2026年3月15日日曜日

負け負けとホワイトデー

先週先々週とよく遊んだからというわけでもないけども、今週末はお家。唯一土曜日午前に用事で外出、梅田のりくろーおじさんの店で焼き立てチーズケーキをば。妻が好きで、食べたいと言ってたのです。

ホワイトデーだけあってすごい人で、警備員も出てて1時間ちょっと並びました。立ち読書📖で待ち。で、入手したチーズケーキは独特の軽いスポンジ状。焼きマークはイベントの特別仕様。マークを外してわきをいただきました。私は切りましたが、手でのちぎり食べも美味しいとか😋

外出はそれくらいで、午後夜は寝る。体力回復。で、日曜は朝から⚾️WBC、午後は高校🏀日清トップリーグの入替戦。地方リーグか、強豪の並ぶ全国のトップリーグか。福岡第一は藤枝明誠に僅差で悔しい負け。これからの奮起を期待。WBCは・・うーん気が抜けて何もコメントがない。あれこれあるだろうけれど、ただ不完全燃焼。以上、です。

神戸ブックフェアを大々的にやってるけども、今年は見送り。何かと予定が重なるなと。

生ステージはやっぱり影響される。いまの鼻歌はシューベルトのピアノソナタ13番。希望が見えて、やさしくてとてもいい曲。それからコルンゴルトのヴァイオリン🎻協奏曲。映画音楽のような作りにハマってます。ホント名演でした。

戻り寒波は・・めっちゃ寒かったっす。気温が多少上がっても、北風がびゅうびゅう吹く。朝は雪がチラチラ舞い、金曜は帰り雨だし☔で、冷え冷えとしてました。これが最後かな。ここで正月のあまりのお餅食べとこうと焼きました👌

春はそういう季節で、今年もそれなりの方が転勤したり、会社を去ったり、定年や契約満了を迎えたり。お別れする方には本をお渡ししている。この週末も文庫本1冊購入。次の週末も買う予定。

期末、やがて4月。いやまずは目の前の3連休何するか考えよう😎つれづれでした。

3月書評の4

◼️ 伊与原新「宙わたる教室」

実話を元にした感動作。定時制高校の科学部の話。パワーを感じます。

伊与原新は「月まで三キロ」「八月の銀の雪」「青ノ果テ」「オオルリ流星群」「藍を継ぐ海」と読了。やはり天文・科学の研究者出身という素地を活かした話が好みだが、それだけでなく人の情を絡めながら描くところに惹かれている。今作は先にNHKのドラマを観て、感銘を受けた。原作に忠実に作ってたんだなと、出演者を思い出しながら読んだ。

東新宿高校の定時制課程。夕方5時45分から9時までの4限制。ごみ収集・処理の工場に勤める若者・柳田岳人は文章の理解が困難な性質で中学をドロップアウト、大麻の売人とつながりのある仲間と付き合っていた。博士号を持つ大学の研究者で定時制教師の藤竹は、荒っぽい柳田が数学のテストで方程式を難なく解いていることに目をつけ、科学部を作ろうと持ち掛けるー。

「知ってますか、火星の夕焼けは青いんですよ」

柳田のように働きながら通う者、フィリピンとのハーフで長年フィリピン料理屋を営んでいる越川アンジェラ、保健室登校でSF小説好きの名取佳純、集団就職で東京に出てきて自分の製作所を持った老人・長嶺省造、現役キャバ嬢・正司麻衣など、定時制には様々な学生が集まってくる。トラブル、怪我は日常茶飯事。実際にバイクで柳田の仲間が乗り込んできたり、腕のカットがあったりする。

藤竹は柳田をはじめ各人を科学部に誘い、それぞれの良いところを引き出し、学会発表という大きな目標を掲げる。やがて火星のクレーター再現、という画期的な実験に向けて定時制の科学部は走っていく。

宇宙好き、科学という題材への興味がまずある。しかし登場人物の設定の上手さと、隠れた背景の作り方が抜群だ。藤竹のキャラもマンガみたいに絶妙。会話や人情味の見え方も分かりやすく感情の琴線に触れてくる。学会発表という未知の世界のリアルさも新鮮で魅力的。

読み手は人の成長や目標の達成、そこへ向けての努力・過程に感銘を受ける部分もあると思う。サクセスストーリーには出来過ぎ感が伴う。もちろん、これも小説ではあるが、説得力を感じるのは、実話を元にしているからかもしれない。

大阪の定時制高校グループが「重力可変装置で火星の水の流れを解析する」という研究により日本地球惑星科学連合大会のポスター発表で優秀賞を受賞した。それより先、彼らの微小重力発生装置はJAXAに注目され、小惑星探査機・はやぶさ2のチームが同様の装置を用いて基礎実験を行ったという。

すごい成果だと、率直に思う。柔軟な発想と創造のパワーに溢れている。手作り?というのがまたいい。この研究成果には微調整のため、何回も繰り返したテストの積み重ねがあるはずで、本書でも描かれている。

実話に小説らしい味付けがなされた物語。綿密な取材も伺える。保健室の養護教諭・佐久間のセリフもリアルだな、と。テレビドラマはさらに色々付け足していた、けどもストーリーはかなり原作に忠実という印象を受けた。

ドラマとの良い相乗効果でホロリ🥲続編もまもなく刊行らしい。楽しみだ。

伊与原新が「藍を継ぐ海」で直木賞に選出されたときの選考委員を務めた辻村深月と著者の対談が掲載されている。その中で、お金にならなくても平気だし、「何の役に立つの?」という質問など端から考えてもみないのが普通な、好きなものに夢中になる大人の話が出てくる。

私はマニアではないが、12月のふたご座流星群や、年明け早々にピークを迎える未明のしぶんぎ座流星群はどんなに寒くても、朝眠くても外で何時間か粘る。彗星が見えるとなればスマホで撮影するのに良き場所へ出かける。だって楽しいし、好きだし。肯定されたようでd(^_^o)好感。良い読書でした

2026年3月8日日曜日

人生すべて芝居

直木賞受賞作「木挽町のあだ討ち」芝居小屋の裏方たちがあだ討ちを見守った。1年半後、あだ討ちを遂げた少年の藩から来た浪人が、関係者に聞き込みを始めるー。そこには大きな理由があった。

原作を読んで、正直出来過ぎ?という気もあったけども、上手に芝居を活用していて、なにかストーリーを超えて、大きなものが語りかけてくる気がした作品。人情ものでもあるし、なにせ芝居だから色彩も豊か。映画はすごく精巧に、手間をかけて作ってるなという感想。楽しめます。

お客さん多かった。休みの朝イチ9時過ぎからだというのに8割は入ってたかと。人気なのかな。ヒット中?

いちご🍓狩り初体験

🍓いちご🍓狩りに行ってきました。有馬温泉を抜けた神戸電鉄二郎駅近く。ビニールハウス3つになっている「章姫」「紅ほっぺ」30分食べ放題。

目にあやな赤い果実。春告げのような気もする。食べやすいからパクパク。「章姫」は柔らかく甘い、「紅ほっぺ」は歯応えがあって果実を食べてる、という実感がある。

20分ごろにはギブアップ😎でもすでにもう砂糖食べたらお腹の中でいちごジャムできるんちゃうかーという腹具合だった。人生で初めてこんなにたくさんいちご🍓だけを食べました🍓

この辺は気温がかなり低いそうで、寒い週末、北風も強くたしかに一段寒い感覚。まあビニールハウスなんで摘んで食べてる時は暖かい。持ち帰りも購入して帰りました。ミニドライブ。途中内装がきれいな山小屋風レストランでランチもして、いい大人のお出かけでした🍓

直木賞受賞作「木挽町のあだ討ち」芝居小屋の裏方たちがあだ討ちを見守った。1年半後、あだ討ちを遂げた少年の藩から来た浪人が、関係者に聞き込みを始めるー。そこには大きな理由があった。

原作を読んで、正直出来過ぎ?という気もあったけども、上手に芝居を活用していて、なにかストーリーを超えて、大きなものが語りかけてくる気がした作品。人情ものでもあるし、なにせ芝居だから色彩も豊か。映画はすごく精巧に、手間をかけて作ってるなという感想。楽しめます。

お客さん多かった。休みの朝イチ9時過ぎからだというのに8割は入ってたかと。人気なのかな。

さあ、遊びました。春のお仕事にはげまなければ。

3月書評の3

◼️ 梨木香歩「エストニア紀行」

バルト海に面した北の国。読んで字の如く、だけど、やっぱり梨木香歩さんしてます。

バルト三国、リトアニア、ラトビア、エストニア。ゴルバチョフが打ち出したペレストロイカのもと独立の機運が高まり1991年にソ連から独立を果たした。ちょうど学生時期で新聞によく載っていたので、なぜか南からの順番で覚えた。

今回の舞台は北の果て・・梨木香歩は最初は首都・タリンで昔の地下通路などを訪ねる。まさに紀行ものらしい。建物や人の機微を心中よく捉えている。

バルト三国最北の国、というのは知ってた。でもさすがになじみのない国、タリンではもう一つ想像しにくいな、と感じたが、北部、湾を隔ててスカンジナビア半島のフィンランドと向かい合っている首都タリンから、ずっと南東部のヴォルに移動して、ホテル近くの厚い森に1人入ったころに、ナチュラリスト・梨木香歩らしさが出た。

「じっとしていると、ときどき自分が人間であることから離れていくような気がする。人が森に在るときは、森もまた人に在る。(中略)何か、互いの浸食作用で互いの輪郭が、少し、ぼやけてくるような、そういう個と個の垣根がなくなり、重なるような一瞬がある」

茸取り名人のおばあさんの話を興味深く聞く。梨木香歩も相当の知識がある人で、その会話はけっこうディープ。茸は首都タリンの近くでもちょっと郊外に出れば取れるそうで、国民にはポピュラーな食材のようだ。アンズダケが食べてみたくなる。

西部キヒヌ島は男性たちが漁に行ってしまうため、家に残った妻たちはパンを焼き、魚を捕って焼き、畑を耕す。機織り機で作られた暖色系統の縦縞スカートが鮮やか。著者は女たちを「なんてかっこいいんだろう」と涙さえ浮かべながら感激している。

北西部の大きな島、ムフ島とサーレマー島訪問。サーレマー島はソ連時代、軍事拠点だったから、生態系がそのまま保たれているらしい。ムース一万頭、オオカミ、オオヤマネコ、クマ、カワウソなどがいると知り梨木氏は夢見心地。

「私はかなり本気で後半生をこの島で過ごすことを考えた」

んだとか。梨木香歩さん、めっちゃ植生に詳しいし、毎月、季節のゼリーを作っているらしい。渡り鳥の観察のために、自分で車を運転してウォッチしたり、空港でたぶん英語になっているであろうアフリカの本を購入し読む、という、理知的および科学的であり、かつ行動力がすばらしい。

エストニアの1か月前はカムチャツカ半島に行っており、この後はアフリカに行くんだとか。

様々な種類の、この作家特有の要素が散りばめてあり、そのまっすぐさに惹かれてしまう。感性がおもしろい。幽霊騒ぎもなかなか楽しいくだりでした。

梨木さんのエッセイ、GOOD、良い感触。折に触れもう少し読んでみようかな。

3月書評の2

◼️ 芥川龍之介「犬と笛」

創作寓話。笛は妖しを誘う。

出かけるのに本を忘れて、青空文庫。先日観たドキュメンタリー映画「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」でブーニンが日本の小説では芥川龍之介に影響を受けた、と話していたな、と芥川からタイトルで選んだ。ちなみにブーニン夫人は日本人。

大和の国、葛城山の麓ー。髪が長く女のような顔立ちをした髪長彦という若い木こりは笛が上手で、仕事の行き帰り、合間に音楽を奏でていた。

ある日から連日、足一つの神、手一つの神、目一つの神が現れて笛の音を楽しんだ礼に望みを叶えてやると告げる。髪長彦はいずれも「犬を一匹ください」と望み、どんな遠い所でも嗅が出してくれる白犬、背中へ乗って飛べる黒犬、どんな鬼神でも噛み殺すまだらの犬をもらいうける。

さてある日、髪長彦は弓矢に身を固めた侍2人と行き会い、飛鳥の大臣のお姫様姉妹が行方不明だと聞く。髪長彦は犬たちに命じ、姫を探索に行くー。

悪者として八岐大蛇を飼っている食唇人と土蜘蛛が出てくる。食唇人はどうやら芥川の創作した怪物らしい。無事姫たちを救い出すものの、手柄を侍たちに横取りされる。侍、という言葉で考えてしまうものの、舞台といい記紀っぽい演出といい、古代の話のようだ。あまりややこしくもなく、最後は報われる。児童向けの話、寓話かなと。

笛で思い出すのは陰陽師安倍晴明の親友、源博雅。夢枕獏の作品ばかりでなく、当人がどうかは忘れたが千早茜も「あやかし草子」で魅力的な短編を書いているし、ほかの京都を舞台にしたライトノベルでも出てくる。笛の音に引き寄せられる鬼、魔物、ここでは自称・神。不思議な力。鬼からもらいうけた名笛「葉二(はふたつ)」の話は十訓抄にあるらしい。今昔物語集や能にも博雅は出てくるようなので、古典に材を取る名手、芥川も読んでいたのであろう、か?

児童向けの昔話。でもけっこう好きな雰囲気だった。

3月書評の1

◼️あさのあつこ「花下に舞う」

「弥勒」シリーズ11作め。あこぎな高利貸し夫婦が殺された。死顔には驚愕の相が張りついていた。過去と現が混ざり合う。

たぐいまれな推理力を持つぶっきらぼうな同心・木暮信次郎、年上の手下で情の厚い岡っ引きの伊佐治親分、元は腕の立つ暗殺者でいまは繁盛する小間物屋の主人・遠野屋清之介が絡むシリーズも10作を超えた。児童小説のイメージがある著者が大人の時代劇を描くギャップに興味を持ち読み始めて長い。登場人物の描き方に人情とクセが見えて、なじんでしまう感覚。

徳重という金貸し、女郎上がりの後妻、お幸が自らの店で斬り殺された。夫婦共に、ひどく驚いた表情を浮かべていた。信次郎と伊佐治は調べを進める。徳重は前妻の兄弟で商売が傾いている今の屋の主・榮三郎に多額の金を貸していたが、その榮三郎が頓死、葬儀の席で悪し様に罵り催促をしたという。そして近くの長屋に住む母子家庭のお高は、恐ろしい目に遭い、恐怖のあまり伏せっていたー。

お高と同じ長屋に遠野屋の奉公人・弥吉が住んでいて、そこから清之介とつながりが出てくる。犯罪自体の下手人を探索する一方で「死の間際になにを見たのであろうか」亡くなった母に聞いた言葉が信次郎に響いてくる。

先代から仕えていた岡っ引き職人、地回りの刑事役の伊佐地はなにかと息子のような年齢の信次郎に小言を言う。清之介は商いに邁進して幸せをも感じている。しかして、2人とも、信次郎の底知れない推理力、すべてを剥がして人間の本性をさらす信次郎の能力ーその矢印は清之介にも向けられるーに魅かれている。

その黒さ、がシリーズを貫く芯となっている。あこぎさ、むごさがある反面、情も、救いも、不思議な感情も交差する。殺された夫婦には、悪辣さ、意地悪さの面とそうではない部分がないまぜになっていて、ふむ、と思った。

今回は殺人の下手人を突き止めてから、が長い。あれこれと出てくる、一見関係ないような要素はどうつながるのか、母の言葉は?二重三重の底がある物語。

リンクをどう考えるか、ちょっと出来に感じるところもあるが、なんだろういったい、と読ませる力がある作品でした。