2021年8月28日土曜日

8月書評の2

️ ◼️後藤武士
「読むだけですっきりわかる日本地理 令和版」

地図は好きだが、久しぶりに読んだ教科書的地理。

そもそも地図帳は見るのが好きで、子どもの小学校時代の日本、世界の地図帳を自分の本棚にいまだ入れている。住宅地図なんかは苦手なんだけど、地図帳は眺めていて飽きないタチ。

教科書的地理というには砕けててしゃべり言葉のように早い。けれども、地理を文章でまとめて読むのはやっぱり中学、いや小学校以来かな。ギャップがあり過ぎて楽しい。

日本一の工業地帯はとうの昔に京浜ではなくいまや中京工業地帯。京浜の交通の便が良い土地は住宅、商業用となり、順位が変わった。阪神工業地帯は変わらず2位である。

わが兵庫県は近畿で1番面積が広い・・まあ悪いよりはいい感じかな笑。九州は筑紫山地と九州山地・・あれ脊振山地ってなかったっけ。中国地方ってなんで中国地方?のトリビアにふ〜ん。長崎県の海岸線の長さは日本第2位、北方領土を除けば1位だそうだ。たしかに島は多い。へ〜。

とりわけ眼を瞠ってしまうのは、やはり交通網の発達、充実だ。山陽自動車道はたしか1990年代に開通したよな、とか、愛知の地球博とか、東北新幹線、九州新幹線、北陸新幹線の開通なんてもう歴史になってしまってるし。昔あれほど高速道路が少なかった九州にめっちゃいっぱい高速できてるし。

早く大阪まで北陸新幹線来ないかな、とか東京にいる間に東北新幹線のはやぶさででも宮沢賢治旅行しとけば良かったな、とか。しまなみ海道行ってみたいなとか。なんかゆっくり旅したい感覚にもなる。

テンポの良い、サクサク読める地理の本、私みたいに、久々に地理の説明読んで知的好奇心を満足させつつ、昔小学校で習った地理とのギャップに驚きたい人がターゲットなんだろうね。

8月の3連休、オリンピックと台風で外出ほとんどせず、本に困って近在のコンビニで買った本でした。

◼️髙田郁「あきない世傳金と銀 八 瀑布篇」

良きこと悪しき事。出来事が入り乱れる。

だいぶ長くなってきて、課題もたくさん、動きも多い。呉服太物屋の五鈴屋江戸店、主人公の七代目、幸は女名前の主人の期限が迫り、跡目問題にさまざまな考えを巡らす。手代の賢輔どんは、女性だけでなく男性にも買ってもらえる柄をと悩み、跡目問題にも心を痛める。そして幸の妹、世間知らずの結を本両替商の音羽屋が後添いにとしつこく望む。さらに小紋染のヒットからお上に目をつけられて巨額の上納金を求められ、加えて行方不明だった元店主、惣次が本両替商井筒屋の主人として現れる。

「悪い奴ほど、阿呆な振りが上手いよってに、気をつけなはれ」

惣次のこの言葉はこの巻のキーワードのようだ。新たな図案はひょんなことから突破口を得、うまく行きかけたところへ、キーウーマンである唯がびっくりするような行動を起こして終わり、となる。

うーん、長いこと読んでる身にしてもちょっとお腹いっぱいで冗長感があるかなあ。月日は確実に過ぎている。人情も、考えも姿勢も立派。それだけにどうもどうも、もひとつ足りない感があるかな。

鳥の鳴き声や着物の色の種類なぞは相変わらずピタピタと来るのだが、肝心の物語が・・などと思ってしまうこの頃だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿