2024年3月11日月曜日

3月書評の4

◼️ 福永耕太郎「電通マンぼろぼろ日記」

おもしろエピソード集、破天荒な営業の実態ほか、仕事とプライドのことも。むつかしい問題だと思う。

新聞で新刊紹介を読んでどうにも吸引力があり入手。著者はバブル少し前に日本最大の広告代理店・電通に入社し、読む限り最前線に立つトップ営業マンだった。その活躍は数々の縁故入社の者たちのトンデモ話やかつての電通のモーレツな風潮とともに華々しく、おもろかしく語られる。

いまとなっては時効のエピソードもあり、なんとかして手練手管でクライアントや社内、タレント事務所との調整をつけ、巨額の取引を成功させる。そして派手に、とても派手に遊ぶ。バブルからしばらくはこんな感覚だったんだろうな、なんて思いが飛ぶ。

そしてダイナミックな最前線での活躍から外れると、会社にいてもいなくても同じ、という立場となり、酒量が増え、家庭的にもつけが回ってくる。

現在は至る所で合理化効率化、ムダな出費は一切できないし、あらゆるルールは厳に守られようとしている。

社会ではメンタルを病む方も普通にいる。誰しも経験があるのではないだろうか。聞く限り、やはりプライドが関係している場合もある気がする。またある程度の年齢になるとどうしても立場は難しくなっていくものだ。

社会とはこんなに進んでないものかは、とは昔入社してから思ったこと。破天荒な時代も懐かしいと言えばそう。

どれかというと、CMや世の中の動き、時代を回顧してる自分に気がついた。想い出ばかりもよくないな。ただまあ、読みたかったものはあった気がする。

このシリーズ、実は「ディズニーキャストざわざわ日記」「派遣添乗員ヘトヘト日記」「コンビニオーナーぎりぎり日記」などシリーズになってるようだ。へー。

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