【2023年個人的読書ランキング】
毎年恒例、年間の読書ランキングです。今年は167作品を読了しました。特に年の後半イベントが多く、文芸的に新しいチャレンジもして、忙しく楽しい日々でした。一方Xで読書垢なぞ始めてしまい、正直ちょっとスマホ病で特に土日の読書時間が減ってます。
まあそんな状況の中、2023年の1位は・・
⭐︎⭐︎カズオ・イシグロ「クララとお日さま」⭐︎⭐︎
でした。悩むことなく決まりました。
人間ではなくアンドロイドの児童用親友という最底辺の視点から、慌ただしく子どもの心が蔑ろにされがちな社会を描き、またファンタジックな超能力をも創出したことが大きさと深みを感じさせました。強いアンチテーゼと隠喩を含んでいたと思います。胸に迫る喪失と無常感もありました。
では以下、ランキングです。
2位 入江敦彦「テ・鉄輪」
3位 芝木好子「湯葉 青磁砧」
4位 植松三十里「帝国ホテル建築物語」
5位 坂本龍一「音楽は自由にする」
「テ・鉄輪」は能の謡曲で好きなモチーフであることに加え京都の怪異を素晴らしい形、独特のゾクっとする感覚、で表していたと思います。
芝木好子は正統派です。「青磁砧」にはともかく唸りました。半ば狂気と、なんと言っても音の描写が良かった。
「帝国ホテル」世界的建築家フランク・ロイド・ライト大好きで、今年は自由学園明日館を観に行きました。関西の「甲子園ホテル」とのつながりも興味深くて、今年ハマったものの1つです。
坂本龍一死去には凹みました。本も読んだし、テレビの追悼番組も観たし、「戦場のメリークリスマス」も観に行きました。この本、とてもおもしろかった。
6位 二宮敦人「最後の秘境 東京藝大」
7位 梯久美子「サガレン」
8位 永井沙耶子「木挽町のあだ討ち」
9位 ポール・オースター「闇の中の男」
10位 泉鏡花「春昼」「春昼後刻」
今年は宮沢賢治を題材とした「銀河鉄道の父」が映画化されたこともあり、新しくできた古書店の店主さんが宮沢賢治ご専門の先生だったりして知見を深めました。「サガレン」すごく興味深かった。実弟の宮沢清六「兄のトランク」も良かった。泉鏡花の最高傑作、さすがに色彩もおどろおどろしさもサイコーでした。ランクに入らなかったけども樋口一葉「闇桜」もとてもGOODでした。
11位 アーデルベルト・フォン・シャミッソー
「影をなくした男」
12位 伊与原新「オオルリ流星群」
13位 佐藤ゆき乃「ビボう六」
14位 林望「夕顔の恋」
15位 藤田真央「指先から旅をする」
16位 トルーマン・カポーティ
「クリスマスの思い出」
17位 山崎豊子「ムッシュ・クラタ」
18位 長野まゆみ「45°」
19位 呉勝浩「爆弾」
20位 桜庭一樹「青年のための読書クラブ」
名建築巡り、京都散歩、クラシックのコンサートもよく行き、夏にはバスケットボールワールドカップを観に沖縄に行きました。思い出深く、よく動いた年。読書もまたこうして見返すと大変興味深い。
来年も、読むぞ〜!
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