12/30は雪。翌午前中には溶けたけど、朝はまだ道にも残っていて、バス停までいく下りバス停への道はツルツルして少し危なかったほど。
【2020年間ランキング!】
えーと、たしか2011年から年間大賞を始め、2012年から今の形にした年間ランキング、今年のグランプリは・・
谷崎潤一郎「細雪」
でした!
続いて年間ランキングです。グランプリとは別に、1位からにしてあります。
1位津田雄一「はやぶさ2 最強ミッションの真実」
2位 砥上裕將「線は、僕を描く」
3位 須賀しのぶ「革命前夜」
4位 青木玉「幸田文の箪笥の引き出し」
5位川端康成「たまゆら」
6位真藤順丈「宝島」
7位フランク・ロイド・ライト「自然の家」
8位マルセル・エイメ「壁抜け男」
9位谷崎潤一郎「蓼食う虫」
10位瀬尾まいこ「戸村飯店 青春100連発」
11位二葉亭四迷「浮雲」
12位杉本苑子「天智帝をめぐる七人」
13位池上英洋 荒井咲紀「美少女美術史」
14位谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
15位オルハン・パムク「赤い髪の女」
16位アンソニー・ホロヴィッツ
「その裁きは死」
17位星野道夫「イニュイック」
18位オルハン・パムク「新しい人生」
19位青山文平「半席」
20位位原田マハ「異邦人」
20位深緑野分「ベルリンは晴れているか」
1位は、思い入れ満載。詳しくは書評に譲るが、私の家族分の名前とメッセージを入れたマイクロチップは小惑星リュウグウに永遠に残る。最強ミッションで初号機のような大事故はなかったが、そこは遠大な計画、トラブルも起こったし、プロジェクト班には深い悩みも出来した。改めて技術と人を感じた一冊。
2位は、水墨画家さんが書いた話。予定調和ではあるけれど、なんか心が洗われました。
3位は旧東ドイツが舞台。共産圏崩壊への序章の中、バッハを探究する話。オルガンがポイント、かな?
4位は上半期1位。きものへのこだわりの中に、父露伴や娘・玉子の姿がよく見え、また色彩的、和風デザインチックな文章と挿入写真が鮮やかだ。
5位 川端好きはひさびさに満足した図書館本。
6位は直木賞受賞作。よい意味での明るさと、米軍との関わり方。描きこみがある。
さて、谷崎の「細雪」。
年間トータルで見ると今 これしかない、と。特に今年後半は谷崎への理解を深めた期間となりました。「細雪」の舞台となった兵庫県芦屋市にある谷崎潤一郎記念館を訪問し、さらにかつての谷崎の住居で「細雪」の家のモデルとなった倚松庵(いしょうあん)を訪ね、冒頭の、女所帯のにぎにぎしい雰囲気のシーンを想像しました。めぐり合わせかEテレの「100分de名著」で、ひと月に亘り谷崎の特集があり、じっくりと客観的な評価が聞けました。
谷崎は、読むだに、作風もバラエティに富み、文章にも特徴があり、思い切ったことを書き、かつ計算されている。いや、大谷崎、という言い方は決しておおげさではない、と実感をもって悟った感がありました。ちなみに会社の女子は「やっぱエロいイメージですね」と言ってました。そうですよね笑。
「細雪」は芦屋に次女幸子、三女雪子と末っ子のこいさん・妙子、そして東京にいる長女の鶴子の4姉妹に絡む、長い物語。読むうちに女たちの身に次々と巻き起こるエピソードに引き込まれます。社会と出来事、「家」単位の判断、お見合いなどの風習的な当時の常識が伝わってきます。
今年のコロナ禍は、当然のように読書生活にも影響を及ぼしました。すんませんヘタレですが、在宅勤務しながらの読書はなかなかつらい。動かないし、ずっと自宅だとうまく時間を使えず、また読んでるとすぐ眠くなるのです。
人に、いつ読んでるの?とよく聞かれますが、やはり移動時間が最大の集中時間。頭も起きるし、生活のリズムに動きながら乗っていける。また出張の新幹線、泊りのホテルなんか最高の読書時間です。どれもなくなってしまってどうも乗り切れませんでした。
まあまあ、あまり深刻には捉えずに・・
今年もこれで。
来年も、読むぞ〜〜!
【参考】これまでのグランプリ
2011年 北村薫「リセット」
2012年 熊谷達也「邂逅の森」
2013年 藤原伊織「テロリストのパラソル」
2014年 朝井まかて「恋歌(れんか)」
2015年 朝井リョウ「何者」
2016年 宮下奈都「終わらない歌」
2017年 東山彰良「流」
2018年 川端康成「古都」
2019年 オルハン・パムク「雪」
0 件のコメント:
コメントを投稿