2014年12月25日木曜日
2014パパ読書大賞 大賞発表!
いや〜1年は早くって、もうやって来ました。4回目の大賞発表。あくまで個人的なものですが、毎年多少悩みます。前段は短い方がいいので、早速行ってみましょう!
パパ読書大賞、2014年、年間のGRAND PRIXは・・
朝井まかて「恋歌」
でした!
昨年に引き続き、上半期からの受賞。幕末期、陰惨を極めた水戸天狗党の主導権争いと弾圧。題材、また女性の視点から見た幕末史、というのも新鮮だったし、何より文章を超えたパワーを唯一感じた作品だった。素晴らしかったと思う。私はやはり本格派が好きだ。実は「楽園のカンヴァス」と迷ったのだが、僅差で今回こちらになった。
では年間のランキング!
1位 原田マハ「楽園のカンヴァス」
2位 重松清「青い鳥」
3位白石一文「ほかならぬ人へ」
4位宮部みゆき「小暮写真館」
5位朝井リョウ「もういちど生まれる」
6位伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」
7位中田永一「くちびるに歌を」
8位梨木香歩「西の魔女が死んだ」
9位夏川草介「神様のカルテ3」
10位北森鴻・浅野里沙子
「邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルⅣ」
別ステージ賞
和田竜「村上海賊の娘」
百田尚樹「海賊と呼ばれた男」
1位「楽園のカンヴァス」は、題材といい展開といい映画のようで格好がいい。何が良いかというと、明るい希望が見出せるところが、全体の色彩を豊かにしている。
2位「青い鳥」は、泣かせる戦略と感覚が未だに分からない。中身にそんなに共感したわけでは無いが、それまでがベースとなって最後は感動で震えてしまった。不思議な体験だった。
3位「ほかならぬ人へ」は、やわい2つの中編で、本格派には見えないかも知れないが、深いところで感じるものがある。評価されて然るべきものだと思う。
別ステージ賞の2つは、その名の通りで、ものすごい大河ドラマ過ぎる感じだ。両方それなりに面白かったのだが、不満もあったから選外。ただ壮大なエンタメであることは確かである。
さて、今年は短編を読んだり、海外の名作を読んだり、推理小説をまとめて読んだりと、それなりに充実した年だった。貸してくれたり推薦してくれた皆さんには感謝申し上げます。
このクリスマスには、ホームズものを読んでいる。よく似合うんだこれが。4年間のトータルを数えたところ、400作品に達しようとしている。500を数えた暁には、報告させていただきます。
まだまだ物足りない。来年も、読むぞ〜!
2014年12月24日水曜日
2014パパ読書大賞! その2 各賞発表!
【優秀短編集賞】
桜木紫乃「氷平線」
木内昇「茗荷谷の猫」
短編だから、いいものがある。余韻を楽しむのが、短編。
連作短編以外の短編集は苦手だった。何を打ち出したいか、感じさせたいか、どうもよく分からいものが多かったから。しかし今年は、人に聞いて短編集を楽しむ心の体制が整ったところに、良質の短編集を読めたという手応えがある。直木賞作家の女流2人とも、独自のベースを生かした、キレのいい短編集をものしている。
【そんなジャンルがあったか賞】
朱川湊人「花まんま」
直木賞受賞作。これも別の話の短編集。ジャンルは、「ノスタルジック・ホラー」。この作品についてはとにかく読めば分かる。軽めのホラーにノスタルジーが加わると、どんな色が出るのかということを。中盤にある表題作がお気に入り。
【カルチェ・ラタンの意味が分かった賞】
佐藤賢一「王妃の離婚」
これも、直木賞受賞作。中世のパリを舞台に王室の離婚を扱う、人間臭く熱気のあるドラマ。ずっと佐藤賢一は読みたいと思っていた。これも今年体感した新たなジャンルのひとつかな。
【ハードな作りと強いクセ賞】
高村薫「レディ・ジョーカー」
読むのもハードだったが、これは面白い作品のうちに入る。まだ軽い方だというが、作家のクセを大いに感じた作品。
【最優秀外国小説賞】
ウィリアム・サマセット・モーム
「月と六ペンス」
ある意味究極の小説でいつまでも心に残った。「夜間飛行」「君のためなら千回でも」「夏への扉」など他の作品も粒が揃っていた。
【ザ・読み応え賞】
原寮「私が殺した少女」
稲見一良「ダック・コール」
伊東潤「義烈千秋 天狗党西へ」
いずれもどこか感ずるところがあった作品。「ダック・コール」は本当に不思議な短編集だった。
【ベストエンタメ賞】
柳広司「ジョーカー・ゲーム」
「ダブル・ジョーカー」「パラダイス・ロスト」
もはや何も言う必要はない。ファン多きスパイもの。
【期待してるぜ賞】
乾ルカ 三崎亜記
乾ルカの「君の波が聞こえる」は感ずるものがあった。三崎亜記は、脱出する必要があるかな。
【功労賞】
高田郁「みおつくし料理帖シリーズ」
この8月、「天の梯」でついに全10巻完結。大変多くのファンと私の、胸と胃袋を刺激し続けてくれたことに感謝します。ああ、おなか減ってきた。
【ベストスポーツ賞】
金子千尋
「どんな球を投げたら打たれないか」
はらだみずき「スパイクを買いに」
スポーツもの自体あまり読んでないが、文句無し。金子千尋は抜群。はらだみずきの物語は、視点が変わっていて、また気持ちよくさせてくれた。
【泣泣賞】
浅田次郎「鉄道員」
重松清「青い鳥」
「ぽっぽや」は短編なのに、重松清は途中まではクールに読むのに、泣かされた。「青い鳥」はホンマにビックリ。騙されたと思って読む価値あり。
【笑×2賞】
奥田英朗「空中ブランコ」
まあ、笑かしてくれましたね。義父のヅラネタは電車で笑いを堪えるのが大変だった。去年かおととしの西加奈子「通天閣」もこの賞に該当するかな。
【特別賞&表紙賞】
黒柳徹子「窓際のトットちゃん」
そんなちひろの、こどもの絵のような♪
その道の超一級の方がお描きになったから、というのもあろうが、心を捉えて離さない表紙だ。表紙としては、「小暮写真館」もよかったな。
次回はいよいよ大賞発表!
2014年12月23日火曜日
2014パパ読書大賞! その1
今年もやってきました、4年目を迎えた毎年歳末の祭典(笑)、私的年間大賞。
今年は130作品140冊を読み切ることが出来ました。数的には昨年とほぼ同じ。今年は三部構成で、まず、読了全書籍のリストを掲載します。直マークは直木賞受賞作、(数字)は巻数を表します。では早速GOGOゴー!
M・J・トロー
「レストレード警部と3人のホームズ」
ロバート・L・フィッシュ
「シュロック・ホームズの冒険」
ローリー・キング「シャーロックホームズの愛弟子 女たちの闇」
エラリー・クイーン「恐怖の研究」
ピーター・ローランド
「エドウィン・ドルードの失踪」
ダニエル・スタシャワー
「ロンドンの超能力男」
スティーブン・バクスター他
「シャーロック・ホームズの大冒険」(2)
エドワード・B・ハナ
「ホワイトチャペルの恐怖」(2)
キース・オートリー
「ホームズ対フロイト」
テッド・リカーディ
「シャーロック・ホームズ 東洋の冒険」
中山七里「いつまでもショパン」
桜木紫乃「氷平線」
朱川湊人「花まんま」直1
カーレド・ホッセイニ
「君のためなら千回でも」(2)
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5~栞子さんと繋がりの時~」
1月 15作品18冊
京極夏彦「後巷説百物語」直2
木内昇「茗荷谷の猫」
白石一文「ほかならぬ人へ」直3
石田衣良「REVERSE」
三谷幸喜「清須会議」
浦山明俊
「鬼が哭く 陰陽師 石田千尋の事件簿」
佐藤賢一「王妃の離婚」直4
夏川草介「神様のカルテ3」
沼田まほかる「ユリゴコロ」
高田郁
「美雪晴れ みをつくし料理帖 」
2月 10作品10冊/25作品28冊
高村薫「レディ・ジョーカー」(3)
高橋克彦「空中鬼・妄執鬼」
モーリス・ルブラン「七つの秘密」
浅田次郎「鉄道員」直5
ロバート・A・ハインライン
「夏への扉」
奥田英朗「空中ブランコ」直6
小関順二 「2014年版 プロ野球 問題だらけの12球団」
モーリス・ルブラン
「8・1・3の謎」
北森鴻・浅野里沙子
「邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルⅣ」
青山潤「アフリカにょろり旅」
井村君江「アーサー王ロマンス」
3月 11作品13冊/36作品41冊
柳広司「ジョーカー・ゲーム」
山本一力「あかね空」直7
マイケル・ハードウィック
「シャーロック・ホームズ わが人生と犯罪」
天野篤「熱く生きる」
ウィリアム・サマセット・モーム
「月と六ペンス」
朝井リョウ「もういちど生まれる」
松井今朝子「吉原手引草」直8
北村薫「ひとがた流し」
詠坂雄二「電氣人間の虞(おそれ)」
夏目漱石「草枕」
宮内悠介「盤上の夜」
福澤徹三「東京難民」(2)
4月 12作品13冊/48作品54冊
藤田宜永「愛の領分」直9
柚木麻子「あまからカルテット」
有川浩「レインツリーの国」
掛布雅之「若虎よ!」
NHK「ポスト恐竜」プロジェクト編著
「恐竜絶滅 ほ乳類の戦い」
奥田英朗「イン・ザ・プール」
城平京「名探偵に薔薇を」
近藤史恵「タルト・タタンの夢」
アサヒグラフ特別取材班
「ドキュメント 横浜vsPL学園」
宮部みゆき「小暮写真館」(2)
三崎亜記「失われた町」
はらだみずき「スパイクを買いに」
5月 12作品13冊/60作品67冊
ジョン・クラカワー「荒野へ」
夏目漱石「こころ」
近藤史恵「サブァイヴ」
朝井まかて「恋歌」直10
ルイス・キャロル
「不思議の国のアリス」
柳広司「ダブル・ジョーカー」
荻原浩「コールドゲーム」
乙一「箱庭図書館」
村上春樹「女のいない男たち」
乾ルカ「君の波が聞こえる」
石田衣良「シューカツ!」
和田竜「村上海賊の娘」(2)
6月 12作品13冊/72作品80冊
恩田陸「蛇行する川のほとり」
原田マハ「楽園のカンヴァス」
アラン・ムーアヘッド
「恐るべき空白」
朝井リョウ「星やどりの声」
長岡弘樹「傍聞き」
浅田次郎「地下鉄に乗って」
梨木香歩「冬虫夏草」
柳広司
「吾輩はシャーロック・ホームズである」
中田永一「百瀬、こっちを向いて」
7月 9作品9冊/81作品89冊
アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ 堀口大学訳「夜間飛行」
高橋克彦「写楽殺人事件」
原寮「私が殺した少女」直11
稲見一良「ダック・コール」
島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
伊坂幸太郎
「アヒルと鴨のコインロッカー」
椋鳩十「黒物語」
高田郁
「天の梯 みをつくし料理帖 」
綾辻行人「十角館の殺人」
乾くるみ
「イニシエーション・ラブ」
8月 10作品10冊/91作品99冊
白石一文「翼」
京極夏彦「嗤う伊右衛門」
筒井康隆「ロートレック荘事件」
道尾秀介「光媒の花」
柳広司「パラダイス・ロスト」
西川美和「ゆれる」
北原尚彦
「ジョン、全裸連盟へ行く」
舞城王太郎「ビッチ・マグネット」
高橋克彦「緋い記憶」直12
百田尚樹「海賊と呼ばれた男」(2)
重松清「青い鳥」
9月 11作品12冊/102作品111冊
ジョナサン・スウィフト
「ガリヴァ旅行記」
桜庭一樹「赤×ピンク」
三浦しをん「仏果を得ず」
三浦しをん「あやつられ文楽鑑賞」
黒柳徹子「窓際のトットちゃん」
カート・ヴェネガット・ジュニア
「タイタンの妖女」
宮下奈都「誰かが足りない」
西山繭子「バンクーバーの朝日」
太宰治「グッド・バイ」
伊坂幸太郎
「バイバイ、ブラックバード」
10月 10作品10冊/112作品121冊
有栖川有栖「ダリの繭」
伊東潤「義烈千秋 天狗党西へ」
森沢明夫「虹の岬の喫茶店」
万城目学「鴨川ホルモー」
北林一光「ファントム・ピークス」
松岡圭祐「ミッキーマウスの憂鬱」
北村想「怪人二十面相・伝」
北村想「怪人二十面相・伝 PARTⅡ」
11月 8作品8冊/120作品129冊
貴志祐介「悪の教典」(2)
金子千尋
「どんな球を投げたら打たれないか」
恩田陸「クレオパトラの夢」
東野圭吾「マスカレード・ホテル」
東野圭吾「マスカレード・イブ」
森見登美彦「四畳半神話体系」
江本孟紀「実は大したことない大リーグ」
中田永一「くちびるに歌を」
水原秀策「サウスポー・キラー」
梨木香歩「西の魔女が死んだ」
12月 10作品11冊/130作品140冊
今年はシャーロック・ホームズに始まり、8月にミステリー月間、11月は、読んだことない作家月間、というテーマを作った。「読んだことない」は来年早々にもまたやりたいし、外国の定番ミステリー、ハートボイルドも興味あり。次回は第2部、
各賞発表!
2014年12月22日月曜日
12月書評の2
12月書評の1
12月は10作品11冊。ちと野球に寄った月だったかな。まあ面白く過ごせた。では今年最後の月書評。
2014年12月20日土曜日
時は2015年
2014年12月16日火曜日
暦の上ではDecember
タイトルに、意味はあんまりない。それにしても師走は早いなあ。写真は月と木星。
先週は年内最後の東京行があって、御茶ノ水から横浜へ。合間に友人にも会えた。横浜の低価格ホテルは狭くて昼間も暗かったが、ロフト構造でスペースを活用していて、こざっぱりとした印象だった。無料の朝食も思ったより充実してたし。
その 朝ご飯は、パンのみと最初聞いてたので、食堂入り口にあったパンをひょいひょいと大皿に入れ、サラダも他の惣菜も同じ皿に取って奥へ行くと、なんと、どどんと炊飯器が。のりもふりかけも生卵も完備されていた。この誘惑には耐え切れず、パン食べた後に卵かけごはんをいただいた。(笑)
新横浜は駅から道を渡った街にホテルが固まっているので行きやすい、帰りやすいで重畳である。
木曜は晩ごはん入るかもがアテが外れ、同僚とノンアルコールサクめし。映画を良く見ている人で、一時期のヨーロッパ・アジア映画の話で盛り上がった。あのころは、よく観に行っていたものだ。イキっていた。楽しかった。幸せな若い日々だった。
金曜朝バス停に行ってみると、やや年配の女性の先客がぽつんと後ろのベンチに座っている。屋根付きのベンチ、その後ろに広いベンチと座るところは多いのだが、だいたい私が行くタイミングは前のバスが行ったばかりで通常待ち人がいない。私がいつも通りバス停の標識柱のところに立つと、先ほどの先客が隣に来て、時刻表を覗き込み始めた。こうする女性は困っていることが多いので少しして離れなければ声を掛ける。
「何かお困りですか?」 「ahー.JR Nishinomiya?」
アジア人種で、日本人といっても通じそうだが、思い切り英語だったんでびっくりした。 まずはネクストバスはこれだ、と指差す。彼女の顔は明るくなるが、次のバスはJR西宮までは行かない。さくら夙川までだ、と単語で教える。彼女が「ハンキュウシュクガワ、ワカリマス」と日本語で言ったのでそれも活用。
「ネクストバス、ハンキュウシュクガワ、JR サクラシュクガワ、ストップ。ノットゴーJR ニシノミヤ。バット、JRレイルウェイ、サクラシュクガワ、ユーライド、ネクストステイションイズニシノミヤ。」
ようはJR西宮までは行かないけど電車なら行けるよー。と言ったつもり。彼女は意味を理解したようだったが、どうも希望がもひとつ分からない。
JRニシノミヤまで直接行くバスはしばらく来ない、と指差す。すると彼女はこっちの時刻表はなんだ、と言う。イッツ ハラデー。さらに、15あたりを指差して、12より先の数字はなんだ、と訊いてくる。イッツスリーピーエム。これも理解してくれた。なるほど、日本語しか書いてないと平日休日は、外国の人にとっては確かに不思議な数字の並びになる。漢字にヒントを得ないということはこの人の出身は中華圏ではないのかな。また、外国では24時間表示は使わないのだろうか。
もうひとつの標識柱の方へ行き、こちらは、と言う。ハンシンバス。「オー、ハンシンニシノミヤデモOK。」しばらく来ない、と数字を指差すと、OK、サンキューとバス停を離れ、山を登る方へ歩いて行った。 タクシーなら山を降りる方向だよ、と言いかけたが、このような朝にこんな山のバス停にいるのは、近くのどこかに住んでいる、もしくは泊まった可能性が高い、と思い直す。時間があると知って家に帰ったのだろう。JRを使えばいいのに、それにしても目的地を訊けばよかったな、と思いつつ見送る。
この日は人間ドッグ。間を1回抜かして5年ぶり3回め。関西は・・とは言いたくないが、東京に比べて人も多くなく、広く綺麗で丁寧なクリニックだった。昼の部だったので、朝ごはんは食べられたが、9時以降は水もダメ、はひさびさちょっときつかったかな。2時間で終了。いつも思うがやっぱバリウムはなかなかハード。食事券を貰ったけど、ランチタイムは過ぎていて後日。腹減ったので、コンビニでおにぎりと肉まん。美味かった。
土曜はゆっくり寝て、天皇杯決勝を観戦。ガンバは強い。あっという間に宇佐美が先制点をゲット、そしてカウンターから追加点。山形も高い位置からプレッシャーをかけて、奪って攻める形がサマになっていて、粘り強くワンタッチで繋いで攻め込んでいく。ディエゴが中心。こりゃ、そこいらのJ1のチームより強いわー。しかし得点が取れない。後半ようやく山形が1点を返すが、すぐに宇佐美のミドルシュートで3-1。勝負は、決まった。ガンバ3冠!すごいね。
夕方本読んで、夜は息子とトランプ。神経衰弱とスピード、もはやなかなか勝てない。寝かし付けて、恒例のふたご座流星群観測。
風呂でなるべく温まり、ほこほこした身体でダウン着込んで熱いコーヒー持って行って、屋上テラスで40分強粘ったが、2個を捉えたのみ。視界の端では流れてるように感じるんだけど、判然としない。去年は10個は観れたのに。寒いしやめ。
翌日曜日、日本海側大雪だけど、こちらは陽が差して、閉めておきさえすればベランダ側は暖かい。ワンコを膝に乗せ、しばし読書タイム。東野圭吾「マスカレード・ホテル」「マスカレードイブ」読了。 その後甲子園ボウルをテレビ観戦。関学強いな。
夜はふたご座流星群に再チャレンジ。寒かった足に毛布をかけて、20時ごろから粘る。この日21時にピーク。すると今度は明るめのものを6個観測。スーッ、チカッという感じ。まずまず満足。。でもやはり耐えている時間のほうが長いな。
次の目標は真夏のペルセウス座流星群か。セカオワだな。息子が音楽クラブでやっているのでRPGは最近の鼻歌。 年末だし、1回くらい歌いたいのう。
2014年12月8日月曜日
ドメスティック・サッカー・クライマックス
2014年12月1日月曜日
11月書評の2
来月は年間大賞の発表!
お楽しみに!
北林一光「ファントム・ピークス」
そう来たか、というネタだった。迫力はやはりある。
三井周平の妻、杳子は地元安曇野の山中で失踪し、半年後、少し離れた地点で頭蓋骨が発見される。それから程なく、山に来ていた若い女性、祖父の元に来ていた娘と孫が相次いで行方不明となった。
ちょっとぼかして書いているが、私は一昨年の年間ランキングでネタとして関連のある話を最上位にしているし、この物語中にも紹介されている、別の作家の、実在の惨劇を扱ったものも読んでいる。これらの話を現代に持って来たパニック・エンタテインメントだ。
これはブックオフの文庫人気ベスト100を見て買ったものだ。なるほど、迫り来る生々しい危険の迫力を感じるし、また「釣りキチ三平」も思い出すし、アラスカの写真家、故星野道夫氏の自然観に基づく考え方も導入されているようだ。
ここまで言うと何だか分かってしまう方も居るだろう。否定はしないし、ゾクゾクし、夜を徹して一気読みしちゃったし、会話に非常に力点が割かれ、映画の台本のようになっているところにも特徴がある。面白いことは間違いない。
ただまあ、最初の一行が正直な感想だったこともまた間違いない。
松岡圭祐「ミッキーマウスの憂鬱」
これもお初の松岡圭祐。ネタがなかなか興味深い。
ディズニーランドに準社員として入った後藤は、美装部員として仕事を始めるが、着ぐるみの着付けや部屋の掃除など、期待外れの仕事ばかり。さらに、運営会社の正社員と準社員とが、はっきりと色分けされている現実を知る。
この作家さんは、取材が上手なようだ。本の場合、本の内容は実在の事件をモデルにしたものなのか、どういった取材をして、取材先とのようなやりとりがあったのかは、シビアなものになるにつれ、何も書いていないのが通例だ。
普通に読んで、決してプラスばかりではないことやバックステージの描写もあるが、内容からして、ちゃんと取材してデフォルメしているのだと思う。恐らくは史上初のTDL小説としてひとつの価値を放っている。
物語の芯は明確で、だからこそポンポンと物事が進んでいくが、やはり展開が映画的で善悪と、キャラクターの性格付けがはっきりし過ぎている部分は合わなかった。
でもタイトルも含め、ひとかどのトピック小説であることは確かだろう。
北村想「怪人二十面相・伝」
いやあ〜好きだから、買っちゃうんだよね。ブックオフにPARTⅡまであったんで、まとめて買っちゃった。数年前に二十面相の映画があったが、その原作になった作品らしい。
昭和8年、妻を刺した父親に心中を迫られた8才の平吉はなんとか逃げ出し、市井のサーカス団に入る。平吉はそこで天才的な腕を持つ、丈吉に芸を教わる。やがて丈吉はサーカス団を足抜けし、行方知れずとなる。
江戸川乱歩さえ言及しなかった、怪人二十面相の正体についてアプローチした本である。戦前戦後の混乱の中、二十面相も明智小五郎も人間くさい描かれ方をしているので、新鮮ではある。
私は今でこそシャーロッキンだが、小学生の頃は二十面相とルパンの大ファンで、図書館にあるシリーズは全部読んでしまった。
その当時の、神出鬼没、というイメージとは、描かれている天才性、というところでは結びつくが、庶民性、という部分では、見てはならないところを見てしまった気分である。このアプローチに触れたのが、子供の頃でなく今で良かった、などと思ってしまう。
明智小五郎の生い立ちなり探偵を志した動機などは無いが、子供の頃は正義の味方だっただけに、こんなに自信家だったかしらと感じたりする。小林少年の性格まで記憶は無いが、今回のキャラクター設定は、なかなか気に入っている。
んー巡り合ったなあ、という感想で、嬉し楽しく読めた。
北村想「怪人二十面相・伝 PARTⅡ」
続編も一気読み。「青銅の魔人」の舞台裏もあったりする。
特攻を志願したが果たせず、平吉は戦後、サーカス団での義兄弟、吉三に再会、やがて吉三が世話になっている中国人、張大元の後ろ盾を得る。ある日、平吉のもとを、病のため余命幾ばくもない明智小五郎が訪ねて来て、先代二十面相に関する資料を渡し、自分の後を継ぐ小林は冷酷な面があるから気をつけろ、と警告する。2代目同士の勝負は。また師の丈吉や、行方不明の母サヨと、平吉は巡り会えるのか。
天才で指向性の強い先代と違い、どちらの2代目も欠点を持つ人間として描かれている気がする。先代に対しクールな割り切りを見せる2代目明智小五郎と、丈吉とサヨに会いたい平吉が奇妙な対比を見せる。
まさに舞台裏、という感じなのだが、やはり人間臭さに焦点を置いているのだろう。最後はメデタシ。シャーロッキンものは多いが、二十面相の本格パスティーシュは初めて読み、それなりに楽しめた。
犯罪者も、探偵も、天性が強い。ホームズは誰にもない天性がありながら、さらに実務的な研鑽を積んでいる。次はそれに向かわざるを得ない、強い動機でも読んでみたいかな。
11月書評の1
アヤツジストの私。しかし有栖川有栖は初めて。
1993年の作品である。携帯電話が出てこない、
全国展開をしている宝石チェーンの名物社長は画家のダリを信奉し
大阪、灘を舞台に繰り広げられるミステリー。
まず、ダリについての興味で購入したのだが、
キャストも、探偵役を含めあまり惹かれるものではないかな。
伊東潤「義烈千秋 天狗党西へ」
お初の伊東潤。これは、先の直木賞受賞作、朝井なつみ、
時は幕末、攘夷思想の先駆けとなった水戸藩は、
今回は水戸天狗党の道行き、
外国から安い綿糸や綿織物が流入、
天狗党ものは、島崎藤村の「夜明け前」
幕末好きのはずが、水戸を発して、栃木、山梨、果ては信州、
一冊ものとしては長めで時間もかかったが、
森沢明夫「虹の岬の喫茶店」
サクサクと読めることがポイントか。
タイトルから想像する内容の、期待を裏切らない、
妻に先立たれ小さな娘と2人残された男。
どんなもんだろうな・・と思って読み始めたのだが、
冒頭にも書いたが、このサクサク感がポイントなのだろう。
iPhoneから送信