旧乾邸③イギリスのマナーハウスっぽいと友人が言ってた。1500の応募で当選は400ほどだったとか。ラッキーだったんだあ〜。
◼️Authur Conan Doyle
"The Adventure of Charles Augustus Milverton(恐喝王ミルヴァートン)"
ロンドンの恐喝キング。スキャンダルや力ない女を食い物にするキャラクターには鉄槌。これもホームズものの騎士道的傾向です。
ホームズ短編原文読み33作め。第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」より。大物の1人登場ですね。大探偵も蛇蝎のごとく嫌うミルヴァートン。ホームズ&ワトスンの古典的冒険が展開されます。さてさて、なお、「犯人は二人」というタイトル邦訳も見受けられますが、ズガーンと悪党ミルヴァートンの名前が出てる方が好きかなやっぱり。
最初の方には断りが。特に関係者が存命の場合、名誉に関わることも多いので、かなり以前のことで、名前なども変えているとワトスンは書いています。ホームズ譚ではこのような記述をたまに見かけます。
凍てつく冬の夜のこと、ホームズとワトスンが6時ごろ散歩から帰ってきました。
As Holmes turned up the lamp the light fell upon a card on the table. He glanced at it, and then, He glanced at it, and then, with an ejaculation of disgust, threw it on the floor.
ホームズがランプを点灯すると、その光がテーブルの上にあった名刺を照らし出した。ホームズはちらっと目をやり、見るのも嫌だというような叫び声を上げ、床に放り出した。
あからさまですねー。名刺には
CHARLES AUGUSTUS MILVERTON,
Appledore Towers,
Hampstead.
Agent.
とありました。誰なんだい?と訊くワトスンに
"The worst man in London."
ロンドンで最悪なヤツさ、と嫌悪を露わにするホームズ。名刺の裏には6時30分に来る、と書いてありました。
"He is the king of all the blackmailers."
「恐喝者のキングだよ」
ホームズの話によれば、手口はこうでした。
著名人、セレブの地位や立場を危うくする手紙を高額で買う準備があると知られるようにしておく。従者やメイド、または上流階級で女性から手紙を受け取ったことのある者など不誠実な者たちから商品を仕入れる。ミルヴァートンがある貴族を破滅させた、長さにしてたった2行の手紙を提供した従者に700ポンドもの大金を支払ったことをホームズは知っていました。諸説ありますが、現代の日本円にして約1500〜2000万円といったところでしょうか。とんでもないですね。そしてミルヴァートンはそういった手紙が人手に渡る、公表されると身が危うい者たちをゆすり、
"he will squeeze and squeeze until he has drained them dry. "
「干上がるまで徹底的に搾り取れるだけ搾り取る」
のでした。
"The fellow is a genius in his way, and would have made his mark in some more savoury trade. "
「彼はその道の天才だよ。なにか他のまともな商売でも名を上げただろう」
法律では脅迫は罪になるはず、でも個人的な事情が公になるため、その手は取れない。
ミルヴァートンは、ホームズが呼んだとのこと。ホームズは、ある高名な依頼人から、昨シーズン社交界にデビューし2週間後に伯爵と結婚する令嬢が、貧乏な郷士に宛てて書いた軽率な手紙の事で、ミルヴァートンとの交渉を依頼されたのでした。手紙はミルヴァートンの手にあり、それは結婚を破談にするのに十分なものでした。
ロンドンでは名前を聞いただけで青ざめる人が少なくない、その恐ろしい人物がまさに立派な馬車で来訪しました。
太った背の低い男。大きく賢そうな頭、丸く肉付きが良く、髭のない顔、幅広の金縁眼鏡の奥には鋭い灰色の瞳、そして凍りついたような微笑みを浮かべていました。握手を求めて差し出した手をホームズはまる無視。ますますニターっとして椅子に座るミルヴァートン。ワトスンの立場を確認して本題に入ります。以下、やりとりを日本語ダイジェストで。
H「どんな条件だ」
M「7000ポンドですな。私もツラいのですよ。14日までに支払われないと18日の結婚はまちがいなく、ありません」
H「ちょっと過大評価だろう。僕は手紙の内容を知っていて、レディには将来の夫に全てを話すようアドバイスするつもりだ」
M「あなたは伯爵のことをご存知ない。ま、お互い見方が違って、この手紙を伯爵に渡すのが依頼人のためになると思ってるのなら大金を払うのも馬鹿げた話だ。なるようにしておきましょう」(帰りかける)
H「ちょっと待て。我々はスキャンダルを防ぐために努力すべきだ」
M(座り直す)「そう考えてくださると思ってましたよ」
H「現実的な話、彼女が払えるのは2000ポンドがせいぜいだ」
M「分かっていますよ。でも女性の結婚というのは友人や親族が彼女のためにちょっとした援助をする良い機会なんじゃないですかねえ。手紙の束が彼女にとって最高のプレゼントだということを、私が彼らに教えてあげましょうか」
H「ありえない」
M「なんと不運な!ほら私はこの手紙を明日の朝、ある女性の夫に渡すのです。手紙を書いた女性は、些細な額を用意しなかったのでね。こないだ新聞にもある伯爵令嬢と大佐の破談の記事が出てましたね。1200ポンドで全てが解決できたでしょうに。あなたには驚かされましたよ、ホームズさん」
ヒッヒッヒ、という声が聞こえてきそうですね。ホームズは話の方向を変えようと試みます。
H「僕が言った金額を受け取った方がいいぞ。女性を破滅させても君に利益はないだろう」
M「私には途方もない利があるのですよ。10件近く似たようなネタがあって、そちらの件が表沙汰になれば、関係者の物分かりがはるかによくなるでしょう」
"Get behind him,
Watson! Don't let him out! "
「後ろに回れ、ワトスン、奴を外に出すな!」
ついにホームズは実力行使に出ようとします。
ミルヴァートンは壁まで後じさりましたが余裕があります。こういう事態にも慣れているようで、拳銃を見せて、自分は完全に武装している、と言い放ちます。
"Besides, your supposition that I would bring the letters here in a notebook is entirely mistaken. I would do nothing so foolish."
「それに、私がくだんの手紙を手帳に挟んで持って来ている、と思うのは大間違いですよ。そんな間抜けなことはしません」
では、とミルヴァートンは悠々と帰っていきました。
屈辱的な会見でした。ミルヴァートンの要求は1億円をはるかに超えていました。単位の話です。ホームズはしばらく暖炉の前で黙って座っていましたが、やがて意を決して立ち上がると、小粋な若い職人の身なりをして出かけて行きました。
それからしばらくホームズは同じ格好で出入りしていました。そして、シャーロッキアン的にトピックとなっている告白がなされます。
"You would not call me a marrying man, Watson?"
「僕を結婚したがってる男、なんて言わないよね、ワトスン?」
"No, indeed!"
「なんじゃそら、絶対言わねー!」
"You'll be interested to hear that I'm engaged."
「僕が婚約したんだ、って聞いたら興味が湧くかい?」
ええーっ。びっくりですね。この場面はシャーロッキアン本でよく取り上げられます。ホームズは「四つの署名」でワトスンとメアリ・もースタンが結婚する運びになったとき、これまたシャーロッキアン界では(笑)有名なセリフを吐いてます。
"I really cannot congratulate you."
「おめでとうとは言えないな」
"love is an emotional thing, and whatever is emotional is opposed to that true cold reason which I place above all things. I should never marry myself, lest I bias my judgment."
「恋愛とは感情的なものだよ。なんであれ心を乱す感情は、僕が全てにおいて重視する冷静な理性とは対極にあるものさ。僕は決して結婚はしないよ。判断を偏らせないためにね」
このセリフがあるがため、また唯一女性として尊敬しているのがアイリーン・アドラーで、それはその知性のためという側面も大きいのもあるのか、ホームズは「女嫌い」と受け止められています。なのでワトスンにしてみれば驚天動地。しかしまあ、目的があれば別、なのでした。
"My dear fellow! I congrat– –"
「まじかーホームズ!おめで・・」
"To Milverton's housemaid."
「ミルヴァートンの家のメイドとね」
"Good heavens, Holmes!"
「な、なんだって!ホームズ!」
よくよく聞いてみるとホームズはミルヴァートンの生活習慣や家の間取りなどの情報を得るために羽振りのよい配管工エスコットを装い、メイドのアガサに近づき、毎晩おしゃべりにいそしんだとのこと。もちろん結婚はしません。彼女を傷つけるかもしれませんが、幸いというか、恋のライバルは多いようです。
"What a splendid night it is!"
「なんてすばらしい夜なんだ!」
説明の最後にこの感嘆文。この日外は大嵐。なんでやねん、というワトスンのまっすぐなツッコミに対して
"It suits my purpose. Watson, I mean to burgle Milverton's house to-night."
「僕の目的には最適なのさ、ワトスン。今夜ミルヴァートンの家に押し入るつもりだからね」
ついにホームズは最後の手段に出ます。このためにアガサに近づいたんですね。
I had a catching of the breath, and my skin went cold at the words,
私は息を呑み、鳥肌がたった。→慣用句を調べたので載せてます。catch the breathは息を呑む、skin went coldはたぶん意訳も入って鳥肌が立つ。
ワトスンはもし失敗して捕まったら、とやめるように言いますが、ホームズはワトスンに説きます。女性が必死に助けを求めている、他に手はない、期限はあす。手帳を奪うだけのことで、それは道義的に正しい。
納得したワトスンは、んで、weはいつ行く?と聞き、ホームズは君は来ないでいいと突っぱねます。最後にワトスンが連れてかないんなら警察に通報するー!といって「同じ刑務所にいるのもいいかもな」とやっとホームズからOKが出ます。
まあ映画なら押し込みをするつもりだ、とホームズが言ってすぐ家に入る直前か入った直後くらいに場面がジャンプしたりしますが、ホームズものにはあまり場面の省略がなく、特にホームズとワトスンの友情の部分にはページを割くことが多いですね。
ホームズは自慢の最新式泥棒用具セットを広げます。さすがというか、なんでそんなの持ってるのかというか。
"I don't mind confessing to you that I have always had an idea that I would have made a highly efficient criminal. This is the chance of my lifetime in that direction. "
「君には言ってもいいかと思うが、僕はかなり高度で手際良い犯罪をやり遂げられるんじゃないかって常々考えていた。今回はまたとない実践のチャンスというわけだ」
ホームズが犯罪者だったら、さぞかし完璧な・・という考え方はよく出逢いますね。パスティーシュでもあったような気がします。
さて2人は観劇の帰りを装うためドレスアップして出かけます。映像向きの場面ですね。そしてミルヴァートン邸へ向かいます。道々、ホームズから説明が。
手紙は書斎の金庫に保管されている、書斎は寝室の隣、アガサによれば、ミルヴァートンの眠りが深くなかなか起きないのは使用人の間で笑い話のネタになるほどだ、この2日間、夜にアガサと会ったから、いつも庭をうろついている猛犬を彼女が閉じ込めてくれている。ホームズがアガサと付き合った理由がよく分かりますね。
家にはどの窓にも灯りがついていませんでした。2人は顔にワトスン手製の黒い覆面を装着、書斎へ直通の扉は鍵とかんぬきがかかっていて、庭にある温室の方からアプローチ、ホームズはガラス切りを使い、手を入れて鍵を開けます。ホンマ泥棒みたい。暗闇の中、数々の部屋を通り抜け、暖炉が燃えている書斎にたどり着きます。部屋には中央に机と革張りの椅子、本棚、そして片隅に緑色の大きな金庫がありました。
ホームズは慎重に寝室の方を伺い、ワトスンは退路を確保しようと外に通じる扉を確認、なんと鍵もかんぬきも掛かっていませんでした。どこか不自然ですね。暖炉が燃えているのは隣の寝室のために暖気を確保しているのでしょうか。
"I don't like it"
"I can't quite make it out. Anyhow, we have no time to lose."
「気に入らないな。よくわからない。ともかく一刻もムダにはできないぞ」
ホームズは自慢の道具を出して、金庫破りに没頭します。30分後、カチッという音がして金庫がついに開きました。中にはさまざまな紙包みがありました。ホームズはダークランタンであらためていましたが、突然中断して、カーテンの後ろに急いで移動しました。ワトスンも慌ててならいます。
しばらくして、誰かが部屋に入ってきました。強い葉巻の刺激臭、目と鼻の先を足音が行ったり来たりして、革の椅子に座り、書類をめくる音。ワトスンがそっとカーテンの隙間からのぞくと、やはりミルヴァートンでした。化粧着は来ていたもののパジャマなどではなく、なんらかの文書を革張りの椅子で物憂げな顔で読みこんでいました。すっかりくつろいで、すぐに出ていく様子はありませんでした。当然ワトスンは早く読み終わらないかな、葉巻吸い終わらないかなーと思っていました、が!
there came a remarkable development, which turned our thoughts into quite another channel.
「思いがけない展開が起き、我々の思考はそちらにそらされた」
やがて外から女性がやってきたのです。ドアに鍵がかかっていなかったこと、早寝のミルヴァートンが夜更かしをしていたこと、この会見が理由でした。
ほっそりと背が高く黒髪、顔にはヴェール、顎までマントで覆っていました。ミルヴァートンの口ぶりだと、ダルバート伯爵夫人のマズい手紙を売りに来ている近しい女のような感じでした。そして女はヴェールを取りました。ミルヴァートンは明らかに驚いていました。
"Great heavens, is it you?"
「これはこれは、あんただったのか」
"It is I,"
"the woman whose life you have ruined."
「そう、私よ。お前に破滅させられた女」
お前は夫に手紙を送りつけた、そして気高いあの人の優しい心はひどく傷つき、そのまま死んでしまった、どうやらかつて金を払えなくて、夫婦関係を壊された者のようです。女は続けます。
私はお前に慈悲を乞うた、そしてお前はせせら笑った。
"Well, Charles Milverton, what have you to say?"
「さあ、チャールズ・ミルヴァートン、何か申し開きすることがある?」
ミルヴァートンの唇はひきつり、それでも私を脅そうなんて思わんことだ、すぐ出ていけ、
そしたら黙っててやる、とあくまで強気です。
"You will ruin no more lives as you have ruined mine. You will wring no more hearts as you wrung mine. I will free the world of a poisonous thing. Take that, you hound – and that! – and that! – and that! – and that!"
「お前はもうこれ以上誰の人生も、私のように破滅させられない。誰の心をも、私の心を締め上げたようにはできない。この世から有害な毒を取り除いてやる。くらえ、けだものめ、これでもか、これでもか」
彼女は胸元に入れていた小さなピストルで次々とミルヴァートンに弾を撃ち込みました。
ミルヴァートンはテーブルの上に前のめりに倒れ、一度は立ち上がります。しかしまた撃たれ、床に仰向けに倒れ、
"You've done me,"「やりやがったな・・!」
と叫び、動かなくなりました。そして女はその顔をヒールで踏みにじり、夜の闇に消えました。
脅迫者は息絶えた、しかしまずいことになりました。銃声は家中に響き渡りました。すでに家人の声と足音が聞こえます。ホームズは家の中に通じるドアに鍵をかけ、
With perfect coolness Holmes slipped across to the safe, filled his two arms with bundles of letters, and poured them all into the fire. Again and again he did it, until the safe was empty.
「ホームズは完璧な冷静さをもって金庫に忍び寄り、手紙の束を暖炉の火に放り込んだ。金庫が空になるまで何度もそうした」
すでに家の中側のドアは誰かが叩きながらガチャガチャと回されています。2人は外へ通じるドアから出て逃走しました。しかし庭は人でいっぱい、ベランダに出たところを見つけられてしまい、追いかけられます。ホームズは6フィートの塀を乗り越え、続いてワトスンも取り付きますが足首を掴まれます。やべ、この、と蹴り飛ばしてふりほどき、塀をようよう超えて必死に走ります。2マイルも走ると、誰も追っては来ませんでした。押し込み完了、です。
翌日朝食のあと、葉巻をくゆらせていた時、スコットランドヤードのレストレード警部が訪ねてきます。
"A murder – a most dramatic and remarkable murder. I know how keen you are upon these things, and I would take it as a great favour if you would step down to Appledore Towers, and give us the benefit of your advice."
「殺人です。とても劇的で風変わりな。あなたはこういった件にとても興味を惹かれると思います。アップルドア・タワーズまでご足労願って、良きアドバイスをいただけるとありがたいのですが」
殺されたのはミルヴァートンで、警察は長いこと目をつけてました、
between ourselves、ここだけの話ですが、ややつはちょっとした悪党でゆすり目的の手紙を溜め込んでまして、ただ犯人たちにその全てを焼き払われたようですな。金目のものは盗られておらず、地位のある者が秘密の暴露を防ぐ目的だったんですな。
犯人は2人組で、1人はすばしこいやつ、もう1人は庭師見習いに捕まって格闘の末逃げたようです。中肉中背、がっしりして、四角い顎、太い首、口髭に目には覆面をしていました。
"Why, it might be a description of Watson!"
「まるでワトスンの人相書きみたいじゃないか!」
とホームズ。レストレードもほんとだ、と楽しそう。そしてホームズは
"I'm afraid I can't help you, Lestrade,"
「残念だが、力にはなれないよ、レストレード」
と言います。実は自分もミルヴァートンのことは知っていた。個人的な復讐もある程度正当だろう、
"No, it's no use arguing. I have made up my mind. My sympathies are with the criminals rather than with the victim, and I will not handle this case."
「議論はムダだ。僕の心は決まっている。被害者よりも犯人たちに共感してるんだ。だから関わりたくないんだよ」
その後、目撃した殺人についてホームズは何も言いませんでしたがある日突然、
"By Jove, Watson, I've got it!"
"Take your hat! Come with me!"
「そうだ!ワトスン、分かった!帽子をとって、一緒に来るんだ!」
走ってたどり着いた店のショーウィンドーは、現在の美女や有名人の写真がたくさん掛けてありました。
1つの写真の中に、ミルヴァートンを撃った女性がいました。宮廷で身につける礼装、高価なダイアモンドのティアラをかぶった姿。そしてかつてその女性の夫であった偉大な貴族政治家の名前を読んだ時、ワトスンは息を呑みました。
My eyes met those of Holmes, and he put his finger to his lips as we turned away from the window.
「ホームズと目が合った。ショーウィンドーから離れる時、彼はそっと唇に人差し指を当てた」
さてさて、憎むべき脅迫者、最終手段としての押し込みという冒険、その前のホームズの婚約、そして意外かつ衝撃的な想定外の出来事、逃走劇となかなか見どころの多い活劇的なお話でした。出典の第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」は内容も外的なアピールの形も充実している話が多いと私は捉えています。逆に初期短編におけるホームズの思慮深さが失われたと思う向きの意見もあるようです。
他の話でもそうですが、特にホームズシリーズではとかく女性の敵は手ひどい復讐を受けます。「高名な依頼人」では多くの女性を騙しものにしたグラナー男爵は過去に捨てた女から顔に硫酸をかけられます。
復讐するは、我にあり。女性の社会的立場の弱さに鋭敏なドイルらしい物語作りとも言えるでしょう。
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