2026年2月15日日曜日

3月書評の7

◼️ 「スーホの白い馬」

ここのところよく見かけていたので、読んでみた。モンゴルのお話らしい?

そんなに長い話でも、入り組んだ話でもない。
モンゴルの民族楽器、モリンホール、馬頭琴はどうして出来たか、を説くものだ。馬頭琴、というのは中国の訳し方で、日本でもよく使われる気がする。私的には木琴、鉄琴などを想像して叩く楽器か、なんて最初は勝手に思ってしまうけれども、琴と同じ弦楽器。大雑把にいえばギターをスリム化したような、共鳴盤がついた二弦で、弓を使って弾く楽器だ。

モンゴルの草原で羊飼いのスーホは倒れてもがいていた白い仔馬を見つける。周りを見渡しても飼い主も親馬も見当たらず、放っておいたら夜が来て狼の餌食になってしまうと、スーホは連れ帰り、大事に育てる。2人の間には、分かち難い絆が育つ。

数年後、殿様が競馬大会を開く。優勝した者は殿様の娘御と結婚させる、と。スーホは成長した白駒でぶっちぎり1位になる。が、殿様は貧しい羊飼いのスーホに娘をやるつもりなどなく、銀貨3枚で白い馬を譲るよう申し付け、スーホが拒むと、部下に暴行させて奪い取る。

白い馬は乗った殿様を振り落とし、スーホの元へ駆ける。追っ手の矢がいくつも背に刺さって・・やがて心で白駒と会話を交わしたスーホは馬が行った通り、その身体を使って楽器を作ったー。

なじみの古書店で読んだ後「教科書で読まれました?」と聞かれた。これって教科書に載ってたんだね。私の時代は、多分なかったと思う。で、どうもバージョンがいくつかありそうで、物語をさまざまなものの象徴と見る向きもあるようだが、そこからは離れたいねやっぱり。

絵は武骨。スーホは赤く長い上衣で腰紐を結んでいる。赤の帽子、厳しい表情。全体として刹那的で不穏な雰囲気があるような気がする。

モンゴルへ行った人は風景だけでお金になると思います、という人もいた。「何もない、というのを味わいたいんですよ!」とロマンに目を輝かせていた卒業旅行の大学生は帰った後「ホンマに草原以外、何もありませんでしたわー(苦笑)」と報告した。

白い馬に乗って、広い広い草原を風を切って駆ける、という姿が、この物語の象徴的な姿かもしれない。

優勝者には娘をやる、という条件で先が読めてしまうかな。けっこうストレートな話で、古い民話にありがちな、矛盾とか不思議なパートがない。まあこんなものか、だけども。

最近よく見るよね図書館とかSNSとかで、と言うと古書店主さん「それは午年だからですよ」

なるほどそうだったか。

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