2017年11月29日水曜日

やっちゃばる

新幹線に乗るときは、りんごジュースなどを買う。コーヒーはすでに飲んでいる場合が多いからだ。あまり詰まったスケジュールを取りたくない私は、今回も30分前には着いて喫煙可の喫茶店でコーヒーを飲んでから乗った。喫煙とコーヒーの刺激が残る身体にりんごジュースは気持ちいい。曇っていたようなこで諦めていた富士山が意外にくっきり見えた。壮麗だった。

まあ、印象変わったわねえ!

先週京都であった同窓会で、久しぶりに話す女子に言われた言葉だ。変わったね、と言われることは同窓会に行き始めてから初めてだ。そんなことを思い出しつつ、東京の代々木上原のピザ屋で50になった古い研究者の友人とメシを食う。彼はいつまでも若い。体重は増えたらしいが顔が弛んでないため感じさせない。
髪は白髪もなくふさふさだ。同窓会って、老いてきたときに心のよりどころになるグループらしいねーなどというところで話が合う。彼は高校の同窓会には来ないのだが、別にお気に入りのグループを持ってるらしい。でも京都同窓会の写真は興味深げに見ていた。後からもう1人来て、定年後の話題なんかで盛り上がる。民間企業で研究者をしているふさふさの彼は、大学に入りたくても、だいたい東大出の先生方が地方に降ってくるから、と悲観的だった。子供に科学を教えたい、と言っておられた。

隠れ家的ピザ屋で銀杏やジャガイモの窯焼き、もちろん野菜ピザをいただく。ヨーロッパビール。美味かった。

勝手知ったるというと失礼だが、後から来た独身の友人宅に宿泊。夜コーヒーを盛大にこぼし、洗濯してもらう。下の部屋着は奇跡的に替えを持ってきてたから助かった。この季節は暑くもなく寒過ぎもせずだから泊まりやすい。朝は晴れて暖かく、遠目に富士山の頭が見えた。ほおずきに似ていた、って太宰治を気取ってみたかっただけ(笑)。

朝単独でパンを買いに行って食べる。昼はかいわいで、と言ってたが当ての店が休みだったり満員で難民化。そのへんにあった「やっちゃばる」という食事もできる野菜惣菜屋に入ることに。サラダバーと生姜焼き定食。健康的で美味かった。店の名前は八百屋を昔「やっちゃば」と言ってたことに由来するとか。標準語ですよ、と言われ、東京弁もしくは業界用語ではないんだろか、と思った。

友人と別れ、日比谷公会堂の美しいレンガの時計塔を眺めて仕事。夜帰る。

2週続けての東京で今年の遠出はおしまい。帰りの新幹線ではあまおう味の水を買った。

夜の山の坂道で振り返る。眼下に夜景が広がっている。後ろに何が残っているだろうか。何もない。思い出はあれど、全てがただの過去で、自分にしか分からないささいな出来事がたくさん。

これが人生というものか。50年というものか。

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