闇に潜む。
夜12:30、屋上でレジャー用布シートの椅子に身を沈め、足はウッドチェアに乗せて身体を低く、上を見上げるように保つ。日付が変わる頃には街の光量もざわめきも一気に小さくなる感じがするもの。お盆休みだからかいつもよりもしんとしているような。
ペルセウス座流星群は、1年の中でも規模の大きな流星群で、今年は月明かりもない。涼風、イヤホンから届くBGMは「カルミナ・ブラーナ」by小澤征爾&ベルリンフィル。
ちょうど1時間くらいの楽曲の間、雲一つない夜空を見つめる。東のペルセウス座、放射点の上あたり、カシオペア座を中心に北東南東方向を広く眺める。カシオペア上付近にキラッという感じで1つ。そしてやや右下、南東方向に1つ少し遅いものが流れた。キター🌠。
よく書いてるけども、流星観測は15分とか20分に1つ、三大流星群でも1時間流れないこともある。しばらく流れず、粘っているとカシオペアのW字が縦になった山の部分の横に明るいのが流れる。
「おお来た」声が出る。そしてまた15分後くらいにほぼ同じところにもっと大きな光が流れた。
「ああ出たデカい!」
5つでキリよく、とがんばったものの曲終わり。翌日も観たいのでこの日はもう終わり。良い観測でした。
息の長い百日紅のピンクは夏にまばゆい。猫プリンいいねこういうアイディア。
京都の中華サカイのお取り寄せ冷麺と芦屋竹園のコロッケという黄金の組み合わせ!
本友さんに教えてもらった人気の現代短歌集を読み込む。ブックカバーはチェコの絵本作家、ピーター・シス展のチラシ。小ぶりな単行本で小粋だこと。
さあ今夜の天気はどうかな。台風ホントに関西直撃なのかいな。まだ信じていない😆
◼️ 木下龍也「オールアラウンドユー」
人気の現代短歌集を続けて。日常の切り取り方がおもしろい。
昨秋情熱大陸で取り上げられた著者の短歌集。若き流行歌人、さてどんなものか。それにしても短歌集の単行本は小さくて小粋だな、と思う。短歌というのはSNSにもマッチするそうだ。
▶︎波ひとつひとつがぼくのつま先で
はるかな旅を終えて崩れる
▷雨、ぼくはぼくよりも不憫なひとが
好きで窓から街を見ている
自然の悠久さと遥かなはるかな繰り返しにハッとさせてくれる歌もある。雨、はどこか石川啄木を思い起こさせる、かな。人間の正直と、雨に降られる、というのは私的に一種の美しさをイメージさせる。
▶︎尾からほどかれる飛行機雲を手で
無垢な空から守りたくなる
▷たんぽぽに生まれ変わって繁栄の
すべてを風に任せてみたい
青い空と、まっすぐに遠い飛行機雲を元に辿れば徐々に緩んでいる白い跡、なんかわかるなと。たんぽぽは広く見たことのない世界への憧憬。
▶︎またわたしだけが残った、そう言って
花瓶は夜の空気を抱いた
▷目薬を瞼で嚙んでいるきみの
喉の仏の不在にふれる
著者は部屋の一輪挿しに花を絶やさないようにしているとか。なかなか気づかない出逢いと変化、永遠の別れ。
目薬、これも恋人との時間のふとした切り取り。こういうの好きですね。
▶︎塾考の末に五百の腕組みを
ほどきはじめる千手観音
これ、笑っちゃいました、なるほど、と。1000体以上の仏像があるという京都の三十三間堂で思い出してみたい。
それぞれ同年代の男女の人気歌集を、読み比べる形になった。個性に明確な違いがあるな、と思いつつ、どちらも良いですね。現代短歌は特に日常のあるシーンを鋭く表現することで、その裏に潜むものを浮き立たせる。気づきの短歌という感じ。読むと気持ちが彩り豊かになる。
もっと色彩と、それから、やはり日本の古典、漢籍を感じさせる歌もあってもいいかな、とも思うけどもお目にかからなかった。枕詞とか古語とかないかなっ、というのも正直な感想です。
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