節分の夜、我が家は太巻きではなく細巻きでした😅
◼️辻村深月「傲慢と善良」
さてベストセラー映画化作品。傲慢で善良な書評をば。恐縮です(ㆆᴥㆆ )テヘッ
辻村深月ファンの方すみません。ちょい辛めです。
婚活で出逢い、結婚目前だった彼女・真実が失踪したー。ストーカーがいると聞いていた架(かける)は婚約者の手掛かりを求めて彼女の実家がある群馬へと向かい、両親や結婚相談所、お見合い相手に話を聞くー。
架はカッコよく恋愛経験の豊富な30代後半の男、真実はひとことで言えば箱入り娘。親の思惑、地域、女ともだち、過去の恋愛・・特に2/3はほんの少しずつ明らかになる真実の過去に評価を与え、周囲を含めたその姿を浮かび上がらせる。なにが善良で、なにが傲慢なのか?
さて、実はあまり読み進められなかった。その、ネタが興味があるかどうかというのと、真実の性格と環境を炙り出すパートでは、再々の「引く」という印象付けが大仰かなと。解説で「解像度を高めて」とある描写が、くっきりさせる分、直接的で明示がすぎる読中感。
もちろん真実の存在を感じながら、架もまた自分を見つめていく、のだが。やがて成長する女性に比べて架がどうしてそういう心持ちに至ったのがないのもどうも腑に落ちなかった。
主人公の名前がしんじつと、架、支える、かけるという意味の他にどうも十字架をイメージしてしまうのは偶然か。この小技?にはちょっとヒヤリとなる。いい意味で。
ブラックホールに吸い込まれるように落ち込み、ホワイトホールに吐き出されるように少し進歩してブレイクスルーを迎える。真実の心の行方は太宰治の「斜陽」をも想像させる。
しかし、こうネガティブめな考えを持ちながらも、ここまで細部に注目し固執してしまっていることにハッとなる。実は著者の思惑通りに自分がなっている気もする。この物語を前にした時、読み手の自分は傲慢かもしれない。そしてコロッと、ある意味騙されている自分は鈍感で善良なのかもしれない、なんて思ってしまう。
やられた、のか結局。まあ良きかな。
(๑́•∀•๑̀)テヘヘ
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