2021年1月6日水曜日

2020年間ランキング 各賞発表!




年越しは毎年テラスに出て、遠くの夜景の中にあるUSJの花火を見るのですが、今年は上がりませんでした。

変わってしまった2020年。コミュニケーションツールが充実して、遠くの同級生と会えたり、会話するグループが増えたりしたけど、ね。

ふだんなにげなく言葉にしてるけど、こんなに実感がこもることも珍しい。

来年こそは、良い年になりますように。
笑って好きな友たちに会えますように。

◆表紙賞

オルハン・パムク「赤い髪の女」


眼を見せないのが無理っぽくも感じるけれど、博多の書店でこの本を見て感じた引力は忘れ得ない。「父性」という珍しいものがテーマ。ストーリー的にもひとつのような気もするが、パムクらしく、トルコ的で、時代を交差させ、テーマを浮かび上がらせたところはさすがだった。



◆めっちゃ啓発されました賞


・トム・ラス、ドナルド・O・クリフトン

       「心の中の幸福のバケツ」


今年この理論と出逢えたことは幸福だった。苦労もすれど、人への接し方で自分への評価や風当たりは変わる、かもしれない。ひさびさに、救われた気分になりました。


・菅谷明子「未来をつくる図書館

                   ーニューヨークからの報告ー」


ニューヨークの図書館は企業するためのツールが揃い、また災害時には情報発信基地にもなるとか。日本ののんびりした図書館も好きだけど、目線はあってもいい、と新鮮な発想を見たような気分です。



◆美術賞


・中野京子

「名画で読み解く ロマノフ家  12の物語」


今年は思うように美術展も行けませんでした。思いっきり楽しんだのはバンクシー展くらいかなと。その分というわけではないですが、見返すと美術関連の本は多い。それぞれ印象深かった。



池上英洋 荒井咲紀「美少女美術史」

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」

砥上裕將「線は、僕を描く」

大久保純一「北斎  HOKUSAI

櫻部由美子「フェルメールの街」

「クリムト:世紀末の美」

榊莫山「書のこころ」

原田マハ「ゴッホのあしあと」

原田マハ「デトロイト美術館の奇跡」

原田マハ「太陽の棘」

原田マハ「異邦人」

西岡文彦「簡単すぎる名画鑑賞術」


その中で、ロシアの美術史ってあんまりなじみないけど大丈夫かな、と呼んだらロシア・ヨーロッパ史と絡んでだいぶ面白かった。特に女帝が。忘れないように賞。



◆文豪短編小説賞


・菊池寛「身投げ救助業」


出勤停止期間中には、変化をつけようといろんな作品を読んだ。青空文庫の短編も読んでみた。菊池寛の作風が良い方に意外だったのがこの話。成り行きとオチが上手で人の世の矛盾を感じさせた。



・芥川龍之介「南京の基督」


読み逃していた短編。これも話の展開が寓話のようで、それでいて芥川らしく黒く、信じるものが救われて終わる。まとまった話で心に残った。


◆古典賞


・「史記」


苦手だった三国志を去年克服し、今年は史記で項羽と劉邦をやっと理解。それにしても「史記」は故事の宝庫だねー。


・菅原孝標女「更級日記」


後輩からいいですよ、と聞いてはいた。ハデではないものの、人生の成り行きとして心に染みる。物語好きの少女は荒波に揉まれ、自分の人生を後悔して見つめる。でもどこかコミカル。


図書館の利用制限もあり、また今年は海外の小粋な短編集を指向し、あまり古典は読まなかったかな。


来年は詩経とか、未読の方丈記、紫式部日記あたりを読みたい。ホームズの原作英語読みにも挑戦したい。


また読むぞ楽しい本読み。

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