2017年5月29日月曜日

日はまた昇る

ひは〜またのーぼるー♪

どんなー人の心にも

ああー生きてるとはー ♪

燃えながら暮らすこと


これは「陽はまた昇る」という歌。


ヘミングウェイの「日はまた昇る」読了。1926年の作品で、ヘミングウェイ27歳の時のベストセラー。第一次大戦に従軍し重傷を負ったヘミングウェイ。戦後の、従軍経験のある若者世代はロストジェネレーションと呼ばれた。その自画像的な作品であるとか。鱒釣りやスペインの牛追い祭、闘牛で生命感、お祭り感溢れる中での若者たちの享楽的なバケーション。リアルな感触としては分かりづらいが、うむ、そんな感じかもね、と頷く部分もあった。


さて、土曜はU−20ワールドカップのグループリーグ3戦目である。先のコラムで勝ち以外通過はないと書いたが、この大会は6グループしかなく、故に3位の中から4チームはノックアウトステージに進めるとか。2点以上取っての引き分けならば、総得点で行けるらしい。そういったゲームは波乱で始まった。


開始早々、カウンターからのボレーシュートで失点、またすぐセットプレーから失点。おいおい。家族も負け確信。私ももう1点入っていたらテレビ消してたかもしれない。でも、ウルグアイ戦で見せた攻撃は信じられると思い見ていた。イタリアは思った通り、これで積極的には仕掛けてこなくなった。


前半のうちに、ガンバ堂安律のゴールが決まる。そして後半早々、また堂安がドリブルで相手陣を切り裂きゴール。同点に追い付いた。後はどんどん大人的な展開になり、金持ちケンカせずでドロー。日本はグループリーグ突破を果たした。


正直な話、0-2で負けたウルグアイ戦後の報道には感心しなかった。優勝候補のウルグアイにヒネられた、ウルグアイがペースを落としたから攻撃を仕掛けられた、ケガをしたFWが大型だったから交代が小さい久保というのは間違い、久保はすぐつぶされていた。


どれも当たっている部分はあるが、あまりに表面的に思える。しかも希望のカケラもない、上から目線の関心も深くないような書き方だった。


ウルグアイは下がっても手強かったが、仕掛けた攻撃の中には成功したものもあった。後半は強豪に対する慣れが見受けられ、久保も良い決定機を作ったと思う。この手応え、大きな収穫を持ってウルグアイに負けたイタリアに臨む、という、流れと希望が伺えなかった。


イタリア戦の序盤の2得点はかなり早い時間帯でのものだった。かつてA代表でもあったかと思うが、開始まもなくに、ココーンと入れられてしまうことはサッカーにはたまに見受けられる。堂安の1点めの後にまた差を広げられたらお手上げだったが、守備陣もさすがに注意していた。


堂安をはじめ周囲が自信を持って攻撃したのは、この大会での経験値がベースだと思う。


次はA組で3戦全勝のベネズエラ。10得点のうち7点はグループ最下位バヌアツ戦で取ったもの。メキシコ戦、ドイツ戦では楽な戦いはしていないと見る。だいじょうぶ、十分に通じるはずだ。


平日の夕方なので、観ることが出来ないかもだが、日本の力を見せつけよ、頑張れ、日本。


日曜は午前外出して定期買って、こんにゃく畑買って、本屋で中山七里「どこかでベートーヴェン」買って帰る。定期はバスが買えなかったから平日にもう1回行く必要ある。


午後に江橋よしのり「サッカーなら、どんな障がいも超えられる」読了。観衆が多いというブラインドサッカー、またアンプティサッカー(切断障がい者のサッカー)なんか観に行ってみたいと思わせた。ブラジル出身の日系3世が、日本で一からアンプティサッカーを立ち上げる話には泣けてしまった。


阪神は黒星。小野はストレートが高かった。どこかでカチーンといかれそうだなと思ってたら6点取られた。うーむ。打線もふるわず。


ちょっと心配なのがコノミヤ・スペランツァFC大阪高槻。今年は昨年までの主力がほぼ全て抜け、大幅な若返りを図り新監督を迎えたが、去年まで2部では圧勝1部では弱いというチームが、今年は2部で1勝9敗。


今年は昇格どころかその下のリーグに落ちなければいいやというにも余裕のない位置。それとも織り込み済みなのか。チームの組み立て時期であり、1回観に行った限りはそこまで弱そうでもなかったが、きょう前半最終戦は1-6の惨敗。心配にもなるってもんだ。


サッカーのチームづくりには時間がかかる。そこは分かるが意識として負け慣れて欲しくない。屈辱は抱いていてほしい。頼むぞ。


さて、明日は日帰り東京。日帰りは荷物が少なくていいが、朝早くて、夜遅い。車中での読書を楽しみに行こうかね。





2017年5月25日木曜日

4月書評の2

ちょっと、うまくアップされなかったから、やり直し。

伊坂幸太郎「チルドレン」

たまに伊坂を読むと、微笑ましくなったりする。今回も、フツーではなくて、面白い。いいプロットだ。


大学生の鴨居は、友人の陣内とともに閉店間際の銀行へ行く。陣内と銀行側がもめている時、銃を持った2人組の男が入って来て、鴨居たちは銀行強盗の人質になってしまう。

続編「サブマリン」が手元にあって、なんとなく第1作のこの作品を読んでからにしよう、と思ってて、この度ようやく買って来た。

連作短編集だが、大学生の時の陣内たちと、その後家裁調査官になってオジさんになった陣内と、年代がクロスしまた語り手も変わる。大きく分けられている2つの年代も微妙にずれていたりして、テクニカルに、仕掛けを周到に、そしてテンポよく、さらにある意味ナンセンスに作られている。推理小説風味のストーリーでもある。

発想の豊かさ、時に突飛であったりして、独特のコミカルさを醸し出している会話は、オリジナリティが強く感じられて、味がある。

工夫がこれでもかと凝らされている、楽しいエンタテインメント。まさにワールドって感じだね。

ちなみに伊坂は、出演者がさまざまな作品間でリンクしているらしいが、私は、伊坂のどの作品を読んだのか、さっぱり整理出来ていないから、そういうものがよく分からない。

さあ、これで「サブマリン」が読めるっと。

高野秀行「幻獣ムベンベを追え」

いやー面白かった。1980年代末、早大探検部が挑んだ、コンゴでの、幻の怪獣へのアタック。あっという間に読了。

1980年代初頭、探検隊による目撃証言が相次いだコンゴ奥地の湖、テレ湖。地元住民にも多くの目撃談があるという。大きな背に長い首を持つという怪獣の調査のため、作者が所属する早大探検部を中心にした総勢11人のコンゴ・ドラゴン・プロジェクトのメンバーたちは企業の協力で超音波探知機や夜間暗視装置、ビデオカメラなどを揃え、東京新聞に後援してもらい、コンゴ政府と交渉して現地探査に出発する。しかしテレ湖への道のりは、物理的にも、渉外的にも、苦難の旅となった。

なかなか夢のある話である。現地の村での交渉に難儀し、ガイドやポーターたちの反乱に悩まされ、食糧危機にあえぎながら、厳しい環境下での探査は進められる。マラリアに倒れる者も出るが、大変な日々の中で、考えを深めていく様子が描かれている。

ただひと言、凄い行動力だと思う。当時国交もない社会主義独裁国家のコンゴへ、かなり本格的な準備をして、行っている。食べ物もまあ、ワイルドで、現地の動物たちの様子も分かる。アフリカ辺境の村での習慣や人間関係にもスポットが当てられている。

怪獣探しって・・とは確かに思うが、そこは日本でも屈斜路湖のクッシー、鹿児島の池田湖のイッシーなどの話題があり、そしてもちろんイギリスではネッシーが有名で、この手の話にワクワクしてしまうのは確かだ。イッシーの池田湖は修学旅行で行ったことがあるが、県により、数秒間に一度シャッターが下りる自動監視装置がセットされています、という説明を受けた。

たまにこういうハチャメチャ紀行を読みたくなる。今回のは新しい本ではないが、かなり強く興味を惹かれ、一気に読み終えた。

この後高野氏は辺境作家としてポジションを確立し、著書は多数。また読もう。

島本理生「週末は彼女たちのもの」

オトナの恋愛にまつわる連作短編集。1編がホントに短く、次はと読んでしまう。ある意味実験的な作品で、薄く淡くて、でも意外に興味深かった。

モデルのミナはレストランを経営する婚約者の吉川に、突然結婚の延期を告げられる。ミナの親友でシングルマザーの奈緒はそんなミナを心配していた。一方、前に弾いていた店をクビになったピアニスト、留加は、演奏を聴いていた吉川に、自分の店で弾いてくれないか、と声をかけられる。

元々は、ルミネの写真広告に合わせて書いたショートストーリーで、それを1冊にまとめた本。いつもの島本理生の作品よりも、ほんの少し舞台がかっていて、スタイリッシュだ。

1編が5ページくらいで、散文のよう。そして出演者の視点が次々と変わる。別れがあって、理由があって、新しい恋、という、この作家のパターンだけど、深く入らないぶん流れがいいというか、こういうのもいいなと思えてしまった。

ウィリアム・ジェラルド・ゴールディング
「蠅の王」

ノーベル賞。人の心の悪魔的な部分を描くというイギリスの作家。うーん、特殊な状況だが、あり得るかもな、とか思ってしまう。怖く、かつ、かわいそう。

戦時下、イギリスの輸送機が撃墜され、南太平洋の無人島に、少年10数人が取り残された。隊長になったラーフを中心に集団のルールが決まるが、6〜7才の子たちを含む皆は規則を守らない。やがて、熾火(のろし)を上げることにこだわるラーフと、野生の豚狩りにこだわるジャックとの間で対立が深まる。

子どもたちは熱狂し、強い方に流れ、集団は狂気を帯びた危険なものになっていくー。豚狩りが尋常でないものを呼び込む小道具になっている。無人島には大人がいない。つまりうるさく言われる規律を守る必要もない。家族がいない心細さ、過酷な環境で生きなければならない心の鬱屈とベースは十分だ。

数人の軸となるキャラクターを、うまく動かしている。少年であるがゆえにうまく行かない、もどかしい部分もよく伝わってくる。シーンのつなぎは、神秘的な表現で、ファンタジックな要素もある。残酷な場面にはけっこうびっくりしたが、全体にどこか納得するような筆致で、クライマックスはちょっとした迫力だ。

この作品は1954年に書かれ、イギリスとアメリカで反響を巻き起こした。ゴールディングの代表作で、彼は1983年にノーベル文学賞を受賞する。

「蠅の王」は聖書にも出てくる悪魔ベールゼブブを指すという。人の心の悪魔的な部分を、無人島、少年というものを触媒にまじっと描いてて、ちょっと引き込まれたかな。


豊島ミホ「檸檬のころ」

東北にある田舎の高校を舞台にした、青春ストーリー短編集。あとがきによれば「地味な人なりの青春」らしい。良いまとまりだと思う。

橘ゆみ子にとって、高校に入って初めての友達、小嶋智・サトは2年の秋からいつもの電車に乗ってこなくなり、学校に来ても保健室で過ごすようになった。ゆみ子は、サトが何を考えているか分からない。そんな中、ゆみ子は同じ学校のイケメンから告白される。

ウィキペディアによれば、豊島ミホの代表作だそうだ。ここまで、女による女のためのRー18文学賞作品「青空チェリー」、各編に必ず人形が出てくる「ぽろぽろドール」と、クセのある作品を読んできたので、なんというか、かなり正統派なのに少し驚いた(笑)。

おそらく秋田県出身の著者のベースである東北の公立進学校が舞台で、季節や風景、高校を取り巻く環境の描写はリアルで、昭和生まれの私にも通じるものがあった。

各編はそれぞれ主人公が違い、微妙にリンクしている。地味と言いながら、なかなか恋ものも多く、野球部のエースやマドンナ的なキャラもいて、それなりだなあ、というのが正直。しかし、高校1年から、子供っぽくもある考え方や行動、悩みや行動までを真摯にユーモラスに描いていて、大人の視点が入ったり、その大人たちがかなり単刀直入な言い方をしていたりと、興味深い変化をつけている。

ストレートで、しかし特徴的で、よいまとまり。いつもは強めのクセに惹かれるものを感じるが、これはこれで、佳作だと思う。

怯まない

水曜日、Uー20W杯グループリーグ第2戦、優勝候補のウルグアイと戦った日本。

結果から言えばしたたかで上手いウルグアイにやられてしまった。ウルグアイは前から鋭く当たって来てカウンターが速くてチョー危険である。

こういうチームに当たった時、下手にパスを出すとカットされてカウンターを食らうから慎重になり過ぎて前線に思い切ったパスが届かなくなる。前半はまさにその展開で、日本は怯んでいた。0点なら良かったが、38分に先制された。

久保も負傷交代で出番が早めに巡って来たが持ってはすぐつぶされて、で、ある。この試合通じて、おそらくウルグアイは久保を警戒し、フィジカル的に狙っていたと思う。

ハーフタイムで確認したのだろう、後半になると、日本のサッカーはグッと良くなった。大胆で速いパスを出すようになり、攻めが繋がる。ドリブルからの久保のシュート、やはり久保のスルーパスからの岩崎のシュートなど惜しい展開もあった。うがった見方をすれば体力温存を図ったウルグアイに守られた、というのかもだが、それだけとは思わない。

ただ、点を取るまでの胆力が無かったか。ゴールは出来ず、終了間際に追加点を食らってキレイにジ・エンド。このチームでは初めて当たった世界レベルのサッカーだったろうと思う。

前半萎縮し、後半攻めていても、自分達が点を取る、勝つ、ことをどこか本当に信じていないように見えた。下がっても、いや下がってスペースが無いとなおさら、ウルグアイは手強かった。

痛いけれど、これをどう取るか。次は決勝トーナメントが懸かったイタリア戦。引き分け以下ではダメ。勝てば前に進める。シンプルだ。相手も強いが、ウルグアイに負けている。今日の教訓は「怯まない」。

日本の力を見せつけよ。がんばれ、日本。

怯まない

2017年5月24日水曜日

継続力のけ




前にも書いたと思うが、風呂上がりにストレッチを取り入れている。巷で流行っている本を買ったわけではない。webで検索して出て来たストレッチをしている。もう3ヶ月くらいか。やることも変わって来た。


エクササイズとして、シコストレッチ、立ったままシコを踏んだ時のしゃがむような格好で股関節を柔らかくするストレッチを左右交互に20回×2セット、片脚ずつの深い伸脚を左右30秒×2セット。


当初しばらくやってたら、シコストレッチで股関節が痛くなり3日ほど休んだ。そのあと始める前に、高校時代やっていた、普通のストレッチ体操を取り入れた。またシコストレッチは30回を20回にした。今は痛くない。


シコと伸脚をしたら、前後開脚もする。ここまでが準備運動で、ベタッと横に脚開いて座る。120度ほどまで開くようになった。でも一時期は角度が広がらなくて悩んだ。現在はまあ今から、という気持ちである。股関節の痛みが無くなってから少し開くようになった感じだ。前屈と左右の脚へ身体を倒す。30回×2セット。


それから、脚を開いたまま、グッと腹を引っ込めて、左右への捻り運動を30回×2セット。負荷が軽いぶんやりやすく、けっこう効果がある。これを追加してひと月ほどだが、腹回りがスッキリした。意外に上の方の腹筋にはきくが下腹の腹筋には効果もひとつ気味なので、ちょっと脚上げ腹筋なぞ足したりして、やる事が増え続けている。


で、寝転がって伸ばした脚を片方ずつ手で持って上げるのを20回×2セット、次はリビングの広い、2段の階段の下のところに合うように両脚を広げる。こうすると階段の角度のついたところで脚がロックされるのでしばし軽く前屈、その後、捻り運動を20回×2セット。


これで終了。軽くストレッチ体操。全部で20分くらいである。腰捻りは、やり過ぎると痛める怖れもあるので注意している。


継続は力なり。負荷を軽くして、続ける事。酒飲んだ日はしない。けがしそうだし。最低腰捻り運動を、脚を閉じたままでも、やっておけばいいや、くらいの気持ちだ。


まあ、まだ始めて3ヶ月、腹回りは1ヶ月だから、継続の「け」も行ってないけどね。


2017年5月22日月曜日

You made my day.





タイトルは、今週読んだニューヨークのエッセイ。1コラムに1つずつ、英会話でよく使う言い回しが載っていた。おかげでとてもいい日だったわ、という意味だ。


月曜日家に帰って、いつものようにクッキーが寄って来て、抱き上げてソファの私の隣、畳んであるブランケットの上にに座らせると、いきなりオシッコした。わー。


後作業的にはブランケットの上、というのが幸いで、パパが素足を洗って、ブランケットを風呂場に持ってって、ちょちょっとソファのわずかに濡れたところを拭いてというので収まったが、肝心のクッキーさんが、叱られたからだけではなくて、いつにも増して元気がない。さすがにおかしい、と気付く。背中が丸まってるから、腰系か。いつもわーわーと元気のいい子はすぐ分かる(笑)。


んで、部屋で息子が、教室で先生への行列に並んでてケンカっぽいことになったと告白。話を聞くと、胸を突くくらいの感じだったそうだがやっぱり子供っぽい。様子をみることにする。


翌日は旧友と十三で呑んだくれる。転勤だそうだ。もちろん残念だけど、仕方がない。また転勤あるだろう、大阪で待ってるよ、と言うと笑っていた。


この居酒屋はいつも帰りにこんにゃく畑と飴ちゃんをくれる。飴はなめてこんにゃく畑を冷蔵庫に入れておいた。


翌朝クッキーのことを訊く。病院行って、やはりヘルニアなりかけで全治2週間だという。腰に負担がかかる階段昇りとか極力させない、抱っこも身体が平行になるように、とのこと。体重が重いので食事制限。かわいそうに。


こんにゃく畑どうしたのー?

ん、居酒屋でもらった

これはお弁当の保冷にいいんだけどどこ行っても売ってないのよねー


息子はその後穏やかだそうだ。この年代はぶつかるが忘れるのも早い、か?ひそかに注視はしよう。


翌日は帰りのバスに乗ってるときから眠くて、帰ってご飯食べて、阪神戦の行方を見てから爆睡。朝早く起きて風呂に入る。もうクッキー元気。妻が朝ごはんの用意をしているとダッシュで階段駆け上がりキッチンに行く。おいおい。その日のお弁当にくだんのこんにゃく畑in。


木曜帰りに100円ショップでこんにゃくゼリーなるものを見つけたから買って帰ってみる。岡田光世「ニューヨークのとけない魔法」読了。時間がかかった。正直アメリカにはあまり興味がない。アラスカ以外はね。


妻いわく、この形はちょっとねえー。こんにゃくゼリーはチューブ状で、畑のようにカップがいいらしい。んなオレ食べるわ、としといたら育ち盛りの息子がこれなに、食べていいの、めっちゃおいしいやん。お弁当に入っていた畑を食べてみたら美味かったから興味が湧いたらしい。なんかぐるっと回ってるな。


翌日は動脈硬化検査で京橋。いやー大阪ビジネスパークって都会だなあー。やたら道広くて車少ないけど。


で、今度はドラッグストアに行ってみたらこんにゃく畑あっさり発見して買って帰る。合格。息子きのうのチューブのやつはすでに完食で、畑もすぐ1つ食べてた。今回はリンゴ。桃とかグレープとかたくさん種類あるみたいだから、次は変えてみよう。


めっちゃ怒る。テスト前だというのに遅くまでアニメ観て、寝室に引っ込んでからもゲームしてたから、アニメチャンネル契約切るぞ、ゲーム全部取り上げるぞと過去最大級。小学校とは違うんだから・・。


土曜日は空真っ青ですごく暑い日。今年初めて。気温が一段上がった。


でも家中は日陰だから、そよ風が吹いて短パンでは寒いくらい。昼ごはんそうめん食べて、食後はアイスコーヒーを、きれいに妻が入れてくれて、のんびり読書してた。外出やめた。暑くとも土日どちらか少しは出るつもりだったがきょうは取りあえずストップ。


日曜日。朝のまだ涼しいうちに外出。目的はブックオフ。でもなんか、こういう言い方も変だが、本を見る調子もいまひとつで(笑)、4冊。


宇佐美まこと「入らずの森」

敷村良子「がんばっていきまっしょい」

太宰治「斜陽」

ヘミングウェイ「日はまた昇る」


「入らずの森」は新聞の宣伝で見かけて興味を持った。ホラーっぽいんだろうか。「がんばって」はNHK朝ドラ。だが、どこかの書評を読んで興味を惹かれた、愛媛の名門松山東高校の話。「斜陽」は、いつか読もうと思ってたから。ヘミングウェイはノーベル賞シリーズの一環。


行き帰りのバスと自宅で「ブラインド・サイド」読了。アメフトを題材にしたミステリー小説かと思ってたらノンフィクションだった。「レフトタックル」はクォーターバックのブラインドサイドを狙って潰そうと突進してくるディフェンスを阻止する、重要なポジションということがよく分かった。アメリカの貧困層から出たNFL選手の生い立ちを追った社会派の作品だった。


夕方はサッカー、U-20W杯。グループリーグ初戦の南アフリカ戦。開始早々に先制点を与えた日本は後半、エース小川のゴールで追いつくと、交代出場の久保が左サイドからガンバの堂内にナイスすぎるアシストで勝ち越し。気持ちいい逆転勝ちで初戦を飾った。この年代のサッカーは動きが多くて面白い。日本はパスワークが良く、攻めも多彩。左サイド、川崎の三好もいいし、右SBのガンバ初瀬はとてもいい。久保は素晴らしい。南アフリカは運動能力が高く、攻撃時のラッシュは日本を混乱させていたし、カウンターも鋭かった。ただ、日本もだが、決定機のシュート技術がもひとつだし、終盤は日本も落ち着いて対応できていた。次も見たくなるな。


夜はヤクルト−阪神戦を観る。タイガースルーキー小野は奮闘したが5回持たず。しかし7回逆転、9回のピンチもしのぎ、連敗脱出。


さてさて・・。先日の十三呑みの時、2人の共通の同級生の名前が出た。私は仲良かった。高校はもちろん、浪人の時は互いの家がバイクで15分くらいだったから、毎週日曜日の夜遊びに行き、大学4年の時には広島での就職活動で広島大学の彼の家に滞在させてもらい、就職してからも確か会っていた。


彼が勤めていた外資系の企業を辞め、福岡で焼鳥屋をする、というくらいまでは年賀状のやり取りもあったがやがて途絶えた。それからおよそ20年くらい経ち、同窓会ブームが起きた時、大手電機量販店に勤めていると聞いた。呑んだ友人は、パソコンその他の機器の世話をしてもらったが、その後やめたようだ、と言っていた。その日はそれで終わったが、翌日、昨年12月に亡くなっていたという連絡があった。


信じられない。虫の知らせだったのだろうか。事情を聞くのは、興味本位と受け取られるやもだから遠慮している。


高校時、バンドのベースをやっていて、歌舞伎役者のような顔立ちで、モテていた彼。それが鼻に触る奴がいて、陰で悪くいう奴も居た。女の子にカッコいいと言われてもプライドを高くすることもなく、男らしいところもあって付き合いやすかった。


何があったのかは、聞かないことにする。都合いいかもだが、あの時間も、話したことの断片的な記憶も、すでに永遠だ。バカヤロウ、早過ぎるだろ。なんで思い出ばかりなんだよ。


さよなら。



2017年5月15日月曜日

みんな空の下





タイトルに特に意味はない。カラオケバトルコーナーで気持ち良さそうに歌われてたから。


GW明け、月火と出て水木と終日セミナー。勉強した。個人的には、やはりメモを取る方が、頭に入りやすい。ノートは見やすく書くために、やってることを一度反芻して再構成する必要があるからだ。人それぞれかと思うが、私の場合、特に午後の眠気対策にもなるし、何より退屈ではない。ま、終日は疲れるんだけどね。最後の方なんか手が腱鞘炎になりそう。


阪急オフィスビルタワーという、阪急百貨店にも直結の最新ビルで受けたのだが、喫煙所が何階も下のデパートの屋上。急いで行って帰るのも慣れるけどやっぱ慌ただしい。それはいいのだが、昼ごはんが、初日はデパートでドライカレー食べようとしただけで40分待ち。次の日はもう割り切ってビルのドトールのようなところで済ませた。昼休みはやはり余裕が欲しいから、どちらを取るかと言われれば、食事を捨てて時間を取る。私はそういうタイプだ。


このセミナー期間で

高田崇史「QED ベイカー街の問題」読了し、次の絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」を読み込む。セミナーに行ってると、早い時間でも開いてる駅の本屋にどうしても立ち寄ってしまう。いいなあ。会社の近くにないかなあ。本屋。ケン・リュウ「もののあはれ」を購入。やっぱあったら買っちゃうな。


で、木曜の夜は高校大学同じの友人を会社地元へご案内。お好み系鉄板焼き、スパゲッティとカクテルの2軒め、レトロな飲み屋と3軒ハシゴ。ぎゃはぎゃは言いながら酔っ払う。彼曰く、同じ高校で同じ男クラ(男子だけのクラス)で、同じ一浪の同じ大学学部で・・ここまではふむふむそうだったな、と聞く。その次が傑作だった。


「俺と同じで暗くてめんどくさいお前と飲むのが楽しい!」


ちょっと待て。確かに高校では1年だけ同じクラスさ。大学も学部学年一緒だったけど、そこまで仲良かったわけでもないだろう。酒の席は3度めですべてこの半年に集中してるが、だからといって・・


とか一瞬考えたけど、実はこれは深い言葉で、けっこう真実を衝いてるかもな、確かにオレ暗くてめんどくさいし。


なにより少し過度に面白がるやつの大人パワーに笑えたからまあいいか。


ただ少々飲み過ぎて翌日はヘロ×2。さっさと帰る。帰りのバスで「イッツ・オンリー・トーク」読了。女な物語だった。最近特に女性作家さんに多いが、女の性を見せびらかすような作りの作品は正直好きになれない。題材として扱うのは悪くはないが、作品の売りっぽく見えると引いてしまう。作風は軽くアングラでアブない感じというどこかで流行ったような形ではあるが、ただこの人は筆力があってちょっと奥の存在を感じる。芥川賞を取った「沖で待つ」まで読もうかな、とりあえず。


土曜日。息子は学校。朝ごはん食べそびれないように早く起きる。が、ソファで毛布かぶって、ワンコとともに平和に睡眠。前夜から強めの雨が降っていた。昼前やむ頃に、散髪へ出かける。少し寒い。Tシャツの上に半袖ポロシャツ、それに薄手のウインドブレーカー上のものを着てちょうどいいくらい。


バスが着いてちょっと時間があったから100円ショップをのぞいたらけっこう面白くて、散髪の後立ち寄る。


100円ショップのネクタイなんぞ初めてだが、カジュアルぽいのが悪くなく、3本買う。また夏用の靴下を3着買う。もっと大きいところにはもっとありそうだ。100円ショップネクタイばかりにするつもりはないが、バリエーションを出すにはいい材料かも。気に入った高いものだけ、ではオシャレ感が出ない。数は必要だ。なあんてね。最近安物買いだしたまには高いのも買おう。


お昼ご飯はナスと挽き肉のチャーハン。「もののあはれ」読み始めるが、なぜか進まず。夕方も眠くなる。まあ長年読んでれば、こんな時もある。


翌日は早めに起きて、神戸南京町。母の日=なんかケーキっぽいもの=エストローヤルのシュークリーム&エクレア、と発想が行き、混まない朝一番に買った。豚まんの老祥紀はこの時間でびっくりするくらい並んでいた。この日はそれだけで、すぐ帰った。南京町で豚まんとかミニラーメンとかごま団子とかのランチも今度はしたいなあ。


帰って来て昼ごはんはざるそばと、エストローヤル。全部3つずつ買って行ったが、私のエクレアは息子に食べられてしまう。まあ妻も喜んでたみたいで良かった。なんか身体があちこち凝ってて、日中はダウン。だらだら。阪神はまた勝った。3年ぶりの貯金10。予想外だな〜。


晩ご飯はステーキと手作りマカロニサラダでウメッシュで小酒盛り。


日曜夜のN響の枠は毎週番組表を確かめるのだが、諏訪内晶子でシベリウスのヴァイオリンコンチェルト、シベ・コンだったので久々にじっくりと観る。マイブームだった東京の頃は毎週欠かさず観ていた。


シベ・コンは、チョン・キョンファが16歳の時、チャイコとともに収録した、クラシック業界ではやや有名な廉価のCDが最初。曲をとても気に入っている。サントリーホールで、これまた好きなヒラリー・ハーンのシベ・コンを聴きに行った。


自身優れたヴァイオリニストだったというシベリウスの難曲。諏訪内は得意のナンバーだという。ふむふむ。コンサートホールと違い、テレビでアップで観ていると、ちとオーバーアクションで硬い気がする。


この曲第1楽章にはクライマックスがある。カラオケでいうとサビがあって、最後のクライマックスはそのサビを中心に展開する形。私はここが大好きで、いつも興奮する。ゾクゾクする。でも、NHKのカット割りは冷静に過ぎた。


フルートが入るところ、最終クライマックスは、特殊な奏法が入る。ソリストとしても聴かせどころで、聴衆も観どころ聴きどころ。ここで普通にフルート映してちゃいかんでしょー。


おそらくはずっと諏訪内1ショットだったので切り替えたかったことがあると思う。フルートの途中から諏訪内に戻ったが、その奏法を意識し過ぎたのかヘンな角度からだった。うーん。いや、観る方も興奮しすぎ(笑)。


ま、でもシベ・コン聴けただけで満足か。


夜、息子が脚が痛くて眠れない、と来たが、バンテリン塗って寝なさい、と突き放す。冷たかったかな。翌朝目を赤くしてたから、きょうは寝かしつけてやろう。せんでも寝るかな。眠そうだし。


2017年5月8日月曜日

後半







3日からを、GW後半戦というらしい。1日は出て、2日はお休み。妻は昨年の今頃亡くなった岳父の法事で里帰り。私は留守番。


午前中に本屋でハイキュー!の新刊と住野よる「君の膵臓を食べたい」を買って来る。外はもう暑いが、家へ帰って来ると日陰で涼しく、長袖長ズボンでのんびり。買って来たちくわとさんま蒲焼き缶と残りもののきんぴらで昼ごはん。午後は木下正輝「宇喜多の捨て嫁」を読了。コーヒーをたっぷり入れて、クッキー食べて、反芻の時間。読書生活にはほんとうにいい季節である。


「宇喜多の捨て嫁」間違いなく今年いちばん面白い作品だった。最初ガツンとかまして、徐々に中心人物の宇喜多直家の人生が浮かび上がるようになっている。権謀術数と、戦国の世の酷薄さ、ファンタジックな部分もあり、ベタな人間的なところもあり、最後も上手に締める。デビュー作でいきなり直木賞候補作はダテではない。審査員の先生方にも評判は良かったようだが、もうひと押しが足らないと言えばそうかもしれない。


この日まで学校部活だった息子と、日帰りで和歌山を往復した妻は翌日そろってオフ宣言。じゃあパパ出掛けちゃおうかなあーという言葉に同意を得たので3日は単独出動した。


阪神電車直通の近鉄で奈良の西ノ京へ。西大寺乗り換えで1時間ちょっと。何よりまっすぐ行けるのがGOOD。また西ノ京はすぐ薬師寺、7〜8分で唐招提寺と、コンパクト。駅近くの食堂でおにぎりセット食べて行く。


先に離れた唐招提寺へ。鑑真和上が晩年を過ごした寺である。門から臨む国宝の金堂は「天平の甍」という言葉にイメージぴったりな感じだった。鑑真が愛した大陸の花の園がちょうど公開中。売店で、思わず井上靖「天平の甍」買っちゃった。まあ本読みだし。


歩いて薬師寺。法相宗は、三蔵法師の活動に連なる宗派である。こちらは、白鳳文化で、白壁朱屋根柱の唐風の建築。薬師如来や、東院堂の、聖観世音菩薩像がきれいだった。


回るのに1時間半くらい。14時30分には電車に乗って、16時30分にはお家。行き帰りの電車で知念美希人「死神の優しい飼い方」。


次は藤原京とか大神神社とか高天原伝承地に行ってみたいなあ。


4日。なにもなし。「死神の」読了。あまりにヒマなのでブックオフで5冊。

絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」

シェイクスピア「夏の夜の夢」

高野秀行「ミャンマーの柳生一族」

豊島ミホ「エバーグリーン」

中島京子「冠・婚・葬・祭」

いくら20%オフとはいえ我ながら書いすぎ。本読みの常で、最近読んだ人の本ばっかりというのは落ち込んだりする。だから人との貸し借りは大事なんだな、と本読み論。


帰って来て、伊坂幸太郎「サブマリン」読み始める。


この2日間ほど、だいたい息子が風呂に入る9時ごろにオチてしまい、意識もうろうでベッドへ送り出してからまたソファで寝て、深夜2時ごろ起きて風呂に入り、風呂上りに柔軟開脚をしてだらだらして4時ごろまた寝て、朝は8時ごろ起きるというような生活パターンに陥っている。日中は眠くもないし、調子はいい。でももとに戻さないとね。


5日。なにもなし。外出もせず。読者生活。「サブマリン」読了。作中に出て来た、ジャズのローランド・カークが入っている、チャールズ・ミンガスのアルバムないかと探したが、ミンガスは1枚あったけど、カークさんは不参加。くそ。「サブマリン」シリーズは、エンタメという意味でも、社会派という面でも、いい作品だと思う。12年に1作ではなくもっと書いたらいいのに。


夜はカラオケ対決を見る。女王新妻聖子新妻聖子挑むアマプロの挑戦者たち。番組が発掘したという高3の女子は声そのものもパワーも素晴らしかった。ルックスもよく、すでにCMに出演している。しかしこの日はコンディションが良くなく、彼女が憧れという中2の子に刀折れ矢尽きた形で負け。でもすごく良かった。勝った中2女子も良かったが、次の対戦で、プロに成り立てのオペラ女子に負ける。この結果は実はえーとか思ったものの、新妻聖子と争う決戦の「I Will  Always  Love You」をオペラ女子が歌ったのを聴いて、この人で良かったと思った。専門的な教育を受け、表情仕草まで磨かれた方は、このレベルの歌になるとやはり全く違う。でも新妻聖子は勝ってしまう。昔May J、いま新妻聖子。


こういった番組や企画ものはよくあるが、カラオケの高得点に特化し過ぎている感じが最近していたので、今回は本当に良かったな・・と歌好きのおやじは1人感心。やっぱ歌はいい。絢香の「みんな空の下」はこそっと練習しようかな。笑


6日。やはりヒマ大会。夕方、ノーベル賞ものの本を探しに外出。見つからず、というか2作ほどあったが、優先順位が低く買わず。何とは書かんが。住野よる「君の膵臓を食べたい」読了。思ったよりまっすぐな話だった。タイトルからややグロとかひねりとかを考えていただけに意外。でもじくっと感動した。


7日最終日。家で黒鷲旗バレーボール男女決勝を見て過ごす。


女子決勝はデンソーvs日立リヴァーレ。日立のウイングスパイカーが強い、バランスの良いバレーが目を引いたが、勝負強さ、という意味でデンソーの方が上だった。キャプテンでMVPとなった石田は運動神経の塊のような選手だったし、全日本選手にしてエースの鍋谷は鬼気迫るといっても過言でないほどの迫力があった。外国人はどちらもMBに1人ずつ。だからか、攻撃のバリエーションがあり、よく拾うからラリーが多く面白かった。


続いて男子はJTサンダースvsパナソニックパンサーズ。JT越川はインドア引退試合。対してパナソニックは清水、福澤らちょっと前の全日本主力クラスがいる。フルセットも15-13まで行く大接戦。外国人オポジットにもボールを集める数もそこまで多くはなく、日本人アタッカーがかなり機能していて、福澤の打点の高さに改めてびっくり。いい試合だった。JTが勝ち、越川MVP。見応えがあった。


夜に井上靖「天平の甍」読了。昭和36年の作品で、仏教の話らしくやや漢字が多かったが、歴史小説らしい、悠久の哀しさとでもいうものがあった。いや唐招提寺の構えは、いかにも天平の甍〜という感じで清冽でだったし、その鑑真ゆかりの寺で買った抹香の香りがする本に感じ入り、浸れた。


よく本を読んで、のんびりし、多少は出掛けた感じのGWだったかな。


2017年5月4日木曜日

4月書評の3





写真は奈良の薬師寺。奈良について調べだすと、行きたいとこが多すぎて困る。

4月は15作品15冊も読んだ。児童小説、ライトノベルなんかが入っていたからだが、バリエーション豊かな月ではあった。次のノーベル賞を探さなくては。


青木祐子「これは経費で落ちません!

                    〜経理部の森若さん〜」


あまり大きくない会社が舞台のラノベミステリー、とでもいうべきもの。ヒロイン・森若さんのキャラは確かに立っていて、評判いいのもわかる気はする。サラサラ読んでしまった。


石鹸や入浴剤を扱う天天コーポレーション経理部の森若沙名子は入社5年めの27歳。彼氏なし、週末の楽しみは自宅での映画DVD鑑賞。イーブンという言葉が好きで、過不足のない穏やかな毎日を送るのがモットー。会社とは適度な距離感を保ちたい。ある金曜日の退社後、よく無理を聞いてやっている営業部の山田太陽から沙名子のスマホに仕事のメールが入る。


新聞で第2作の宣伝を見て、評判が良さそうなので読んでみようと購入。


もう少し自己啓発系かと思ったが、あまり経理業務に深いわけではなく、沙名子さんが、会社の多彩な面々に起こる小事件を冷静に計算した上でたんたんと解き明かしていく、ラノベ風味のストーリーだった。


沙名子さんは、身ぎれいにしている地味美人で、沈着冷静、仕事もできて部長にも信頼が厚いが、つきあいはほとんどしない。しかし自分のことは、やはりあれこれと思っている。そして過不足のない日常を崩す人が現れてー。というとこで第1作終わり。


セリフ的にも無駄が無く、会社での状況と起きたことの事情をみて、事を適切に処理する一方、読者からは可愛らしい面が見える、というのは確かに読み手の気を引く。そこまで特徴的な話ではないが、経理部というのは勝手な現場の人間に振り回され、仕方なくやっている事もある、という部分をクールにこなす面、沙名子の会社との距離感、入浴剤含め、女子社員のいかにも的な性格を書き分けているフェミニンな部分など、うまくヒロインのキャラとその立ち回りを際立たせる設定を作っていると思う。


青木祐子氏は、少年少女向けの小説を書いてきた人らしいが、微妙にキャラを立たせるのは、けっこうな技術がある気もしている。第2作も買ってみよかな。


三品和広「戦略暴走」


国際化から不動産への進出まで、企業戦略の失敗例をまとめ、分析したケースブック。なかなか興味深い一冊だった。


ハーバード・ビジネススクールに学んだ著者が、そこで課されたケース分析を参考に、179もの例を集めたもの。国際的な資本参加、買収、M&A、工場などの自力進出を最初の方で取り扱い、中盤は、本業に関連がありそうな分野への拡大、またパソコンの興隆に合わせた媒体の製造について考え、リゾート、不動産、開発事業への進出まで、実に様々なケースに言及している。


内容も概要と結果、中心的人物と原因分析があり、本文のサイドには、本業と売上高、営業利益率、筆頭株主、中心的人物の経歴などが書いてあってかなり参考になる。主に1970年代から最近までのケースであり、実業界の歴史から技術のめまぐるしい移り変わり、バブルだけでない業界の特徴と波などが見えてくる。


名前を知らない企業も多く、欄外の情報が役立った。また、多くの業界の勢力図や動向がよく分かって、勉強した気分である。


戦略も、状況にかなり左右されるし、同情したくなる場面もある。しかし、結局推進者によるところがかなり大きいな、と感じた。海外生産や本業の延長事業、多角化などはけっこうフツーに動いているかと思いきや、名だたる大企業が痛い失敗を経験している。ちょっと見え方が変わった本だった。


宮下奈都「ふたつのしるし」


不思議な出会いの物語。2人のハル、優等生の女の子と、茫洋とした男の子は、それぞれの道を歩みー。途中からけっこうのびのび書いてるな、なんて思った。


小学校1年生の陽之(ハルユキ)はぼうっとして、自分の興味が動くことだけに反応する子供で、学校の先生もあつかいかねていた。ハルにとって母と、友達の健太だけが理解者だった。一方、優等生の遥名(ハルナ)は、進学した中学で、勉強が出来ることを隠して過ごしていたが、物事をはっきり言って孤立を恐れない里桜と出会う。


遥名のほうにはそれなりにリアルなものを感じたが、男子の陽之のほうはかなり不思議ちゃんな設定で、物語の展開も、まったく別のジャンルの話のように進む。そのギャップは興味深くもあるし、どこへ向かうんだろうとちょっと期待してしまう。


小学校、中学校に上がった時は、周りとの関係に違和感を感じるものだ。どこか思い出させるものもあって、懐かしかった。端的に取り上げるシーンとして、ちょっと面白く際立っていた。


ファンタジックな要素もあり、大人の児童小説のようなテイストだった。突飛にも見えるが、盛り込み方にさすがの筆力も見えて、けっこうのびのび書いてるんじゃないかな、などと感じた作品だった。まあ小品ってとこかな。


江橋よしのり「おはなし 猫ピッチャー」


ニャイアンツの猫ピッチャー、ミー太郎がニューヨークでニャンキースと戦う!話も表現も、ひと工夫。ところどころ、ふふっと微笑んでしまった。児童小説です。


ミー太郎は球界初の猫ピッチャー。もちろん1軍のマウンドで活躍する。ミー太郎の人気聞きつけたアメリカ・メジナリーグのニューヨーク・ニャンキースが親善試合に招待してきた。飼い主の女子高生・ユキともども、チームとアメリカに渡ったミー太郎だったが、記者会見で本当の猫ということに仰天され、アメリカの野球ファンの期待は異常に高まる。


読売新聞日曜版に連載されている23コママンガの児童小説版第1巻。いただいた本で、楽しく読んだ。持って帰ったら、息子が「あーっ、猫ピッチャー!」と即反応して奪っていった。


ミー太郎は抜群の野球選手であるが、もちろん猫らしいところというか猫そのものの行動も満載で、でも人間扱いされないといじけてしまったりするところ、飼い主のユキや監督、同じ投手の英須さん、キャッチャーの平野さんら優しいチームメイトたちとのドタバタ劇も微笑ましく、もしも猫が野球をしたら、という発想だけで話は広がるな、とつくづく思う。


児童小説らしく分かりやすい悪役、謎の人物(たち)もいるのだが、その中にも、アメリカの、スポーツ、野球に対する取り組み方や愛情を織り込んだり、猫ならではの謎を入れたりと、面白い複式構造にもなっている。


さらにユキを中心に、使う言葉もかなり現代口語的で、大人から見てもいい味付けだと思う。


最後にギャリコという名前を持って来たところで、猫ものとしてはニクい、いい仕上りでしょう。なかなか楽しかった。


谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」


大ヒットシリーズの第1作。宇宙人と未来人と超能力者。いろんな要素がしくっと噛み合ったというとこだろうか。


県立北高校に入学したキョンは、出席番号が続きの「えらい美人」涼宮ハルヒと出会う。ハルヒは、最初の自己紹介で「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところへ来なさい。」と言い、やがてキョンや1学年上の美少女、朝比奈みくる、文芸部で寡黙な長門有希らを巻き込んで「SOS団」という集まりを作る。


舞台となる高校が同じ市内のなじみの学校で、聖地巡礼もあるようだと聞かなければ読まなかっただろう。ライトノベルからアニメ、映画へとヒットし海外にも輸出されている涼宮ハルヒシリーズである。実は先に第2作を読んで、第1作を読まないとよく分からんという事を知り、今回読んでみた。


美人なのにものすごい自己チューで強引、本気で超常的なことを待ち望むハルヒが実は全宇宙に影響するほどの力を持ち、宇宙人、未来人に監視されている。ほどよくSF的な理屈と展開があり、コスプレあり、ツンデレキャラあり、そして主人公はハルヒに選ばれ、さんざん苦労させられる冴えない男子高生。やや地域密着なのは、ほかのエリアの方々にもなにかしらのリアル感を生んでいるのだろうか。ヒットするには理由があると思うが、これらがうまくライトノベル的に噛み合ったのかなーと思わせる。


確かに先が楽しみな、読みやすいものではある。第3作の「退屈」は、まあ・・気が向いたら、かな。


4月書評の2

4月書評の1





送別会、入学式などいろいろあった4月。寒くて桜開花が遅かった。いつも利用しているブクレコもサイト閉鎖を発表した。そんな思い出深い年度始めの読書レコード。ではレッツスタート。

エドウィン・パウエル・ハッブル

「銀河の世界」


いやー難しかった。やっと見つけて勇んで読んで見たものの、特に終盤は数式の嵐。まあその、天文関係は、そのわけわからなさが不思議な快感だったりするんだけど。


1936年に発表された、ハッブルの著作。テーマは、題名にあるように、「銀河」である。


我々の天の川銀河から、別の銀河に目を向け、その分布、形態の分類、性質、光度、色、大きさ、移動速度とその方向、そして困難な距離の算定などについて語られている。


天の川銀河から近い大マゼラン雲、小マゼラン雲、そしてアンドロメダ銀河が頻繁に登場する。


前半の、形態の分類とかは楽しく、高度化する前の距離の数式はなんとかついていけた気もするが、後半のより高度化した説明は、どういう状況の中、何が分からなくて、どういう問題を解決しに行ってるのかがなかなかつかめなかった。降参。


ハッブルといえば、アインシュタインが作った宇宙は永久不変とした数式に対し、宇宙が膨張していることを発見しこれを覆したことが功績のひとつ。本書にも、宇宙の膨張に触れた記述や、飛躍的に進歩する望遠鏡での観測環境などが書かれている。


結果的に銀河への距離について、ハッブルはかなり短く見積もっていたことが現在では分かっているが、精度を上げることに、かなりのページ数を割いているのが目を引く。現代の天文学へ指し示す方向を記したのがハッブルさんということだ。解説を読んでも、銀河については、現代でも全てが解き明かされているわけではないのがよく分かる。この本からはハッブルの熱さが伝わってくる。


書店に行ってもどこもなく、webで探しても絶版という情報も出ていて諦めていたが、ある日書店で突然偶然見つけた。


難しかったけど、いつかもう1回くらい読みたいなあ。


北原尚彦「ホームズ連盟の事件簿」


ホームズものの訳者である作家の、パロディ集。主役はホームズを取り巻く人たち。なかなかホワッとする短編集。


スイス・マイリンゲンの滝でホームズは宿敵モリアーティ教授と対決し、ともに滝つぼに落ちたー。親友を失ったワトスンは開業医として活動していた。過去に捜査した事件の公表を差し止めて欲しいと交渉を持ちかけてきた男が現れた直後、自宅に捜索された後を見つけ、ワトスンは疑心暗鬼に陥る。(「ケンジントン診療所の怪」)


シャーロック・ホームズの相棒にして伝記作家のワトスンを始め、家主のハドソン夫人、スコットランドヤードのレストレイド警部、ベイカー・ストリート・イレギュラーズのウィギンス、「バスカヴィル家の犬」のヘンリー・バスカヴィル、そしてアイリーン・アドラーをそれぞれ主役とする短編集である。短編には、もちろんというか、シャーロッキアン的な要素が散らされている。


日本人作家らしく、かゆいところに手が届くような筆致である。また、ホームズ物語に出てくるバイプレイヤーたちが、原作以上に生き生きとして動き回る設定もワクワクさせる。偉大な原典があるから、より活きるというところもあるが、上手にキャラクターを使い、プロットを構築するという技量にちと感心した。


ホームズ愛があふれる物語集。続編とあるようなので楽しみだ。


絲山秋子「袋小路の男」


2004年の作品で、川端康成賞受賞。純文学のにおいがする作品集。なんというか、ストレートで、昭和の香りもする。


高校生の時一目惚れした「あなた」小田切孝に恋心を持ち続ける「私」大谷日向子。大学に行っても、社会人になって大阪から離れても、指一本触れるわけではなく、優しくされるわけでもなく、時々男と付き合ったり別れたりしながら、長い年月、「私」は「あなた」を思い続ける。(「袋小路の男」)


表題作と、視点を小田切の1人称と3人称の併用にした「小田切孝の言い分」、まったく無関係の「アーリオ オーリオ」が収録された短編集である。


「袋小路の男」の小田切は、なんというか、「昔のいい男」の典型のような感じである。まあ、それを言えば、日向子も昔風といえば昔の女っぽいのだが。


思いが強いのは、男女それぞれ。女子でずっと思い続ける例も聞いたことはあるが、少なくとも、何十年も前から、いまどき、ではない。どれかというと、日向子は、小田切を軸にしながら自分探しをしているかのようだ。設定は古典的で、もうひとつ人間味も見当たらない。


「袋小路の男」ではひたすら思い続ける女だった日向子が、「小田切孝の言い分」ではちょっと違う形で描かれ、またこれまで格好よくぶっきらぼうであった小田切の内実も明かされる。この点はなかなか新鮮だ。


絲山秋子は、2003年に「イッツ・オンリー・トーク」で文学界新人賞を取ってデビュー、2004年にこの作品で川端康成賞、2005年には「沖で待つ」で芥川賞を受賞している。


淡々とした部分は、全体に好感が持てるのだが、まだわからない。もう少し読んでみようかな、という気になっている。


ウィリアム・シェイクスピア

「ロミオとジュリエット」


シェイクスピア初期の作品。「ビブリア古書堂」に影響された。劇台本ものは、ゲーテの「ファウスト」以来かな。展開が早い。


イタリアのヴェローナ、敵対するキャピュレット家のパーティーに忍び込んだ、モンタギュー家のロミオは、当主の一人娘ジュリエットと相思相愛となり、ロレンス神父立会いのもと、2人だけで結婚式を挙げるが、ロミオは諍いから、ジュリエットのいとこティボルトを刺殺してしまう。


物語の成り行きは知ってたが、「ビブリア古書堂の事件手帖」最終巻のテーマがシェイクスピアだったことにも影響されて、ちょいっと購入。


1500年代の台本か〜と興味を覚えつつ、ジュリエットのセリフの表現や、地口、シャレの言い回しにもふむふむと思いながら、サクサクと読了。ロミオって、ジュリエットには出会う直前まで他の恋に悩んでたりするからちょっとダメダメ感あったりするのだが(笑)。


解説によれば、ロミオとジュリエットには、以前から原盤のような話が複数あり、シェイクスピアは、劇的でかつスピーディーな話、出会って思いが通じてすぐ結婚、そしてまっしぐらに悲劇に進む形にした、とのこと。手際の良さに感心。また家同士に挟まれた恋愛悲劇は古今東西にかかわらずよくあるものなのかな・・なとと思った。


なんか、一気に続くシャレぐちもそうなんだけど、ジュリエットの乳母の支離滅裂系のしゃべりも、時に見せる分別も、いかにもありそうだなと笑えてしまった。


シャーロック・ホームズもよく引用するシェイクスピア。また折にふれ読んでみよう。


ケン・リュウ「紙の動物園」


ヒューゴー賞、というのに惹かれた。中国、台湾、アメリカ。胸にキュッと来る、世界が注目する作家のSFファンタジー短編集。変幻自在で興味深い。


母さんが作る、虎や鮫の折り紙は、本当の動物のように動いた。アメリカで暮らすジャックは、アメリカ人の父と中国人の母の間に生まれた。父親はカタログで、母を選んだー。(「紙の動物園」)


ファンタジックだったり、架空の建造物で歴史を変えてみたり、宇宙の惑星が舞台だったり、設定は多種多彩である。時代もさまざまで、1950年代、70〜80年代にシンパシーがあるように見える。ケン・リュウは中国生まれでアメリカに移住した作家で、自らの出自である中国、中華圏、日本、アメリカを物語のベースに置いている。


社会問題、歴史も織り込み、突飛な設定の中の、哀しい人間模様、矛盾の描写が軸である。そのバランス感覚は面白く、確かに興味が湧く。小気味よく、かなりSFチックな専門知識も出てくれば、素朴な魔法のような田舎の習俗も描いてみせる。


収録作品中では「太平洋横断海底トンネル小史」「心智五行」がいいかな。最後の「文字占い師」はすごく酷くて痛い。思わず目を背けた異質な作品だ。


ヒューゴー賞はアメリカSF界の大御所フィリップ・K・ディックも取った賞で、主にSF・ファンタジーの作品が対象の権威ある賞と受け止めている。「紙の動物園」はこのヒューゴー賞と、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞のいずれも短編部門を受賞するという、史上初のメジャータイトル3冠作品だということだ。世界が注目するSF作家さん。いや全然知らんかった。


社会問題も描いているから、中国では翻訳されていない作品もあるとか。ピース又吉が帯で推薦しているのに目を引かれ、ヒューゴー賞ですっと購入。SFものあまり読んでなかったし、楽しんで読めた。これは日本独自の短編第1集で、第2集もまもなく刊行とのこと。楽しみだ。




2017年5月1日月曜日

他力





友あり。火曜日は高校、大学の同窓生から誘いがかかり、ギョーザとナポリタンで食い道楽。翌日は飛び込みで東京の方が来られて久しぶりの邂逅。友続きである。


デスクワークの身ゆえ、朝晩以外はあまり気温に関係なく過ごしている。まあすぐ熱くなって半袖になるだろう。まだ朝が寒いから、分厚いふとんが欠かせない。


ゴールデンウィークの予定は、子供の部活次第かなあ。今年は珍しく他力である。まあ遠出の予定もない。


木曜日は、夏用のスーツでは朝晩肌寒かった。そういう日はまだあるだろう。お天気サイトでも、風向きが北の時は要注意だ。


金曜日は京都国立博物館で海北友松展。巡回ではなく120周年の特別企画だそうだ。


海北友松は、私も知らなかったのだが、狩野永徳、長谷川等伯ときて、桃山時代最後の巨匠らしい。一時狩野派に学んだそうだが、60歳以前の足取りが不明という画家だ。


代表作である龍の絵は、デカいのもあるのだが、大迫力だった。濃淡と、種類の限られた色付けと、主に線の描きっぷりだけで勝負する水墨画はすごいな、と思う。


狩野派のように緻密に描き込むのとは真反対に、太い線を大胆に引く人、というイメージで、細かいところをぼかしたり省略したりと洋画の印象派のような手法も使う。しかし繊細に描くところもすごく上手く、また人物の表情や動物の模様、全体の構図なども絶妙で、惚れてまうやろ、だった。素晴らしい。


絵はがき2枚買って、出口の門の対面にある喫茶店でロコモコ&コーヒーのランチ。中庭で煙草を吸わせてくれた。


七条から四条まで鴨川沿いを歩く。目当ては天狼院という最近できた本屋。探し当てて、しばし本を見る。あまり蔵書は多くなく、会話も出来ず。アイスコーヒー飲んで、充電しながら宮下奈都「ふたつのしるし」読んでいた。


四条河原町から阪急。十三乗換えで三ノ宮。元町映画館で「ママ、ごはんまだ?」という作品を観る。歌手の一青窈家族の話である。


台湾人の父と日本人の母の間に生まれた一青窈は5歳まで6つ年上の姉と両親と台南で暮らした。


台湾の世情は穏やかではなく、日本で教育を受けさせたいという両親の意向で東京に戻ったが、父はほどなく病気で亡くなってしまう。バイタリティー溢れる母は台湾で習い覚えた台湾料理を子供たちに作り続け、女手ひとつで姉妹を育て上げる。料理を中心に、女所帯の家族の移り変わりを見る作品。一青窈の音楽活動にはほとんど触れられておらず、原作を書いた姉、一青妙が中心だ。


一青というのが母方の姓で、能登に起源があることや、台湾出身の父を持つことは初めて知った。中学生?になった一青窈が、周囲の好奇心溢れる視線を嫌がって、弁当を日本式にしてくれ、と言った翌日にやっぱり戻して、と言う。テレビは日本の方が面白いけど、料理は台湾の勝ちだね、というセリフが面白い。


なんというか、まさに単館系、って感じなんだけど、昭和の台所とダイニングがやたら懐かしく、泣けてきてしまった。河合美智子いい演技だね。。


土曜日は完全オフ。なにもしなかった。息子はこの土日部活ない。でもまだ次の週の水曜から土日まで、月曜に行ってみないと分からない。うーむ。土曜深夜、大阪城でのアニマックスミュージックスペシャルを見る。興味半分だったが、知ってる歌は1曲も無く、1時間で見るのやめた。それにしてもすごい集客力だこと。


日曜もだらりとして、本の買い物に出る。木下昌輝「宇喜多の捨て嫁」。時代劇もの最近不足気味というのもあるが、面白いということなので。息子はゲームとマンガを買っていた。進学祝いたくさん使っちゃったから、もうストップしないとな。


それにしても暑い。もう半袖1枚で十分。きょう気温が上がったことで、先々の最高気温が少し上がった気がする。ついに、夜寝るとき窓を開ける季節が来たか。ちゅーか5月だからね。