猫プリン〜
◼️白川紺子「後宮の烏 7」
完結。旅の終わり。まだ7巻だったか、という心持ち。
後輩に薦められて読んだシリーズもついに終。中華風の宮廷物語。最初は妃ではあるが皇帝と寝を共にしない、というのがどこかクローズアップされていた気もする。ただの妃ではなく、主人公寿雪は身体の中に烏の神を宿した存在で、皇帝が夏の王、烏は冬の王ともいえる存在だった。
烏妃は人と触れ合ってはならない、という不文律があったが、聡明で改革派の高峻は寿雪に目をかけ、烏妃の呪縛から解き放ってやろうと考える。やがて孤独をかこっていた寿雪にも従者が増え、他の妃との交流もあり、烏妃の存在を危険とみなす勢力もある中、周囲はだんだんと和やかになっていった。
この物語の魅力は、特殊な能力を持つ寿雪が、宮中独特の闇にうごめく霊や奇怪な騒動を解決していくこと、その孤立性と魔性がひとつ、そしてシリーズものならではの、主人公を囲むキャラクターが活き活きとし、良いチームを作り上げるその雰囲気にあったと思う。
さて、烏の神はかつて鼈の神に敗れ、半身を沈められた。寿雪の身体を烏から解放するにはその半身を探さなければならない。結界を破り、ついに寿雪は宮城の外に出て、半身があるという海の近く、界島に向かったー。
正直を言うと、結界を破る時まではかなりの迫力があった。ただ最後の戦いからエピローグまで、そこそこ激しい描写はあったものの、寿雪一行以外の物語が多すぎたかと思う。うーむ。
半身って何よ?海に沈んでるってどうやって探すの?と話の成り行きはかなりワクワクしていたのだが、まあこんなもんか、というところかな。
ともあれ、楽しませてもらいました。手持ちのシリーズが次々と終わっていくので、何か開発しないとね。
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