2024年3月17日日曜日

3月書評の5

◼️ 知念実希人「死神と天使の円舞曲」

魂を導く高貴な存在、がゴールデンレトリバーとクロネコになって謎を解決する。シリーズ第3弾。おもしろい^_^

「我が主様」のもと、死んだ人間の魂を天に導く高貴な存在、死神とも天使とも言えるものだった2人(便宜的に人)はそれぞれ、未練を残した魂が地縛霊になるのを防ぐため、地上で人間に寄り添うことに。それぞれゴールデンレトリバーと黒猫の姿にさせられ、シリーズ1作めはレトリバーのレオ、2作めは黒猫のクロが活躍する話だった。

長野の小さな町には人魂が出るという噂が広まっていた。若い恋人同士の悲しい別れ、幼児虐待、放火、その陰にうごめく黒幕。1作めの舞台となったホスピスに住みついたレオと、2作めの飼い主宅で暮らすクロが、いがみあいながらも力を合わせて謎と隠れた敵を探っていく。

犬と猫、それぞれの暮らしをユーモラスに交えながら、意外と事件はエグい、というのがパターンだった。今回もネタはギスギスしているきらいはある。しかし人の心の闇、というよりは人が救いとなっている気がする。

レオクロのスペシャルなので?非常に手強い敵もまた・・とさらにファンタジーめいている。

まあこれはそもそも設定がマンガ的ではあるし、可愛らしさ、キュートさ、楽しさがなかなか捨てがたいシリーズかなと。プライドの高い死神もしくは天使という高貴な存在でありながら、シュークリームやおさしみを気に入ってペットになりきる姿が微笑ましい。なかなかいい味を出す協力者のホスピス院長、操られる刑事とキャラも揃ってきてるので、また何年か後にレオとクロが暴れ回る姿を読みたく、続編希望します。

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