2021年12月30日木曜日

2021年間ランキング!!


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2021年間ランキング!


今年の年始は、図書館から全集を借りてきて、川端康成「伊豆の踊り子」の研究をしていました。文豪的にスタートした年。143作品を読了しました。


ランキング決めなきゃとチョイスを始めたら、けっこう楽しめた本の数が多い。こりゃ困った。20位までしぼりこめるか果たして笑。


さて、実は気がついたら去年が第10回記念大会だったという笑。というわけで第11回のグランプリはー


マリオン・ヴァン・ランテルゲム

  「アンゲラ・メルケル」


でした!


これまですべてのグランプリは物語、小説でした。今年は初めてノンフィクションからの受賞。楽しめる小説はあったものの飛び抜けたものは見当たらず、圧倒的にこの本が面白かった。別に決め事もない賞だしハイブリッドでね笑



誰もが一目置くヨーロッパのムッティ(おふくろさん)メルケル。クリスマス時期に外出制限を強める際の演説の熱さ、親しみやすさが世界中の注目を集めた、旧東ドイツの物理学博士。イギリスのブレグジットやギリシャの危機など安定しないEUの運営にフランスとのタッグで立ち向かい、ロシアのプーチンを説得し、苦手オバマに涙ぐむ。切れて手際が良く、マキャベリ的手段も使う。が、決断が遅く、服装・化粧が野暮ったくマスコミ嫌いな一面も持つ。


ゾクゾクした。やはり国際政治も上辺の言葉だけでの交渉ではないということ。人の魅力・パワーというものを味わえた本だった。メルケルがついに引退した年に読んどいて良かったという感じでした。


さて、恒例のランキングです。グランプリとは別に1位から。


1位 津村節子「智恵子飛ぶ」

2位 今村昌弘「屍人荘の殺人」

3位 高樹のぶ子「業平」

4位 青柳いづみこ「ショパン・コンクール」

5位 アーサー・コナン・ドイル

   「失われた世界」


今年の選考基準は、面白かったか、没頭できたか、心が動いたか。「智恵子飛ぶ」はなぜ智恵子がおかしくなっていったか、なぜ東京には空がないと言ふのか、どんなふうにがりりと檸檬を噛んだのか、が描写されていて、哀しくてたまらなかった。


「屍人荘の殺人」はなんにも予備知識を持たずに読んだら、"そうきたか!"と。掛け値なしに面白かった。


古典の中で特別な位置にある「伊勢物語」。これを現代文で再構成したら、という試みが「業平」図書館貸出予約して半年以上待った。それだけニーズが大きかったというところ。中高生のみなさん「伊勢物語」はいいですよ。


「ショパン・コンクール」はまさに今年。その前に予備知識の予習ができて、前回優勝者や連続出場者の演奏を聴き倒した。おかげさまで、もんのすごく楽しんだ。

「失われた世界」はロマンやね。ジュラシック・パークの元祖。ドイルは偉大やね。ロンドンの空に翼竜が飛んで行くのはいいエンドだなあと感じ入った。


ほか、「ぼくがゆびをぱちん」は、心に沁みる詩が散りばめられた物語だった。「イエローホワイトブルー」「かがみの孤城」の人気作品2つではいろいろ啓発されたりしみじみとしたり。「ブルックナー」、「マーラー」、「サロメ」では時代とエリアの芸術性を楽しんだ。


6位 井上章一「京都ぎらい」

7位 斉藤倫「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」

8位 志村ふくみ「色を奏でる」

9位 ブレイディみかこ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

10位 辻村深月「かがみの孤城」

11位 辛島デイヴィッド「文芸ピープル」

12位 ジェイムズ・マシュー・バリー

  「ケンジントン公園のピーター・パン」

13位 莫言「赤い高粱」

14位 ロバート・シーゲル「クジラの歌」

15位 森見登美彦「夜行」


16位 藤沢周「武曲

17位 高原英理

  「不機嫌な姫とブルックナー団」 

18位 渡辺裕「マーラーと世紀末ウィーン」

19位 豊島ミホ「花が咲く頃いた君と」

20位 原田マハ「サロメ」


来年も、読むぞ〜!



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