今年もテキトーに作った(笑)各賞の発表。ランキングは通年ですが、各賞は下半期(7~12月)に読んだ作品が対象です。
◆表紙賞
ジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」
表紙ではなく表紙の見返しの著者近影、の美貌に目が眩んで買いました。ふふっ。まあこういうのもありかと。。一種のジャケ買いですな笑。著者近影は↓↓↓
◆福岡県知事に成り代わって感謝賞
篠宮あすか
「太宰府オルゴール堂 独身貴族の探偵帳」
「あやかし屋台なごみ亭」
表彰状。篠宮あすか殿
あなたは、われわれの故郷、福岡を舞台にしたライトノベルで、懐かしい街、言葉、食べ物などを取り挙げ、物語の中で秀逸に描写されました。特に太宰府という、福岡市南部および筑紫地区の人々の心の拠り所のひとつである太宰府天満宮ならびにその界隈をベースとした小説を創作されたことは、白眉の所業であります。よってここに表彰します。もっともっと描いてわれわれを楽しませてください。
◆日本の誉れ賞
山根一眞
「スーパー望遠鏡アルマの創造者たち」
自分への誕生日プレゼント、などと思いながら買った本。いやー、日本の技術力は素晴らしい。興奮したな。
◆本好き賞
井上靖「天平の甍」
私は今年途中から2つの書評サイトに投稿しているが、それぞれ利用者の好みがあるようでなかなか面白い。で、片方で最も得票が多かったのがこの作品。鑑真が過ごした、奈良・唐招提寺の売店で、抹香の香り付きの文庫を買って、浸って読んだなあ。ってこの本だけ上半期です。
◆読メ賞
恩田陸「蜜蜂と遠雷」
いわばMIP(最も印象に残った)賞。もうひとつの書評サイトでもっとも「いいね」が多かったのがこの作品。投稿直後からけっこうな勢いで増えた。表紙も明るくていいし、タイトルも良し、内容の充実と透明感。受賞作の違いがサイトの特徴の違いを表してます。
◆特別賞 カズオ・イシグロ
「遠いやまなみの光」「浮世の画家」
このノーベル文学賞は、明るくビビッドなニュースとして取り挙げられた。多くの人が、日本でドラマにもなった「わたしを離さないで」を知っていたからだと思われる。日本を舞台にした初期2作は、イギリスに舞台を替えブッカー賞を取った「日の名残り」に繋がっている。まだファンタジー色がないころのお話。ノーベル賞発表直後の土日に本屋に行って訊いたら、全くないとのことだった。これも思い出よね、本読みの。
◆シェイクスピアと太宰治賞
「マクベス」と「斜陽」
「マクベス」は、魔女のそそのかしが結構好きである。シェイクスピア6冊読み「リア王」も良かったし、「オセロ」は悪役のワルさに感心したが、夫婦ともに夢を見て、転落していく部分に惹かれたかな。
「斜陽」は戦争が終わって元華族が落ちぶれて・・という話。内容からすると「走れメロス」というタイトルの短編集が「女生徒」やら「富嶽百景」「駈込み訴へ」が入ってて明るい精神安定時代を象徴しているのだが、「斜陽」は心を動かされた、という感がある。
◆ドキュメント賞
井口俊英「告白」
大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件の際、顔写真も古いものしか出ず、謎に包まれていた当事者。その逐一の告白を読んで、古い本ながら、ある種の感慨を覚えた。リスク管理的にも、間接的に社会に影響を与えた作品。読み物としても興味深かった。
これでご報告は終わり。いまゆっくりと次の本を読んでいる。ここから2018年モード。なんか信じられないな。
書評をお読みいただいた皆さまに感謝。いつもありがとうございます。来年もよろしくです。