はや3年目を迎えたこの企画。今回はいよいよ大賞の発表です。ちなみに昨年までのランキングを振り返っておきましょう。
2011年
大賞 「リセット」北村薫
1位 「対岸の彼女」角田光代
2位 「モルヒネ」安達千夏
3位 「13階段」高野和明
4位 「パレード」吉田修一
5位 「四度目の氷河期」荻原浩
次点 「ドミノ」恩田陸
「神様のカルテ」夏川草助
2012年
大賞 熊谷達也「邂逅の森」
1位 村上春樹
「国境の南、太陽の西」
2位 柚木麻子「終点のあの子」
3位 宮下奈都「スコーレNo.4」
4位桜庭一樹「私の男」
5位北村薫「玻璃の天」
6位辻村深月
「冷たい校舎の時はとまる」
7位窪美澄「晴天の迷いクジラ」
8位北村薫「スキップ」
9位冲方丁「天地明察」
10位誉田哲也「武士道セブンティーン」
となってました。
今回は、年間大賞を決め、ランキングを発表したあと、過去3年間のベスト5を決めたく思います!ひとつ注意は、かつてランキングが下だからといって、今回もそうでないとは限らないこと。かつての5位が、同じ年の3位を抜かすのもあり、です。
改めて、今年は、ここまで131作品146冊を読むことが出来ました!まあここまで読むのは今年だけだろうなー。詳細はひとつ下のコラムに並べて有りますので見て下さいませ。
ではさっそく行きましょう!
2013パパ読書大賞は・・
藤原伊織「テロリストのパラソル」
と、なりました!初の上半期からの大賞。下半期も他の追随を許さず、トップを守り抜きました。なんか、読書慣れして、心が動きにくくなってきたのかと気にしたりもしています。
抜群のエンタメ性、息もつかせぬ展開、そして、横たわる、お気楽さ加減。全てがマッチした作品。そんなにサスペンス&ドンパチ好きではなかったはずなのにな、と思ったりもしますが、面白いことこの上なしです。
さて、年間ランキング。
1位 木内昇「漂砂のうたう」
2位 朝井リョウ
「桐島、部活やめるってよ」
3位 山本兼一「利休にたずねよ」
4位 乾ルカ「あの日にかえりたい」
5位 山本兼一「火天の城」
6位 天童荒太「悼む人」
7位 西加奈子「通天閣」
8位 道尾秀介「月と蟹」
9位 三崎亜記「となり町戦争」
10位 夏川草介「神様のカルテ2」
以上、断腸の想いでランキング付けしました。粒揃い、という自信は有りますが、まあ好みなので。
木内昇「漂砂のうたう」
明治維新から10年、落ちぶれた武士の苦悩を純文学的に描く。暗いが、様々な要素と仕掛けが、計算のもと
文章以上の効果を出している。ブンガク作品を読んだ!と読後に充実感に浸れる一冊。
朝井リョウ
「桐島、部活やめるってよ」
瑞々しさが印象として消えない。このところ高校生ものといえば女性作家が目立っていたが、若い男性の目の付けどころに感心した。
山本兼一「利休にたずねよ」
濃厚で濃密。描写とディテール、主人公の迫力が凄まじい。章立ての妙も含め、まごうことなき直木賞作品。
次点はいっぱいありすぎる。さまざまな形で感性を刺激してくれた、全ての作品に感謝。
という訳で、3年間のベストオブベストランキング!選考は困難を極めましたわよ。
1位 北村薫 「リセット」
2位 熊谷達也「邂逅の森」
3位 宮下奈都「スコーレNO.4」
4位 藤原伊織
「テロリストのパラソル」
5位 角田光代 「対岸の彼女」
と、なりました!
最後は好き、で選んだな。5作品中、直木賞受賞作が3つ、候補がひとつ、ノーマル、というか目ぼしい賞を受けてないのは「スコーレNO.4」だけ。
「リセット」はやわいファンタジーかも知れないが、北村薫はやはり、好きである。大筋とディテールの合致、独特の筆致というところに惹かれている。少し前の作品で、リアルでギスギスし気味な昨今の作品群の中、ほっとする部分もある。2位以下も、私にとってはいずれ劣らぬ名作ばかりだ。「邂逅の森」は迫力を感じたし、「スコーレNO.4」は女性的視点からの超名作だと思う。「テロリストのパラソル」は前述の通り。「対岸の彼女」も女性的視点だが、男性にも訴えかけてくる。
そして、3年間の前の1年、私が本を読み始めたころ、これまでで最も衝撃を受けたのは
角田光代「八日目の蝉」
だった。読了した瞬間、呆然としたのも、続編を書いてでも何とかしたい、と思ったのも、これが最初で、今のところ最後。私の中では、別格の作品。ベストセラーだから、本好きの方はお読みだろうが、もし未読ならばぜひ読みましょう。NHKのドラマもDVD借りてきて見ましょう。
ランキングは難しい。面白い、というのと、構成技術、表現的にキレキレなもの、表面的には面白くないが、感性の深いところへ訴えかけたり、文章を超えた迫力があるもの、それぞれある。どれを上位につけるかなんて、その時の行き当たりばったりだ。印象は、薄れたり、逆に時が経つほど強まったりするし。
しかし、よく読んだ1年だった。来年も、今年ほどではないだろうが、また読んで行きたいと思っている。来年のテーマは、月ごとのテーマ付け。1月はシャーロッキアン本に決めていて、その後推理小説、いわゆる洋書、などを考えている。まああんまり縛りすぎると良くないかもなので、うまい塩梅にしよう。
全国のみんな、元気に読書してますか?この稿、最後までお読み頂き、ありがとう。来年も、よろしくね!
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