日曜日は会社に着ていくストレッチパンツ新しいのを買ってきた。お気に入りで、黒はもう4代目くらいである。ウエストを迷った。すでに76㎝楽めに入るが、ピタッとしたパンツなのでもうワンサイズ上にしとこうか・・結論は、ストレッチで伸びるだろうから76のまま。
体重が60㎏を切ったとき、次の目標は58キロ&ウエストもうワンサイズダウンと定めたが、ストレッチパンツではウエスト達成してしまった。
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」
読んでみた。やはり少しジンとした。構成と思い入れの妙を感じる、児童小説。
中学生のコペルくんと友人たちの話、叔父さんからのノートによる示唆、そしてクライマックスは誰でも遭遇したことのあるような出来事。友情を裏切ってしまったコペルくんは熱を出して悩みます。
出来事があって、叔父さんの訓示が繰り返されます。この作品は1937年の発表ですが、今読んでも叔父さんの書き方は理知的であり、現代にも充分説得力があると思います。特に時代による思想的な偏りは感じませんでした。
キャラ造形も上手でまっすぐ。エピソード中での少年たちのリアクションは自然で、リアルな感が漂います。また楽しそうな時は読んでてこちらも微笑ましくなります。
クライマックスの解決シーンが爽やかでジンと来ます。それに続くコペルくんの自宅の庭でのお話も希望を抱かせます。
正直言うと、ちょっと叔父さんの言うことがくどいな、と思ってしまうところもあって前半は訴えかけるものはあまりなく、後半の成り行きも読めるのですが、それでも心に響くから名作なのかなと。言葉の点ではたくさんの工夫があるようです。
児童小説ということもあり、登場人物の善悪がはっきりしています。筋もひねりなくまっすぐ。でも、著者の知性と意気込みを十分に感じさせる作品でした。
「現代詩手帖 6月号」
「月に吠えらんねえ」の特集があったので、買って読んでみた。文芸誌これが初めてじゃないかな。
清家雪子さんという方が描いているマンガ「月吠」は◻︎街(詩歌句街)という架空の街で、萩原朔太郎モチーフの朔くん、同じく北原白秋の白さん、旅に出るが朔くんの親友で旅に出る室生犀星の犀さんらを中心に、数々の文豪をからキャラ造形した人物が出演する。時空も自在で、ひとつのテーマは戦争詩、文壇の戦争協力。最初はわけわかんなかったが(笑)、2巻め以降は1つの巻にいくつかのヤマが設定されていて、訴えかけてくるものが強い。(中原)チューヤくんや石川(啄木)くん、ミヨシ(達治)くんもいいキャラである。
今回は雑誌全体170ページくらいのうち70ページほどが「月吠」に割かれている。書き下ろしマンガ特別編、著者ロングインタビュー、現代の関係者たちの、切り口を変えた解題コラムのようなもの、対談などなど。半分以上分かんないながらも全部集中して読んだ。もちろん「月吠」特集以外は読んでない。(いばってどうする)
半分以上分かんないのは、以前買い続けていた「天文年鑑」なんかもそうだが、どこか気持ちいいもんである(M入ってる?^_^)
意外だったのは、前橋文学館で「月吠」の展示やイベント、グッズ販売をしたところ、普段はおじさんばっかりなのに、女性がたくさん来て、グッズもたくさん売れたとか。ちゅーか、「月吠」が掲載されてるアフタヌーンはどれかというと成人男性マンガ誌というイメージがあるのにそんなに女性に訴求力があるというのにびっくりした。犀さんふうに言うと喫驚りした。
それにしても、文芸的な意味合いを外さず、パロディにして、しかも別の深い意味を持たせて大人的に展開する・・、そして面白いというのは凄い。参考文献もものすごく多いし、清家氏は登場キャラのもとの全集は全て読破するそうだ。
私は普段文芸誌は読まない。友人には芥川賞作品掲載のものを買う人もいるが、ただでさえ積ん読常に多いのに、読んでるヒマがない。しかも詩の雑誌って(笑)。今回は特集以外もチラチラと見て、参考になった。
大きな書店を2つ回ったが在庫切れ。Amazonやセブンイレブンのweb通販サイトでも在庫切れと反響大きかったようだ。そもそもあんまり部数刷らないんだろうけど。
たっぷりの特集、ごちそうさまでした!
芦原一郎「ビジネスマンのための法務力」
大阪府北部地震に関しては、ご心配をおかけしました。私は西宮のバス停で地震に遭ったのですが、最初の縦揺れは目の前の県道をダンプカーが通ったのかな?と思い顔を上げたら横揺れが来て地震と知りました。同時に緊急地震速報が鳴り響きました。
今回の震源地は、私の家がある兵庫から20キロほど離れた大阪市のさらに京都寄りに行った高槻付近で、西宮自体の揺れはそこまで大きくなく、webで震度6弱というのを見てびっくりした次第です。
そのあとはバスに乗って駅まで行き、動かないJRを待って時間を過ごしました。その時に読み込んだ本がこれなのです。小さな余震もあるし、電車は遅れがちですが、まったく無事です。大きい余震に注意、ですな。まあ阪神大震災、東日本大震災両方に遭ってるから意識はあります。
さて、たまには自己啓発、と思い読んでみた本だったが、それなりに面白かった。リスクセンサー、怒る人を考える、記者会見テストなど分かりやすいプロセスが説明されている。
ビジネスの事例も難しいものではなく、2度同じ例を使って掘り下げてある。リスク受容の時にすべきことを尽くす「デュープロセス」はためになった。
もちろん日々業務上の難題に早々に直接当てはまるものではないかもだが、考え方をまとめるのに役立った。まーたまにはね。
さあ!コロンビア戦だー!
寺山修司「ポケットに名言を」
名言集では、そうそう心に残るものは少ない。でも楽しい。自分が読んだ本の中から書き留めておこうかな、という気にさせられる。
寺山修司が、哲学書、小説、詩集、映画のセリフから日本の流行歌などの中から選んだ名言を集めた作品。テーマが設定してある。人生、孤独、幸福、冒険と死、など。
シェイクスピアの言葉が散見された。太宰治の「女生徒」や「晩年」もいくつかあった。ドストエフスキーも複数。これだけの言葉を紹介するのは、ノートに書き留めていたからのようだ。なかなか楽しい。
叔母の言ふ。「お前はきりやうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。お前はからだな弱いから、心だけでもよくなさい。お前は嘘がうまいから、行ひだけでもよくなさい。」
(太宰治「晩年」)
太宰はやはり文章そのものが面白かったりキラリと光ったりする。
「想像力の消耗からも、人はその家庭を愛するようになってくる。」
(萩原朔太郎)
我らが朔ちゃん。なんか分かるような。マンガのキャラが眼に浮かぶ、というか所帯を持つイメージがない。(笑)
「あらゆるできごとは、もしそれが意味をもつとすれば、それは矛盾をふくんでいるからである。」
(ヘンリー・ミラー「北回帰線」)
なんか、真実というよりは好みのような気もするな。芸術的方向。
「賭博は人生では決して味わえぬ敗北の味がある。」
(寺山修司「遊撃とその誇り」)
賭博というと聞こえが悪いが、マージャンとかパチスロで私も味わったことがある。これはその通り(笑)。
もひとつ寺山修司。
「あたしの孤独を持上げようとするのは小学校でならったライト兄弟の飛行機!
あたしの右の翼はあたしの苦しみです。あたしの左の翼は革命です。
あたしが飛ぼうとすると、この寒い空の上から心臓までまっすぐにオモリを垂らそうとするのは誰ですか?
あたしは、いつかは飛ぶのです。ここより高い場所がきっとある。」
(新宿版千一夜物語)
この詩にはちょっと感じてしまった。寺山修司は初読みだった。「書を捨てよ、町に出よう」も読んでみようかな。
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