食堂の鴨ゆずそば
◼️ アンディー・ウィアー
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」上
異星人とのコミュニケーションを現代のテクノロジーで。
高評価の書評をしばしば目にしていた本。おもしろいよ〜!と私に持ってきたのはリケジョの本読み。さてどんなものだろう?なにせ宇宙もの。ワクワクしないわけがない
地球から金星、そしては太陽へと延びる未知の微小生物の帯のため、地球へと届く太陽光が漸減していた。近い将来人類が滅亡の危機を迎える。中学校教師の科学者ライランド・グレースは宇宙船の中で目を覚ます。
彼は超法規的な権限を有した国際機関により抜擢され、原因となった微小生物「アストロファージ」の特性を分析して、数々の対策案を練る。そして近傍の恒星でアストロファージの影響を受けていない星へ向かう使命を徐々に思い出す。グレースは13年という長い宇宙の旅のトラブルを避けるため、他のクルーとともに人工睡眠状態で送り込まれたのだった。
他の乗員2名は死んでいた。グレースが孤独にミッションを遂行する宇宙船ヘイル・メアリーに、異星人が接触してくるー。
えー、科学的な知識がてんこ盛りで、もちろん専門の部分は読者用とに優しくしてあるとは思うが、それでも特に最初の方は理解する、噛み砕くのに時間がかかった。
多くのSFが題材としている、異星人との交流。それを現代の(未来的な?)テクノロジーとボディランゲージ、器具を使った表現で進化させていく。たとえば数、算数、元素、分子、時間、質量などの相互理解を、ラップトップパソコンでプログラミングし、途中からはすらすらと翻訳してみせる。それが中心だ。宇宙船内での生活も絡んで後半は楽しんで読める。上巻はこれらが中心。
かつて天才的、革新的な論文を発表したものの、その内容により科学界に悪名も高いノトリアスなグレースはノリが軽く、明るく、前向きで知的。地球でのコミカルなやり取りや、おもしろ強引でマンガみたいな設定も嫌いじゃない。その中に科学が詰まっている。地球を救うため、温暖化問題対策に逆行した作戦を即時実行したりもする。
異星人の科学技術力は地球人よりはるかに高い。ただ話して行くにつれ、化学的分析については地球のほうが上とも思える。金星っぽい、様々な生育条件が密な星から来ている。さて、共通の目的に向かって手を取り合うことはできるかー。それなりに興味深かった。
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