◼️トム・ラス、ドナルド・O・クリフトン
「心の中の幸福のバケツ」
この話を聞いた時は革命的な匂いがした。
心掛けでかわる生産性の上げ方ー。心のバケツに水を入れよう。
著者トム・ラスの祖父は大学で心理学を教えている時、心理学の研究といえば不安の分析など、ネガティブな面に関するものばかりだった心理学に疑問を持ち、ポジティブ心理学を始めた方。この本は死の病気と戦う祖父とともに取り組んだ作品である。
バケツとひしゃくの理論。
人は誰でも心にバケツをもっている。バケツの水があふれているときが最高の状態だ。逆にバケツが空のときが最高の状態だ。
バケツのほかにひしゃくも持っていて、誰かのバケツに水を注げば、自分のバケツにも水がたまる。
本は朝鮮戦争で捕虜となったアメリカ兵に北朝鮮が行った心理的プログラムとも言えることから始まる。残酷な刑罰を与えたわけではない。食料と水は十分に与えられ、居住スペースも確保されている。しかし、アメリカ兵のなんと38パーセントが死亡していたことが分かったー。
心理的な状態で、人の死亡率は上がるのだ。
また、アメリカ人の65パーセントは職場で一度も褒められたことがないという調査結果があり、会社を辞める最大の理由は、自分が正当に評価されているとは思えないこと、だそうだ。
バケツの水を汲み出すような言動のある職場は結果的に会社に損失を与え、逆に水を入れる職場は生産性も上がるー。バケツに水を入れ、人が何度も読み返し支えにする言葉は、ちょっとした、さりげない一言だったりする。
まずは、この例えが素晴らしい。そう、心のバケツに、渇きを癒し潤わせる水。そして物理的に逆を行く、自分のバケツの水も増える、という流れ。その通りだなあと思えるし、心のセンスにひっかかる。
褒める、認める。そうなのだ。けっこう会社というところはなかなか褒める言葉を言わないところになっている。昔若手の頃、HPに、ちょろっとでも良い言葉をくれたら、仕事の苦労も報われるのに、と書いたことがある。人間はそういう生き物。「よくやった」それだけでいいのだ。
また、最近仕事のやり方を考えて変えたタイミングでこの言葉に出会ったのはいいタイミングだった。うつうつしててもしょうがない。ポジティブにしたほうが周りもこちらも気持ちがいい。
もちろん褒め認めたら全てがうまくいくわけじゃないと思う。質が高まらない恐れもある。ただ、言って当たり前、でも大半が出来てない、ということに光を当てたのは大きい、と思う。
水を入れる、心がけよう。
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