狂気とを併せ持ちドイツ第三帝国領内のユダヤ人を絶滅させようともくろみ実行した男。チェコを統括する地位に就いたハイドリヒを暗殺すべく、ロンドンの亡命政府が刺客を放つー。
作者の分身である「僕」が常に顔を出し、膨大な資料や先行書籍、映画まで検分して、歴史に向き合い叙述することの手法や是非をチェックしつつ、自作の執筆に悩みつつ、物語を進めていく。新スタイルの歴史ものとして世界的に評価され、日本でも本屋大賞の翻訳小説部門で2014年の第1位となった。文庫化はおととしと遅かったのが意外だった。
最初はどこに向かうのか分からず、どうももったいをつけてて冗長だなと感じていた。でも暗殺実行者のガプチーク、クビシュがチェコ領内にパラシュート降下をするあたりから集中力が高まって、暗殺の実行そして後日談へと早く読みたいと気が急いていた。
ナチの残虐性を代表する金髪の野獣、ハイドリヒはナチでどのようにしてのし上がったのか?ヒトラーその他の幹部にどう受け止められていたのかも興味深いが、なにより暗殺は成功したのかどうか?鉄槌はくだされたのか、段々とクライマックスに迫っていく感覚。特殊な読ませる文章にゾクゾクする。まだか、と思わせるのも手法の1つだなと再認識。そして暗殺決行時に起きる偶然にはドラマ性とともに現実感が強く伴う。
なにせ従わなくば殺せ、従っても殺せ、という土壌。暗殺後のヒステリーのような悲劇は痛ましい。大きな裏切りとレジスタンスたちの最後の抵抗を経た後の喪失感。エピローグも短めで好感が持てる。
映画にはドキュ・ドラマというジャンルがある。この作品はドキュメンタリーでもなく、歴史的出来事を扱うノンフィクションでもない。スタイルという面での賛辞は多かったようだ。私としては、僕、の登場と語り、という手法そのものよりはやはり、やがて来る決定的なシーンに読み手を惹きつけ、その過程で知識とシンパシーを深めていく筆力そのものに感嘆した、と思っている。リーダビリティ、読み応えが半端ない。
おもしろい読書体験、良い読書でした。
2025年5月28日水曜日
2025年5月26日月曜日
5月書評の11
◼️山口つばさ「ブルーピリオド 17」
たまにはマンガ。久々に感動した。つかむものがない中の、原点。
「ブルーピリオド」成績はいいが渋谷でオールするような高校生、矢口八虎が美術に目覚め、最難関の東京藝術大学を目指すことになる、という作品で、渋谷の早朝の青さ、好きなことを好きだと言うことの怖さといった感性、予備校の特異なカリキュラムとキャラのアクの強さに関係性、さらにはYOASOBIが「群青」という、インスパイア曲を作ったことで話題を呼んだ。アニメ化に、去年は映画化もあり、という人気作。
ただ、受験特訓時までが盛り上がった反動か、入学後は正直、目的が失われたような感があった。教授から厳しく指摘され、指導の正当性を疑い、あるグループに入り浸ったり、同じ科の仲間で夏休み創作合宿をしたり、コンクールに入賞したり、ホストクラブでバイトしたり、美術と社会の経験は積んでいたけども、なんとなく決め、がないような、物足りなさがつきまとっているように思えた。受験は受かれば正義、しかし芸術活動にはそんなものはない。
今回は長かった期間の、帰結の予感が提示される。そして、高校美術部の再集結、有名になった者もおり、自然と立場の違いは出来ている。
何より、八虎を美術に目覚めさせる絵を描いた、憧れの森まる先輩が再登場する。良かった、すれ違いが続いてやっと、2人の関係がまた太くなり、交差する。
どこか岐路のようなタイミングで原点に戻る、その流れに感動してしまった。ただ原点はすでに原点でない。鈍い痛みに涙。読み続けて良かったとしみじみ安堵する。
映画もとても良かった。次は世田介くんもっと濃いめに出してほしいな、できたら天才・桑名マキも。続きも映画にならないかなと期待。
たまにはマンガ。久々に感動した。つかむものがない中の、原点。
「ブルーピリオド」成績はいいが渋谷でオールするような高校生、矢口八虎が美術に目覚め、最難関の東京藝術大学を目指すことになる、という作品で、渋谷の早朝の青さ、好きなことを好きだと言うことの怖さといった感性、予備校の特異なカリキュラムとキャラのアクの強さに関係性、さらにはYOASOBIが「群青」という、インスパイア曲を作ったことで話題を呼んだ。アニメ化に、去年は映画化もあり、という人気作。
ただ、受験特訓時までが盛り上がった反動か、入学後は正直、目的が失われたような感があった。教授から厳しく指摘され、指導の正当性を疑い、あるグループに入り浸ったり、同じ科の仲間で夏休み創作合宿をしたり、コンクールに入賞したり、ホストクラブでバイトしたり、美術と社会の経験は積んでいたけども、なんとなく決め、がないような、物足りなさがつきまとっているように思えた。受験は受かれば正義、しかし芸術活動にはそんなものはない。
今回は長かった期間の、帰結の予感が提示される。そして、高校美術部の再集結、有名になった者もおり、自然と立場の違いは出来ている。
何より、八虎を美術に目覚めさせる絵を描いた、憧れの森まる先輩が再登場する。良かった、すれ違いが続いてやっと、2人の関係がまた太くなり、交差する。
どこか岐路のようなタイミングで原点に戻る、その流れに感動してしまった。ただ原点はすでに原点でない。鈍い痛みに涙。読み続けて良かったとしみじみ安堵する。
映画もとても良かった。次は世田介くんもっと濃いめに出してほしいな、できたら天才・桑名マキも。続きも映画にならないかなと期待。
チャイコフスキーな日
細かいご用事ごとのためあちこち回った週末。バスクチーズケーキといわゆる冷コーでひと休み。
ここのところ大阪が多かったしなんか久々の地元芸文センター。先日は弦楽セレナード、交響曲5番、今回はヴァイオリン🎻協奏曲、白鳥の湖組曲とチャイコフスキー4連発。コンサートの前に雪月花さんの人気の炒飯で腹ごしらえ。
芸文スーパーキッズオーケストラ出身の前田妃奈さん、表情豊かに、時に仰け反り気味の姿勢まである熱演。いやーやっぱチャイコのVコンは盛り上がりますねえ。飛び交うブラヴォーの声、拍手喝采👏でした。アンコールはハープとのコラボでジュール・マスネ「タイスの瞑想曲」、タイトル書くと?という感じですが聴けば誰もが知ってます。静かに、きれいに奏でてくれました。
バレエ組曲白鳥の湖は有名な情景が真ん中に来る独自のプログラム。ラストの情景/終曲で壮大なエンド。チャイコフスキー満足。次はベートーヴェンとショパンが私を待っています🎹🙂🙃
⚾️わがライオンズは連敗したものの連勝しカード勝ち越し🙌🦁貯金は5で夢みたいやね😎🏀Bリーグは宇都宮ブレックスvs琉球ゴールデンキングスのファイナル。土日で星を分け合い決着のGAME3が発生。決戦はTuesday🔥楽しみだ!
土日とも半袖にパーカーくらいの気候。北風が吹きちと涼し寒い。次の季節を予感させる紫陽花が鮮やかに咲き始めてる。次の週末でもう6月に入ります。早すぎるな。
ここのところ大阪が多かったしなんか久々の地元芸文センター。先日は弦楽セレナード、交響曲5番、今回はヴァイオリン🎻協奏曲、白鳥の湖組曲とチャイコフスキー4連発。コンサートの前に雪月花さんの人気の炒飯で腹ごしらえ。
芸文スーパーキッズオーケストラ出身の前田妃奈さん、表情豊かに、時に仰け反り気味の姿勢まである熱演。いやーやっぱチャイコのVコンは盛り上がりますねえ。飛び交うブラヴォーの声、拍手喝采👏でした。アンコールはハープとのコラボでジュール・マスネ「タイスの瞑想曲」、タイトル書くと?という感じですが聴けば誰もが知ってます。静かに、きれいに奏でてくれました。
バレエ組曲白鳥の湖は有名な情景が真ん中に来る独自のプログラム。ラストの情景/終曲で壮大なエンド。チャイコフスキー満足。次はベートーヴェンとショパンが私を待っています🎹🙂🙃
⚾️わがライオンズは連敗したものの連勝しカード勝ち越し🙌🦁貯金は5で夢みたいやね😎🏀Bリーグは宇都宮ブレックスvs琉球ゴールデンキングスのファイナル。土日で星を分け合い決着のGAME3が発生。決戦はTuesday🔥楽しみだ!
土日とも半袖にパーカーくらいの気候。北風が吹きちと涼し寒い。次の季節を予感させる紫陽花が鮮やかに咲き始めてる。次の週末でもう6月に入ります。早すぎるな。
2025年5月22日木曜日
5月書評の10
◼️ 高橋克彦「水壁 アテルイを継ぐ男」
蝦夷(えみし)ものの作品は興味が湧く。東北の広さと深さ。
高橋克彦「火怨 北の耀星アテルイ」は790年ごろ、坂上田村麻呂らが率いる朝廷軍と戦った蝦夷の英雄・阿弖流為(アテルイ)の物語。地勢を活かした戦略と小気味良い戦いぶりで数的不利を覆し抵抗を続けた蝦夷軍と悲しい幕切れのストーリーだ。今回はそれからしばらく後、アテルイの曾孫日天子(そらひこ)が大将となった蝦夷の戦いの話。
蝦夷の支援者の一族、物部氏に育てられた日天子は飢饉にあえぐ俘囚、朝廷に従う蝦夷の民を救おうとしない朝廷に怒り、挙兵を決意する。一族で商才に秀でた真鹿、山賊の長・玉姫、都では元検非違使で盗賊の頭目・逆鉾丸、応天門の変の影響で学問と出世の道を断たれた天才軍師・安倍幻水らを仲間に迎え、策を練り入念な準備を施して「勝ち逃げ」の戦に挑むー。
この「元慶の乱」は唯一蝦夷が朝廷に勝利した戦だという。朝廷は懐柔政策を取り、蝦夷をねじ伏せるほどの力はなくなっていったようだ。
天日子のもとに次々集まるクセのある仲間たちが頼もしい。とりわけ幻水の策略のキレはストーリー進行の中心とも言える。アテルイの時のように朝廷を本気にさせないため、最初から勝ち逃げ、を念頭に置き、いかに和議の条件を呑ませるように効果的に敵を叩くか、に焦点が絞られる。戦い自体は後半で、あまり長くはなく、負けはない。
そういう意味では軍略を練る部分にスポットが当てられている。長引かせることなく、兵を失わないように、抵抗の意思がない者の命を奪わないように戦って負けはなし。ところどころ挟まれる蝦夷としての矜持が示されて熱い。
東北の地図が掲載してあり、一円に、例えばいまの岩手県の胆沢蝦夷、とか津軽の蝦夷などが散っている。戦いとその準備の中で、松尾芭蕉の歌枕にも出てくる朝廷の拠点の城、宮城県の多賀城から秋田県の北西の端能代、また青森県の北西、海に面した十三湊などが描かれる。東北は、広く深い。みちのくとはよく言ったものだ。西日本の人間には読んでて、地図を見ていて本当にワクワクする広さ深みだ。
戦いそのものがあまり拡大しなかったからか、魅力的な人物をたくさん描いたわりには短くやや物足りないな、という感が残った。
仙台市出身の熊谷達也による蝦夷作品、岩手・釜石市出身という高橋克彦の一連の蝦夷関連の物語は読み応えが十分だ。
奥州藤原氏の興亡を描いたという「炎立つ」も読もうかな。
蝦夷(えみし)ものの作品は興味が湧く。東北の広さと深さ。
高橋克彦「火怨 北の耀星アテルイ」は790年ごろ、坂上田村麻呂らが率いる朝廷軍と戦った蝦夷の英雄・阿弖流為(アテルイ)の物語。地勢を活かした戦略と小気味良い戦いぶりで数的不利を覆し抵抗を続けた蝦夷軍と悲しい幕切れのストーリーだ。今回はそれからしばらく後、アテルイの曾孫日天子(そらひこ)が大将となった蝦夷の戦いの話。
蝦夷の支援者の一族、物部氏に育てられた日天子は飢饉にあえぐ俘囚、朝廷に従う蝦夷の民を救おうとしない朝廷に怒り、挙兵を決意する。一族で商才に秀でた真鹿、山賊の長・玉姫、都では元検非違使で盗賊の頭目・逆鉾丸、応天門の変の影響で学問と出世の道を断たれた天才軍師・安倍幻水らを仲間に迎え、策を練り入念な準備を施して「勝ち逃げ」の戦に挑むー。
この「元慶の乱」は唯一蝦夷が朝廷に勝利した戦だという。朝廷は懐柔政策を取り、蝦夷をねじ伏せるほどの力はなくなっていったようだ。
天日子のもとに次々集まるクセのある仲間たちが頼もしい。とりわけ幻水の策略のキレはストーリー進行の中心とも言える。アテルイの時のように朝廷を本気にさせないため、最初から勝ち逃げ、を念頭に置き、いかに和議の条件を呑ませるように効果的に敵を叩くか、に焦点が絞られる。戦い自体は後半で、あまり長くはなく、負けはない。
そういう意味では軍略を練る部分にスポットが当てられている。長引かせることなく、兵を失わないように、抵抗の意思がない者の命を奪わないように戦って負けはなし。ところどころ挟まれる蝦夷としての矜持が示されて熱い。
東北の地図が掲載してあり、一円に、例えばいまの岩手県の胆沢蝦夷、とか津軽の蝦夷などが散っている。戦いとその準備の中で、松尾芭蕉の歌枕にも出てくる朝廷の拠点の城、宮城県の多賀城から秋田県の北西の端能代、また青森県の北西、海に面した十三湊などが描かれる。東北は、広く深い。みちのくとはよく言ったものだ。西日本の人間には読んでて、地図を見ていて本当にワクワクする広さ深みだ。
戦いそのものがあまり拡大しなかったからか、魅力的な人物をたくさん描いたわりには短くやや物足りないな、という感が残った。
仙台市出身の熊谷達也による蝦夷作品、岩手・釜石市出身という高橋克彦の一連の蝦夷関連の物語は読み応えが十分だ。
奥州藤原氏の興亡を描いたという「炎立つ」も読もうかな。
5月書評の9
◼️ 柳広司「虎と月」
中島敦「山月記」の後日談。虎になった李徴の息子が父を探す旅に出る。父は、本当に虎になったのかー。
山月記は人が虎になる、というエキセントリックな内容から、タイトルですぐにピンとくる作品。私の印象では、漢籍に特化した著者の、異様な雰囲気と哀愁漂う成り行きが多くの作家に人気なようにも思える。
時は安禄山の乱から10年後くらいの唐。西暦で770年代か。元官吏で出奔し虎になってしまった李徴の息子、14歳の「ぼく」。お祭りの日にけんかになった際、気を失っている間にぼくは恐ろしいほどの力で隣村の若い衆を全員のしてしまう。周囲の見る目が変わり、遊び仲間を失ったぼくは、嶺南の商於という村の近くで虎になった父に会ったという同僚の役人・袁傪氏に会うため、故郷の隴西から長安へ向けて出発する。
身体のどこかに潜む力が謎を深める。この話はかなり凝ったミステリーだ。しかしぼく、の道中は、シビアな部分もあるけれど、どこかユーモアとのんびりとした雰囲気を感じさせる。
国破れて山河あり、杜甫が詩に編んだように安禄山の乱は唐、ことに長安に大きなダメージを与えた。今作を通して、その雰囲気が横たわっているのを感じる。やがてぼくは袁傪氏が虎の父と話した地域の近く、商於の村に辿り着く。
村で徴兵役人とすったもんだしつつ、だんだんと父の謎は解けていく、そして、残る事実はー。
虎か、虎ではないのか?行きつ戻りつ、でもやはりそうでないとね、という結論に到達する、と感じた。
元の短い物語のテイストを活かしきろうとトライした作品と言えると思う。著者は抜群のスパイ小説をものする一方で、夏目漱石にも詳しく「贋作『坊ちゃん』殺人事件」なども書いていて、なかなか興味深く好ましく読めた。原作の芯を掴む、その表象の現われ方に接した時、くふふ、と微笑が漏れる。
サクサク読めたが、乗り切れなかった、物足りない部分があるかも。ぼく、の今後が気になるし。続編・・ないかなあ笑
中島敦「山月記」の後日談。虎になった李徴の息子が父を探す旅に出る。父は、本当に虎になったのかー。
山月記は人が虎になる、というエキセントリックな内容から、タイトルですぐにピンとくる作品。私の印象では、漢籍に特化した著者の、異様な雰囲気と哀愁漂う成り行きが多くの作家に人気なようにも思える。
時は安禄山の乱から10年後くらいの唐。西暦で770年代か。元官吏で出奔し虎になってしまった李徴の息子、14歳の「ぼく」。お祭りの日にけんかになった際、気を失っている間にぼくは恐ろしいほどの力で隣村の若い衆を全員のしてしまう。周囲の見る目が変わり、遊び仲間を失ったぼくは、嶺南の商於という村の近くで虎になった父に会ったという同僚の役人・袁傪氏に会うため、故郷の隴西から長安へ向けて出発する。
身体のどこかに潜む力が謎を深める。この話はかなり凝ったミステリーだ。しかしぼく、の道中は、シビアな部分もあるけれど、どこかユーモアとのんびりとした雰囲気を感じさせる。
国破れて山河あり、杜甫が詩に編んだように安禄山の乱は唐、ことに長安に大きなダメージを与えた。今作を通して、その雰囲気が横たわっているのを感じる。やがてぼくは袁傪氏が虎の父と話した地域の近く、商於の村に辿り着く。
村で徴兵役人とすったもんだしつつ、だんだんと父の謎は解けていく、そして、残る事実はー。
虎か、虎ではないのか?行きつ戻りつ、でもやはりそうでないとね、という結論に到達する、と感じた。
元の短い物語のテイストを活かしきろうとトライした作品と言えると思う。著者は抜群のスパイ小説をものする一方で、夏目漱石にも詳しく「贋作『坊ちゃん』殺人事件」なども書いていて、なかなか興味深く好ましく読めた。原作の芯を掴む、その表象の現われ方に接した時、くふふ、と微笑が漏れる。
サクサク読めたが、乗り切れなかった、物足りない部分があるかも。ぼく、の今後が気になるし。続編・・ないかなあ笑
2025年5月19日月曜日
名建築には、スイーツがよく似合う
もう夏の走りで暑い。このへんは地元民にはとってオシャレめしゾーンのイメージで、帰りに感じのいいカフェ「はるのうた」さんで、自家製醗酵果実、キウイのソーダにオレンジのパウンドケーキ。ミントの葉まで食べる。本棚にあったちひろと、うちぶん観にきたんですよ、と話したら出してきてくれた建築の本をしばし読んで帰る。
ああいい午前散歩だった、と思ったら家では堂島ロールを取り寄せていてスイーツWダブル。まあいいか😋😎
桜が散り藤が過ぎてもうツツジも終わり。毎年見る公園の見事なジャーマンアイリスもすぐ枯れる。あっという間に季節が移ろって盛夏も間近?まだ朝晩いくぶん涼しいのが救いかな。
土曜日は⚾️ライオンズの延長サヨナラ、プロ野球界一の小兵、164cm滝澤夏央の大活躍に喜ぶ。小さくても、星を持った選手は必ず光るんだなと。
🏀は日韓大学代表対抗試合、Bリーグプレーオフセミファイナル。休むヒマがないバスケ🏀好き😎。
初夏は早いな進むの。まあまずよい週末🎵🏢⚾️🏀🍰🍹
ああいい午前散歩だった、と思ったら家では堂島ロールを取り寄せていてスイーツWダブル。まあいいか😋😎
桜が散り藤が過ぎてもうツツジも終わり。毎年見る公園の見事なジャーマンアイリスもすぐ枯れる。あっという間に季節が移ろって盛夏も間近?まだ朝晩いくぶん涼しいのが救いかな。
土曜日は⚾️ライオンズの延長サヨナラ、プロ野球界一の小兵、164cm滝澤夏央の大活躍に喜ぶ。小さくても、星を持った選手は必ず光るんだなと。
🏀は日韓大学代表対抗試合、Bリーグプレーオフセミファイナル。休むヒマがないバスケ🏀好き😎。
初夏は早いな進むの。まあまずよい週末🎵🏢⚾️🏀🍰🍹
うちぶん
土曜は雨がち、晴れた日曜はお隣の駅の名建築へ。兵庫・芦屋市にある打出教育文化センター、通称うちぶん。関西弁では「ち」にアクセントがある。設計者、施工者、竣工年まで不明で、現在の場所に1930年に移築されたことだけ分かっているとか。
中は図書室、会議室、カフェコーナーがあり、土日は学習室として開放され、多くの少年少女たちが勉学に勤しむ屋内は現代的、撮影不可でした。
びっしりと蔦に覆われた花崗岩の外壁。縦長のアーチ窓も特徴的。白雲をひと刷毛した青い空に蔦の若みどりが鮮やかで脚元にはツツジのピンク。目にあやな名建築の光景を楽しみました。
中は図書室、会議室、カフェコーナーがあり、土日は学習室として開放され、多くの少年少女たちが勉学に勤しむ屋内は現代的、撮影不可でした。
びっしりと蔦に覆われた花崗岩の外壁。縦長のアーチ窓も特徴的。白雲をひと刷毛した青い空に蔦の若みどりが鮮やかで脚元にはツツジのピンク。目にあやな名建築の光景を楽しみました。
5月書評の8
◼️小川洋子「ことり」
小鳥、のような小父さんの生涯。人と時代の移り変わり。
小川洋子さんは「猫を抱いて象と泳ぐ」を最近読んで興味を持った。今回は芸術選奨文部科学大臣賞、よく書店でも目につくこの著書を手に取った。
長年ボランティアで幼稚園の鳥小屋の管理をしていた、通称「小鳥の小父さん」は幼少の頃より独自の言語を喋る兄と暮らしていた。社会に出ることのできない兄の言語を理解する唯一の存在として、働きながら面倒を見る。兄弟ともに野鳥を愛し、庭のバードテーブルに来る小鳥を眺め、年に数回は架空旅行という遊びもしながら穏やかに過ごしていた。ある日、突然兄が亡くなる。小父さんは兄が足繁く通っていた幼稚園の鳥小屋の管理をするようになるー。
図書館、公園、近所の薬局と小父さんの行動半径は広くなく、交友もほとんどない。また幼稚園の子どもは大の苦手。だからこそほのかな恋心や公園での些細な出会いが目立つ。
「その時、ツィ、ツィと短く甲高い声が聞こえたかと思うと、さっきよりも更に長く抑揚のついたさえずりが響き渡り、小枝がざわざわと揺れた。空に雫を撒き散らし、それが光を受け、一粒一粒きらめいているかのようなさえずりだった」
穏やかで内向きな生活。その中でこのような輝く表現が差し挟まれ、光る。川端康成「山の音」にも決め、の文章があったなと思い出す。
「すべてが相変わらずのようで、しかし少しずついろいろなことが移ろっていた」
時の変化、取り巻く人、そして自分の老い。この小説のひとつの中心をなしているように思える、さりげない一文に惹きつけられる。
ゲストハウスの管理人という仕事に支障ない程度の社会性は持っているが、自分に関係のないことには基本的に手を出さない。老いた独り身。そして、不穏な事件が起きれば悪い噂が出回る。それは叔父さんの生活に影響を与えていく。
小父さんは小鳥を搾取している場面に成り行きで遭遇し、動揺する。お兄さんにしろ、小父さんにしろ、生涯、そして死の訪れ方さえもある意味小鳥のようだな、と思った。
主人公に喪失と孤独がついて回るなと。「猫を抱いて」もそうだったか。昨今、例えば世の中で自分たち2人だけがただ孤立している、という状況の構築に腐心する作品が多いと感じる中で、小川洋子さんの設定とテーマ性はまずおもしろいと感じるし、全体を貫く芯が良い形を成して見えるとしみじみ思う。また、冗長を恐れておらず、読ませるタイプの作品だと思う。
時と人の移ろい、は誰もが肌で感じる永遠の現象であり、この作品からは和風で哲学的な香りがした。
小鳥、のような小父さんの生涯。人と時代の移り変わり。
小川洋子さんは「猫を抱いて象と泳ぐ」を最近読んで興味を持った。今回は芸術選奨文部科学大臣賞、よく書店でも目につくこの著書を手に取った。
長年ボランティアで幼稚園の鳥小屋の管理をしていた、通称「小鳥の小父さん」は幼少の頃より独自の言語を喋る兄と暮らしていた。社会に出ることのできない兄の言語を理解する唯一の存在として、働きながら面倒を見る。兄弟ともに野鳥を愛し、庭のバードテーブルに来る小鳥を眺め、年に数回は架空旅行という遊びもしながら穏やかに過ごしていた。ある日、突然兄が亡くなる。小父さんは兄が足繁く通っていた幼稚園の鳥小屋の管理をするようになるー。
図書館、公園、近所の薬局と小父さんの行動半径は広くなく、交友もほとんどない。また幼稚園の子どもは大の苦手。だからこそほのかな恋心や公園での些細な出会いが目立つ。
「その時、ツィ、ツィと短く甲高い声が聞こえたかと思うと、さっきよりも更に長く抑揚のついたさえずりが響き渡り、小枝がざわざわと揺れた。空に雫を撒き散らし、それが光を受け、一粒一粒きらめいているかのようなさえずりだった」
穏やかで内向きな生活。その中でこのような輝く表現が差し挟まれ、光る。川端康成「山の音」にも決め、の文章があったなと思い出す。
「すべてが相変わらずのようで、しかし少しずついろいろなことが移ろっていた」
時の変化、取り巻く人、そして自分の老い。この小説のひとつの中心をなしているように思える、さりげない一文に惹きつけられる。
ゲストハウスの管理人という仕事に支障ない程度の社会性は持っているが、自分に関係のないことには基本的に手を出さない。老いた独り身。そして、不穏な事件が起きれば悪い噂が出回る。それは叔父さんの生活に影響を与えていく。
小父さんは小鳥を搾取している場面に成り行きで遭遇し、動揺する。お兄さんにしろ、小父さんにしろ、生涯、そして死の訪れ方さえもある意味小鳥のようだな、と思った。
主人公に喪失と孤独がついて回るなと。「猫を抱いて」もそうだったか。昨今、例えば世の中で自分たち2人だけがただ孤立している、という状況の構築に腐心する作品が多いと感じる中で、小川洋子さんの設定とテーマ性はまずおもしろいと感じるし、全体を貫く芯が良い形を成して見えるとしみじみ思う。また、冗長を恐れておらず、読ませるタイプの作品だと思う。
時と人の移ろい、は誰もが肌で感じる永遠の現象であり、この作品からは和風で哲学的な香りがした。
チャイコフスキー交響曲5番はサイコーだ
週末は小林研一郎・コバケンさんのチャイコフスキー。弦楽セレナードとなんてったってメインの5番。
私はチャイコの5番が大好きで、オーケストラスコアを買って、小学生の教科書の如く音符にドレミを書いたりした😅見ながら何回聴いたか。久しぶりに聴きたくなっていたタイミングだった。
クラリネットが奏でる運命の動機から暗く始まり、第2楽章ではよくCMに使われる、壮大で浮揚感のあるクライマックスへ。しかしすぐねじ伏せられる。希望を残して終わり、第3楽章の明るくテンポ良いワルツ。ラストに運命の動機のメロディーが形を変えて現れる。第4楽章、動機は長調となり堂々とした、凱旋行進のようなイメージで入り、途中激しく、ラストにまた、ユニークさを挟みながら、運命に打ち克った大きな喜びが奏でられる。
瞬間的な静寂とピチカート、管楽器と弦パートのコラボ、ラストの高揚。週末は最高の夜になった。スカッとした。やっぱ5番サイコー!♪
例えば極端にテンポを緩めたり、突然速くしたりと装飾が多い演奏だった。盛り上がったなあ。
私はチャイコの5番が大好きで、オーケストラスコアを買って、小学生の教科書の如く音符にドレミを書いたりした😅見ながら何回聴いたか。久しぶりに聴きたくなっていたタイミングだった。
クラリネットが奏でる運命の動機から暗く始まり、第2楽章ではよくCMに使われる、壮大で浮揚感のあるクライマックスへ。しかしすぐねじ伏せられる。希望を残して終わり、第3楽章の明るくテンポ良いワルツ。ラストに運命の動機のメロディーが形を変えて現れる。第4楽章、動機は長調となり堂々とした、凱旋行進のようなイメージで入り、途中激しく、ラストにまた、ユニークさを挟みながら、運命に打ち克った大きな喜びが奏でられる。
瞬間的な静寂とピチカート、管楽器と弦パートのコラボ、ラストの高揚。週末は最高の夜になった。スカッとした。やっぱ5番サイコー!♪
例えば極端にテンポを緩めたり、突然速くしたりと装飾が多い演奏だった。盛り上がったなあ。
TOKIO MITAKA OGIKUBO SHINJUKU
あっという間のビジネスウィーク。東京・三鷹のルノアールでコーヒーゼリーバニラ。ビジネスホテルの朝食は久々に充実しているバイキングで朝からお腹いっぱいに。今回宿は安くて快適満足。大事やね。暑くて熱に当てられバテバテに。美味しい食事と深い睡眠💤でなんとかカバー。富士山の雪の具合と黒い稜線の地肌が季節を表してる気がした。
2025年5月13日火曜日
5月書評の7
◼️最果タヒ「星か獣になる季節」
初読みの詩人・作家さん。衝撃的な事件と、あわいに漂う、尽きない感情と。
最果タヒ、さいはて、と読むのだそうだ。詩集で注目されて中原中也賞、萩原朔太郎賞を受賞している。作品をもとにした映画もあるんだそうだ。書評がよく上がっていて興味を持っていた。小説もものしており、今作はその第一作。
愛野真実というアイドルがバラバラ殺人容疑で取り調べられている。目立たず友達もいない優等生・山城は真実に歪んだ愛情を抱いていて、真美の実家に出掛けて行き、誰かが仕掛けた盗聴器の音を拾って聴いたりしている。ある日その盗聴器で真実が連行される音を聴いた後、山城はライブで何度も見かけていた同じクラスの人気者、森下と会う。森下は妹だという小さな女の子を連れていた。翌日、女の子は行方不明だとニュースで流れた。学校で、山城は森下に声をかけるー。
ファンとしてのたがが外れた行動。誰からも好かれ、モテる彼と行動をともにしつづける山城はクラスの女子から忌避されている。一方、そんな山城を気にかける才女・渡瀬と、クラスの誰もに、森下の金魚のフン的存在とみなされている青山。
やがて森下の行動に切羽詰まっていく山城、衝撃的な結末とその後のことー。
まず違和感満載のまま、まるで止まれないジェットコースターのように息つく間もなく進んでいく物語に引き込まれる。対比と何気ない言動、シラケと高校時特有の薄っぺらな感情、傷。事件の中の青春群像劇。エピローグ的な2話も含め、異常な中で湧いてくる思い、戸惑い、なんらかの実感とぐるぐる回る思考を文章で表そうとしているのかな、と。2人の時はいいつきあい、でも集団になると関係性が変わる、というのはよくあるが、リアルだ。
怒涛のように言葉を連ねる舞城王太郎に少し似てるかな、どうかなと思わせた。少なくとも筋道だっていて常識通りに人が行動する正攻法の小説ではない。青山と渡瀬、被害者の少女の兄との後編は、みながみな、ぶつけどころのない傷の深い想いを発している。
ふうむ。小説的にほどよい未解決感が残る。極端な前提でありつつ、直接的な打撃のある場面はないことが効果を増幅している。
集中できるストーリー立て、何かモヤモヤとした、解決できないもの、を際立たせる作品だった。
初読みの詩人・作家さん。衝撃的な事件と、あわいに漂う、尽きない感情と。
最果タヒ、さいはて、と読むのだそうだ。詩集で注目されて中原中也賞、萩原朔太郎賞を受賞している。作品をもとにした映画もあるんだそうだ。書評がよく上がっていて興味を持っていた。小説もものしており、今作はその第一作。
愛野真実というアイドルがバラバラ殺人容疑で取り調べられている。目立たず友達もいない優等生・山城は真実に歪んだ愛情を抱いていて、真美の実家に出掛けて行き、誰かが仕掛けた盗聴器の音を拾って聴いたりしている。ある日その盗聴器で真実が連行される音を聴いた後、山城はライブで何度も見かけていた同じクラスの人気者、森下と会う。森下は妹だという小さな女の子を連れていた。翌日、女の子は行方不明だとニュースで流れた。学校で、山城は森下に声をかけるー。
ファンとしてのたがが外れた行動。誰からも好かれ、モテる彼と行動をともにしつづける山城はクラスの女子から忌避されている。一方、そんな山城を気にかける才女・渡瀬と、クラスの誰もに、森下の金魚のフン的存在とみなされている青山。
やがて森下の行動に切羽詰まっていく山城、衝撃的な結末とその後のことー。
まず違和感満載のまま、まるで止まれないジェットコースターのように息つく間もなく進んでいく物語に引き込まれる。対比と何気ない言動、シラケと高校時特有の薄っぺらな感情、傷。事件の中の青春群像劇。エピローグ的な2話も含め、異常な中で湧いてくる思い、戸惑い、なんらかの実感とぐるぐる回る思考を文章で表そうとしているのかな、と。2人の時はいいつきあい、でも集団になると関係性が変わる、というのはよくあるが、リアルだ。
怒涛のように言葉を連ねる舞城王太郎に少し似てるかな、どうかなと思わせた。少なくとも筋道だっていて常識通りに人が行動する正攻法の小説ではない。青山と渡瀬、被害者の少女の兄との後編は、みながみな、ぶつけどころのない傷の深い想いを発している。
ふうむ。小説的にほどよい未解決感が残る。極端な前提でありつつ、直接的な打撃のある場面はないことが効果を増幅している。
集中できるストーリー立て、何かモヤモヤとした、解決できないもの、を際立たせる作品だった。
2025年5月12日月曜日
大阪4オケ!
母の日ケーキ。サヴァランに、ひさびさのオペラ。どっち食べようか悩ましい🍰
毎年恒例、オケが一堂に介す長丁場のイベント。武満徹「波の盆」、萩森英明「東京夜想曲」、外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」など知らない曲も、明るくよく作り込まれていて、聴くのが楽しい曲ばかり。
ハイライトは「ウエスト・サイド・ストーリー」からの「シンフォニック・ダンス」序盤オケがお決まりの指パッチン。そして盛り上がりどころで一斉に立ち上がり、ボディアクションをつけて「マンボ!」と叫び、カオスな部分では踊りながら各楽器を弾くという、まさにお祭り的演奏。いや楽しかった。
日本センチュリー交響楽団の音楽監督に就任した久石譲氏も登場してました。
終わってから地元で居心地の良い居酒屋を開拓、おいしいごはんにクラシック談義。
楽しい週末でした〜😎
🦁⚾️ライオンズは去年コテンパンに負け越した千葉ロッテに同一カード3連勝🔥しかもすべて完封リレー。これがわれわれの実力だ👺気分がいいったらありゃしない。言える時に言っとこう😅
毎年恒例、オケが一堂に介す長丁場のイベント。武満徹「波の盆」、萩森英明「東京夜想曲」、外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」など知らない曲も、明るくよく作り込まれていて、聴くのが楽しい曲ばかり。
ハイライトは「ウエスト・サイド・ストーリー」からの「シンフォニック・ダンス」序盤オケがお決まりの指パッチン。そして盛り上がりどころで一斉に立ち上がり、ボディアクションをつけて「マンボ!」と叫び、カオスな部分では踊りながら各楽器を弾くという、まさにお祭り的演奏。いや楽しかった。
日本センチュリー交響楽団の音楽監督に就任した久石譲氏も登場してました。
終わってから地元で居心地の良い居酒屋を開拓、おいしいごはんにクラシック談義。
楽しい週末でした〜😎
🦁⚾️ライオンズは去年コテンパンに負け越した千葉ロッテに同一カード3連勝🔥しかもすべて完封リレー。これがわれわれの実力だ👺気分がいいったらありゃしない。言える時に言っとこう😅
5月書評の6
◼️ 町田尚子「ネコヅメのよる」
町田尚子はヤ・バ・イ。ネコの・・ミステリー?笑
地元近くでの「隙あらば猫 町田尚子絵本原画展」に行ってきた。怪談えほんシリーズで京極夏彦文の「いるの、いないの」絵を担当、読む人を大いに怖がらせた人、また小野不由美「残穢」のカバーも描いている。
ある家猫はピンと来る。ひょっとして、きょう今夜なのではないか。深夜、出かける猫たち。そちこちから、住宅の路地を通って、広い場所へ集結する。ミーアキャットのように一斉に前脚を上げ、見つめた先はー。
んふふ、好きやねこの発想。「どすこいみいちゃんパン屋さん」「ねことねこ」「ねこのるすばん」などなど本当に楽しく読める。発想大事。
猫も犬も、栄養状態が良いと大きくなりがち、デブりがち。これが抱いても重い笑。この猫ってどすこい系、という会話の表現から思いついたというどすこいパン屋さんは、ホンマにおもしろい。
今回感心したのは発想ばかりではなくて、色彩感覚が見てて気持ち良い、ということ。背景色の独自性と猫の眼や模様との連関性。色使いも輪郭だけ描いて赤で塗りつぶす、同系色の多用、またたとえば赤系に黄色などキパッと原色系を使ったりするのはマティスの影響を受けてるのかな?なんて観ながら考えたり、バックをおぼろに、かつ効果的な対象物として描いたり、直線が正確だったり、リアルに描いたり。「うらしまたろう」の絵なんかはチョー美しい。
また人は総じて冷たく無表情。有機的でなく、狂気さえはらんでいそうで怖い。「いるの、いないの」では家の構図を正確に描いてリアルさを強調することで、なにかが潜んでいる感覚を増幅していた。でも他作品では柔らかく描くことも出来ていた。
ちなみに「いるの、いないの」を改めてよく見ると、古い家屋に、猫、めっちゃ多い。「残穢」のカバーの絵も猫入り😸🐈🐈⬛
地域のイベント会場が美術館の前。ちょいちょい買い物をした後、んーまあ入ってみるか、という程度の気持ちだったけども、めっちゃ満足。楽しめた。絵本好き、またお気に入りが増えました。
小学生のぼくちゃんが描いた絵をプリントしたというしおり、ブックマークにも使えますよー、というふれこみに、ついデザインヘアピン買っちゃいました。
町田尚子はヤ・バ・イ。ネコの・・ミステリー?笑
地元近くでの「隙あらば猫 町田尚子絵本原画展」に行ってきた。怪談えほんシリーズで京極夏彦文の「いるの、いないの」絵を担当、読む人を大いに怖がらせた人、また小野不由美「残穢」のカバーも描いている。
ある家猫はピンと来る。ひょっとして、きょう今夜なのではないか。深夜、出かける猫たち。そちこちから、住宅の路地を通って、広い場所へ集結する。ミーアキャットのように一斉に前脚を上げ、見つめた先はー。
んふふ、好きやねこの発想。「どすこいみいちゃんパン屋さん」「ねことねこ」「ねこのるすばん」などなど本当に楽しく読める。発想大事。
猫も犬も、栄養状態が良いと大きくなりがち、デブりがち。これが抱いても重い笑。この猫ってどすこい系、という会話の表現から思いついたというどすこいパン屋さんは、ホンマにおもしろい。
今回感心したのは発想ばかりではなくて、色彩感覚が見てて気持ち良い、ということ。背景色の独自性と猫の眼や模様との連関性。色使いも輪郭だけ描いて赤で塗りつぶす、同系色の多用、またたとえば赤系に黄色などキパッと原色系を使ったりするのはマティスの影響を受けてるのかな?なんて観ながら考えたり、バックをおぼろに、かつ効果的な対象物として描いたり、直線が正確だったり、リアルに描いたり。「うらしまたろう」の絵なんかはチョー美しい。
また人は総じて冷たく無表情。有機的でなく、狂気さえはらんでいそうで怖い。「いるの、いないの」では家の構図を正確に描いてリアルさを強調することで、なにかが潜んでいる感覚を増幅していた。でも他作品では柔らかく描くことも出来ていた。
ちなみに「いるの、いないの」を改めてよく見ると、古い家屋に、猫、めっちゃ多い。「残穢」のカバーの絵も猫入り😸🐈🐈⬛
地域のイベント会場が美術館の前。ちょいちょい買い物をした後、んーまあ入ってみるか、という程度の気持ちだったけども、めっちゃ満足。楽しめた。絵本好き、またお気に入りが増えました。
小学生のぼくちゃんが描いた絵をプリントしたというしおり、ブックマークにも使えますよー、というふれこみに、ついデザインヘアピン買っちゃいました。
5月書評の5
◼️ 大原富枝 岩崎ちひろ 「万葉のうた」
遠い万葉の世界を描くちひろは、絵が楽しそうだ。
兵庫・明石の岩崎ちひろ展に行って読みたくなった。万葉集歌と解説が掲載され、岩崎ちひろが挿絵を描いている。子どもの絵ではなく飛鳥・奈良時代の男女の面影をちひろ風に。
あかねさす紫野行き標野行き
野守は見ずや君が袖ふる
中大兄皇子、のちの天智天皇と大海人皇子、壬申の乱の勝者で後の天武天皇の2人に愛された才女・額田王。かつての恋人、大海人が袖を振るのを見てまあそんな人目についたらどうするの、と詠んで伝えるも嬉しそうで、物慣れたチャーミングさがにじみ出る。ちひろの額田は明るく少女の面影を残した大人の女性。イメージよりも意外な柔らかさ、可愛さがある。
わが背子を大和へやると小夜更けて
暁露にわが立ち濡れし 大伯皇女
持統天皇の一人息子である草壁皇子をめぐり陰謀の犠牲となった大津皇子。は姉で伊勢神宮の斎宮いつきのみや・大伯皇女おおくのひめみこへ会いに伊勢まで来て今生の別れを惜しみ、大和へ帰った。悲劇の運命を悟った弟を想う姉、皇室を代表する斎宮の姿絵は冷たくおぼろで寂しげだ。対して、恋人の石川郎女(ちなみに草壁皇子との恋の歌もあるとか)の絵は、いかにも胸に恋の華やぐ想いを秘める乙女、といった感じだ。
人言を繁み言痛み己が世に
未だ渡らぬ朝川渡る
秋の田の穂向の寄れること寄りに
君に寄りなな言痛たかりとも
両方の歌を詠んだ天武天皇の皇女・但馬皇女は異母兄の高市皇子の妃でありながら、やはり異母兄の穂積皇子と恋仲となり、女性の方から逢いに行くという、当時としてはありえない行動に出て朝帰りする。
永井路子さんの歴史小説や解説書はだいぶ読み込んだ。「裸足の皇女」という秀逸な短編集で但馬皇女と穂積皇子の恋を小説化してある。私はこの歌の「君に寄りなな」が語感も含め気に入っている。朝もやの中裾をからげて川を渡る但馬皇女の姿は、スリムでどこか現代的、表情はシンプル。絵は全部白黒だけど、白の使い方が私的に好ましいちひろらしい筆遣いかな、など思う。
わたつみの豊旗雲に入り日さし
今夜の月夜清明けくこそ 天武天皇
春過ぎて夏来るらし白栲の
衣乾したり天の香具山 持統天皇
言わずと知れた天皇夫婦。近鉄で飛鳥駅へ、そこからレンタサイクルで歴史の地を巡るのは数年に一度行く楽しみ。飛鳥浄御原宮や蘇我氏の墓とも言われる石舞台古墳、高松塚古墳、蘇我氏の屋敷があったという甘樫丘、天武・持統天皇陵。時が悠然と流れている気を吸い込む。また、持統天皇の時移った藤原宮跡は大和八木駅からバスで行く。耳成山、畝傍山、そして香具山の大和三山に囲まれている広い宮跡、秋には一面に秋桜が咲く。三山と花畑を見廻しつつ、遠い遠い時代の白妙を想像する。
著名な皇族、大伴旅人や沙弥満誓の筑紫歌壇、選者と言われる大伴家持、山上憶良、柿本人麿、山部赤人、さらには東歌。そのますらおぶり、太古のロマン。万葉集は定期的に摂取すべしやね。
ちひろはそらで口ずさめるほど万葉集好きだったという。やはりその筆は楽しそうに思える。
遠い万葉の世界を描くちひろは、絵が楽しそうだ。
兵庫・明石の岩崎ちひろ展に行って読みたくなった。万葉集歌と解説が掲載され、岩崎ちひろが挿絵を描いている。子どもの絵ではなく飛鳥・奈良時代の男女の面影をちひろ風に。
あかねさす紫野行き標野行き
野守は見ずや君が袖ふる
中大兄皇子、のちの天智天皇と大海人皇子、壬申の乱の勝者で後の天武天皇の2人に愛された才女・額田王。かつての恋人、大海人が袖を振るのを見てまあそんな人目についたらどうするの、と詠んで伝えるも嬉しそうで、物慣れたチャーミングさがにじみ出る。ちひろの額田は明るく少女の面影を残した大人の女性。イメージよりも意外な柔らかさ、可愛さがある。
わが背子を大和へやると小夜更けて
暁露にわが立ち濡れし 大伯皇女
持統天皇の一人息子である草壁皇子をめぐり陰謀の犠牲となった大津皇子。は姉で伊勢神宮の斎宮いつきのみや・大伯皇女おおくのひめみこへ会いに伊勢まで来て今生の別れを惜しみ、大和へ帰った。悲劇の運命を悟った弟を想う姉、皇室を代表する斎宮の姿絵は冷たくおぼろで寂しげだ。対して、恋人の石川郎女(ちなみに草壁皇子との恋の歌もあるとか)の絵は、いかにも胸に恋の華やぐ想いを秘める乙女、といった感じだ。
人言を繁み言痛み己が世に
未だ渡らぬ朝川渡る
秋の田の穂向の寄れること寄りに
君に寄りなな言痛たかりとも
両方の歌を詠んだ天武天皇の皇女・但馬皇女は異母兄の高市皇子の妃でありながら、やはり異母兄の穂積皇子と恋仲となり、女性の方から逢いに行くという、当時としてはありえない行動に出て朝帰りする。
永井路子さんの歴史小説や解説書はだいぶ読み込んだ。「裸足の皇女」という秀逸な短編集で但馬皇女と穂積皇子の恋を小説化してある。私はこの歌の「君に寄りなな」が語感も含め気に入っている。朝もやの中裾をからげて川を渡る但馬皇女の姿は、スリムでどこか現代的、表情はシンプル。絵は全部白黒だけど、白の使い方が私的に好ましいちひろらしい筆遣いかな、など思う。
わたつみの豊旗雲に入り日さし
今夜の月夜清明けくこそ 天武天皇
春過ぎて夏来るらし白栲の
衣乾したり天の香具山 持統天皇
言わずと知れた天皇夫婦。近鉄で飛鳥駅へ、そこからレンタサイクルで歴史の地を巡るのは数年に一度行く楽しみ。飛鳥浄御原宮や蘇我氏の墓とも言われる石舞台古墳、高松塚古墳、蘇我氏の屋敷があったという甘樫丘、天武・持統天皇陵。時が悠然と流れている気を吸い込む。また、持統天皇の時移った藤原宮跡は大和八木駅からバスで行く。耳成山、畝傍山、そして香具山の大和三山に囲まれている広い宮跡、秋には一面に秋桜が咲く。三山と花畑を見廻しつつ、遠い遠い時代の白妙を想像する。
著名な皇族、大伴旅人や沙弥満誓の筑紫歌壇、選者と言われる大伴家持、山上憶良、柿本人麿、山部赤人、さらには東歌。そのますらおぶり、太古のロマン。万葉集は定期的に摂取すべしやね。
ちひろはそらで口ずさめるほど万葉集好きだったという。やはりその筆は楽しそうに思える。
5月書評の4
イスラーム映画祭、10回めが終わり、無期限休止だとのこと。個人の方がやってらしたんですね。すごい労力。おつかれさま、ありがとう。どこかの会社が引き継いでくれないかなあと。
◼️ 「ローカル局の戦後史 九州朝日放送の70年」
福岡・佐賀のテレビラジオ局の歩み。しかし黎明期の動きはダイナミック。
地元福岡で幼少の頃からなじみ深いテレビ、ラジオ。しかも私は学生の頃このKBCさんでアルバイトしてたのです。図書館で新規の本として置いてあり半ば義務感で手にした。
戦後民間放送開局の機運が高まり、ラジオ局からスタート、東名阪地域にまず免許が割り振られた。次々と新局が現れ、やがて田中角栄が新聞系列をもとにして系列を整備した。
争うような新規参入のなかで、KBC九州朝日放送は当初福岡市ではなく、県南部の久留米市を本社としてスタートした。まったく知らなかった。やがてすぐにテレビ放送が始まる。いまや名前の通りテレビ朝日系列のKBCは当初フジテレビの番組を多く放送していたという。これも知らなかった。ホンマかいな。フジテレビから3か月後の番組供給打ち切りの通告が来て、テレビ朝日の前身、NET日本教育放送と急きょ組むことになる。
西鉄ライオンズ、博多山笠の中継開始と地域に密着したローカル局の前時代は熱さを感じる。
母が西鉄ファンで、福岡市内の短大に通い、強かったライオンズをよく観に行っていたとか。日本シリーズで巨人を3連敗の後4連勝で破ったことは地元でもはや伝説だ。
太平洋クラブ、クラウンライターと親会社を変えたライオンズを、私は平和台球場に観に行っていた。若い頃は感じないものだが、いま考えると、世代のつながりを感じてしまう、ナイターやオールナイトニッポンをよく聴いていたKBC、父親も年配のアナウンサーの名前をよく知っていた。たしかテレビ結婚式、という企画に出たんじゃなかったかな両親は。
バイト時代は、ローカルには関係なかったがベルリンの壁が崩れ世界が一気に動いたり、選挙ではマドンナ旋風が吹き、売上税が導入されたな確か。その中で雲仙・普賢岳の悲劇が起こった。KBCは取材カメラマンとカメラ助手が火砕流に巻き込まれ、帰らぬ人となった。職種が違うから親しいわけではなかったが面識はあり、社内の小部屋に設けられた祭壇で拝んだ記憶がある。
野球の記憶がある商圏福岡、ホークスが来て社内は活性化していたと思う。色々と現場のお話も聞いた。
地元密着の端にいて、就職を祝ってもらい、私は関西に来た。いま何十年も経って記憶を掘り起こし、知らなかった過去に触れ、戻らない当時をしみじみ回顧する。
本との出逢いは誠に不思議だ。関西やのに。
◼️ 「ローカル局の戦後史 九州朝日放送の70年」
福岡・佐賀のテレビラジオ局の歩み。しかし黎明期の動きはダイナミック。
地元福岡で幼少の頃からなじみ深いテレビ、ラジオ。しかも私は学生の頃このKBCさんでアルバイトしてたのです。図書館で新規の本として置いてあり半ば義務感で手にした。
戦後民間放送開局の機運が高まり、ラジオ局からスタート、東名阪地域にまず免許が割り振られた。次々と新局が現れ、やがて田中角栄が新聞系列をもとにして系列を整備した。
争うような新規参入のなかで、KBC九州朝日放送は当初福岡市ではなく、県南部の久留米市を本社としてスタートした。まったく知らなかった。やがてすぐにテレビ放送が始まる。いまや名前の通りテレビ朝日系列のKBCは当初フジテレビの番組を多く放送していたという。これも知らなかった。ホンマかいな。フジテレビから3か月後の番組供給打ち切りの通告が来て、テレビ朝日の前身、NET日本教育放送と急きょ組むことになる。
西鉄ライオンズ、博多山笠の中継開始と地域に密着したローカル局の前時代は熱さを感じる。
母が西鉄ファンで、福岡市内の短大に通い、強かったライオンズをよく観に行っていたとか。日本シリーズで巨人を3連敗の後4連勝で破ったことは地元でもはや伝説だ。
太平洋クラブ、クラウンライターと親会社を変えたライオンズを、私は平和台球場に観に行っていた。若い頃は感じないものだが、いま考えると、世代のつながりを感じてしまう、ナイターやオールナイトニッポンをよく聴いていたKBC、父親も年配のアナウンサーの名前をよく知っていた。たしかテレビ結婚式、という企画に出たんじゃなかったかな両親は。
バイト時代は、ローカルには関係なかったがベルリンの壁が崩れ世界が一気に動いたり、選挙ではマドンナ旋風が吹き、売上税が導入されたな確か。その中で雲仙・普賢岳の悲劇が起こった。KBCは取材カメラマンとカメラ助手が火砕流に巻き込まれ、帰らぬ人となった。職種が違うから親しいわけではなかったが面識はあり、社内の小部屋に設けられた祭壇で拝んだ記憶がある。
野球の記憶がある商圏福岡、ホークスが来て社内は活性化していたと思う。色々と現場のお話も聞いた。
地元密着の端にいて、就職を祝ってもらい、私は関西に来た。いま何十年も経って記憶を掘り起こし、知らなかった過去に触れ、戻らない当時をしみじみ回顧する。
本との出逢いは誠に不思議だ。関西やのに。
2025年5月6日火曜日
5月書評の3
◼️ 伊勢英子「グレイが待ってるから」
シベリアン・ハスキーと家族が過ごした年月。愛犬家には誰しもある経験の言語&絵画化。
友人が断捨離するけど欲しい本ある?と写真を送ってきてくれて、絵本作家・画家・エッセイストのいせひでこさんファンの私は、娘さんが読んでたという伊勢英子2冊を、んじゃコレ!といただいた。
絵本と絵、書き物の感性と表現が心に響く人。
話はもらえることになったシベリアン・ハスキー犬、グレイとの生活である。散歩のコース分け、訓練士と絵描きの自分へのグレイの態度の違い、散歩ではリードを引っ張り、鼻をスピスピ鳴らして嗅ぎ回り、誰にでも飛びつく困ったグレイ。北の犬は真夏に病気になり、入院したりする。
私は生まれてから就職で家を出るまでほぼずっと犬と共に過ごした。結婚してからは19年間、犬が1頭か2頭いた。
グレイは
私に
風をおいかけさせ
季節をおいかけさせ
時を忘れさせた
グレイは
私を
ぼんやりにし
夢想家にし
探検家にし
即興詩人にした
犬の散歩は人にとって実は大きなルーティンである。犬のことを考えて、また自分の気分で、つとめて自然が多いところを通る。犬のために外出する、東京で住宅街や大きな公園を縫って1時間以上あることもあったし、こちらでは山の方へ、やはり長いことのんびり歩いた。小型愛玩犬でさえそんなもの。イノシシが出現して両脇に2頭抱えて走ったこともある。
犬と飼い主がいればそれだけさまざまな生活があるだろう。それでも分かるな、と思う部分も多い。旅立つと散歩に行かなくなる。気がつけば大切なものを失ったというか、大きな転機を迎えていたことに気がつく。春の山で楽しみにしていたやまぶきの花ももう数年見ていない。
また犬の病院は、保険がきかないから高いのだ。それもよく分かる笑
犬は色々なものを臭う。自分とグレイは似ている、と思う伊勢さんはまた、匂いを表現する。二月の凍った夜道は刃ものの匂(原文ママ)、ぼたん雪はうす桃色のほこりの匂、粉雪はかすかな本の匂・・。
別れは、サラッと描かれている。犬を飼うということは情操に大きな影響を与え、けっこうおおわらわ。いなくなってしまうと、楽だしお金もかからない。残るのは喪失感とある時代の終わり。
あまり浸り込まないように、今回もまた、伊勢さんの感性と性格と表現を、豊富な挿絵とともに楽しんだ。
シベリアン・ハスキーと家族が過ごした年月。愛犬家には誰しもある経験の言語&絵画化。
友人が断捨離するけど欲しい本ある?と写真を送ってきてくれて、絵本作家・画家・エッセイストのいせひでこさんファンの私は、娘さんが読んでたという伊勢英子2冊を、んじゃコレ!といただいた。
絵本と絵、書き物の感性と表現が心に響く人。
話はもらえることになったシベリアン・ハスキー犬、グレイとの生活である。散歩のコース分け、訓練士と絵描きの自分へのグレイの態度の違い、散歩ではリードを引っ張り、鼻をスピスピ鳴らして嗅ぎ回り、誰にでも飛びつく困ったグレイ。北の犬は真夏に病気になり、入院したりする。
私は生まれてから就職で家を出るまでほぼずっと犬と共に過ごした。結婚してからは19年間、犬が1頭か2頭いた。
グレイは
私に
風をおいかけさせ
季節をおいかけさせ
時を忘れさせた
グレイは
私を
ぼんやりにし
夢想家にし
探検家にし
即興詩人にした
犬の散歩は人にとって実は大きなルーティンである。犬のことを考えて、また自分の気分で、つとめて自然が多いところを通る。犬のために外出する、東京で住宅街や大きな公園を縫って1時間以上あることもあったし、こちらでは山の方へ、やはり長いことのんびり歩いた。小型愛玩犬でさえそんなもの。イノシシが出現して両脇に2頭抱えて走ったこともある。
犬と飼い主がいればそれだけさまざまな生活があるだろう。それでも分かるな、と思う部分も多い。旅立つと散歩に行かなくなる。気がつけば大切なものを失ったというか、大きな転機を迎えていたことに気がつく。春の山で楽しみにしていたやまぶきの花ももう数年見ていない。
また犬の病院は、保険がきかないから高いのだ。それもよく分かる笑
犬は色々なものを臭う。自分とグレイは似ている、と思う伊勢さんはまた、匂いを表現する。二月の凍った夜道は刃ものの匂(原文ママ)、ぼたん雪はうす桃色のほこりの匂、粉雪はかすかな本の匂・・。
別れは、サラッと描かれている。犬を飼うということは情操に大きな影響を与え、けっこうおおわらわ。いなくなってしまうと、楽だしお金もかからない。残るのは喪失感とある時代の終わり。
あまり浸り込まないように、今回もまた、伊勢さんの感性と性格と表現を、豊富な挿絵とともに楽しんだ。
2025年5月5日月曜日
港町元町側探訪
毎年GW恒例の神戸・元町映画館、イスラーム映画祭へ。朝開館前に並んで整理券ゲット、昼の開始時間まで港町をブラブラ。長年のホームタウンでも発見は多い。
9時半から開いてる古書店を見つけてじっくり吟味、高橋克彦のアテルイもの続編を発見購入、メリケンパークに新装ポートタワーを観に行く。青空に映えるレッドタワー。海も船もいいね。やはり神戸。東側に新設ジーライオンアリーナ。周辺は開発されて海に突き出した公園、ショップ、レストランなどが出来ている。いずれ行こうかな。
元町の名店・はた珈琲店で早めの軽いランチ&スイーツ。港町コーヒーとガトーショコラ。カップもお皿も洒落ている。市営の図書スペースを見つけてしばし涼しいところで読書&休憩後に映画館。
「母たちの村」🎦
セネガル🇸🇳、ブルキナファソ🇧🇫、モロッコ🇲🇦、チュニジア🇹🇳、カメルーン🇨🇲、フランス🇫🇷出資の映画。アフリカ映画の父と呼ばれたウスマン・センベーヌ監督が、女子割礼の問題に向き合った作品。毎年3回券を買ってるけど、今年は1作品。観たい作品はGW明け平日に固まってて、バテもあるし😎
終わり小腹がへった。帰り途中には南京町。露店の豚まん200円をパクッと。この時間帯から人がだいぶ増えてきた。
明日は雨☔予報なので図書館に本返してちょっと買い物というとこかな。美術展2つに映画1本。明石の水産物、大阪で粉もん、地元と神戸でスイーツに豚まん。まあこんなもんかと、散歩お出かけが楽しい期間ではありました。
9時半から開いてる古書店を見つけてじっくり吟味、高橋克彦のアテルイもの続編を発見購入、メリケンパークに新装ポートタワーを観に行く。青空に映えるレッドタワー。海も船もいいね。やはり神戸。東側に新設ジーライオンアリーナ。周辺は開発されて海に突き出した公園、ショップ、レストランなどが出来ている。いずれ行こうかな。
元町の名店・はた珈琲店で早めの軽いランチ&スイーツ。港町コーヒーとガトーショコラ。カップもお皿も洒落ている。市営の図書スペースを見つけてしばし涼しいところで読書&休憩後に映画館。
「母たちの村」🎦
セネガル🇸🇳、ブルキナファソ🇧🇫、モロッコ🇲🇦、チュニジア🇹🇳、カメルーン🇨🇲、フランス🇫🇷出資の映画。アフリカ映画の父と呼ばれたウスマン・センベーヌ監督が、女子割礼の問題に向き合った作品。毎年3回券を買ってるけど、今年は1作品。観たい作品はGW明け平日に固まってて、バテもあるし😎
終わり小腹がへった。帰り途中には南京町。露店の豚まん200円をパクッと。この時間帯から人がだいぶ増えてきた。
明日は雨☔予報なので図書館に本返してちょっと買い物というとこかな。美術展2つに映画1本。明石の水産物、大阪で粉もん、地元と神戸でスイーツに豚まん。まあこんなもんかと、散歩お出かけが楽しい期間ではありました。
5月書評の2
◼️ 智佳子サガン「銀の画鋲 この世の果ての本屋と黒猫リュシアン」
神戸・元町の某所にて。
人の来ない本屋。主人はワルツさん。牧師夫妻にこき使われる少女カトリーヌのために、黒猫リュシアンは奥の手を・・
ホームタウン近くの兵庫・芦屋の古書店で入手した児童本。舞台はアトランティスのあったところ、だからエーゲ海の島か。
ワルツさんはロマの出でこの店を譲り受けるまで放浪してきた。ブラック・リュシアンも似た身の上で誰にも懐かない猫。ある日牛乳を届ける少女カトリーヌが瓶を割ってしまったことが元で交流が生まれ、本好きのカトリーヌは店で本を読むようになる。彼女が住む牧師館の夫妻にひどい扱いを受けていると知ったワルツさんやリュシアンは力になりたいと思うが、やがてカトリーヌは大陸に働き手として出されることが決まるー。
日がな一日、何もしないワルツさん。しかし少しずつ、生い立ちや心のうちが明かされる。誰も来ない本屋に立ち寄る人、封を開けていない手紙はやはりなんらかの訳ありだ。
全体に詩的、ちょっとディレッタント風味で、ルーズの中に暖かみがあるが、すべて解決するわけではない。リュシアンの、猫らしいクール態度としなやかな身のこなしで日々を過ごす、そして、だから猫らしくない情のある気持ちと決然とした行動が際立つ。
懲悪的なストーリーだけれども、深みもある、そして最後に寄って立つのは、誰しもが知っていること。そして誰にも永久にわからない。
ちょっと散漫な部分もあるけども、黒い森の神秘や猫の特性を活かしたほんのりした話。
最近よく児童ものを読んでいる。やはり感じるものはそれぞれあるな、という想いだ。
神戸・元町の某所にて。
人の来ない本屋。主人はワルツさん。牧師夫妻にこき使われる少女カトリーヌのために、黒猫リュシアンは奥の手を・・
ホームタウン近くの兵庫・芦屋の古書店で入手した児童本。舞台はアトランティスのあったところ、だからエーゲ海の島か。
ワルツさんはロマの出でこの店を譲り受けるまで放浪してきた。ブラック・リュシアンも似た身の上で誰にも懐かない猫。ある日牛乳を届ける少女カトリーヌが瓶を割ってしまったことが元で交流が生まれ、本好きのカトリーヌは店で本を読むようになる。彼女が住む牧師館の夫妻にひどい扱いを受けていると知ったワルツさんやリュシアンは力になりたいと思うが、やがてカトリーヌは大陸に働き手として出されることが決まるー。
日がな一日、何もしないワルツさん。しかし少しずつ、生い立ちや心のうちが明かされる。誰も来ない本屋に立ち寄る人、封を開けていない手紙はやはりなんらかの訳ありだ。
全体に詩的、ちょっとディレッタント風味で、ルーズの中に暖かみがあるが、すべて解決するわけではない。リュシアンの、猫らしいクール態度としなやかな身のこなしで日々を過ごす、そして、だから猫らしくない情のある気持ちと決然とした行動が際立つ。
懲悪的なストーリーだけれども、深みもある、そして最後に寄って立つのは、誰しもが知っていること。そして誰にも永久にわからない。
ちょっと散漫な部分もあるけども、黒い森の神秘や猫の特性を活かしたほんのりした話。
最近よく児童ものを読んでいる。やはり感じるものはそれぞれあるな、という想いだ。
5月書評の1
◼️リチャード・フィリップス・ファインマン
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」上下
理系的内容、だけの本ではないが、分からないのもおもしろい。ノーベル賞学者の活動記。
物語が好きな人が頬を半ば上気させながら、好きな本を読むのを見たことがある。仲間うちで水族館に行った時、大学で生物専攻の者が目をキラキラさせていた。こないだご飯食べた時、おもしろい理系本は、と訊いて出てきた作品名のうちの1つがこのファインマンさん、だった。
ノーベル賞受賞の理論物理学者、ファインマン。厳重に秘密が管理された原爆の製造に携わり、経路積分やファインマン・ダイアグラムにより量子力学の発展に貢献した。アインシュタインやオッペンハイマーとも仕事で関係している。
この本には、これらに関する体験や経緯も含まれている。が、専門的なことはほとんど載っていない。確率論を駆使して金庫破りの名人になったり、ラスベガスで負けない男のカラクリを理解したり、ドラムに没頭したり、さらには絵を描いて客に売れるほどになったりと才気溢れすぎる性格。しかもオープンで明るく、イタズラ好き。
一方で教科書選定に関しては本気で取り組み、根源的なことを指摘し続ける。権威や威張りに敏感、怯まない。どうやら専門的な分野でも型破りな存在のようで、アプローチが独特らしい。天才的、という言葉が当てはまるような気がする。
原爆を造る側、のレポートはあまり読んだことがなかったし、そもそも理系的、数学的、物理な部分は理解は出来ないんだけれども、その分からなさ加減の感覚が文系脳的には興味深く、おもしろかったりする。
また、理論的、というのは数学的でもあって、ファインマンの言うように、いまの仕事でも実験実証的な観点で行くと、ひょっとして間違っている部分があるかもしれないと身を引き締まる気がしたりする。ちょいこわ。個人的には感覚的、というのはすごく大事と思いたい。
人が本能的に好む、というのを傍から見るのは、人間の奥を見る気がする。誰にも変えられない、自然なもの。ファインマンも、私に教えてくれた友人も、なんか理系人って特にそういうのがあるようにも思える。
来日したファインマンは、フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルに泊まることになった時、日本に来たならこんな西洋のホテルじゃなくて旅館に泊まりたい、と強く要望したという。いいよね。でも私はライトの帝国ホテルに泊まれるのがホンマうらやましいな、とちょっと微笑してしまった。
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」上下
理系的内容、だけの本ではないが、分からないのもおもしろい。ノーベル賞学者の活動記。
物語が好きな人が頬を半ば上気させながら、好きな本を読むのを見たことがある。仲間うちで水族館に行った時、大学で生物専攻の者が目をキラキラさせていた。こないだご飯食べた時、おもしろい理系本は、と訊いて出てきた作品名のうちの1つがこのファインマンさん、だった。
ノーベル賞受賞の理論物理学者、ファインマン。厳重に秘密が管理された原爆の製造に携わり、経路積分やファインマン・ダイアグラムにより量子力学の発展に貢献した。アインシュタインやオッペンハイマーとも仕事で関係している。
この本には、これらに関する体験や経緯も含まれている。が、専門的なことはほとんど載っていない。確率論を駆使して金庫破りの名人になったり、ラスベガスで負けない男のカラクリを理解したり、ドラムに没頭したり、さらには絵を描いて客に売れるほどになったりと才気溢れすぎる性格。しかもオープンで明るく、イタズラ好き。
一方で教科書選定に関しては本気で取り組み、根源的なことを指摘し続ける。権威や威張りに敏感、怯まない。どうやら専門的な分野でも型破りな存在のようで、アプローチが独特らしい。天才的、という言葉が当てはまるような気がする。
原爆を造る側、のレポートはあまり読んだことがなかったし、そもそも理系的、数学的、物理な部分は理解は出来ないんだけれども、その分からなさ加減の感覚が文系脳的には興味深く、おもしろかったりする。
また、理論的、というのは数学的でもあって、ファインマンの言うように、いまの仕事でも実験実証的な観点で行くと、ひょっとして間違っている部分があるかもしれないと身を引き締まる気がしたりする。ちょいこわ。個人的には感覚的、というのはすごく大事と思いたい。
人が本能的に好む、というのを傍から見るのは、人間の奥を見る気がする。誰にも変えられない、自然なもの。ファインマンも、私に教えてくれた友人も、なんか理系人って特にそういうのがあるようにも思える。
来日したファインマンは、フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルに泊まることになった時、日本に来たならこんな西洋のホテルじゃなくて旅館に泊まりたい、と強く要望したという。いいよね。でも私はライトの帝国ホテルに泊まれるのがホンマうらやましいな、とちょっと微笑してしまった。
芦屋風文庫
独身の頃住んでいた芦屋へ。古書・新刊の店、風文庫さんを訪問。chikaさんの展示を見て、本の話をして、じっくり選んで買って帰る。本読みの楽しみ。黒猫🐈⬛の本、まったく知らない作品だけどなんかとても魅惑的。
いろいろ古書イベントの告知やお得情報もいただいて、満足の帰宅。午後はのんびり。
日本人ピアニストを中心にショパンコンクールの予備予選を聴いている。プログラムはノクターン(夜想曲)、リストが女性的と評したマズルカ、軽快、ユーモラス、時に可愛く、またドラマティックなスケルツォそれぞれ1曲ずつ。そしてエチュード(練習曲)2曲。
同じような曲が奏者を変え繰り返し演奏される。弾く人による違いを楽しむと同時に、だんだん曲そのものや盛り上げどころなんかを覚え、つくづくと、ショパンのピアノ曲の素晴らしさを味わう時間になっている。マズルカのop30-4なんか私的にかなりエモい、感情を掻き立てられるし、スケルツォは曲の構成が小憎らしいくらい、感覚の様々なところを突いてくる。木枯らしのエチュードなんか迫力とカッコ良さが際立つ。激しく細かい降下で終わり、ステージのエンド、というコンテスタントも多い。
音が丸かったり、粒立ちが際立ってたり、小粋なほんの少しの間があったり。好みの演奏を探すのも楽しみ。先ほどは中国の天才少年、16歳のPEIDA DUに心酔した。
厳格な映像録音審査を経て選ばれた者たちがこの予備予選に臨んでいる。そして秋の、いわゆる本大会に出場する数はぐっと絞られる。本大会でも1次、2次、3次とどんどん少なくなっていき、ファイナルで協奏曲を演奏できるのは、前回は12名だった。私的には最後まで浸って追いかけるのが、年間の大きな愉しみだ。
芦屋って名建築も、実は多い。ライト建築以外も回りたいなと。
ライオンズ🦁連勝ストップ🥲
ああ久しぶりだな負けるの!
なーんて去年は1回も言えなかったこと言えるわー😆😎
いろいろ古書イベントの告知やお得情報もいただいて、満足の帰宅。午後はのんびり。
日本人ピアニストを中心にショパンコンクールの予備予選を聴いている。プログラムはノクターン(夜想曲)、リストが女性的と評したマズルカ、軽快、ユーモラス、時に可愛く、またドラマティックなスケルツォそれぞれ1曲ずつ。そしてエチュード(練習曲)2曲。
同じような曲が奏者を変え繰り返し演奏される。弾く人による違いを楽しむと同時に、だんだん曲そのものや盛り上げどころなんかを覚え、つくづくと、ショパンのピアノ曲の素晴らしさを味わう時間になっている。マズルカのop30-4なんか私的にかなりエモい、感情を掻き立てられるし、スケルツォは曲の構成が小憎らしいくらい、感覚の様々なところを突いてくる。木枯らしのエチュードなんか迫力とカッコ良さが際立つ。激しく細かい降下で終わり、ステージのエンド、というコンテスタントも多い。
音が丸かったり、粒立ちが際立ってたり、小粋なほんの少しの間があったり。好みの演奏を探すのも楽しみ。先ほどは中国の天才少年、16歳のPEIDA DUに心酔した。
厳格な映像録音審査を経て選ばれた者たちがこの予備予選に臨んでいる。そして秋の、いわゆる本大会に出場する数はぐっと絞られる。本大会でも1次、2次、3次とどんどん少なくなっていき、ファイナルで協奏曲を演奏できるのは、前回は12名だった。私的には最後まで浸って追いかけるのが、年間の大きな愉しみだ。
芦屋って名建築も、実は多い。ライト建築以外も回りたいなと。
ライオンズ🦁連勝ストップ🥲
ああ久しぶりだな負けるの!
なーんて去年は1回も言えなかったこと言えるわー😆😎
2025年5月4日日曜日
古書店大好き
独身の頃住んでいた芦屋へ。古書・新刊の店、風文庫さんを訪問。chikaさんの展示を見て、本の話をして、じっくり選んで買って帰る。本読みの楽しみ。黒猫🐈⬛の本、まったく知らない作品だけどなんかとても魅惑的。
いろいろ古書イベントの告知やお得情報もいただいて、満足の帰宅。午後はのんびり。
日本人ピアニストを中心にショパンコンクールの予備予選を聴いている。プログラムはノクターン(夜想曲)、リストが女性的と評したマズルカ、軽快、ユーモラス、時に可愛く、またドラマティックなスケルツォそれぞれ1曲ずつ。そしてエチュード(練習曲)2曲。
同じような曲が奏者を変え繰り返し演奏される。弾く人による違いを楽しむと同時に、だんだん曲そのものや盛り上げどころなんかを覚え、つくづくと、ショパンのピアノ曲の素晴らしさを味わう時間になっている。マズルカのop30-4なんか私的にかなりエモい、感情を掻き立てられるし、スケルツォは曲の構成が小憎らしいくらい、感覚の様々なところを突いてくる。木枯らしのエチュードなんか迫力とカッコ良さが際立つ。激しく細かい降下で終わり、ステージのエンド、というコンテスタントも多い。
音が丸かったり、粒立ちが際立ってたり、小粋なほんの少しの間があったり。好みの演奏を探すのも楽しみ。先ほどは中国の天才少年、16歳のPEIDA DUに心酔した。
厳格な映像録音審査を経て選ばれた者たちがこの予備予選に臨んでいる。そして秋の、いわゆる本大会に出場する数はぐっと絞られる。本大会でも1次、2次、3次とどんどん少なくなっていき、ファイナルで協奏曲を演奏できるのは、前回は12名だった。私的には最後まで浸って追いかけるのが、年間の大きな愉しみだ。
芦屋って名建築も、実は多い。ライト建築以外も回りたいなと。
ライオンズ🦁連勝ストップ🥲
ああ久しぶりだな負けるの!
なーんて去年は1回も言えなかったこと言えるわー😆😎
いろいろ古書イベントの告知やお得情報もいただいて、満足の帰宅。午後はのんびり。
日本人ピアニストを中心にショパンコンクールの予備予選を聴いている。プログラムはノクターン(夜想曲)、リストが女性的と評したマズルカ、軽快、ユーモラス、時に可愛く、またドラマティックなスケルツォそれぞれ1曲ずつ。そしてエチュード(練習曲)2曲。
同じような曲が奏者を変え繰り返し演奏される。弾く人による違いを楽しむと同時に、だんだん曲そのものや盛り上げどころなんかを覚え、つくづくと、ショパンのピアノ曲の素晴らしさを味わう時間になっている。マズルカのop30-4なんか私的にかなりエモい、感情を掻き立てられるし、スケルツォは曲の構成が小憎らしいくらい、感覚の様々なところを突いてくる。木枯らしのエチュードなんか迫力とカッコ良さが際立つ。激しく細かい降下で終わり、ステージのエンド、というコンテスタントも多い。
音が丸かったり、粒立ちが際立ってたり、小粋なほんの少しの間があったり。好みの演奏を探すのも楽しみ。先ほどは中国の天才少年、16歳のPEIDA DUに心酔した。
厳格な映像録音審査を経て選ばれた者たちがこの予備予選に臨んでいる。そして秋の、いわゆる本大会に出場する数はぐっと絞られる。本大会でも1次、2次、3次とどんどん少なくなっていき、ファイナルで協奏曲を演奏できるのは、前回は12名だった。私的には最後まで浸って追いかけるのが、年間の大きな愉しみだ。
芦屋って名建築も、実は多い。ライト建築以外も回りたいなと。
ライオンズ🦁連勝ストップ🥲
ああ久しぶりだな負けるの!
なーんて去年は1回も言えなかったこと言えるわー😆😎
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