2023年8月11日金曜日

8月書評の6

◼️ Authur  Conan  Doyle

"The Adventure of the Six Napoleons "

「六つのナポレオン」


ホームズ短編原文読み37作め。第3短編集"The Returns of Sherlock Holmes"「シャーロック・ホームズの帰還」より後期代表作の1つです。


事件の独創性、ホームズの推理と捜査、待ち伏せ、謎の真相、ラストの劇的要素とホームズらしさが詰まった作品と言えるでしょう。ではさっそく始まりです。


おなじみロンドン警視庁、スコットランドヤードのレストレイド警部がベイカー街221bの!ホームズとワトスンの部屋を訪れていました。事件があったから来ているのではなく、時折りの情報交換で、警部が今ヤードで手掛けている事件を話し、ホームズは注意深く聞いて、経験からのアドバイスをする、という相互関係。話の内容は殺伐としたものなんでしょうけど、読者としてはなごむ情景ですね。


"Anything remarkable on hand?"

「なにか珍しい事件があるのかい?」


レストレイドの態度から察知したホームズはかまをかけます。すると、出てきました。


押し込み強盗をしてNapoleon the First 、ナポレオン1世の胸像を壊して回るという事件があるらしいのです。ホームズは興味を示し、詳しく教えてくれと促します。


4日前、絵画や彫刻を販売しているモース・ハドソンの店で店員が目を離したすきにほんの数シリングで売っていたナポレオンの胸像が床の上で砕かれた。男が1人、店から駆け出してくるのを通行人が見ていた。これだけならたちの悪いいたずらと見られてもおかしくなかった。しかし昨夜、2件めが発生した。


モース・ハドソンの店からほど近いところに開業医しているバーニコット医師はenthusiastic熱烈なナポレオン信者で、モース・ハドソンの店で第一の犯行で壊されたのと同じナポレオンの胸像を2つ購入していました。そして、自宅のホールに1つ、2マイル離れた診療所分室のマントルピースにもう1つを置いていました。


今朝階下に降りてきた医師は、何者かが侵入してナポレオン像を盗み、庭の壁に叩きつけられて割られているのを発見しました。


Holmes rubbed his hands.

"This is certainly very novel," 


ホームズは


「なるほどこれは斬新だ」


と嬉しそうに手をこすり合わせます。


"I thought it would please you."


「お喜びになると思ってましたよ」


とレストレイド。


お昼に診療の予約があったバーニコット氏は診療所分室へと足を運びました。


"you can imagine his amazement when, on arriving there, he found that the window had been opened in the night, and that the broken pieces of his second bust were strewn all over the room. "


「診療所に着き、そちらに置いてあった2つめの胸像までが粉々に壊され、破片が部屋中に散らばっていたのを見た時、医師がどんなに驚いたか想像できるでしょう。夜のうちに窓から侵入した何者かの犯行でした」


犯人について脅迫症患者の話を持ち出すワトスンをホームズは諌めます。この犯人には筋が通っているところがある、同じ胸像のありかを探し出していること、また医師の自宅では家族を起こす可能性を考えて、外に持ち出して砕いていること。つまらない事件ということはない、と。そしてレストレイドには進展を知らせてくれるよう伝えます。第3の事件はすぐに起きました。


"Come instantly, 131 Pitt Street, Kensington.

"LESTRADE."


スグコラレタシ、と翌朝早く電報。急行するとやじうまが列をなしており、警部が厳しい顔で迎えました。"To murder"「殺人です」


そしてもたもや、ナポレオン像が襲撃されてあました。


現場となった家の家主はホレス・ハーカーという年配の通信社の記者でした。記者なのに、事件の当事者となると記事にできない、と嘆くハーカー氏によれば、自室で仕事をしていた今朝未明、聞いたこともないような恐ろしい叫び声を耳にした。poker火かき棒を手に階下に降りてみると、窓が大きく開いていて、ナポレオンの胸像がなくなっているのに気づいた。像は4か月ほど前、ハーディング・ブラザーズの店から買ったものだった。


玄関から外に出ると、戸口に喉を大きく切り裂かれた男の死体を発見した。あたり一面血の海で、警笛を吹いた後、失神したー。


レストレイドは、現場には柄が角でできたナイフがあった。被害者のものか、殺人者の凶器かは分からない、男は日に焼け頑健な体躯で30歳前くらい、身元不明、所持品はほとんど何もなく、ただポケットには抜け目のない、鋭い表情の、猿のような男が写った写真があったと説明しました。


記事を書くというハーカー氏を残し、一行は数百ヤード離れた、ナポレオン像が砕かれた空き家の敷地へ。ホームズは破片をよく調べます。


"We have a long way to go yet,"

「まだまだ先は長いな」


と言いつつ、空き家はここまでにもあったのに、見つかる危険を犯し、わざわざこの場所で像を壊したのは街灯があったからだと指摘します。なるほど、バーニコット医師の像も外の赤色灯のそばで壊されていた、とレストレイド。


警部はこれから殺された男の身元を洗うとのこと。ホームズはそれぞれ別動で、後で情報交換しよう、と持ちかけます。


"If you are going back to Pitt Street, you might see Mr. Horace Harker. Tell him for me that I have quite made up my mind, and that it is certain that a dangerous homicidal lunatic, with Napoleonic delusions, was in his house last night. It will be useful for his article."


「もしピット街へ戻り、ホレス・ハーカー氏に会ったら、僕の代わりに言っといてくれないか。僕が、昨夜彼の家に来たのはナポレオンに異常な妄想を抱いたアブない殺人者なのは確かだと思ってるって。彼の記事の役に立つだろう」


さすがにレストレイドも怪訝に思ったのか


"You don't seriously believe that?"


「まさかホントにそう思ってないっすよね?」


たぶんそうかもねー、と軽くいなすホームズ。この写真は借りてくよ、6時に都合つけて来てくれ、僕の推理が正しければ、今夜は探検にお付き合い願うかもしれないよ。


"Until then good-bye and good luck!"


「それまでじゃあね、幸運を祈るよ!」


上機嫌ですよねー。さて捜査です。先を急ぎます。


まずはハーカー氏にナポレオン像を売ったハーディング・ブラザーズの店に行ってみましたがあいにくハーディング氏は外出中。先にモース・ハドソンの店に行くことにしました。店先の1つを壊され、同じものをバーニコット医師に2つ販売した店ですね。責任者は背の低い太った男で、何のために税金払ってるのか、と警察にプリプリ、無政府主義者のしわざですよ、と吐き捨てます。このナポレオン像はゲルダー社から壊された3つだけ仕入れたとのこと。


そして写真の男を知っている、と。名前をベッポといって、出来高払いで雇ったイタリア人っぽい男で、彫刻のほか金箔や額縁作りもできて役に立った、先週出て行った、どこから来たのかもどこへ行ったのかも分からない、出て行ったのは胸像が壊される2日前だという話でした。


次はゲルダー社です。ナポレオン像を造って、卸したとこですね。作業場には石がたくさん。従業員が彫刻をしたり塑像を造ったりしていました。くだんのナポレオン像はフランスの彫刻師ドゥヴィーヌ作で、ナポレオン像が同じ鋳型から造られていました。1年前にモース・ハドソン商会に送られたのは、一度に6体作られたうちの3体でした。残りの3つがハーディング・ブラザーズに卸されたというわけでした。


当主は金髪のドイツ人で明快に話す人物でした。鋳型は顔の両側で2つに分けて取られ、繋ぎ合わせる。その作業はイタリア人がやっていた。胸像は乾燥のため廊下のテーブルに置かれて、その後倉庫にしまわれる。


"Ah, the rascal!"


「あの悪党めが!」


ベッポの写真を見せたとたん、his blue Teutonic eyesドイツ人の青い目の上にある眉がしかめられました。


この工房でベッポを雇っていた。腕の立つ最高の職人だった。しかし、1年以上前、通りで別のイタリア人を刺し、ここへ逃げ込んで逮捕された。相手が死なず、1年の懲役刑で済んだはずだ。もう出て来てるだろう。しかしさすがにここには来ていない。彼の従兄弟が働いているから、ひょっとして何か知ってるかもしれません。


その従兄弟には絶対自分たちの捜査のことを言わないでください、と釘を刺すホームズ。そして、ナポレオン像が卸されたのは63日、ベッポが逮捕されたのは520日より後くらいというのが分かりました。


残るは空振りだったハーディング・ブラザーズ。ホームズたちは急いでランチをとったレストランで、ハーカー氏の記事を目にします。部分抜粋。


Mr. Lestrade, one of the most experienced members of the official force, and Mr. Sherlock Holmes, the well-known consulting expert, have each come to the conclusion that the grotesque series of incidents, which have ended in so tragic a fashion, arise from lunacy rather than from deliberate crime.


「経験あるベテラン警部レストレイド氏と高名な諮問探偵、シャーロック・ホームズ氏は、悲劇的な結末を生んだ一連の犯罪に関して、計画的犯罪というよりは心神喪失がもたらしたものと結論づけている」


新聞ってのは使い方を知っていれば便利だね、とホームズはくっくっと笑います。


ハーディング・ブラザーズの社長は小柄でキビキビしていました。夕刊を読んで事件のあらましを理解していましたので話が早い。


数ヶ月前ヘルダー社から仕入れた胸像は全部売れた、1つはハーカー氏、チズウィックのジョサイア・ブラウン氏、レディングのサンドフォード氏。工員と掃除夫にはイタリア人がいる、彼らが売上台帳を見ようと思えば見られる、写真の男に見覚えはない。捜査はフィニッシュです。


ベイカー街の部屋にはすでにレストレイドが来ていて、pacing up and downいらいらと歩き回っていました。


小売店、卸業者と胸像のルートを追ってたよ、との言葉にレストレイドはびっくり。


"The busts"「胸像ですって?」


確かに、一連の事件ではすべてナポレオン像が壊されているとは言え、客観的に見て、殺人事件の捜査では優先順位は低いかもしれない。読んでるこちらもちょっとハッとして、次の警察の本筋ともいえる捜査の結果の重要性にまた気づきます。


"I think I have done a better day's work than you."


「あなたよりはいい仕事をしましたよ」、とレストレイド。まあこの辺は後を盛り上げるための挑発ということで。


殺された男はピエトロ・ベヌッチ。イタリア人でマフィアとも関係があり、ロンドンでも悪名高い殺人者だった。多分別のイタリア人の男がなんらかの規律を破り、ピエトロが制裁を加えようとしたが返り討ちにされた。これから写真の男を探し逮捕するためイタリア人街に行く。


同行しますか?と訊かれたホームズは、逆にその男を見つけに行くからきょう深夜に同行しないか、と持ち掛けます。行き先はチズウィック。レストレイドは提案に乗り、ホームズは手早く速達の手紙を出し、新聞をひっくり返して読みあさり夜を過ごします。


しゃれた住宅街の、塀の影に3人は潜みました。ホームズは長い間待つことになるかもしれない、とこぼします。


"However,it's a two to one chance that we get something to pay us for our trouble."


「しかし21の確率で、労が報いられるチャンスがある」


しかしホームズの予想に反して、ほどなく事は動きました。見張っている家の庭の門が音もなく開き、黒くしなやかな黒い人影が家の方へさっと走り抜けやがて窓がそっと開けられました。男は部屋に入り物色しているようで、鎧戸のすきまからダークランタンの光が見えます。


男は脇の下になにかを抱えて道に出て来ました。そしてガシャっと音が。男が作業に没頭しているすきに後ろから忍び寄るホームズたち。


With the bound of a tiger Holmes was on his back, and an instant later Lestrade and I had him by either wrist, and the handcuffs had been fastened.


ホームズが虎のように男の背後から飛びつき、レストレイドとワトスンは男の両手首を押さえ、レストレイドが手錠をかけた。


写真の顔がそこにありました。


しかしホームズの関心は犯人にはなく、戸口に行き、壊されたナポレオン像の破片をくまなく調べていました。


家主のジョサイア・ブラウンが出て来て、ホームズさんの手紙の通りにしました、内側から全て鍵をかけて推移を見守っていました、悪党を逮捕することができて嬉しい、と。


さて一行は犯人、ベッポを警察へ連行しました。


"I'm sure I am exceedingly obliged to you, Mr. Holmes, for the workmanlike way in which you laid hands upon him. I don't quite understand it all yet."


「犯人をうまく逮捕した職人技には本当に感謝に絶えません。ただ、すべてを理解しているわけではないのですが」


翌日の夜、レストレイドはベイカー街を訪れました。犯罪の全体像を見せる、とホームズが告げたからでした。


レストレイドによれば、ベッポはイタリア人社会では札付きの男で、かつては彫刻職人としてまじめに生計を立てていたものの、窃盗と、1年前の傷害事件で2回収監されていた、英語は完璧、しかし何も話そうとはしない。


警察では壊されたナポレオン像がヘルダー社に雇われていたベッポ自身の手で製作された可能性が高い。


その時、赤ら顔の老人が訪ねて来ました。旅行カバンを持って、列車が遅れて、と言い訳を口にしつつ。


ホームズはハーディング・ブラザーズで調べたら胸像を買った者のうち、ロンドンから西に離れたレディングに住むこのサンドフォード老人に、ナポレオン像をぜひ10ポンドで引き取りたい、と手紙を出していたのでした。正直な老人は、買値はたった15シリングだったと打ち明けます。しかしホームズはもちろん出した条件で買い取ります。これが、6つのナポレオン像のうち、最後の1つでした。


ホームズはテーブルに白い布をかけ、ナポレオン像を据えました。そしてー


狩猟用の鞭で頭頂部に一撃!ナポレオン像は粉々となり、ホームズはすぐさま破片を調べます。次の瞬間、勝利の叫びをあげ、掲げた破片には、プディングの中のプラムのような、黒く丸い物体がありました。


"Gentlemen," he cried, "let me introduce you to the famous black pearl of the Borgias."


「紳士諸君、有名なボルジア家の黒真珠をご紹介しよう」


ワトスンとレストレイドは一瞬呆然とし、次に2人とも、自然に拍手をしていました。頬に赤みが刺したホームズはうやうやしく一礼。まるで芝居の一幕のようでした。


さて全体像です。ボルジア家の黒真珠は現存する中で最も有名な真珠で、かつてダクレ・ホテルに投宿していたコロンナ王子の寝室からこの真珠が消え、大変な騒ぎとなった。警察も、そして相談を受けたホームズさえも解決はできなかった。


王女付きのイタリア人メイドに疑惑が向けられた。メイドの名前はルクレチア・ベルッチ。いまとなっては殺されたピエトロ・ベルッチに疑いはないが。捜査当局は当時この兄妹の関係を辿れなかった。真珠がなくなったのは、ベッポが刺傷事件で逮捕される2日前だった。


ベッポがピエトロから真珠を奪ったのか、共犯者だったのか、兄妹の仲介役だったのかは分からない。しかし黒真珠を手にしたベッポは同国人を刺し、当時勤めていたゲルダー社の工場へ逃げ込んだ。そこには自分が造り、廊下で乾燥させていた6つのナポレオン像があった。警察の追手が迫る中、熟練した職人のベッポは、まだ濡れていた像に小さな穴を開け、黒真珠を入れて穴を塞いだ。


ベッポが1年刑務所に入っている間にナポレオン像は各地に売られていった。でもベッポは黒真珠を諦めなかった。ゲルダー社にいる従兄弟を通じてどこに卸されたかを調べた。モース・ハドソン社になんとかして雇われて、3つの販売先を調べて壊して回った。真珠はなかった。


そしてハーディング・ブラザーズに勤めるイタリア人の協力で、残り3つの行方を知った。ハーカー氏の胸像を奪う際、かつての共犯者に見つかり、格闘となって相手を殺した。


この時、ハーカー氏の胸像に黒真珠が入っていなかったと、ホームズには言い切れませんでした。ベッポがすでに見つけて持ち去った可能性もありました。だから、ジョサイア・ブラウン氏宅の張り込みに出かける時、21の確率だとか、長く待つかも(その結果空振りするかも)とか行ってたんですね。


残る2体。レディングは遠く、まずはロンドン市内のチズウィック、ジョサイア・ブラウン氏の家に来るはずと踏み、罠が成功したというわけでした。殺された男の名前と過去の新聞から、ナポレオン像に隠されているのは黒真珠だと、ホームズは確信を抱いていたのでした。


"I've seen you handle a good many cases, Mr. Holmes, but I don't know that I ever knew a more workmanlike one than that. We're not jealous of you at Scotland Yard. No, sir, we are very proud of you, and if you come down to-morrow, there's not a man, from the oldest inspector to the youngest constable, who wouldn't be glad to shake you by the hand."


「私はあなたがたくさんの事件を解決するのを見て来ましたが、これほどまでに手並みのすばらしいものはなかった。われわれスコットランドヤードにあなたをやっかむ気持ちは毫もありません。あなたを誇りに思います。あすおいでになれば、古参の警部から新米の巡査まで、あなたに喜んで握手を求めるでしょう」


"Thank you"

 "Thank you"


「ありがとう!ほんとうにありがとう!!」


ワトスンには、ホームズが人間らしい感動に心を動かされそうになっていると見てとりました。しかし一瞬の後、ホームズはもとのクールな実務家の顔に戻ってしまいました。


"Good-bye, Lestrade. If any little problem comes your way, I shall be happy, if I can, to give you a hint or two as to its solution."


「じゃあごきげんよう、レストレイド。もしまた何か事件があったら、解決のために喜んで1つや2つはヒントをあげるよ」


いかがでしたでしょうか。


私は本作を読む前、たまたまケーブルテレビでグラナダTV版、ジェレミー・ブレットの「六つのナポレオン」を観ました。レストレイド役はちょっとミスタービーンに似てるところのある俳優さんで、皮肉が上手そうなタイプ、正直ホームズとともにバスカヴィルの魔犬に立ち向かう風貌には見えませんでしたが、最後の賞賛のセリフのところはいい味を出していました。


「ボヘミアの醜聞」に始まり大人気を博したホームズの短編は24作め「最後の事件」でホームズがモリアーティとともにスイスはライヘンバッハの滝に落ちて死亡した、という結末でいったん終わりを告げます。歴史小説の執筆を望んでいたドイルは早くホームズものを終わらせたがっていたようです。それから10年後、「空き家の冒険」でホームズは見事な復活を果たします。ここから先が第3短編集「シャーロック・ホームズの生還」に収録されるわけなのですが、明らかに劇的要素が増加した話が多くなっています。


シャーロッキアンの中には、後期のホームズが前期に比べ思慮の浅い人物になった、という人もいるもよう。しかし私的には、ホームズを離れて長い年月を過ごしたドイルが柔軟性と熟練さを身につけ、ホームズを愛しながら張り切って書いた作品たちのように思えます。


原文を読むと、日本語で読むのと違い、言葉11つまで気にするので、物語がまた別の様相帯びているようにも見えますし、何よりストーリーの理解が進みます。「六つのナポレオン」は各所にイタリア人を潜ませたり、遠いレディングから来た老人に列車が遅れて・・などというセリフがあったり、ホームズとレストレイドの間にほどよい関係が醸成されていたりと、細かいところまで気が利いていると改めて感心します。


できすぎた話という評もあるかも。ただドイルの実力が昇華した作品、1つの頂点、とも言えるのではないかと思います。もうしばらく、原文読み、やめられなさそうです。




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