毎年恒例、私的年間読書大賞、各賞の発表。
まあ見てください。
【表紙賞】
岩城けい「さようなら、オレンジ」
ジャケ買い、とよく言うが、これはと読む気にさせる表紙、装丁は絶対にある。当然タイトルも大事。今年読んだので言うと、「アルキメデスは手を汚さない」なんかは表紙もタイトルも人を惹きつけるな、と思った。あと、梨木香歩「渡りの足跡」も。
私は基本、文庫しか買わないので、単行本の華やかさとはまた別物だ。
「さようなら、オレンジ」は、タイトル、表紙、中身がそれぞれちょっと異質で、充実した作品だと思う。やっぱ目を引くでしょ?
ジャック・ロンドン「野性の呼び声」
元々アラスカやシベリアの自然ものが好きだというのもあるが、この古典には想像力をかきたてられた。名作系は今年いくつか読んだが、ひときわ印象が強い。
【絵画賞】
高橋克彦「北斎殺人事件」
浮世絵が好きだ〜!というのがよく伝わってくる。土曜ワイド風味でもあるが、ストーリーに流れる物哀しい感情の発露は、高村薫を感じさせるような気もする。って、高村薫は「レディ・ジョーカー」しか読んでないんだけどね。
【目標ひとつ達成賞】
江戸川乱歩「幽霊塔」
ルパン三世の名作「カリオストロの城」。劇中に出てくる時計塔のモデルというか発想のもとになったのがこの作品、と知った直後にブックオフで見かけ、即買いした。想像力って不思議だなあ。
【インスピレーション賞】
インスピレーションを感じ、記憶に残った作品たち。複数表彰。
パウロ・コエーリョ
「アルケミスト 夢を旅した少年」
西加奈子「白い印」
桜庭一樹「少女には向かない職業」
千早茜「あやかし草子」
「アルケミスト」では錬金術という西洋的な考えを知った。西加奈子は、白で描く絵という発想勝ち。桜庭一樹はどっしりとしたベースと感性の感触あり。「あやかし草子」は、好みの鬼などの話を、綺麗に、鋭く表現した筆致のセンスを認定。
【特別賞】
リチャード・バック「かもめのジョナサン」
いかりや長介「だめだこりゃ」
解説の必要なし。めっちゃ興味深かった。
以上でした!
さて、ところで、これまでどんな賞があったのか振り返っておきたいと思います。
2012年・・年間特別賞、優秀エンタテインメント賞、意外にびっくりしたで賞、おすすめハードボイルド賞、ライフワーク賞。
ちなみに優秀エンタメ賞は「ビブリア古書堂」シリーズ、ライフワーク賞は北村薫。
2013年・・ベストエンタテインメント賞、文化人類学賞、期待する作家賞、ベストスポーツ賞、ベストノスタルジー賞、特別賞。
ベストスポーツ賞は長谷部誠「心を整える」、特別賞は藤原伊織「ダックスフントのワープ」。
2014年・・優秀短編集賞、そんなジャンルがあったか賞、カルチェ・ラタンの意味が分かった賞、ハードな作りと強いクセ賞、最優秀外国小説賞、ザ・読み応え賞、ベストエンタメ賞、期待してるぜ賞、功労賞、ベストスポーツ賞、泣泣賞、笑×2賞、特別賞&表紙賞に別ステージ賞。
功労賞は高田郁「みおつくし料理帖」シリーズ、別ステージ賞は和田竜「村上海賊の娘」百田尚樹「海賊と呼ばれた男」。
去年からえらい増えてまた張り切ってんな・・(苦笑)。どんな賞を作るかもまたその年の読書に拠ると思っている。
次回はいよいよ、ランキングおよびグランプリ発表!
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