【私的読書ランキング2019!】
今年もやってきました年末恒例、が年始になりました。てへ。文豪ものや古典も多いのですが、なんとかランキングをつけてみようかと思います。159作品168冊からのセレクトです。
まずですねー。紫式部作・與謝野晶子訳の「全訳源氏物語」一〜五は別格ということで
永世グランプリの座に就けておきます。一生の読書体験となったでしょう。もう2回くらいは読みたい。
だってあれ、恋愛小説でしょ?と敬遠する人も多いけど、読む前と後では感覚が違った。いやーすごい小説で、いま京都の源氏物語めぐりにハマってます。こないだは宇治に行きました。
さて、で、年間グランプリは、というと!
オルハン・パムク「雪」でした!
少し前のトルコを題材とした物語で、雪で地方都市が孤立状態となり、軍がいわばクーデターを起こします。自国の宗教と政治を題材に、自殺した女子学生の取材に訪れた詩人の前に次々と謎めいた人物が現れ、現実的な恋模様も描かれます。
オルハン・パムクは「赤」でも文明の衝突をモチーフに魅力的なミステリー仕立ての物語を編みました。「雪」は詩人のキャラも、設定、仕掛けも工夫があり、オチもプリミティブで納得できます。そもそも雪で外界と途絶ってミステリーの王道かってとこですね。ノーベル賞作家パムクの作品はこの2冊しか読んでませんが私にはとてもよく合います。読みにくいという評もあるようです。
過去の大賞作品は
2011年 北村薫「リセット」
2012年 熊谷達也「邂逅の森」
2013年 藤原伊織「テロリストのパラソル」
2014年 朝井まかて「恋歌(れんか)」
2015年 朝井リョウ「何者」
2016年 宮下奈都「終わらない歌」
2017年 東山彰良「流」
2018年 川端康成「古都」
今回は初の外国作品となりました。
では以下のランキングを。この賞と該当作品はあくまで個人的なもので、読んでみたけど面白くなかった、は免責とさせていただきます(笑)。
1位 トレイシー・シュヴァリエ
「真珠の耳飾りの少女」
2位 永井路子「裸足の皇女」
3位 佐藤泰志「海炭市叙景」
4位 長野まゆみ「レモンタルト」
5位 松村栄子「僕はかぐや姫」
実はグランプリが飛び抜けてて、他は思い浮かばなかったんでランキングはかなり悩んだ結果。
「真珠の耳飾り」はフェルメールの代表作を先に知っていると相当楽しい。
「裸足の皇女」はもう、奈良の歴史好きならかなわんな、という切なさと面白さ。
「海炭市叙景」は原点の日本映画的な、生のエネルギーがあったので高めの評価。「レモンタルト」はコメディだが絶妙なコミカルさ、「かぐや姫」も新鮮さを買ったかな。
6位 川端康成「愛する人達」
7位 恒川光太郎「金色の獣、彼方に向かう」
8位 村上春樹
「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編」
9位 森下典子「日日是好日ー『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」
10位 ルイス・サッカー「穴」
文豪は安定の良き味だし、ハルキは前半はすごく面白かった。「日々是好日」は今年ならではの面白さだった。茶菓子に興味持って京都まで松風ってお菓子を買いに行ったし。恒川光太郎は売れた「夜市」よりもこっちが好きだったりする。
11位 深沢七郎「楢山節考」
12位 泉鏡花「歌行燈・高野聖」
13位 井上ひさし「イーハトーボの劇列車」
14位「川端康成初恋小説集」
15位 三島由紀夫「仮面の告白」
「楢山節考」は映画がカンヌでパルムドールを取ったから覚えていた。小説もすごく良かった。泉鏡花幻想と独特の文調の美しさ。「イーハトーボ」やっぱ宮沢賢治を客観的に見るのはいいなあ。川端の初恋は切なすぎる。
16位 クリストファー・プリースト
「逆転世界」
17位 近藤史恵「スティグマータ」
18位 エイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」
19位 青山文平「つまをめとらば」
20位 堀辰雄「菜穂子・楡の家」
実力派のリキが入った作品が多い。堀辰雄は、青くさいが(笑)すごく読ませる作品だった。
今年はあまり現代小説を読めなかったのが反省かな。数は昨年の201作品よりはかなり減ったが、もっと減らしていいかなと思っている。数を目標にするのはダラダラ読まないようになるからいいことではある。ただ数ばかり恃むとじっくりと長い作品を読めなくなってしまう。
また三島を読む!と宣言したにもかかわらず3、4作品しか読まなかった^_^懺悔します。
まだまだ、本のことを知れば知るほど、全然自分が読んでないことが分かる。読みたい本たくさん。
来年も、読むぞ〜!
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