2017年5月8日月曜日

後半







3日からを、GW後半戦というらしい。1日は出て、2日はお休み。妻は昨年の今頃亡くなった岳父の法事で里帰り。私は留守番。


午前中に本屋でハイキュー!の新刊と住野よる「君の膵臓を食べたい」を買って来る。外はもう暑いが、家へ帰って来ると日陰で涼しく、長袖長ズボンでのんびり。買って来たちくわとさんま蒲焼き缶と残りもののきんぴらで昼ごはん。午後は木下正輝「宇喜多の捨て嫁」を読了。コーヒーをたっぷり入れて、クッキー食べて、反芻の時間。読書生活にはほんとうにいい季節である。


「宇喜多の捨て嫁」間違いなく今年いちばん面白い作品だった。最初ガツンとかまして、徐々に中心人物の宇喜多直家の人生が浮かび上がるようになっている。権謀術数と、戦国の世の酷薄さ、ファンタジックな部分もあり、ベタな人間的なところもあり、最後も上手に締める。デビュー作でいきなり直木賞候補作はダテではない。審査員の先生方にも評判は良かったようだが、もうひと押しが足らないと言えばそうかもしれない。


この日まで学校部活だった息子と、日帰りで和歌山を往復した妻は翌日そろってオフ宣言。じゃあパパ出掛けちゃおうかなあーという言葉に同意を得たので3日は単独出動した。


阪神電車直通の近鉄で奈良の西ノ京へ。西大寺乗り換えで1時間ちょっと。何よりまっすぐ行けるのがGOOD。また西ノ京はすぐ薬師寺、7〜8分で唐招提寺と、コンパクト。駅近くの食堂でおにぎりセット食べて行く。


先に離れた唐招提寺へ。鑑真和上が晩年を過ごした寺である。門から臨む国宝の金堂は「天平の甍」という言葉にイメージぴったりな感じだった。鑑真が愛した大陸の花の園がちょうど公開中。売店で、思わず井上靖「天平の甍」買っちゃった。まあ本読みだし。


歩いて薬師寺。法相宗は、三蔵法師の活動に連なる宗派である。こちらは、白鳳文化で、白壁朱屋根柱の唐風の建築。薬師如来や、東院堂の、聖観世音菩薩像がきれいだった。


回るのに1時間半くらい。14時30分には電車に乗って、16時30分にはお家。行き帰りの電車で知念美希人「死神の優しい飼い方」。


次は藤原京とか大神神社とか高天原伝承地に行ってみたいなあ。


4日。なにもなし。「死神の」読了。あまりにヒマなのでブックオフで5冊。

絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」

シェイクスピア「夏の夜の夢」

高野秀行「ミャンマーの柳生一族」

豊島ミホ「エバーグリーン」

中島京子「冠・婚・葬・祭」

いくら20%オフとはいえ我ながら書いすぎ。本読みの常で、最近読んだ人の本ばっかりというのは落ち込んだりする。だから人との貸し借りは大事なんだな、と本読み論。


帰って来て、伊坂幸太郎「サブマリン」読み始める。


この2日間ほど、だいたい息子が風呂に入る9時ごろにオチてしまい、意識もうろうでベッドへ送り出してからまたソファで寝て、深夜2時ごろ起きて風呂に入り、風呂上りに柔軟開脚をしてだらだらして4時ごろまた寝て、朝は8時ごろ起きるというような生活パターンに陥っている。日中は眠くもないし、調子はいい。でももとに戻さないとね。


5日。なにもなし。外出もせず。読者生活。「サブマリン」読了。作中に出て来た、ジャズのローランド・カークが入っている、チャールズ・ミンガスのアルバムないかと探したが、ミンガスは1枚あったけど、カークさんは不参加。くそ。「サブマリン」シリーズは、エンタメという意味でも、社会派という面でも、いい作品だと思う。12年に1作ではなくもっと書いたらいいのに。


夜はカラオケ対決を見る。女王新妻聖子新妻聖子挑むアマプロの挑戦者たち。番組が発掘したという高3の女子は声そのものもパワーも素晴らしかった。ルックスもよく、すでにCMに出演している。しかしこの日はコンディションが良くなく、彼女が憧れという中2の子に刀折れ矢尽きた形で負け。でもすごく良かった。勝った中2女子も良かったが、次の対戦で、プロに成り立てのオペラ女子に負ける。この結果は実はえーとか思ったものの、新妻聖子と争う決戦の「I Will  Always  Love You」をオペラ女子が歌ったのを聴いて、この人で良かったと思った。専門的な教育を受け、表情仕草まで磨かれた方は、このレベルの歌になるとやはり全く違う。でも新妻聖子は勝ってしまう。昔May J、いま新妻聖子。


こういった番組や企画ものはよくあるが、カラオケの高得点に特化し過ぎている感じが最近していたので、今回は本当に良かったな・・と歌好きのおやじは1人感心。やっぱ歌はいい。絢香の「みんな空の下」はこそっと練習しようかな。笑


6日。やはりヒマ大会。夕方、ノーベル賞ものの本を探しに外出。見つからず、というか2作ほどあったが、優先順位が低く買わず。何とは書かんが。住野よる「君の膵臓を食べたい」読了。思ったよりまっすぐな話だった。タイトルからややグロとかひねりとかを考えていただけに意外。でもじくっと感動した。


7日最終日。家で黒鷲旗バレーボール男女決勝を見て過ごす。


女子決勝はデンソーvs日立リヴァーレ。日立のウイングスパイカーが強い、バランスの良いバレーが目を引いたが、勝負強さ、という意味でデンソーの方が上だった。キャプテンでMVPとなった石田は運動神経の塊のような選手だったし、全日本選手にしてエースの鍋谷は鬼気迫るといっても過言でないほどの迫力があった。外国人はどちらもMBに1人ずつ。だからか、攻撃のバリエーションがあり、よく拾うからラリーが多く面白かった。


続いて男子はJTサンダースvsパナソニックパンサーズ。JT越川はインドア引退試合。対してパナソニックは清水、福澤らちょっと前の全日本主力クラスがいる。フルセットも15-13まで行く大接戦。外国人オポジットにもボールを集める数もそこまで多くはなく、日本人アタッカーがかなり機能していて、福澤の打点の高さに改めてびっくり。いい試合だった。JTが勝ち、越川MVP。見応えがあった。


夜に井上靖「天平の甍」読了。昭和36年の作品で、仏教の話らしくやや漢字が多かったが、歴史小説らしい、悠久の哀しさとでもいうものがあった。いや唐招提寺の構えは、いかにも天平の甍〜という感じで清冽でだったし、その鑑真ゆかりの寺で買った抹香の香りがする本に感じ入り、浸れた。


よく本を読んで、のんびりし、多少は出掛けた感じのGWだったかな。


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