ノーベル賞作家オルハン・パムクは主にキリスト教文化の流入による変化に悩む細密画絵師のミステリー「私の名は赤」が評価され、ついで、現代ものだと聞いているが、「雪」という作品も優れていると評された。この作品の後、彼はノーベル賞に決まっている。
この週は超強力寒波週。最低−1度、最高3度といった具合。大雪に見舞われた東京では8年ぶりに−4度を記録した。
で、関西は月曜日は雪まじりの雨が降ったが、低温は先週から予想されてたから、万全の暖かい服で行き帰りは困らなかった。長袖Tシャツを下に来て、ガッチリした地のYシャツ、分厚い毛糸のジャケット。厚くて膝下まであるくつ下。スーツの時も基本は同じである。ベストのついた真冬用の暖かいスーツはいつも必ず誰かに「なんすかそのゾロっとした格好は」という意味の質問をされる。
これにネックウォーマー、事によればマスク、そして毛糸の帽子といった具合。ネックウォーマーも耳、鼻上まで引き上げるもんだから顔はメガネ部分しか外に出ているところはない。完璧である^_^ これでさむっ!となったことはほとんどない。
木曜は京橋で同級生の飲み会があり、遅めになった。京橋駅23:15の電車で最寄駅に着いたのは日付が変わった後。直通なら30分くらいと踏んでいたが、深夜ならではのものも含む乗り換えが2回挟まったからだ。ホームで15分ほども待つ必要があり、前述の通りスキなく着ぶくれしているが、珍しく待ってる時は寒いと思った。本読むときには手袋を外さないとページをめくれないのである。指があっという間にかじかんだ。
ちなみにこの飲み会の写真を見ると、顔が細い。私はハムスター顔なので、破顔すると頰が横にぶくっとなって自分で好きではなかった。たぶんこの時は意識してニコッとは笑わないようにしたのだろうが、それにしても細い。どうやら、食堂の健康ランチセットほぼ毎日コースが効いてるのかな、という気がする。夜も妻はあまり量を作らないし、冬は鍋が多い。加えて最近また筋トレ一部強化したからというのもあるだろう。顔が細くなったな、というのは東日本大震災で食欲が落ちた時以来だ。あの時は頰がこけて、ママ友たちに心配されたっけ。
金曜日の午後、大阪市都市部でも激しい雪となった。けっこうな降り方で会社のテラスにうっすら積もった。さあこりゃどうかと、残業して夜9時のバスで帰ってくると、これ、坂登れるだろか、ってくらい雪化粧。最初は滑りそうだから怖かったが、轍を辿ったりゆっくり歩いているうちにそうは滑らないと思った。革靴をやめて意図的にゴム底にして良かったと心から安堵。うっすらレベルをちょっと超えてるくらい。
まあ冬の風物よ。バス止まらなかったしと思う。翌日はお留守番。朝から雪。チラチラとは1日中降っていた。中には山から風に乗って来た風花的な雪もあったと思う。
部屋掃除してアイロンかけて、髭剃り洗って充電して靴を2足磨いて、ご飯炊いてカップ焼そばとともに食べて、おやつの時間はコーヒーと妻が作ったくるみのスイーツ。
平日はお昼ご飯の時にプリンなどデザート系も食べて、歯を磨いたらおやつ系は口にしない。土日は多少欲求に任せる。といってもガバガバとは食べないが。筋トレしてるし、人間どこかで息抜きは必要なのだ。
ママ梅田から帰る。今夜は阪神で買って来たあんこうの鍋だそうだ。たしかにだしは最高だった。ぷるんとした肉の部分は好きになれないが。
「精霊の守り人」最終話を観る。原作の細かいところまでは覚えてないが、けっこう変えてるな、と思う。最近のアニメは原作に忠実なことが多いが、個人的な印象では、NHKドラマはけっこう変える。
夜更かし気味になる。2時半までスティーブン・キング「11/22/63」を読む。ケネディ暗殺がらみの話。上中巻を読了。日曜日からいよいよ最終下巻。寝る前にトイレ。なんて寒さだ。電気ヒーター最強にして、タオル地ブランケット、普通の毛布、分厚い掛け布団で眠る。なんとなく識閾下で寒いな、と思いながら寝ていたらやはり息子が来た。2人で寝たらましにはなったがそれでも寒めだった。
スマホのバッテリーがおかしい。100%充電済みのはずが10%の表示になったり、いきなりシャットダウンしてなかなか復活しなかったりする。バッテリーの寿命のようだ。日曜ソフトバンクショップに行くことにする。
日曜。最初にソフトバンクショップに行くと受け付けてない、アップル社受付店に行ってくれ、と相変わらず(ソフトバンク責任投げっぱなし)の対応。電話つながらず、つながったかと思ったら、在庫が足りないんで、期間を置いてまたかけてくれとの自動対応。これも相変わらず。
前時代か・・たくさんの人に利用してもらってるのになんでこんなやねん。コストカットも甚だしい。
ちなみにバッテリー関係webで調べると、私けっこうやっちゃいけないことしてた。寝る時は充電しっ放し、充電しながらゲームをする、など。劣化を早めるそうなので、これからはやめよう。
で、カウリスマキの、見落としていた前作、「ル・アーブルの靴みがき」のリバイバル上映を1週間限定でやってるというのでこれは行かなければとソフトバンクショップから直行でチケットを買う。新作「希望のかなた」のキャンペーンの一環で、そちらは前売りがかなり売れていると聞いていたので心配したが、そこまでは混んでないとのこと。
映画は昼から。三宮に取って返してLLBeanに裾直しのパンツを取りに行く。この店は11時から。試着して持ち帰る。近くのブックオフへ。手持ちの本は飽和状態。しばらく行ってなかったが、行くと買ってしまう。シェイクスピア「ヴェニスの商人」「ジュリアス・シーザー」、ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」。
ノーベル賞作家、クンデラはそちこちで目にしてはいて、恋愛小説と聞いていたので避けていたが、社会情勢が複雑なチェコが絡んでいるらしいと知って読む気になった。
そこから歩いて南京町。豚まん、ミニチャーハン、ごま団子で腹ごしらえ。ハッキリ言って寒い!ほこほこの豚まんが美味しかった。次は北京ダック買おう。
元町商店街をゆっくり散策。オムレツとシチューの店、スターシップは古い洋食屋さん。年配者向けの紳士服店で店外に出している靴下やネクタイには意外にいいものがあって昔よく買った。
さて、映画館に戻ると客は23人だという。さすがにけっこう多い。「希望のかなた」は土曜は混み合ったとか。端の良い席が確保できて前に座る人もいなかった。
カウリスマキの難民もの第1弾「ル・アーブル」はフランスノルマンディー地方の港町が舞台。そこにガボンからの密航者の一団が見つかり少年が脱走して・・という物語。「過去のない男」や「希望のかなた」はカウリスマキ独特の退屈感もあったが、この作品は退屈を感じるヒマがない作品だった。珍しく比較的感情的でもあった。ホロリとなってしまった。ラストは・・これを小説や日本のドラマでやったら「おいおい」だったが、カウリスマキだから許す、ってとこかな。ぬくもりを感じて観終えることができた。
夕方から冷たい雨と聞いていたから、できるだけ早く帰ろう、折りたたみ持ってるけど紙袋の荷物もあるから嫌だなあ、と思いつつ、映画館のあるアーケード街を早足で戻る。道に出るところで傘を差している人が見えたからありゃーと思ったら、舞い降っていたのは、雪だった。
どこかしらほっこりした気分で帰り着き、コーヒー入れて、クルミのパイを食べた。いい心持ちだった。
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