なにせ数を読んだので、その他作品のおまけコーナーを設けまする。自分でも、ランクから落としちゃったけど印象的、というのは沢山あったし、振り返りの意味も込めて。
今年は村上春樹「1Q84」から始まった。6巻からなるこの超長編、暗いが、女テロリストと幼なじみの再会、という、春樹にしては俗っぽいストーリーで、集中して読めた。
中島京子「小さいおうち」
お手伝いさん小説。パンチには欠けるが、よい味わいだった直木賞作品。
船戸与一「砂のクロニクル」「虹の谷の五月」
国際的ハードボイルド。殺しに女、なんでもありで面白かった。「虹の」は直木賞受賞作。
奥泉光「シューマンの指」
耽美派小説。「さよならドビュッシー」あたりとセットにして読んだら良いかも。
京極夏彦「姑獲鳥の夏」
長かったが、途中からずんずん進んだ。発行当時の新機軸のミステリーか。来年は他も読もう。
西加奈子「円卓」
小学生の話。なかなか笑えてほやっとして、いい感じだった。
宮下奈都「よろこびの歌」
女子高生の話。さわやかで微笑ましい作品。
村山由佳「星々の舟」
直木賞。なんか作り過ぎな気もしたが、時折胸を刺した。
綾辻行人「Another」
「館」シリーズもいいが、こちらもまずまず。作家本人もお気に入りのようだ。中学生サスペンス。続編を早く文庫に。
乙川優三郎「生きる」
時代もの。派手ではないが、感じるところもある、渋い良作。
小杉健治「父からの手紙」
あり得ないが、最後の手紙には心を打たれた。
金城一紀「GO」
痛快な作品。やはり直木賞。在日コリアンのお話。
辻村深月「凍りのくじら」
内容、オチともにもうふたつだが、設定と味付けは今年最高。恋愛現役世代ぽい感覚も良。
東野圭吾「真夏の方程式」
舞台はきれい、少年のひと夏の出来事。明快なトリック説明が光る。
桜庭一樹「荒野」
黒猫ちゃん、可愛らしいね。やはり「私の男」が特殊でこちらあたりの方が桜庭本流か。
貫井徳郎「乱反射」
実験的作品と言っていいだろう。色んな人の無意識の悪意が積み重なる。トライに評価。
村上春樹
「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」
ミニな作品だが、なんか、とてもハルキらしいと感じてしまうのは私だけだろうか。
奥田英朗「サウスバウンド」
初の奥田英朗。少年の揺れ動く心も描いているが、なんか途轍もなくハチャメチャで、そこが面白い、ロハスな作品である。
梨木香歩「家守綺譚」
意外に良かった。調べてみると、本屋大賞上位の実績あり。不思議な書生もの。続編ないかな。
相場英雄「震える牛」
巷で人気の本。タイトルで先が見えるが、社会ネタの、警察もの。
薬丸岳「天使のナイフ」
江戸川乱歩賞。ううーん、いまいち感が強かったが、心には引っ掛かった。少年犯罪の話。
恩田陸「黄昏の百合の骨」
いやもう、恩田陸が生み出したお気に入りの主人公水野理瀬が向こうの世界の人で・・。続編あるようなので楽しみだ。
三浦しをん
「まほろ駅前多田便利軒」
直木賞。なんか池袋ウエストゲートパーク的な臭いも。基本はマンガの、三浦さん。
道尾秀介「カラスの親指」
暗い道尾秀介にしては、意外にコミカルだったりして。大きな仕掛けが存在するが・・。
柚木麻子「ランチのアッコちゃん」
中身はマンガだが、なぜか吸引力がある。傑作の類に入るだろう。
乾ルカ「メグル」
最初の作品こそホラー色強いが、どの短編もまずまず色が出ている。素養はあるので、大作を書いて欲しい。
桂望実「嫌な女」
巷で評価が高い本。エリート女弁護士と、女が武器の女との対比。一生を追い掛ける、さらりとした感の本。
葉室麟「蜩ノ記」
色々と考えさせられる直木賞作品。優秀過ぎる武士に心酔する監視役。時代ものパターンだが、完成度が高い気も。
綾辻行人「奇面館の殺人」
こうでなくっちゃの、本格派ミステリー、今回も館、仮面と楽しめました。
近藤史恵
「サクリファイス」「エデン」
ミステリーとして読むというよりは、自転車ロードレースものとして楽しむのが良。日本人選手白井誓・チカが世界に挑む。
坂口安吾「不連続殺人事件」
ミステリー界で傑作とされる作品。言動行動ともに荒いが、謎解きミステリー本道として感心する本。昭和23年の発表とは思えない完成度かと思う。
以上、おまけでした!
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