飛鳥駅に帰ってフローズンいちごシャーベットと五平餅で栄養補給して大阪へ。
天王寺で降りて、あべのハルカスで安野光雅展。細かくメルヘンチックなスタイル、だけでなく繪本三國志で中国へ取材旅行に行ったり、科学、不思議絵、井上ひさしの舞台のポスター、本の装丁などエネルギッシュな活動に圧倒される。気がつけば私がよく買うちくま文庫のシェイクスピアの表紙も安野さん。その気で探せばもっとありそう。
◼️ 辻山良雄「小さな声、光る棚」
荻窪、小粋な本屋さん店主の、みずみずしいエッセイ。
荻窪にある築70年以上の古い民家を改装、新刊書店、カフェ、ギャラリーを営んでいる店主はもとチェーン店の書店に勤めていたとのこと。
コロナ禍の種々の対応と感慨、展示会やイベントでのアーティスト、作家さんたちとの交際、店に来るお客さんたちの言動などを材料に短いエッセイを積み重ねている本。本屋のあり方、社会的な役割などについても考察している。
本読みならもちろん、古書店や独立系の新刊書店、両方を扱っている店は好むもので、私も京阪神でいくつも訪ねている。おしゃれな自社ビル、モダン建築のワンフロア、マンションの1階、ショッピングビルの一角など様々だが、おおむね本棚や平台に置く本の構成に工夫を凝らしたり、照明や窓からの光、装飾に手をかけたりとスタイリッシュで格好いい。共通するのころは、本読みが好きそうな商品を集めている点で、見て手に取って嬉しくなる店が多い。中には昭和の色濃い古書店もあってそれもまた楽しみではある。
もうひとつの共通ポイントは、空気感。時間の流れがゆるく、本棚は凛、周囲はまったりとした雰囲気。夏は涼しく、冬はほっこり、独特の枯れたような印象も・・ちょっと理想化しすぎてるかな笑。
訥々と語る文章にはみずみずしさが漂う。店の内側からの想い。コロナ禍での動き、リモートの違和感。本との交感、という言葉には深く頷いた。そう、本との交感を求めて本読みはそういった書店に行くのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿