怖かった台風21号が過ぎた月曜日には予測され、火曜日に生まれた22号は、今度は上陸せず日本の太平洋側に沿うように進むという。
金曜日までは、久しぶりにスッキリと晴れの日もあり、途中は久々に呑みにもいってストレスを抜いた。
迎えた週末、土曜朝は雨が降ったりやんだり。思いついて「大エルミタージュ美術館展」に行くことにする。
シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授がコレクションしているジャン=バティスト・グルーズの絵が2点出ているのである。「恐怖の谷」で言及されている。ホームズはまた、「ギリシャ語通訳」の中で祖母が画家ヴェルネの妹だと述べている。今回ヴェルネという人の作品もあるとか。
雨の中阪急王子公園から海沿いにある兵庫県立美術館へ向かう。土曜日だけど、雨の朝一番は少ないだろうと思いつつ。
家を出るときには雨止んでいたから大きめ傘をやめて折りたたみにしたのだが、これが裏目に出た。王子公園からの道、雨もけっこう振り、さらに風が強まって翻弄される。もともとすぐ裏返るように作ってある折りたたみの傘部分が何回も逆を向く。はや台風の影響?と半泣きで急いで美術館に入る。
海沿いのミュージアム。面する神戸港は、どれかというと運河的で、あまり美しいわけではないが逆に味がある。人出は、この時間この天気にしてまずまずだが、混んではいない。
エカテリーナの大きな肖像から入る。ルネサンスからバロックはやはり写実的で、絹のひだの描き方がリアルである。巨匠の絵もいくつかあるが、大半は知らない人の作品。1600~1700年代が中心。宗教画も多い。なかなか興味を惹かれる。
さて、初の生グルーズ。
「スミレ色のチュニックを着た少女」は、素晴らしかった。大きくはない作品で、少女が斜め上方に首を傾けて、眼をこちらに向けている。独特の女性的なタッチで、柔らかく、キレイに描いている。唇のぷっくりした感じが幼い女の子っぽい。展覧会の全ての作品中No.1に良かったな。とても可愛らしかった。もう1点は「未亡人と司祭」何人かが横に描かれている作品だった。
ちなみにヴェルネは海岸の風景画で、調べてみると、ホームズのいうオーラス・ヴェルネのおじいさんのクロード=ジョゼフ・ヴェルネさんの作品だとのこと。なんというか、全くの他人でもなく本人でもなく孫だった、というのが逆にすごいな。
「聖家族」
ポンペオ・ジローラモ・バトーニ
は聖母マリアの顔が美しかった。
「聖母マリアの少女時代」
フランシスコ・デ・スルバラン
は、まずこの想像力にびっくり。やや上を向いてもの想う幼いマリアの表情に惹かれる。
「幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ」
バルトロメ・エステバン・ムリーリヨ
こちらも幼いイエスとヨハネ。ポーズ、顔ともに可愛らしい。
「盗まれた接吻」
ジャンーオノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール
遊び心のある主題。夫たちのいるパーティー会場から隠れた扉の陰で、間男の突然のキスに驚く妻、ってとこか。
この4枚は絵はがきや栞を買った。残念ながらグルーズはなかった。
帰り道な登り。美術館に続く道はミュージアムロードというらしいが、気になる店も多い、が、バスの時間で急ぐため立ち寄らない。ラーメン希望軒、おしゃれそうな古本屋、イケてそうな家具を置いてあるカフェなどなど。ふっと、読みにくかった「一千一秒物語」の作者で神戸にゆかりのある稲垣足穂もこの坂を登ったのかな、などと考える。帰りは雨が止み、風もさほど強くなかった。
昼に帰ると雨が強まった。ひたすら本読んでいた。高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」。面白いが、なんか停滞感があってスローにしか読めない。
日本シリーズ第1戦はソフトバンクの圧勝。千賀はいいピッチャーだ。
日曜日は起きたときは雨降ってなかったから外出しようかとも思ったが、電線が揺れているのを見てやめた。
台風は昼12時から3時くらいの間に紀伊半島の南を通過するようだ。10時には雨も降り出し、風も激しくなって行かなくてよかったと心から思う。21号はチョー巨大な台風で、強風圏には日本全体がすっぽりと覆われるほどだったが、今回は、さほどでもなく、勢力も落ちる。しかし沖縄では最大瞬間風速もけっこう出ていて侮れない。
雨が強くなって来る。息子の部活は昼に終わる。帰って、傘が曲がったと言ってた。
けっこうびゅうびゅう、雨も断続的に強め。でも全体のパワーは前回に遠く及ばないかな。3時に雨はピタリと止んだ。風もない。これで終了。
もう来るなよ台風。明日から寒くなるようだ。
夜は日本シリーズ第2戦。DeNA先発の今永はあっという間に1点取られたが、その後毎回のようにランナーを出しながらも6回5安打1失点10奪三振と12球団ナンバー1のソフトバンクを抑えた。ピンチでサインに首を振り、ストレートで松田を三振に取ったところなんかは痺れた。騒がす、じっくりと投げて潮目が変わるのを待つ。
DeNA打線はパ・リーグ最多勝、東浜のシンカーをなかなか打てない。筒香の2安打のみ。しかし6回、梶谷かインコース高めのストレートを同点ソロ、交代した森から宮崎が勝ち越し2ランと3-1、リードを奪う。
しかし今永が変わった7回、ソフトバンクは攻勢に出て再度逆転、4-3で当然のようにサファテは打てず終了。
今永はカッコ良かった。球速表示以上のキレを誇るストレート、ここぞの強気、際どい場面もあったが、日本一のソフトバンク打線に真っ向から立ち向かって結果を出した。もしも先があって、第6か7戦で対した時、ソフトバンクの方が嫌だろうと思う。打線もいいところで打った。が、昨日もそうだが、DeNAはあきらかに中継ぎの力が落ちる。だからCSでは今永をセットアッパーにしたのかと思える。
これまでは戦力の差だけが目立っている。自軍有利な形勢では有効な手を打ってきた短期決戦の策士ラミレスは、この流れを変えられるのか?なかなか興味深いな。
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