2022年12月1日木曜日

11月書評の11

◼️有栖川有栖/市川友章「おろしてください」

「恐怖新聞」を思い出す。パンチの効いた押し出しの強い絵。

怪談えほん、は宮部みゆき「悪い本」、佐野史郎「まどのそと」、京極夏彦「いるの いないの」、あさのあつこ「いただきます。ごちそうさま」と読んできた。さて、新本格の雄の1人、アリスさん。

裏山をたんけんしていたぼくは道に迷い、駅を見つけた。駅の名前は「比良坂駅」。列車の客は・・

駅名で現世と黄泉の境目にあるという黄泉比良坂を、大人は想像してしぜん嫌な予感を抱きます。さて子どもも将来気がつくのかな。

人の皮を被った妖怪・・話としてはなんかウルトラマンを思い出しちゃったかな。絵も妖怪というよりは仮面ライダーの怪人を思わせるし。

絵は子どもの表情で恐怖がストレートに伝わる、昔のマンガ「恐怖新聞」みたいだな、と。シリーズ中でこんなにたくさん怪物、怪人が出てくるのに突き当たったのは初めて。

この話を読んだ時はふうん、と思っていても、やがて夜電車に乗る時、夜道を歩く時、人混みの中にいる時、なんかに思い出してゾワッとくるのだろうか。

まだ読みたいな。恒川光太郎、皆川博子、小野不由美に綾辻行人が待っている〜。

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