2023年10月15日日曜日

10月書評の5

京セラ美術館の後は、東山から京都市役所前駅で降りて、市役所とフォーチュンガーデンの名建築を見て、一度歩いてみたかった寺町通りへ。村上開新堂でゆずジャムサンドのロシアケーキ(クッキー)とガレット・ブルトンヌを購入。池波正太郎が好んだという好事福盧(こうずぶくろ)は11月からの限定なのでまた行こう。気温が高く、長い時間の持ち帰りはムリみたいだし。 

寺町通りから四条河原町まで歩いて、レトロ喫茶フランソワで特製プリン。わーいこれで四条河原町付近の三大(勝手に言ってます)レトロ喫茶を制覇。築地もソワレも良かった。フランソワはいちばん普通で禁煙だし(築地は可)国の有形指定文化財となっているし人が多かった。 

丸善に行ってみると、地下でホームズやシェイクスピア、ルイス・キャロルの雑貨展をやってたので鑑賞。シェイクスピア「シンベリン」買って帰った。京都はただ歩くだけで楽しいね。ランチはおにぎりのお店。外国人が何組かいた。ライスケイクも日本文化なんだろか。いいね。 

◼️野﨑まど「死なない生徒殺人事件」


永遠を追い続けると分からなくなる。同じテイストでも野﨑まどはなぜか微笑ましいなと。永遠の命をもつ女子高校生とは?


デビュー作「[映] アムリタ」でほう、と思い、脚本を担当した京都が舞台のSFアニメ映画「HELLO WORLD」を観に行って、本の方は2作め「舞面真面とお面の女」そして3作めの本作と偶然ながら順番通りに読んでいる。


勝手な思い込みかも知れないが、野﨑まどは私の読書生活に、いつの間にか顔を出すというイメージの作家さん。つまりはどこかで好みによりチョイスしているってことなんだけどね。


幼稚園と小中高のある私立の名門女子校に勤めることになった生物担当の男性教師、伊藤は同僚教師・受村と、相談に来た甘名珠(あまな・たま)から、学校に永遠の命を持つ生徒がいるという噂を聞く。母校の教師になったもう1人の同僚・有賀哀が学生時代だったころからあったという、いわば校内都市伝説だった。そして、永遠の命を持つ生徒・識別組子(しきべつ・くみこ)が突然伊藤の前に姿を現し、その翌日、殺されたー。


まずは会話の妙、女子高生が伊藤をからかっている現場に有賀が来た瞬間女生徒が「キュアアリガ!」と叫ぶとか、とぼけたギャグを入れるとか、決してハデではないがこの人の会話は楽しく肌に合う。また、特殊な立場の者が主人公に対して上から目線の言葉遣いをするのも前作と同じで、なんか少年国王パタリロの、バンコランやマライヒに対する口調を思い出して1つのおかしみの形だなと思う。


ストーリーの方はコミカルから女子高校の伝説、現実化と凄惨な殺人、しかも永遠の命そのものに鋭く問い掛かるような事件が突然起こる。ストーリー展開の速さと核心の衝き方が上手いと思う。


オチはあくまでライトノベルらしく収める感じかと。最後のちょっとした緊張感が醸し出される。異質の識別組子が後の方では正統派となるのもおもしろい。永遠の命とは。哲学的、そしめ途中には生物学の専門的な視点が入っているのも興味深い。


次は「know」が読みたいかな。








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