流れ星を初めて見たのは小学校の時。私の実家があった所は大きな街が近くに無かったので、それなりに星は見えていた。でも、5年生の夏、山のキャンプ場で見た星空はまったく違って、空を星が埋め尽くしているようだった。
その星々の真ん中を横切るように、尾を引いた流れ星が流れた。星のかけらを撒きながら、流れるストロークも長く、想像していた以上の綺麗さだった。以来今まで、流れ星と言えばその時の流星を思い出す。テレビなんかでよくあるように、BGMにチャララン♪なんて効果音が付くような感じだった。
大人になって流星群を気にするようになったのは最近だが、東京在住時、伊豆へ家族で旅した際、ちょうどオリオン座流星群の時期だったので、皆が寝た後外で安楽椅子に座って眺めていたら、スッ、スッと線のようにいくつか星が薄めの光で流れた。
かつて、ある芸能人が、きょうはオリオン座流星群極大らしいから、ずっとオリオン座眺めていたのに一つも見えなかった、とブロクに書いていたが、この伊豆の観測でなるほどと思った。
伊豆の宿は山の方で、オリオン座は海の方向。間に国道や打ちっ放しだろうか、の灯りがあった。しかし東京や大阪よりよほど良く星が見えた。そんな条件でも、線のような弱い光しか見えないのだから、そもそも流星群ってこんな感じで、都会の明るさでは見えないのが普通じゃないのか、私が小学生の頃見たのは「火球」という部類に入る大型のものじゃないのか、と思うようになった。
なので、あまり流星群の観測には興味が無かったのだが、13日金曜の夜はふたご座流星群の極大ということで屋上テラスでしばらく粘ってみた。って書いて気がついたが、13日の金曜日だったか。ジェイソン♪
月明かりあり、ふたご座には、明るくまたたかない木星が光っている。まあ10分くらいかなあ、そんなに見えるものじゃないし、という気分。冬の星座は狭い範囲に1等星が集まっているので綺麗だが、すばる=プレアデス星団の方向を仰ぐと、ほとんど見えない。実家でははっきり見えていたから、こりゃダメかな・・と思っていたら、突然カストルの上に流れた。
正確には、小学生の頃見たものとも、伊豆とも違い、短いストロークで、一瞬明るくなり、消えて行った。思わず「来た!」と呟いていた。紛れもなく流れ星だった。
一つ見たら欲が出るもので、もうひとつ見るまで粘る!と思ったものの、その後30分近く見ていても、全く流れなかった。(笑)さすがに、寒さに負けて中に入った。
ふたご座は、五角形のぎょしゃ座の下にある。縦に双子の星、カストルとポルックスが並んでいて、下のポルックスの方が明るい。実家では、カペラを中心としたぎょしゃ座の力強さ、そしてふたご座の優しいフォルムには圧倒されたものだが、やはりこちらでは明るさも迫力も足りないような気がする。まあこんなもんだろな、でも見れたからよかった、と思い風呂に入った。
風呂上がり、どこか諦めきれず、日付が変わる頃が極大だと思い、また屋上に出た。もうふたご座は天空高く昇っている。山近くだけに空が広く、星に手を伸ばしたくなる。木星はまたたかず、平べったい光を放っている。放射点が高い方が、良く見えるという話だ。
まあそんなに見れないわなーと軽く眺めていたら、ふたご座の東方向、北斗七星の方で、スッと、明るめの、ストロークが長いものが流れた。おお!と思ったらすぐ、今度は西方向、お隣のオリオン座の方に、流れた。こりゃ運がいい、とちょっと興奮してきたところで、少し後に、ふたご座の真ん中あたりで、最初に見た感じの、ストロークが短いものが横に流れた。
それから風呂上がりであることもしばし忘れて、20分以上見入ってしまった。視界の端では2つ3つ流れ、中には明るいものもあった。オリオン座方向に多いようだ。さすがに冷え切るとまずいな、最後の一つ、と、思い出してしばらく、オリオンとふたご座の中間当たりを見ていると、ちょうど視界の中央に、すうっと、長めのストロークのものが斜めによぎったので、そこで切り上げた。
流れ星は、音が無い。スッと流れて、光って、消える。願いごとを3回唱えるなど、とても無理だ。でもその静けさが、一瞬の煌めきが、記憶に残る。
ふたご座流星群は、年頭のじぶんぎ座、夏のペルセウス座と並び三大流星群と言われ、毎年流れる数が多い良質の流星群のようだが、本格的に観測していた人には、かなり満足度の高い夜だったのではないか。
これからはもっと流星群見てみよう、と思った13日金曜日の夜だった。
翌土曜日は、息子とママお出掛けでワンコとお留守番。もうママいないと、ソファで2頭のダックスとくっついてないとすぐ不安げな行動を取るのでどっかりと、読書の時間にした。夜は近くの新しい店で焼き肉。もうふたつ、だった。夜は雲が広がってしまい、流星群観測はまた来年かな、と思い、寝る。
日曜日は酷寒の中、外仕事。家に帰って、溶けた。さて、年も押し迫って来た。次週は、いよいよ!
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