折原一「漂流者」を読んだ。タイプとしては、ハードボイルド系エンタテインメントか。とにかく全編中、漂流の時間があまりに長い。ひょっとしてこれが流行かもしれないな・・と思いつつ、読み込んだ。確かに面白かった。細かい部分にかなり気を遣って書いているのも分かる。でも、登場人物が1人として愛せないのは、やはり読後感が悪い。プロットも、残念ながらまったく新鮮とは言い難いし、結末に必然性が感じられない、というのが感想だ。海の怖さだけはよく分かった。
これより先に読んだ、ロバート・B・パーカー「初秋」は、本道のハードボイルド系エンタメだった。主人公の探偵はめっちゃ強く、弱点もピンチもなく、頼れる相棒あり、お色気ありで楽しめた。この主人公、スペンサーのシリーズはたくさん出ているが、この作品がヒットし、日本でも人気を得たという。依頼者の夫婦の間で翻弄される、愛されない息子を1人前の男に育てる、というのが軸の珍しい話で、アクションその他とのバランスが取れている。スカッと楽しむ本である。この10年後を描く「晩秋」も近いうちに読みたいな。
白石一文「私という運命について」は、女子の間で人気だったので買ってみた作品。しかし、やはり女子系だった。4編の、最初の一つを読んでしばらく放って、2編めが博多の話だったのでここまで読んで、読みたいという方に差し上げた。恋愛・結婚ものは読まないわけではないが、正直好きではない。映画もそう。私のクセ、だ。次は恩田陸「不安な童話」を会社行き帰りの本にして、家ではハードカバーを読もうと思う。また書評はアップする。
木曜の飲みは、会社の新人たちとの懇親会で、礼儀正しく、理想と希望を語るキラキラした若者たちに、情けないことに?元気を貰ったような気がした。今週末は東京。色々片付けなくっちゃあ。ではきょうはこのへんで。
0 件のコメント:
コメントを投稿