2023年11月4日土曜日

11月書評の1

京都モダン建築祭で1日中歩き回った。岡崎公園→丸太町通りを河原町通りまで西へ→市役所エリアから御池通りを烏丸通りまで西へ→烏丸通りを京都駅まで南下。

写真は河原町教会と八竹庵。まずまず楽しかった。京都市役所を手掛けた武田五一はライトと親交があり、気づけば市役所、帝国ホテルっぽい。大谷石も各所で見かけた。ライトがいかに愛されているかのエピソードだよね。

次回は今回行ってないとこを訪ねたい。

◼️長谷川晶一「詰むや、詰まざるや」

野村ヤクルトvs森の西武、日本シリーズ2年間の激闘。頭脳派な名監督同士の対決ドキュメント。

これは面白かった!同年代の2人の男性が同じ感想を私に力を込めて言い放った。1人は紙の本で読み、もう1人はAudibleで走りながら聴いたという。

1992年、続く1993年の日本シリーズ。ともに4勝3敗の好勝負。大人の実力派選手が揃い、全盛期にあった王者ライオンズと、野村監督のもと、1992年に14年ぶりの優勝を掴んだスワローズ。2年にわたる対決は、特にヤクルトの選手たちの意識を変え、記憶に残るシリーズとなった。

選手、監督、コーチらのインタビューを挟みながら試合を振り返っていく。

ライオンズはキラ星のようなメンバー。辻、秋山、清原、デストラーデ、石毛、伊東。投手も伊東が受けた投手の中で1番、と作中で語っているオリエント・エクスプレス郭泰源、渡辺久信、工藤に沢村賞の石井丈裕、中継ぎ抑えは鹿取、潮崎、杉山賢人。

一方ヤクルトは若いチーム。飯田、3年めの古田、広沢、池山、秦、橋上。投手は岡林、川崎憲次郎、復活間もない荒木大輔、伊東、高野光、故障で出ていないが伊藤智仁、そして抑えの高津。

杉浦の逆転満塁ホームラン、岡林の熱闘、復活した荒木大輔の思い、デストラーデの3年連続第一打席ホームラン、辻の美技、今も影響の残るデッドボールで右腕に痛みを抱えながら奮闘した石毛、淡々とした清原。

濃厚なドラマはまた、肝胆相照らす仲、ともに日本を代表する捕手として日本シリーズに何度も出場した知将同士の知恵の勝負でもあった。森に至っては巨人のV9時代から数えて、日本シリーズ21回めと書いてあったどこかに。

動くか、動かないか、詰むや、詰まざるやー。

確かに面白かった。

ライオンズ黄金時代の野球はよく覚えているし、試合が福岡に来る時はよく平和台球場に観に行った。ただこの時期は、就職活動に関西移住、社会人最初の数年は公私ともに慌ただしく、あまりこの日本シリーズは覚えていない。対決自体は、おーっこりゃおもしろそうだなと思った記憶はあるけれど。

野村監督の著書は、よく読んだ。プロ野球を独自に理論化した野球界のレジェンドだと思う。いまも若手投手がアウトローのストレートを「原点」というのを聞く。野村さんの言葉だ。

93年のライオンズは、メジャーリーグのエクスパンションで地元に新球団が誕生したためデストラーデがアメリカに帰り、球界の寝業師と言われた根本陸夫がダイエーに移った。主力の高齢化もありリーグ優勝にも苦労した。日本シリーズでは、前年の経験で自信をつけたスワローズの選手たちがその後の覇道を予感させるかのように躍動する。

いま2023年、30年後の日本シリーズ阪神vsオリックス第4戦が行われている。野球をよく知る岡田監督と、監督となってから劇的にオリックスの勝率を上げた、捕手出身の中島監督。舞台は甲子園。高台の自宅からは甲子園の灯りが見えている。ここまでオリックスの2勝1敗、6回裏3-1で阪神リード。1、2戦はそれぞれ8-0というスコアで取り合い、3戦めは5-4でオリックスの逃げ切り勝ち。

私としては、甲子園に来て、伊藤、才木、大竹という先発投手陣を擁する阪神にやや余裕が感じられたが、昨日クロスゲームを勝ったことでオリックス優位では、という気持ちでいる。オリックスは2年続けてヤクルトと激戦を展開し昨年は勝った。先発投手が良くても、早い交代策もあるのが日本シリーズ。短期決戦独特の雰囲気があり、初出場の選手にはプレッシャーがかかるだろうと思う。シリーズで粘ることを身をもって知っているオリックスかなと。

勝負はどうなるか分からない。さて、どうなるかー。

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