2022年7月31日日曜日

7月書評の9

7月は17作品15冊。はや100を超えた。快調に数読むのも好きだけど、長い作品も読まなくては、世界の名作読まなくてはという思いもあるので、この後は鈍化する?かも?でもこのスタイルが自分というなら変わらないかもね。。

みずかめ座δ流星群、ピークがらみの夜が晴れたので、久しぶりにゆっくりと夜空を眺める。夏の大三角形は北へ進み、ペガスス座秋の四辺形、明るい木星、左下に火星、逆側に土星と、さんざめく夜空。

だいたい年間では12月のふたご座流星群と、お盆のペルセウス座流星群とが圧倒的に流れる数が多く時間帯も浅くて観測しやすい。その間にあるちいさな流星群はまあ正直、1個か2個観られれば、という具合。みずがめ座δはペルセウス座流星群の時期を控えているることもあって少し流れる量が多いみたい。月もなく、2日間で5個の戦果は上々。とはいえ合計2時間半ほどの観測時間中、ずーっと見上げているのです。

突然ある点に火が灯ったように輝きが現れ、すーっと流れ消える。ゲットした時、思わず声が出るのは忍耐の時間があるからかも。1日めはマーラーの5番、2日めはチャイコフスキーの5番を聴きながら観てたら、そよ風も吹いて、最後の方は気持ちよくオチてました😅

インターハイ、バスケットは大詰め。女子は東海大福岡が準決勝で名門に僅差で敗れ、男子は福岡第一が今大会台風の目となった藤枝明誠を下して決勝進出。あすは、中部大第一との強豪対決を勝ち抜いた開志国際高と決勝戦。相手は強いけど、持ち前のアジリティーを活かして全国制覇してほしいなと。

それにしても各チームのポイントガードは速くて上手い!PGがこうだとバスケット🏀が面白い。

YouTubeで生配信しているフジロックでかてぃんこと角野隼斗のピアノ🎹ステージを観て聴いて、鎌倉殿が大事にしている鞠に、こないだ「ボールと日本人」という本で見たなあなんて思いつつ、暑っつい週末は過ぎて行くのでありました。

首に巻くタオルに凍った保冷剤仕込んでもまだ暑いっす〜。


◼️ 近藤史恵「みかんとひよどり」

ジビエってそそりますよね〜。

こちらの書評で興味が出て図書館で借りてきた。翌日に書店に行ったら文庫本が発売されていた。タイトルもいいし、ジビエってそそられるものがある。

フレンチシェフの潮田は食材としてのヤマドリを撃とうと愛犬のポインター、ピリカとともに山に入ったものの遭難してしまう。たまたま地元の猟師・大高が通りかかり、潮田は大高の山中の小屋で一夜を明かす。背が高くぶっきらぼうな大高に、焼いた子猪の肉を食べさせてもらった潮田は、食材を譲ってくれるよう頼む。

潮田はフランスでの料理学校で学び当地のレストランでも修行、しかし帰国後は店が成功せずもがいていた。大高に関わり、ジビエ料理を研究することで、少しずつ変わっていく潮田。

大高の家は不審火で焼け、さらに山中で、大高の車を何者かが狙うー。

久しぶりに説明の多い物語を読んだ気がする。今回は猟や銃の所持、獲った野生動物を食用にするための解体、加工のルール。そしてなんといってもジビエ料理、フレンチの料理の種類と実際の調理かなと。

ジビエといえば、最近は会社の近くの小洒落た店に行ったら、きょういいイノシシが入ったんですよ、ということで大いに食べさせてもらったことがある。丹波篠山では牡丹鍋を食べた。あとは北海道の羅臼で食べたヒグマの肉、トドの肉。また海外では鹿が上手かった。九州人だから馬刺しは当然食べる。こちらの地元のレストランで食べたホロホロ鳥も美味しかった。


タイトルにもなっているみかんとひよどり、いいなあ、ぜひ食べてみたいとちょっとよだれ。ジビエはやっぱり魅力的。食欲がそそられる。ちょっと特別感もあるのかなと。クセがあるくらいがちょうどいい。

近藤史恵らしく、清々しい感じにまとめてあり登場人物も魅力がある。ただちょっと未消化な部分が多いかな。大高の過去や猟師という職業への思いはもっと出てしかるべきだと思うし、強烈なキャラのオーナーも接客の若葉もまだまだ活躍の余地がありそうだ。ピリカと、大高の北海道犬・マタベーも。たぶん続編出すくらいじゃないと収まらないかも。

というわけで、続編を期待して待つのでした。どうかなあ笑

◼️ エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン「砂男/クレスペル顧問官」

サイコホラーの元祖?コワイ話は世界的にもウケるんだなと。

夏のホラーもの特集みたいになったラインナップ3作め。「くるみ割り人形」などの著者ホフマンの、広く知られた物語集。「くるみ割り人形」もかなり不気味な面はあるけれど、こちらはまさにホラーですね。

幼いナターナエルは早く寝ないと、砂を目にかけて、早く寝ない子どもの顔に砂をかけた上、目玉を奪っていく砂男の話を聞かされ、強く印象に残る。時折父を訪ねてくる不気味な老弁護士のコッペリウスを砂男だと思い込んだナターナエルはある日隠れているのを見つかり、コッペリウスにひどい目にあわされる。

やがてコッペリウスと父が書斎で行っていた怪しい作業で爆発が起こり父は死ぬ。

成長したナターナエルは離れた都市での学業に励み、故郷には愛する恋人クララがいた。しかしコッペリウスに似たコッポラという晴雨計売りが下宿に現れるようになり、ナタナーエルを悩ませ、精神を狂わせていく。

やがてナターナエルは教授の娘、オリンピアを、コッポラから買った望遠鏡で眺めるうちに、激しく想いを寄せるようになる。オリンピアは言葉こそ発しないが、まんざらでもないように思え、ナタナエルはついには求婚する決意を固める。しかしー。(砂男)

1817年に発表された「砂男」のほか、「クレスペル顧問官」「大晦日の夜の冒険」が収録されている。オペラ化もされており、大変有名な作品たちとのこと。

悪魔のようなコッペリウス、善良な人間を狂わせ、どこまでもつきまとう同じような存在は「大晦日」にも出てくる。コワイですよね〜。ホラーにおける、本質的な恐怖だなと感じる。

鏡に映らない、人形、影がない、音楽、ダンス、異形の者に、異界を思わせる実験、そして、目玉ー。すべてが説明されるわけではない。文化や価値観、技術の進歩も含んだ暗さ。

いずれも長い話ではないが、たくさんの要素が詰まっていて、異常、正常を支えている柱がぐらついた感覚にいざなう。止まらない、止められない。

体系的な知識ではないが、童話を読んでいても、ヨーロッパでは人喰い鬼、トロルといったゴツく荒い怪物が多いなという気がする。「砂男」はある意味きっかけで、その伝説を活かして、うまく恐ろしい話としている。


「山の怪談」「白昼夢の森の少女」と日本の現近代、未来、そして200年前のヨーロッパと読んできて、どこかしら共通したことも感じたのでした。

ホフマンは影響力の強い人らしく、シューマンの曲のタイトルになった「クライスレリアーナ」も書いている。いつか読んでみよう。

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