お盆に近畿を直撃した台風7号。なんというか一日中暴風域の中にいた。台風の勢力は975hpから985hpとなり、夕方には暴風域もなくなったものの、ときおり小康状態を挟み、吹き降りは強めでずっと続く。動きが極端に遅いノロノロ台風。やがて暴風域の南側になった時、風が南からに変わってそこから吹き返し、パワーが再度アップしたような感じだった。いまは日本海に抜けているがそれでも外側の雲の影響か、時々屋根を叩くように強く降ったり、強めの風が吹いたりする。ああ台風だな、やっぱり、と思う。
今回よく引き合いに出されたのが2018年、非常に強い勢力で近畿を襲った台風。今回のように勢力が落ちていってもこれほどなのだから、非常に強いってどんだけ?である。家が揺れて怖かったっけ。
ひさびさの直撃ということで、だいぶ対策した。停電した時のための懐中電灯チェック、屋上のウッドチェアは結びつけ、飛びそうなものは屋内に入れて、買い物でもそのまま食べられるパンなど多めに購入しておいた。いつでも逃げられるよう着替えとマスト持ち物を固めておいたり、風呂を溜めておいたり。
きのうまでは怖いコワイと思っていたが、さほどの勢力でなかったというのもあり、起きたらすぐ暴風域だったこともあり、対策を十分にしたことと相まって、なんか腹が座った。
とはいえ、もういいな。次はこっち来んといてー😎
◼️ 前野 ウルド 浩太郎
「バッタを倒しにアフリカへ」
バッタ研究者ポスドク、大発生の群れに囲まれ、モーリタニアでの大奮闘。いやー噂にたがわぬおもしろい本でした。
出版された頃に人気となり、興味を持ちつつ未読、こないだ図書館で科学系の書棚を見ていて発見、借りて来た。レビュー数も多い。楽しみに読み出した。
ファーブルに憧れ、望み通り昆虫の研究で博士号を取得した著者はしかしいわゆるポスドクという境遇に苦しむ。私の理解で言えば、安定した収入を得つつ研究を続けられる立場にない、という博士のことですね。
バッタの研究をしている著者は起死回生の成果を狙い、西アフリカにわたりサハラ砂漠を抱くモーリタニアの深刻なバッタ被害に立ち向かう。
天文学者になったとて、期限付きの契約職員にしかなれない、という話を聞いたことはあったが、ポスドクの苦しい現状に厳しさを実感させられる。
驚いたのは、著者も屋外での研究が初めてだったということ。ほかにも生物の学者が書いた本は読んだし、生き物を扱う学者さんなんて大学の時からフィールドワークばかりしていると思っていた。次のびっくりは、バッタ、この場合はサバクトビバッタの発生の情報、駆除のシステムはあるが、バッタそのものの研究は解剖等の所見から生物としてのものしかなく、深刻な農作物被害に対応した生態の研究はかいむに等しい、ということ。
英語しか話せない著者はフランス語しか通じないモーリタニアで、まさにイチからの貴重なチャレンジをその段階から始める。
モーリタニアに渡るところから、現地の風土、人の慣習、寄宿する研究所、フィールドワークのための準備とスタッフの特徴、もちろん苦労と工夫・・等々で本は進んでゆく。
バッタには遭遇するけれども、大発生はまれで、なかなか機会が訪れない。それにしてもサバクトビバッタというのは群れると黄色と黒のまだらの群生相になる。いかにも攻撃的。これが大発生になるとどうなるのか。
現地調査の地固めをして大発生を待つ期間が長い。フランスでファーブルの生家を訪れたり、はたまた本を出した縁でさまざまな講演企画に呼ばれたり、連載を始めたり、競争率の高い研究員の面接に挑んだり・・。
そしてついに、大出現が・・!
なかなかコミカルな流れを作りつつ、少しずつ事態が改善していき、期待感が高まる。バッタのチョー大群はテレビで観たことがあり想像はできるが、現場の体験談にはかなわない。人間模様とともに調査研究のリアルや発信の大事さ、手触りが楽しめる一冊。
やっぱり科学系、生物系の本はやめられない。
0 件のコメント:
コメントを投稿