2022年10月5日水曜日

9月書評の9

シルバーウィークの不良を取り戻すかのようにめっちゃいい天気で暑い。

連れ合い帰省中のため、文化祭学校塾だという息子の世話で在宅家事の週。たくさん洗濯、そしてスポーツ観戦ざんまいですね。

🏀NBAジャパンゲームスで八村塁とステファン・カリーのチームが対戦し、Bリーグ開幕。Bリーグでは日本代表PG河村勇輝のいる横浜ビー・コルセアーズ通称ビーコルが今季インサイドを補強、河村も同じPGのキャプテン森井も躍動して開幕戦勝利。やはり河村の試合は面白い。

⚾️わがライオンズ、きのう勝ったら優勝のソフトバンクとの一戦、延長11回ホームラン王山川のサヨナラ2ランで劇的勝利。3位は決まってますがめっちゃ嬉しく表現そのまま飛び跳ねました。プロ野球パ・リーグはついに優勝が最終戦の決着となりました。

福岡出身なので周りにホークスファンは多くて、また大阪の会社だからオリックスファンもいるという環境。さてきょうどうなるか。クライマックスシリーズ生で観戦できるかな?

🏐バレーボールは女子の世界選手権。デカくて強い中国に1次リーグ初黒星を喫し、しかもエース古賀紗理那をケガで失い暗雲漂う中のブラジル戦。東京オリンピック銀メダルの相手に3-1で激勝!

レフト井上愛里沙、その体格の石川真佑、オポジットの林琴奈、ミドルブロッカー山田二千華らが奮闘、2セット先にとって第3セットを失い、第4セットも最大7点ビハインド。強い相手に流れが行きかねない場面から大逆転で勝ち切った。ちょっと感動しましたよ🥹

石川、林は170cm台前半と世界的にはかなり小柄。しかし速いトスと決定力でカバー。全体にブロック、レシーブがよく粘った会心のゲームだった。林は地元JT所属で応援している、本当に「いい働きをする」好選手。代表でもなくてはならない存在になり嬉しい。

健診終わりでコンビニスイーツ。図書館で岩崎ちひろの画集にキュウンと💘😅

バスケ🏀女子のワールドカップで落ち込んだ気分がアガった週末。さてきょうも🏀⚾️🏐と熱い🔥日ですな。

次週半ばからぐっと涼しくなる予報。今年も短パン🩳ポロシャツ👕の外出は終わりかな。

アントニオ猪木さんが亡くなり、時代の終焉を感じる。プロレス観に行ったし、自伝も読んだ。

「迷わず行けよ、行けばわかるさ」

忘れられない言葉やね。あの頃のプロレス好きだった。

◼️ 永井路子「悪霊列伝」

黒い奈良から平安の菅原道真、藤原氏まで。悪霊となった者と世相。永井路子流のおもしろい解説。

永井路子さんの著作はよく読んでいる。とくに奈良時代、平安に関しては独自の見解に興味深いものがある。

・長屋王の妻 吉備皇女
・聖武天皇の皇女 不破内親王
・桓武天皇の同母弟 早良親王(崇道天皇)
・大伴氏の末裔 大納言伴善男
・菅原道真
・藤原道長の従兄弟 左大臣藤原顕光

悪霊として恐れられた者たちが時代順に詳しく紹介されている。

藤原不比等が権力を伸長し、娘の宮子を宮中に入れ、史上初めて藤原系の首(おびと)皇子が誕生した。政治の上で強力な敵は、皇族側のプリンス・長屋王だった。

不比等の子、男子4兄弟は陰謀により長屋王を誅殺してしまう。しかしその後4兄弟は流行病の天然痘で全員死んでしまう。

不穏な世相の中、首皇子は即位して聖武天皇となり、その妻も不比等の娘、安宿媛、つま「光明皇后。大仏は開眼したが政治的陰謀は続く。

奈良時代は雅やかで宮廷文化も花開く平安時代よりも遠く悠久で、黒い時代、というイメージがある。蘇我氏を討った後の天智天皇と藤原鎌足側は壬申の乱で天武天皇側に敗れ、藤原氏は傑物不比等が出てくるまで一旦表舞台から退く。

聖武天皇、光明皇后の時代に権力基盤がひとつ強固になるものの、悪霊に脅かされる・・。

この辺は著者の作品でおなじみの流れ。悪霊の前段として政治のサイドや裏側に切り込んだ話も面白かった。それ以降、桓武天皇は触れたことがなかったし、菅原道真や藤原氏内の権力争いについても、いくつか読んではいたものの、また角度が違って興味深かった。

政治的野心にあふれ遷都を強行した桓武天皇は大きな力を持っていた奈良の仏寺の移転を許さず唐風の体制を敷いた。しかし仏教の空白期間ができてしまい、早良親王の祟りに抗する術を持たなかった。その空白地で新しい仏教として人気となったのが空海の密教だった・・この流れは新鮮な見方でなるほど、となった。

菅原道真は、たしかにチョー難関な試験を突破して、学問の才能はあったけれど官吏としては能力に欠け融通もきかなかったという分析にクスっと。しかしまあ天神様の怨みの威力の凄まじさよ。なんかスカッとしたくらい。

ラストの、派閥としてはライバル、しかしひたすら道長にくっつき不器用ながらそれなりに栄光の道を歩んだKYな藤原顕光。彼に至っては、大変な時期を必死に泳いだ中で、その毀誉褒貶の移り変わりに微笑ましささえ感じてしまう。

それぞれ悪霊として恐れられた、その現象はたしかに天変地異や疫病、関係者の死の連鎖、というものはあったにせよ、では怪異、祟りを強調することで利のあった者たちは誰か?という視点で著者は解析している。

才気煥発、気の強い清少納言が祈祷に訪れる僧らに冷ややかな視線を注いでいたエピソードも出てきて、その論は納得させるものがある。

やはり永井路子は面白い。

0 件のコメント:

コメントを投稿