京セラ美術館の後は、東山から京都市役所前駅で降りて、市役所とフォーチュンガーデンの名建築を見て、一度歩いてみたかった寺町通りへ。村上開新堂でゆずジャムサンドのロシアケーキ(クッキー)とガレット・ブルトンヌを購入。池波正太郎が好んだという好事福盧(こうずぶくろ)は11月からの限定なのでまた行こう。気温が高く、長い時間の持ち帰りはムリみたいだし。
寺町通りから四条河原町まで歩いて、レトロ喫茶フランソワで特製プリン。わーいこれで四条河原町付近の三大(勝手に言ってます)レトロ喫茶を制覇。築地もソワレも良かった。フランソワはいちばん普通で禁煙だし(築地は可)国の有形指定文化財となっているし人が多かった。
丸善に行ってみると、地下でホームズやシェイクスピア、ルイス・キャロルの雑貨展をやってたので鑑賞。シェイクスピア「シンベリン」買って帰った。京都はただ歩くだけで楽しいね。ランチはおにぎりのお店。外国人が何組かいた。ライスケイクも日本文化なんだろか。いいね。
◼️ 星新一「地球から来た男」
悪魔や死神、怪しい組織が出てくる短編集。星新一の色褪せないテイストに口元が緩む。
1981年の短編集。主人公に、死神や悪魔や正体不明の組織が絡む、という話ばかり収録されている。
表題作は産業スパイがとっつかまり、地球外の星に送る、と宣言され眠らされる。なにか昭和のコントだな、という気がしてクスッとなる。
「もてなし」はひたすらもてなされる『ブルギさん』になった男の話、また「ある種の刺激」は社会と人生に効く『ツボ』がおもろかしく展開される。
ときにハチャメチャ、そもそも不思議の多いショートショート。でもやっぱりこの収め方、常識的であるようで、コミカル。そのとぼけた具合がまさにツボをついてくる。安心して読める。
「あと五十日」ではデキる男が死神に人生の時間を宣告される。「ある日を境に」は福の神の話。それぞれシニカルなオチがつく。明るいものもあれば、どこか投げやりなこともあるが、シチュエーションに最適となるよう考え抜かれたラストだな、と考える。
「密会」は妻の口を借りてかつての恋人が話をする現象で、くるりと回る展開。人生少しくらいお気楽でも、という色彩もある。
「包み」はなにか、太宰治なんか書きそうな短編。パッとしない画家が、若い男にあずけられた包みの中味を想像しながら絵を描く。小説らしい篇だなと思った。
正体不明の力、展開、それによるオチと、一種ドラえもんっぽくもある。星新一は複雑、雑多、そしてネタ的にやはり興味を惹き、簡潔にスパッと終わる、その作品に籠めたものから独特の味わい、匂いが感じられる。
やはり巨匠だなと。また読もう。
0 件のコメント:
コメントを投稿