2025年2月12日水曜日

2月書評の3

◼️益田ミリ「心がほどける小さな旅」

身近な旅、も遠くまで行ける。小さくても、喜びの旅。

旅ものエッセイなどで人気の著者がパッと思い立って行く旅。中には東京や近郊もあるけど、北海道も鹿児島もある。仕事に繋がってるんだろうだけど、パッと行くのも大事かも、と思わせる。

最初に行くのは、阪神競馬場笑。桜花賞を見て1つも当たらず戻る。でも桜の季節、競馬場もお楽しみパークのようになっていて気持ち良さそうだ。大阪出身の著者、阪急梅田駅をハリー・ポッターに出てくるキングス・クロス駅みたいだ、と。おお言われてみれば、とおもしろがる。

大声コンテストの鹿児島を描き、人吉へ行く肥薩線に乗る。九州出身の読み手には序盤なじみがいい場所。阪神競馬場電車乗って近いし、肥薩線には父に連れられて国鉄で列車旅をした。でも子どもが喜ぶようなものはなく、駅前のジャスコのフードコートでお好み焼きかなんか食べてすぐ帰った覚えがある。山口の大きな鍾乳洞、秋芳洞もある。懐かしい〜。山口には景清洞、というのもあって、学生時代駐車場で夜を明かした思い出が。

水族館に泊まり水槽の前で寝る企画もいいな、と。京都では大きな本屋に泊まるイベントがあったな。そして興味を引いたのが徹夜で踊り続ける岐阜は群上八幡の盆踊り。多くの観光客が来るらしい。広場なんかではなくて街の四つ辻の真ん中に櫓を組み、路地に進む方向が違う2列で並んで4つの道を回る形。盆踊り踊って朝を迎える爽快感が意外に楽しそう。やるかと言われれば?だけど。

徹夜踊りは数日だけど、盆踊りは30日間もやってるそうだ。すんごいなあ。

一方北紀行も多い。奥入瀬、釧路は夫婦で行ったな〜と。著者は日本海側が好きなようだ。

「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」

芭蕉が詠んだ場所、山形の立石寺、真冬の秋田の巨大紙風船上げ、「きらきらうえつ」号での新潟から山形・酒田への日帰り行などなど確かに魅力的。マンガを描く人だからか、文面からビジュアルに訴えるものが多いような。イラスト&文字での旅説明も各話の最後に付いている。

高知の牧野植物園、建築家内藤廣の傑作としてテレビか建築雑誌で見た記憶がある。行ってみたいなあ。日曜市でいも天も食べたいなと。

薄いしあっという間に読めた。1話が短いエッセイ。シンプルな内容だけどもどうしてどうして仕事に疲れた週末、良い気分になれました。

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