2023年10月29日日曜日

10月書評の11

この週末金曜日はかてぃんこと角野隼斗のモーツァルトピアノ協奏曲26番。天才作曲家の軽やかで品格のあるメロディに美しく甘く弾くピアニスト。様々なジャンル曲を弾きこなすかてぃんのカデンツァを自然と注目、いや注耳😄オリジナリティも多少入っていたと思う。らしい感じで、楽しそうに弾いていた。

やはり人気者、カッコいい!席がピアニストと指揮者とを繋ぐ直線上にあり、演奏上合図などのためにかてぃんが指揮者のほうを見るたびに目が合った気がした😎

アンコールはきらきら星変奏曲?で大ウケでした。

土曜日は「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」通称イケフェスへ。時計台のある生駒ビル、へにょんとした手すりの階段がある原田産業ビル、また大正時代の民家をリノベーションしたガラス瓶専門店などを回って脚がパンパンに。建築は楽しい。

日曜日はチケプレに当たったVリーグ。堺ブレイザーズvs名古屋ウルフドッグス。大きくない体育館だから2階自由席も近い。昨年のネーションズリーグ、一昨年の選手権優勝、ポーランド代表のクレク、日本代表リベロの小川、192cmの大型セッター永露(えいろ)→私の地元の中学卒😆、アウトサイドヒッター高梨と近年代表経験のある2人も出ていて、興味深かった。フルセットの熱戦を楽しんだのでした。

あまり疲労感はない。なんかスカッとしてるな。楽しい週末でした。

◼️ 呉勝浩「爆弾」

次は次はと読み込んでしまうエンタメ秀作。サスペンスやミステリの難しい面も見えたかな。

本屋大賞4位、直木賞候補作。さてさてと事件に取り掛かるシャーロック・ホームズのように手を擦り合わせて読んだ。

爆発する。都内中心部に巧妙に仕込まれた爆弾。次はどこで、いくつ爆発するのかも分からない。スズキタゴサクと名乗る男が酔って暴行を働き捕まる、そして霊感と称して爆発を予告するー。

取調官に向かい、のらりくらりとおしゃべりを続けるスズキ。次の爆弾のヒントを探り当てるため、注力して聞かないわけにはいかない。怪物的犯罪者。警視庁特殊犯係のベテラン取調官、そしてすばらしく頭が切れる若い刑事も翻弄されるー。

スズキタゴサクの得体の知れない、自らを卑下しながら知的な会話を繰り広げるキャラクターと、わずかな手がかりで爆弾の所在を突き止めたり見逃したりする捜査官の取調室ドラマに抜群に惹きつけられる。密室の会話とスケールの大きい、非現実的な展開。この組み合わせが絶妙だ。適度に劇場型な仕掛け、野球で言えばいやらしい変化球も織り交ぜてあり、次は次はとページをめくる手が止まらない感覚。優れたエンタテインメイントだと思う。

・・しかし、奥と底が分からないところが難点かな。動機、犯人グループ、スズキ、腑に落ちる結末と「きちんと」見えないまま終わってしまった要素には、困ったことに大事なものが多い。物語を貫く過去のエピソードには、ほどよき一種の異様性といったものを感じる。しかし警官それぞれについては掘り下げ方に物足りなさも残るかな。

惹きつけられる部分は強烈な光。だからよけい物語を下支えする納得感を求めてしまう、というものかも知れない。

おもしろかったのは間違いないっすd^_^

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