お初天神で串カツ。30本コース完食、美味かった!コロナ以降梅田でご飯なんてなかったんで、ひっさしぶりでした。
◼️ エイミー・ベンダー「燃えるスカートの女」
さあこれを評価できるか。変わってて面白いけども、もはや好みの世界か。
若い頃映画の好みが、アメリカ映画ではなくヨーロッパやアジアの作品に向いた。だいぶ変わったものも観に行って同行者に、わけわかんないーとか、で、なにが言いたかったんすかあれ!なんて言葉をよくぶつけられたような笑。
一方本のほうはというと、様々な要素が詰め込まれているので、一つひとつに、いわば特徴的な、他とは変わっている部分が入る。ストーリーの組み立て重視で、幻想的すぎたり、奇を衒いすぎているものは理解しようともがいてしまうため時間がかかる。therefore、その方面はニガテな部類に入る。映画と違ってコンサバめ。
さて、そこでこの本、10〜20ページくらいのまったく関連しない作品が16収録されている短編集。買った古書店の店主さんからもちょっと変わってますけど、とコメントが。
冒頭の「思い出す人」では彼氏が突然猿になり、次に両生類になる。語り手の彼女はあくまでクール。他にもドレスを切り裂かれて縛られ放置されたり、お婆さんが産まれてきたり、少女の手が常に燃えていたり凍りついてたり。とにかく思い切っている、というか。納得するようなオチというより、水尾をひくような余韻を残して終わるものが多い。伏線回収してほしかったけど、あれ?という作品もあり、途中難解な部分もあった。
セックスに奔放で、倒錯的な欲望も隠さないし、背徳的な領域にもふみこむのが1つの特徴。ただそちらに偏りすぎているわけではない。言葉の並べ方も急ぎ足な調子あり、哲学的な様子もある。
特殊なケースになにか特定できるような感覚を探して・・という読み方をしていると不思議なもので、まだ分かったりハッピーエンドっぽい話にホッとする。学生である小鬼と人魚が官能的に触れ合う「酔っ払いのミミ」や泥棒の恋人同士の無邪気なナラティブ「指輪」など面白いと思う。
突飛なストーリーの楽しさの中に哀しみと、不思議な透徹感がある、ってとこだろうか。
映画と違って、文字で書かれた物語の、あまりに不思議なものはニガテだ。けれど、定期的に好んで読んでしまう。カッコよく言えば、分からないものの中に何かのインスピレーションを得たいから、かな。まあ読書体験のバリエーションということで。
よくあるけれど、こういう物語のあとで、難しい言葉で解説しているのはやっぱり興醒めだな、と思ってしまうのでした。
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